平成1152日目

平成4年3月4日(水)

1992/03/04

【新潟簡裁】親に子への賠償命令

預けていた漫画本を祖母(故人)が勝手に捨てたのは不法行為に当たるとして、神奈川県相模原市に住む男性(25)が、祖母の相続人で債務を継いだ形となった実の母親(60)らを相手取り損害賠償を求めていた裁判で、新潟簡裁(五十嵐力裁判官)は4日、原告の請求を認め、母親らに約20万円の支払いを命じる判決を言い渡した。寄託契約をめぐる親子間のトラブルが法廷に持ち込まれ、親に子供への損害賠償支払いを命じる判決が出たのは極めて異例。

訴えによると、この男性は、母親らとともに昭和57年に新潟市から相模原市に引っ越した際、幼いころから宝物にしていた「冒険王」や「テレビランド」などひとそろいになった少年向け漫画雑誌、学習研究社の「学習」「科学」などの学習雑誌合わせて516冊とその付録を、新潟市に住む祖母(63年12月に死亡)に預けた。ところが、その後、祖母が本を捨ててしまったとし、祖母の相続人で一緒に住んでいる母親と、おじ、おばの3人を相手取り、30万円の損害賠償を求めて昨年10月に提訴した。

おじとおばは、祖母と同居していなかったので原告が本を預けたことも、祖母が本を捨てたことも知らなかったと主張。母親は祖母が息子の了解を得たうえで捨てたと反論、3人とも全面的に争う姿勢を示し、計3回の口頭弁論が開かれた。しかし、先月19日の弁論で、母親らが「早く裁判を終わらせたいので、不本意ながら原告の主張を全面的に認める」と述べたため、証拠調べや、法的な争いもないまま結審した形となった。

親族間のトラブルは、家庭裁判所の調停にもちこまれるのが通常だが、原告が「第三者に本を捨てた責任を明確にしてほしい」と主張したため裁判となった。裁判所の勧告により1月に行われた和解交渉も決裂した。《読売新聞》



【福井県三国町】小6男児4人が「男に連れ去られた」と「狂言」

三国町加戸小から3日午後、「6年生の男子児童4人が登校途中に車で連れ去られそうになった」と三国署に連絡があった。同署は逮捕監禁事件として捜査を始めたが、4日になって、遅刻したら先生に怒られると4人で相談し「男に連れ去られた」とうそを作り上げていたことが分かった。

三国署の調べによると、児童4人は当初、学校に行く途中の午前8時15分ごろ、加戸小近くの町道で、白色の車に乗った男に「おい、ちょっと待て」と呼び止められ、次々と車の中に連れ込まれたと説明。約2.7キロ走行し、車の中で騒いだところ、男が4人に「降りろ」と言い、車から降ろされた。男はそのまま走り去ったと話していた。

4人は1人の母親に「連れ去られそうになった」と連絡。この母親が学校へ通報し午前9時ごろ母親の車に乗って登校した。

三国署は付近の聞き込みや、町内の小中学校などを張り込みし、全署員態勢で犯人発見に努める一方で、▽男1人で、6年生の児童4人を次から次へと車に引きずりこめるか▽わずか2.7キロ車で走っただけなのに男の人相があまりにも詳細なので不審を持った。

4日になって児童から改めて詳しく話を聞いたところ、4人は「午前8時半ごろまで、テレビゲームをしたり、近くの草むらで寝転がりながら遊んでいた。遅刻しそうになったからうそをついた。知らない人についていかないよう学校で注意されていたので、逆にその話を利用した。こんな大きな話になるとは思わなかった」と打ち明けた。《福井新聞》

【社会党、民社党】政治腐敗防止「野党統一案に全力」

山花・社会、米沢・民社両党書記長は4日、遊説先の仙台市内のホテルでそろって記者会見し、今国会の焦点である政治腐敗防止に向けた法整備について、「公明党とも一緒に野党の統一案を作る考えだ」(山花氏)、「一本にまとめて野党が共同していくべきだ」(米沢氏)と述べ、公明党を含めた野党統一案づくりに全力をあげることで一致した。

さらに、山花氏は「腐敗防止と政治倫理確立の緊急立法措置をとりたい」と強調。平成四年度予算案の衆院通過後をめどに政治改革協議会を開き、与野党間のすり合わせ作業を開始したいとの意向を表明した。《読売新聞》

【アルジェリア】FISに解散命令

アルジェからの報道によると、アルジェリアの行政法廷は4日、ベルヘイル内相から提出されていたイスラム原理主義政党、イスラム救国戦線(FIS)を憲法違反とする訴えを認め、FISの解散命令を出した。

軍部を背景とする国家最高委員会は先月9日、一年間の国家非常事態宣言を布告、FISの反政府活動の封じ込めを狙っていた。

検察官は宗教、人種、地域に基づく政党結成を禁止している憲法に違反しているとして、解党を主張した。FISは一週間以内なら最高裁に上告できるが、まだ態度表明はしていない。

これに先立ち、解散命令を予測していたFISは2日、同党幹部のなかでただ一人逮捕を免れ、逃亡中のアブデラザク・ラジャム師の名前で声明を出し、「当局側がもし解散命令を出せば、アルジェリアは先の見えない事態に直面する」と警告した。

FISは上級幹部が根こそぎ逮捕され、指揮系統が失われているため、全国的規模の武力闘争は不可能との見方もあるが、党解体の危機に直面したFIS支持者が絶望感から治安部隊と再衝突する恐れもある。《読売新聞》

【ゴルバチョフ元ソ連大統領】ドイツ訪問

ゴルバチョフ元ソ連大統領が4日、ライサ夫人とともにドイツを訪問、大統領辞任後2か月半ぶりに新たに“民間外交”に乗り出した。ゴルバチョフ氏の外国訪問は昨年12月の大統領辞任およびソ連邦解体後初めて。

今回の訪独は、出版社の招きによるものだが、6日までのボン滞在中は、政府公賓としてもてなされ、コール首相、ゲンシャー外相、ワイツゼッカー大統領のほか、ブラント元、シュミット前旧西独首相らとの会談も予定されている。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】遊説を断念

宮沢首相は4日午後、7日に予定していた参院宮城補選の遊説を最終的に断念した。首相が遊説を見送ったのは地元の自民党宮城県連との日程調整がつかなかったというのが表向きの理由とされているが、背景には「首相の演説は選挙戦にとってかえってマイナスになる」との地元の判断が強く働いた。

応援演説して大敗を喫した2月の参院奈良補選に続き、宮城補選では二転、三転の揚げ句応援にすら行けなくなったことで、内閣支持率が急落している首相にとっては大きなダメージとなった。《共同通信》



3月4日のできごと