平成1403日目

平成4年11月10日(火)

1992/11/10

【自民党】「検事調書問題」告訴を断念

自民党の綿貫幹事長は10日午前、国会内で記者会見し、竹下政権発足時の日本皇民党事件に森政調会長らが関与した、と東京佐川急便事件公判の検事調書で指摘されたため、担当検事らの告訴を検討していた問題について、党としての告訴断念を正式表明した。党執行部と党顧問弁護団との協談の結果、党としての告訴に踏み切るのは法手続き上困難、との判断が大勢を占めたためだ。ただ、森氏らは個人として告訴に踏み切る意向とされ、同日午前の役員会では、森氏らに対し、①党として訴訟を全面支援する②名誉回復に全力をあげる―などを確認した。 告訴問題については、綿貫氏が9日の党四役会議で対応を一任されたのを受けて、党顧問弁護団に具体的対応の検討を要請。弁護団は同日夜、党本部で、①公判の際の検事調書朗読で名誉棄損罪が成立するかどうか②党が告訴人となるのが適切かどうか③東京地検に刑事告訴した場合、受理されない可能性がないか④検察を含む行政の最高責任者である宮沢首相が自民党総裁として検事を告訴することの適否—などについて突っ込んだ協議を行った。 この結果、党として刑事告訴した場合、告訴が受理されない可能性があるうえ、受理されても党に対する名誉棄損罪が成立するかどうか微妙で、場合によっては公判が維持できない、との指摘もあり、党としての告訴を断念した。綿貫氏の告訴断念には、宮沢首相が「検察批判」と受け取られることを懸念し、党としての告訴によって、司法当局との全面対決となる事態を回避したい意向とされることへの配慮もあるとみられる。 自民党としては、今後、森氏らの名誉回復に全力をあげるため、個人としての告訴支援と並行して、当面、衆院法務委員会に森、梶山静六両氏ら、検事調書で名前の出た議員の出席を求め、釈明の機会を与えるよう同日午後の同委理事懇談会で提案する方針だ。 これに対し、社会党の村山富市・国対委員長は、10日午前の記者会見で、「問題を拡散させ、疑惑解明を混乱させる」として、予算委員会で一括処理するよう主張。公明党も同日午前の国会対策委員会で、疑惑解明はあくまで予算委中心で、との方針を確認した。

自民党の森政調会長は11日、国会内で記者団に対し、東京佐川急便事件の公判で朗読された検事調書をめぐり、自民党が党として担当検事らの告訴を断念したことについて、「後退ではない。個人としては、告訴する気持ちに変わりはない」と述べ、告訴に踏み切る意向を明らかにした。《読売新聞》



【竹内まりやさん】シングル「家に帰ろう」発売

【大相撲九州場所3日目】貴花田、3連敗

大相撲九州場所3日目(10日・福岡国際センター)大関を狙う貴花田と大関の座キープを目指す霧島は、ともにいいところなく3連敗を喫した。貴花田は先場所最後まで優勝を争った大翔鳳の左上手出し投げに敗れた。霧島は勝負を焦って若花田に突き出された。

大関曙は久島海を寄り切り、関脇武蔵丸は若翔洋を押し倒し、ハワイ勢は3連勝。小結の琴錦、貴闘力も3戦全勝。関脇安芸ノ島は初日を出した。《共同通信》

【三浦知良さん、設楽りさ子さん】婚約が明らかに

サッカーの三浦知良選手(25)(読売ヴェルディ)が、タレントの設楽りさ子さん(24)と婚約したことが10日、明らかになった。

二人の交際は六年前からで当時、ブラジルにいた同選手が、ブラジルのプロチーム、パルメイラスの一員として来日した際に、日本航空のキャンペーンガールをしていた設楽さんと知り合った。結婚式の日取りなどは未定。《読売新聞》

【死刑】執行停止まる3年

平成元年から続いている死刑執行のストップ状態が10日、まる3年に達した。わが国の近代行刑史上前例のない「空白期間」で、アムネスティ・インターナショナル日本支部など死刑廃止を求める市民団体は同日朝、法務省前でビラをまいたほか、27日には三周年記念の講演会も開き、改めて死刑廃止を訴える。

