平成3604日目

1998/11/20

この日のできごと(何の日)

【プロ野球・ドラフト会議】

プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)は20日、東京都内のホテルで行われ、横浜、西武、日本ハムの3球団が1位指名した横浜高の松坂大輔投手は抽選の結果、西武が交渉権を獲得した。しかし松坂は会見で「外れたなという感じです。甘くはなかった」と話し、「気持ちは今までと変わっていない。オリンピックもあるし3年間は長く感じないでしょう」と事実上の社会人入りを表明、西武入りを拒否する姿勢を示した。

2球団が1位で争った新垣渚投手(沖縄水産高)はオリックスが交渉権を得たが、入団拒否を表明し、九州共立大への進学を宣言した。

松坂を抽選で外した横浜は、古木克明内野手(愛知・豊田大谷高)、日本ハムは実松一成捕手(佐賀学園高)を、新垣を外したダイエーは吉本亮内野手(熊本・九州学院高)をそれぞれ1位指名した。

高校生を単独で1位指名したのは3球団。ヤクルトは石堂克利投手(愛知・愛工大名電高)、広島は東出輝裕内野手(福井・敦賀気比高)、阪神は藤川球児投手(高知商業高)との交渉権を得た。《共同通信》

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【大相撲九州場所】13日目

大相撲九州場所13日目(20日・福岡国際センター)ベテラン琴錦が史上初の二度目の平幕優勝へ大きく前進した。琴錦は2敗の横綱貴乃花を鮮やかに寄り切り1敗を堅持。2敗の平幕土佐ノ海が横綱若乃花を寄り切って1差を保ったが、きょう14日目に琴錦が大関貴ノ浪に勝ち、土佐ノ海が貴乃花に敗れると、琴錦の43場所ぶりの優勝が決まる。両横綱がそろって敗れたのは今場所3日目以来で、琴錦、土佐ノ海とも5個目の金星。若乃花は9勝4敗。大関武蔵丸が10勝目、関脇千代大海が9勝目を挙げ、武双山、出島、琴乃若の三小結はそろって勝ち越した。十両は雅山と和歌乃山が10勝3敗でトップ。《共同通信》

【ザリャー】国際宇宙ステーション初の「構造物」打ち上げ成功

日本と米国、ロシア、欧州諸国、カナダが参加して建設する国債宇宙基地の最初の構造物「基本機能モジュール」が20日午前11時40分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からプロトンロケットで打ち上げられた。

計画提唱から15年近く準備を進めた初の巨大国際プロジェクトが、2004年の完成を目指し、第一歩を踏み出した。《共同通信》

【防衛庁】新長官に野呂田芳成氏

小渕恵三首相は20日、防衛庁背任事件に絡む証拠隠滅疑惑の監督責任を取る形で辞任した額賀福志郎前長官の後任に、野呂田芳成元農相の起用を決めた。同氏は同日夜、認証式を経て正式に防衛庁長官に就任した。

新長官は防衛庁で記者会見し、証拠隠滅疑惑に触れ「国の危機管理をつかさどる防衛庁が、自らの危機管理に十分対応できなかったことは誠に遺憾であり、一日も早く信頼を回復したい」と強調した。

首相は首相官邸で新長官に対し、装備品の調達制度・機構の改革に加え、新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案の成立や沖縄米軍基地問題の解決に全力を尽くすよう指示した。

野中広務官房長官は同日午後の会見で、野呂田氏起用の理由について「官僚としての豊富な経験、政治的力量を持っている。防衛庁の組織再生を期してやっていかなければならない重大な事態なので、首相は野呂田氏を欠かすことはできないと判断した」と述べた。《共同通信》

額賀防衛庁長官の辞任について菅直人代表は20日、談話を発表し、「先の国会において参議院で防衛庁長官問責決議案が可決されており、長官の辞任は当然であるとともに遅きに失する」との見解を表明した。

談話ではさらに、防衛庁が証拠隠滅疑惑にかかわる最終報告を公表し、31人の処分者を発表したことについては「我々の追及の成果であると受け止める」としながら、「組織的証拠隠しの実態、過大請求をめぐる疑惑の全容は解明されておらず、贈収賄も含め新たな疑惑が浮上している」と指摘し、全容解明と物資調達制度の抜本的な改革、官僚の体質改革に取り組む民主党の姿勢をアピールしている。《民主党ニュース》

