平成6311日目

2006/04/19

【民主党・菅直人代表代行】小泉政権の影を鋭く追及

衆議院行政改革特別委員会で、19日、午前の質疑に続いて午後も締めくくり質疑が行われ、菅直人代表代行が質問に立った。菅代表代行は、小泉政権の5年を総括し、何が残ったのかを6点にわたって示した。

菅代表代行は、その6点を、542兆円の国の借金(内小泉政権での積み増し171兆円)、官製談合(税金の無駄遣い)、地方切捨て、格差拡大、少子化、アジア外交の失敗であるとして、「間違ったのか、どうか所感を」と小泉首相に質した。首相は「良くぞここまでこれた。改革に終わりなし、なので改革に道筋をつけて民主党と改革競争ができるよう、私の後の人も頑張って」と、自らの失政には全く触れず、すり替えの自画自賛答弁に終始した。菅代表代行は、「これが小泉流、中身の議論は一切しない」とこうした首相の姿勢を批判した。

次に菅代表代行は、財政再建に絞って質問。現状を家計に例えれば500万円の年収で、600万円の生活費を使い、ほかに100万円の利息払い、100万円の新規の借金、借金残高は5400万円と言えるとしたうえで、「プラリマリーバランスをとっただけでは、借金総額は減らない。金利が上昇すれば借金は増える。この状況で財政再建したと言えるのか」と質した。首相は「財政再建至上主義ではいけない」などとし、また、景気が回復傾向にあることなど自分の都合のいいことのみを並べ立てた。

菅代表代行は、ポスト小泉の安倍官房長官、谷垣財務相にも財政再建の道筋をどうつけるのかを質した。安倍官房長官は、「6月に歳入歳出の一体改革案を提示する。対GDP比を減ずるようにしたい。分母の経済規模の拡大も」と答え、景気回復による金利上昇による利払いの上昇、借金の増大には触れなかった。谷垣財務相は「債務の削減はそうあらねばならない。今年の収入で、今年の支出を賄うようにするのが2010年代初頭。一つは全体のパイを増やすこと、もう一つは無駄を省くこと」と答えた。菅代表代行は、日本の長期債務の対GDP比が、OECD内ではずば抜けて高く、対GDP3倍もの債務を抱えていることを指摘し、次の質問に移った。

菅代表代行は、格差が拡大しており、非正規職員が300万人増えていること、若い人が結婚しないこと、少子化が進んでいることを取り上げ、この5年間をどう思うかを質した。首相は「雇用改善傾向がみられる」とのみ答え、少子化には答えなかった。また、菅代表代行は、同一労働・同一賃金の法案を民主党が提出したが廃案になっていることを指摘し、制定を改めて求めた。川崎労働厚生大臣は、「チャンスをつくること」と前向きに答えた。

さらに、千葉県の県議会で千葉自民党の反対によって女性センターの新規建設がつぶれたこと、さらに、現在県内唯一の柏の女性センターも廃止されたことを指摘、自民党総裁としての答弁を求めた。首相は「千葉の行政は良く知らない。自治体として男女共同参画をどうあるべきか考えていると思う」と無責任に答えた。

続いて、官製談合を取り上げ、天下りを受け入れた企業には発注しないことを閣議決定すべきだと提案した。首相は「法律違反は厳正に対処。早期退職の慣行、天下り随意契約などをなくすのにどういう方法がいいのか改善策を講ずる」とはしたものの、「一人でも役所から企業に行っていたら、受注できないのか。一律にできないのでは」と答えた。菅代表代行は「官僚組織が小泉改革の聖域となっている。反省すべき」と鋭く指摘した。

この他、菅代表代行は規制緩和に関して、規制緩和そのものはいいが、そのためのチェック機能を設けるべきだと指摘し、耐震偽装を生んだ建築確認の民間開放、ライブドア事件を生んだ株式分割を認めた商法改正を取り上げ、北側国土交通大臣、竹中総務相らにその責任を追及した。北側大臣は特定行政庁でも見逃しがあったとして、「民間開放があったからとは思えない」と答えた。与謝野金融担当相は商法改正ついては「いい法律改正だとも思う。悪用する人がでる。追いかけて対応せざるを得ない」と答えた。

竹中総務相(ライブドアが株式を1万倍に分割したときの金融担当)は「証券取引等監視委員会の人数も増やした」と述べたが、菅代表代行は「金融庁は行政指導ができる。証券取引等監視委員会は金融庁とは別。法律、行政の副作用への対応を立案するのが仕事」だとして、そういう無責任な答弁が「政治家への信頼を失わせている」を厳しく指摘して質問を終えた。《民主党ニュース》




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【小泉純一郎首相】後継内閣も改革路線継承

政府、与党が今国会の最重要法案と位置付ける行政改革推進法案など関連5法案は19日夕、衆院行政改革特別委員会で与党などの賛成多数で可決された。民主党提出の行革推進法案の対案は否決。5法案は20日午後の衆院本会議で採決、賛成多数で可決する見通しだ。

小泉純一郎首相は採決に先立つ特別委の締めくくり質疑で、9月の退陣後の政府の取り組みについて「国民も法案を支持していると示していけば、後の内閣もこの方針に沿って具体的に詰めてくれるだろう」と強調。後継内閣でも行革推進法に基づいて、小泉改革路線が継承されるとの見解を示した。《共同通信》

【この日の民主党】

若手議員、小川遊説局長とともに上野駅頭で政権交代を訴える

19日夕刻、東京上野駅の丸井前において、小川勝也遊説局長(参議院議員)を先頭に、民主党若手議員が政権交代を熱く訴えた。

小川遊説局長は、小泉政権の様々な改革は見せかけの改革であったとし、小沢代表の下で生まれ変わった民主党が政権交代を担っていくと語りつつ、現在千葉県で行われている衆議院補欠選挙が政権交代に向けてもつ大きな意義を語った。そして、駆けつけた若手の衆参院議員を順に紹介し、各議員は道行く人に自らの行政改革と政権交代に向けての考え方を訴えた。

三谷光男衆院議員は、小泉政権の行革法案の内容が空虚であることを指摘し、小沢代表の下で一人ひとりの議員が気を引き締めて政権交代を目指していくと訴えた。

藤末健三参院議員は、小泉政権下で国の借金や不正規雇用が増加した現実を指摘して、淀みをなくすためには政権交代が必要であると訴えた。

小川淳也衆院議員は、自らの中央官庁での勤務経験に触れ、自分たちの代表を誇れる日本を作らなければならないとし、選挙による政権交代を訴えた。

ここで地元の中山義活前衆院議員は、中小企業の留保金課税や多重債務の問題を取り上げ、地元を理解し中小企業の立場に立つ民主党への支持を訴えた。

森ゆうこ参院議員は、小沢代表の唱える共生の理念を世界に発信する国になる必要があるとし、そのためにも特殊法人改革をはじめとする改革の必要性を訴えた。

最後にマイクを握った大島敦衆院議員は、菅代表代行が国会で自民党を追及した論議を紹介し、民主党を支持して政治に緊張感を与えて欲しいと訴えた。《民主党ニュース》



4月19日 その日のできごと(何の日)