死刑廃止団体によると、死刑執行は、平成元年11月10日、福岡拘置支所で熊本県の義兄一家殺傷事件」の死刑囚への執行を最後にストップ、今年8月6日には執行ゼロ1000日を迎えた。現在の死刑確定者は56人。

資料の残っている明治6年以降で、執行が行われなかった年は昭和39年と43年だけで、現在進行中の「大空日」はきわめて異例。この理由を法務省は公表していないが、左藤恵前法相が宗教上の理由で執行命令書へのサインを拒んだことなどが影響しているとみられる。

死刑廃止団体は今年9月、最高裁に死刑合憲判決の見直しを求めたほか、国会議員に死刑廃止運動への支持を呼びかけている。これに対し147人の議員が賛同を表明。超党派の死刑廃止議員連盟をつくる動きも表面化している。

市民団体のメンバーらはこの日、法務省前で「死刑廃止法務省前ニュース」を配ったあと、同省の担当者に死刑廃止国際条約批准などを求める要望書を手渡した。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】政治改革「不退転」アピール

宮沢首相は10日、自民党本部で開かれた同党政治改革本部の選挙制度部会に出席し、「私自身も今後、討議に参画していきたい」と表明するなど、11月末をめどとする政治改革抜本案の取りまとめに積極参加していく考えを明らかにした。この後、首相は、11日の政治資金部会、12日の党改革部会と相次いで同本部の会合に出席する方針。

首相周辺は「今週が政治改革への首相の意欲をみせるヤマ場」と言う。この背景には、佐川問題が泥沼化し、補正予算の審議入りのめどもつかない状況の中で、政治改革への「不退転の覚悟」(首相)をアピールし、少しでも内閣への批判を和らげたいとの思惑があるものと見られる。《読売新聞》

【JR東海】新幹線を無免許運転

JR東海の入社間もない社員が研修中、東海道新幹線や寝台特急などの列車を無資格で運転していたことが10日明らかになり、中部運輸局は、「運輸省令違反で、安全の根幹に触れる重大な事態」として同日、須田寛社長あてに警告書を出した。無資格運転した研修生は81人、列車は36本。新幹線では時速220キロの最高速度も出しており、乗客の安全を無視した違反行為に、同社の姿勢が問題になりそうだ。

研修は、運転保安の重要性や運転現場を知るため、新幹線の運転免許を取らない大卒新入社員を対象に今年から実施。7月から10月にかけて、平成3年と4年入社の250人が参加し、新幹線と在来線の運転現場を順番に回った。

問題の無資格運転の際は、研修生3、4人に1人の指導担当者がつき、「ひかり」や「こだま」の運転席に入り、在来線では寝台特急「みずほ」の機関車運転席などにも乗り込んで、運転の様子を見学。走行中、指導者の指示で、研修生が2、3分間交代で運転席に座ったという。1本だけが駅構内だったが、残りはいずれも乗客を乗せた営業列車だった。

新幹線には時速200キロを超える高速運転中で、ハンドルなど機器の操作はしなかったが、在来線では、ハンドルを握った研修生の手の上から指導担当者が手を添えて運転した例もあったという。

運輸省令では、「無免許」運転や、適性検査・教育を受けない者の運転を禁じている。指定された教育機関で学科講習を終えた見習運転士であっても指導者がつくことを条件づけており、たとえ停車中でも、運転席に座ること自体が運転行為と見なされる。

指導にあたった担当者は計29人で、経験10年以上のベテラン運転士。同社の調査に対し、「将来、運転の機会がない研修生に経験させたかった」と説明したという。

記者会見した今城勝取締役は「国鉄時代、大卒職員が簡単な講習だけで見習運転をしたという慣習があった。この経験があったので、個々の指導員が判断したのだと思うが、会社としての指導・監督が不徹底だった。実際の運転は指導者が行っており、安全上は問題ないが、不適切な取り扱いだった」と話している。《読売新聞》



11月10日のできごと