【米・クリントン大統領】都内で演説

来日中のクリントン米大統領は20日午前、東京都内のホテルで在日米商工会議所のメンバーらを前に日本経済に関する包括演説を行い「アジア経済を安定と成長に導くことができるのは、日本だけだ」と述べ、日本に対して経済再生のために、金融システム改革、内需拡大、規制緩和を通じた市場開放を迅速に実行するよう強く求めた。

また米政府が不当廉売(ダンピング)の疑いを掛けている日本の熱延鋼板輸は「米国の輸入量が500%増となった」として「不公正貿易」との認識を示した。同時に、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が自由化の優先分野に挙げている林産、水産を含む9分野については、今後の世界貿易機関(WTO)協議で日本が積極的な対応を示すよう促した。

同日午後の小渕恵三首相との首脳会談でも大統領は経済問題を中心議題に据え、首相に対し「痛みを伴う改革の断行」を迫る方針だ。

大統領は「今年に入り、アジアから日本への輸出は約130億ドル減少した代わりに、アジアから米国への輸出は50億ドル増えた」と語り、日本がアジア経済回復の「けん引車」として機能していないことに懸念を表明。その上で「(熱延鋼板のような)不公正貿易は、自由貿易に対する米国内の支持を消滅させる恐れがある」と警告した。

また、日本経済の回復は「米国やアジア地域にとっての利益であると同時に「日本国民の利益でもある」と強調。日本が「適正な貯蓄率」を維持しながら、消費増による内需拡大を両立させることは十分に可能だと述べた。《共同通信》

【小渕恵三首相】米・クリントン大統領と会談

小渕恵三首相は20日午後、東京・元赤坂の迎賓館で、米国のクリントン大統領と約1時間半会談した。大統領は会談とその後の記者会見で、日本の金融システム安定化策と24兆円規模の緊急経済対策を評価しながらも、実効が上がらない場合はさらなる景気刺激策が必要との考えを表明。一層の規制緩和と市場開放にも強い期待を示した。

両首脳は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策で、核開発阻止のため地下核施設建設疑惑などに日米韓3カ国が緊密に連携していくことを確認。大統領が新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案の成立に期待を表明したのに対し、首相は早期成立に努力する考えを示した。

両首脳は「世界経済安定のため日米の協調が不可欠」との認識で一致。大統領は「日本経済の回復なくして、アジア経済の回復はない」と強調した。その上で、日本が金融機関への公的資金注入を決めたことを「大きな決断」と評価し、不良債権処理などの措置が「実際に行われることが大事だ」と述べた。 日本の景気対策に関して、共同会見で「アジア経済の安定に役立つもの」と評価する一方で、「十分かどうかは分からない」と述べ、消費拡大の必要性を指摘した。これに関連してサマーズ財務副長官は会談後、米政府としては平成11年度予算以降も継続的な財政刺激策が必要と考えているとの立場を記者団に示し、消費拡大策として消費税率引き下げにも期待感をにじませた。

これに対し首相は、金融機能強化、財政措置、減税の断行によって「一両年中に、はっきり経済が回復するよう努力する」と強い決意を表明した。《共同通信》

【この日の民主党】

民主党の菅直人代表は20日、クリントン米大統領の訪日を歓迎し、「日米両国が国際政治・経済に共同して役割を果たすという前向きな姿勢を両首脳が再確認したことに対し、率直に高く評価したい」とする日米首脳会談についてのコメントを発表した。

コメントでは経済問題について「政府の緊急経済対策は近い将来、日本国民のみならず米国や国際社会の批判を招くおそれがある」として、民主党は先に提案した「構造改革につながる景気・雇用対策」など、「質の高い対案を示すことによって国際的貢献をしたい」と述べている。

核関連施設疑惑など北朝鮮情勢については「日米韓が緊密な連絡を取り合って対応」するよう要望している。

最後に「クリントン大統領も指摘したように、『強い日本』を取り戻すためには痛みを覚悟してもこの国のシステムを変える勇気を持たなければなりません」と述べ、「日本をポジティブに変えることができるのは真の改革路線を掲げる民主党である」とアピールしている。《民主党ニュース》



11月20日 その日のできごと(何の日)