平成1146日目

平成4年2月27日(木)

1992/02/27

【水戸地裁】婦女暴行事件裁判で「DNA」証拠能力を初認知

茨城、栃木両県で若い女性を狙った婦女暴行などの罪に問わた群馬県大泉町、無職A被告(43)に対する判決公判が27日、水戸地裁下妻支部で開かれ、市川頼明裁判長はDNA(デオキシリボ核酸)鑑定結果などから、A被告に懲役10年(求刑同12年)の実刑判決を言い渡した。DNA鑑定をめる裁判では、これまでも判決書に引用する形で証拠価値を認めたケースはあるが、被告が無罪を主張した裁判で証拠価値を積極的に評価した判決は初めて。

A被告は昨年1月、栃木県佐野市と茨城県古河市で若い女性が運転する乗用車を無理やり停止させて乗い込む手口で連続婦女暴行事件を起こしたとして起訴された。

この事件では警察庁科学警察研究所が新方式のPCR増幅法と呼ばれる手法を含む四種のDNA型鑑定を実施、犯人とA被告は同一人物という鑑定結果が出たが、被告は犯行を一貫して否認し、「(DNA鑑定で)なぜそのような結果が出るのかわからない」と主張していた。

判決の中で、市川裁判長はDNA型鑑定について「血液型と併用した鑑定から、1600万人に1人の確率で(被告のものと)一致すると認められる」と述べた。PCR増幅法は1985年にアメリカの研究者によって開発された。《読売新聞》



【衆院予算委員会】阿部元長官喚問で対立

衆院予算委員会は27日午後、自民党理事と野党各党理事の個別協議も含めて断続的に理事会を開き、共和汚職の阿部文男元北海道、沖縄開発庁長官の証人喚問問題を協議した。

野党側は、共和絡みの政界疑惑解消のためには避けて通れないとして改めて阿部元長官の証人喚問実現を要求。これに対し、自民党は阿部元長官が刑事被告人として裁判を控えていることを理由に野党の要求を拒否、話し合いは28日午前9時40分からの理事会に持ち越した。

このため予算委の審議は28日から再び空転する公算が大きくなっており、3月11日ごろとされていた予算案の衆院通過もさらにずれ込むことが必至となった。《共同通信》

【自民党・金丸信副総裁】日銀を批判

自民党の金丸副総裁は27日昼の竹下派総会であいさつし、景気が下降局面にあることから現在4.5%の公定歩合をさらに0.5%引き下げるとの考えを重ねて強調するとともに、宮沢首相の政治決断を求めた。

金丸氏は「日銀は政治家の感覚とは違っているようだ。あの時(昨年末)、1%引き下げていたら景気も急に下降することはなかった」と述べ、経済界や自民党などから高まっている利下げ要求に応じない日銀を批判した。《共同通信》

【渡辺美智雄外相】スロベニア・ルーペル外相と会談

渡辺美智雄外相は27日午前、外務省で、非公式に来日中のスロベニアのディミトリー・ルーペル外相と約15分間、会談した。

渡辺外相は「日本はまだスロベニアを承認していないが、タイミングをみている。承認の大きな障害になることはなく、ご要望に沿えると思う」と述べ、時期をみてスロベニアを国家承認する考えを表明した。

これに対し、ルーペル外相は「日本のスロベニア承認はユーゴスラビア情勢の進展にも好影響を与える」と早期承認に強い期待を示すとともに、独立を宣言しているクロアチアなども承認するよう求めた。

スロベニアは昨年6月、ユーゴスラビアから独立宣言し、これまでにドイツなど四十数か国が国家承認しているが、日本、米国、中国などは未承認。《読売新聞》

【豪・キーティング首相】英国批判

オーストラリアの国家元首でもある英国のエリザベス女王歓迎レセプションでさる24日、「わが国の前途は独立にある」と豪州の共和制制移行を支持する演説をしたキーティング豪首相(労働党)が今度は27日の国会で、「女王に礼を失した」という野党自由党の批判にこたえて、歴代の豪州首相で最も厳しい英国批判を声を荒らげて展開した。

この中で首相は、英国が第一次大戦中、マレー半島、シンガポールを放棄し、日本の侵略から豪州を守るためヨーロッパ戦線から豪州兵を引き揚げるのを拒否したこと、さらに豪州を踏み付けにして、ヨーロッパ共同市場に加入したことを列挙、「これが野党が執着している国(のやり方)だ」と述べた。

また「野党は豪州を50年代に逆戻りさせようとしている」「保守党(自由党)の英雄であるロバート・メンジーズ元首相は積極的な豪州人ではなく、豪州の文化に誇りを持っていなかった」と攻撃した。

首相は、蔵相時代から議会での激しい毒舌で知られている。

女王訪豪中、英国の大衆紙は、首相が女王の背中に手を回して誘導したり、首相夫人が二回にわたって、女王におじぎをしなかったのを「女王対する侮辱だ」とセンセーショナルに報道した。これに同調した君主制支持派の自由党の批判に、共和制派の立場から激しく反発したものと見られる。

この論争は来年の総選挙の争点にもなりそうな気配だ。《読売新聞》

【セルビア・ミロシェビッチ大統領】ユーゴ内戦終結を宣言

ユーゴスラビア・セルビア共和国のミロシェビッチ大統領は27日、同共和国議会の冒頭で演説し、「国連安保理の平和維持軍(PKF)派遣決定は、クロアチアに住むセルビア人に対する暴力行為の終結であり、平和解決の始まりを意味する」と内戦終結を宣言した。

これは、PKF派遣によって、セルビア人中心の連邦軍が初めてクロアチア共和国内から撤退し、約1万人とも言われる犠牲者を出した内戦がようやく終結し、政治解決への新局面が開かれることを意味する。

しかし、同時に、セルビア主導で進めている。「第三のユーゴ」建設については、「セルビアは独立よりも、モンテネグロ共和国と新たなユーゴを形成する道を選ぶ」と述べ、積極的に取り組む意向を見せた。

またクロアチア共和国と戦争状態にあったことを初めて認めるとともに、「クロアチア共和国内のセルビア人に対し、武器、食料などの援助をしていた」と語り、「今後もセルビア共和国外に住むセルビア人を援助しなければならない」とするなど、大セルビア主義を完全には放棄していないことを示した。《読売新聞》



2月27日のできごと