平成1151日目
1992/03/03
この日のできごと(何の日)
【宮澤喜一首相】「尖閣諸島は我が国固有の領土」
宮澤首相は3日、沖縄振興開発特別措置法などの改正案をめぐる衆院本会議質疑の中で、中国が尖閣諸島の領有権を明記した領海法を発効させたことに関し「尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いない」と強調した。首相は「わが国は現在、(尖閣諸島を)有効に支配していると考えている」と述べ、同諸島に対する日本の実効支配が現時点でも続いているとの認識を表明した。
首相はまた日本政府としてはこの立場を貫く方針を示すとともに、同問題が「日中関係に悪い影響を及ぼさないよう中国側にも善処を求めていく考えだ」と述べた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【連合・山岸章会長】利下げ要望
連合の山岸章会長は3日、連合組織内議員懇談会の臨時総会であいさつし、景気対策に関連して、「第四次公定歩合引き下げを早急に実施してもらいたい」と述べ、日銀の利下げ実施を強く要望した。労働界首脳が直接、公定歩合引き下げに言及するのは極めて異例のこと。
利下げを求めた理由について、「経営者側は必要以上に、現在の景気調整局面を深刻に受け止めている。このままでは、今月下旬の賃上げ交渉の展望は暗い。環境整備する必要がある」と述べた。これは、今春闘の賃上げ交渉の厳しさを認一め、この現況打開のためには公定歩合引き下げが必要との考えを示したものだ。
さらに、自民党の金丸副総裁が2日、社会党の一部と竹下派を軸とした新党結成構想を表明したことについて、「自民党の派閥と社会党右派などの一部勢力が合体することはありえない」として、強く批判した。《読売新聞》
【撚糸工連汚職】元代議士に逆転無罪判決
撚糸工連移植事件で受託収賄罪に問われた元民社党衆院議員横手文雄被告(56)の控訴審判決公判が3日午後、東京高裁で開かれた。
堅山真一裁判長は「現金の出入りをうかがわせる帳簿やメモなどの物証が全くなく、現金の授受を証言した贈賄側の供述に根本的な疑問があって信用できない。一審判決には事実誤認がある」として、懲役2年、執行猶予3年とした一審・東京地裁の有罪判決を破棄、同被告に逆転無罪を言い渡した。《共同通信》
【日教組】柔軟姿勢、より鮮明に
日教組(大場昭寿委員長)の第74回臨時大会が3日、東京・一ツ橋の日本教育会館で開かれた。あいさつした大場委員長は懸案の「日の丸・君が代」問題について「君が代の(学校行事での斉唱)率は低いものの、日の丸の(学校での掲揚)率がかなり高くなっていることは事実だ。従って私たちは、これまでの見解を堅持しながら対応するとしても、正しい歴史認識を養う教材を作るための自主編成の取り組みが重要になる」と述べた。
これは、同問題に対する明確な態度表明を避けながらも、社会党シャドーキャビネットの島崎譲・文化教育委員長が打ち出した「日の丸」の条件つき容認方針に「深い疑義」を示した昨年12月の中央委員会での発言からは大きくトーンダウン、柔軟姿勢を見せたものだ。大場委員長のこの日のあいさつや規約からの「スト条項」削除は、一昨年来の日教組の現実追認路線をより鮮明にした形だ。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】定数を抜本是正
宮澤首相は3日の衆院予算委員会での「政治改革」集中審議で、衆院の定数是正への取り組みについて、「抜本的是正を検討するとした昭和61年5月の国会決議が、各党が一致したただ一つのベースと考えている」と指摘したうえで、「決議を読むと、四増四減ということでは、決議の趣旨には合わないだろう」と述べ、国会決議に沿った抜本是正を目指すべきだとの考えを表明した。
これに関連して塩川正十郎自治相は、「昭和61年5月の決議で(抜本是正を行うという)国会の意思がはっきり示されている。定数是正をこうしろというなら、決議を取り消すのかどうか明確にしないと議論が進まない」と述べた。そのうえで、自治相は与野党政治改革協議会で、①衆院の総定数をどう定めるか②一票の格差を何倍以内とするか③過疎、過密問題にどう配慮するか④二人区、六人区の扱いをどうするか―の四点について早急に結論を出すよう求めた。
さらに首相は、公職選挙法の連座制強化について、「本当に反社会的なものについては、連座制を強化する方向で考えていただくと、非常に効果があると思う」として前向きの姿勢を示した。
一方、和田静夫氏(社会)が「政治資金をすべて指定の銀行口座に振り込ませ、透明性を確保する指定口座制導入を検討すべきだ」と迫ったのに対し、塩川自治相は「(政治資金の透明性確保のために)有効な方法だと考えている。(与野党間で)検討を願いたい」と述べ、同調する姿勢を示した。《読売新聞》
【日立製作所】女性従業員が差額賃金支払求め提訴
女性という理由だけで、昇格や賃金で不当な差別を受けたとして、日立製作所(東京都千代田区、金井務社長)の女性従業員9人が3日、同社を相手取って、正当な昇格による地位の確認と差別による差額賃金などの支払い約3900万円を求めた訴訟を東京地裁に起こした。
訴えたのは、同社の中央研究所や工場などの事業所に勤務している勤続23年から29年の事務識や技術職の女性。
訴状によると、女性従業員らは、同期入社の男性と比べ、昇格が遅れ、賃金が低く抑えられたことで、現在、月額で約11円から約5万2000円少ない賃金しか得ていない。女性従業員らは、差別がなければ昇格して得た地位の確認と、昭和63年から3年間に支払われなかった差額賃金、慰謝料を求めている。
この提示について同社は「男女差別の事実は一切ない」としている。《読売新聞》
【ゴルバチョフ財団】発足
世界平和の増進に寄与するための「ゴルバチョフ財団」の創設記念レセプションが3日、モスクワ市内の同財団ビルで、ライサ夫人や中曽根元首相らも出席して盛大に開かれた。財団理事長であるゴルバチョフ氏は、「これまで、この国には政治、経済を真剣に分析する機関がなかった。この財団は、政治状況を正確に分析し、国内の安定と世界の平和に貢献することを確信する」とあいさつした。
また、中曽根元首相は、「冷戦も終わり、東も西も無くなった。しかし、歴史は終わったのではなく、これからが歴史の始まりだ。今日は、その第一ページとなる日だ」と述べ、財団創設を祝った。
会場にはルツコイ・ロシア副大統領、シェワルナゼ元ソ連外相、ヤコブレフ元大統領首席顧問など、ロシアの政界、学界などから約500人が詰めかけた。《読売新聞》