平成3981日目
1999/12/02
この日のできごと(何の日)
【小渕恵三首相】ヨルダン・アブドラ国王と会談
小渕恵三首相は2日夜、ヨルダンのアブドラ国王と首相官邸で会談し、ヨルダンの対外債務の負担軽減策として、今年から2001(平成13)年まで3年間で総額4億ドルの包括的な経済支援を行うことを明らかにした。
支援内容は①日本への債務のうち、150億円を対象に金利引き下げを含む返済繰り延べ②観光分野開発に7000万ドルの円借款供与③干ばつ被害に世界食糧計画(WFP)を通じた57万ドルの食糧支援−など。
アブドラ国王は「2月にフセイン国王が死去してヨルダンが厳しい状況にある中で、日本の支援に感謝する」と謝意を示した。
首脳会談後、外相臨時代理の青木幹雄官房長官とハラフ副首相が債務繰り延べなどに関する書簡を交換した。
首相は中東和平交渉に触れて、今年9月のイスラエルとパレスチナによる合意支持を表明。両者による来年2月のパレスチナ自治区の地位、エルサレムの帰属などを決める恒久的地位交渉での基本合意実現に期待を表明。国王は「中東地域安定のための日本の役割に感謝する。さらに和平プロセスに積極的に関与することを期待する」と述べた。《共同通信》
小渕総理は3日、国賓として来日したヨルダン・ハシミテ王国のアブドラ国王と会談した。
小渕総理とアブドラ国王は、安定し繁栄したヨルダンが中東地域全体の安定化に直結していることに関し、共通の認識を示した。小渕総理は、1994年にイスラエルと平和条約を締結するなど、中東和平プロセスの推進に尽力した故フセイン国王陛下の勇気を賞賛し、前国王の路線を継承されアブドラ国王の中東和平に対する貢献を賞賛した。
また、現下のヨルダンの経済的困難を克服する努力を我が国として支援していくため、3年間で約4億ドルのヨルダンに対する経済支援パッケージを発表した。《首相官邸》
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【石川県警】がんの妻を車生活で死なせた夫を逮捕
石川県警津幡署は2日、がんが悪化した妻を医師に見せず、ワゴン車内に寝かせたまま死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで住所不定、元会社経営者清水久典容疑者(52)を逮捕した。
調べによると、清水容疑者は、昨年12月に大腸がんの手術を受けた妻(41)ががんを再発する恐れがあることを知りながら、今年3月ごろからワゴン車内で生活を続けた。11月ごろから妻の症状が悪化したのに必要な医師の手当てを受けさせず1日、富山県氷見市内で死亡させた疑い。
清水容疑者は「金がなく、妻を病院に入れられなかったことが悔やまれる」と供述しているという。
清水容疑者が経営する縫製会社が昨年11月、倒産して家賃が払えなくなったため、2人は住んでいた石川県七尾市のアパートを出て車内生活を始めたという。清水容疑者は亡くなった妻を車に乗せ、石川県内の親類に葬式を依頼。親類が津幡署に通報した。《共同通信》
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病気の妻を車に放置して死なせたとして、保護者遺棄致死の疑いで2日、津幡署に逮捕された本籍石川県津幡町の無職清水久典容疑者(52)は、経営する会社が倒産後、移り住んだアパートの家賃も払えず、夫婦2人で車中での生活を続けていたことが分かった。
調べでは、清水容疑者は今年3月ごろから、大腸がん再発の恐れがある妻ひとみさん(41)とワゴン車で生活を続け、先月ごろからひとみさんの病状が悪化したにもかかわらず、車内に寝かせたままにして、1日午後、氷見市内で死亡させた。
ひとみさんの死亡を確認した清水容疑者は親類に葬儀を依頼するため、津幡町に立ち寄り、親類が津幡署に届け出た。
ひとみさんは昨年12月、七尾市内の病院で大腸がんの手術を受け、医師から再発の可能性があると告げられていた。清水容疑者の経営する縫製会社は昨年11月に倒産し、移り住んだアバートも家賃が支払えず、2人で車で日々過ごしたという。
調べに対し、清水容疑者は「金がなかったので病院に連れて行けなかった。妻もそれを納得していたが、今思うとやはり病院に連れていけば良かった」と悔やんでいるという。《北國新聞》
【光岡自動車・我流Ⅱ】発表
光岡自動車(富山市)は高級車市場の需要拡大をにらみ、日産・セドリック車をベースにしたオリジナルカーの「我流Ⅱ」を開発、2日、大阪市住之江区のインテックス大阪で開幕した第1回大阪モーターショーに出展した。同日から受注を始め、来年2月から月間20台を目標に生産する。
初代「我流」(2000cc)は日産・クルー車をベースに平成8年2月発売し、これまで1100台を販売した。さらに排気量を大きくした魅力的な車が欲しいとの顧客ニーズから、我流Ⅱはスタンダード(2500cc)とデラックス(3000cc)の排気量を上げた2機種を投入した。
全長5.14メートルが、全幅1.77メートルは、全高1.45メートルで、縦長グリルで、ダークグレーパールなどボディーカラーを3色そろえ、高級感と存在感を出した。V6エンジンを搭載している。
車両本体価格はスタンダードで397万円、デラックスで457万円となっている。《北國新聞》
【日本カー・オブ・ザ・イヤー】ヴィッツ3兄弟が受賞
自動車評論家らで組織する「日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会」は2日、平成11−12年のカー・オブ・ザ・イヤーにトヨタ自動車の「ヴイッツ」「プラッツ」「ファンカーゴ」を選んだ、と発表した。
排気量1000−1500ccのいわゆる「スモールカー」で、3車種合わせて10月には2万8000台も売る大ヒット車となっている。
「スモールカーに新しい価値観を持たせることに成功した」のが授賞理由。共通の車台で開発された兄弟車のため同時受賞となった。
2位となった本田技研工業のスポーツカー「S2000」は特別賞に。3位は「日本自動車研究者&ジャーナリスト会議」(RJC)のニューカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた日産自動車の高級車「セドリック」「グロリア」だった。輸入車の最優秀は英国ローバーの「ローバー75」に贈られた。《共同通信》
【村山訪朝団】労働党と協議
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問中の超党派議員団(団長・村山富市元首相)は2日午前、平壌市内の万寿台議事堂で朝鮮労働党との全体会議を開き、双方は、前提条件を付けずに早期に国交正常化交渉を再開させることが必要との認識で基本的に一致した。
労働党の金容淳書記は「条件のない対話に持っていくのなら疑いなく良い結果が出てくる。その前に人道問題を解決するなら国交正常化の対話に良い環境ができる」と強調した。
金書紀は日本人拉致疑惑の存在を否定して強く反発しながらも「そういう問題の調査を人道的にすることは世界中の国々でやっている」と述べ、前向きに対応する姿勢を示唆した。
冒頭、金正日総書記あての小渕恵三首相の自民党総裁規書を手渡した。《共同通信》
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朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪れた超党派議員団(団長・村山富市元首相)は2日午後、平壌市の万寿台議事堂で朝鮮労働党の金容淳書記と協議を続け、国交正常化交渉を年内に再開するよう両政府に勧告することで合意した。
食糧支援、日本人拉致、日本人妻の里帰りなどの人道問題については、政府間交渉と並行して協議することで一致。このほか①拉致疑惑は「行方不明者」として調査②来年早々の労働党代表団の訪日−でも合意した。3日に共同合意声明を発表する。《共同通信》
【参院法務委員会】オウム2法案を可決
オウム真理教に対する団体規制法案と被害者救済のための破産特例法案が2日午後、参院法務委員会で、自民、自由、公明の与党3党と民主党の賛成多数で可決した。共産党は団体規制法案には反対、破産特例法案には賛成、社民党は両法案とも反対。両法案は3日にも参院本会議で可決、成立する。
政府は教団幹部の今月末の出所に対する住民感情などを考慮して、法律施行を当初予定の29日より早める方向で検討しており、年内にもオウム真理教に対する観察処分を請求すべきだとの意見も出ている。
政府提出の団体規制法案は、過去10年以内に無差別大量殺人(破防法の政治目的殺人)を行った団体を対象に、施設への立ち入り検査や報告義務を課す観察処分(3年以内)、危険性の増大防止のために施設の取得・使用禁止などの規制をする再発防止処分(6カ月以内)などを主な内容としている。《共同通信》
【WTO閣僚会議】3日目
世界貿易機関(WTO)閣僚会議は3日目の2日、最大の焦点だった農業分野で、環境保護など「非貿易的関心事項」にも配慮しながら、一定期間にわたり相当な自由化を推進することを柱とする閣僚宣言案で大枠で合意した。
各国の利害が激しく対立する農業分野での大枠合意により、閣僚宣言作りは3日の採択に向け大きなヤマを越えることになり、WTOは次期多角的貿易交渉(新ラウンド)開始に前進する。
日本や欧州連合(EU)が主張してきた「農業の多面的機能への配慮」と米国などが求める「農産物の工業品並み取り扱い」はいずれも宣言案に盛り込まれず、痛み分けの形になった。《共同通信》