平成2815日目

平成8年9月22日(日)

1996/09/22

【台風17号】関東中心に被害

台風17号は22日、関東地方を暴風圏に巻き込んだ後、本州北部の太平洋側を北上した。東京・大手町では観測開始以来3位の降雨量を記録。突風で倒れた木の下敷きになったり濁流にのまれたりして7人が死亡、9人が行方不明になった。43人がけが。

午後0時半ごろ、神奈川県愛川町で、走行中の乗用車に直径約45センチの桜の木が強風で倒れ、墓参りから帰る途中の横浜市緑区の飲食店経営A子さん(64)が頭などを強く打って死亡、3人がけがをして病院に運ばれた。

福島県棚倉町の会社員Bさん(59)方に土砂が流れ込み、仙台市から遊びに来ていた孫の幼稚園児、Cちゃん(6つ)が土砂に埋まって窒息死した。千葉県八日市場市では杉の木が倒れ、農業Dさん(64)が下敷きになり死亡。栃木県小山市では、突風にあおられ転倒した主婦E子さん(61)が頭を強く打ち死亡した。静岡県御前崎町のふ頭で会社員Fさん(58)が高波にのまれ海に転落、死亡した。茨城県北茨城市でも民家が土砂に埋まり倒壊、1人が死亡した。

神奈川県鎌合市では由比ヶ浜沖でサーフィンをしてていた横浜市の会社員ら4人が行方不明になったが、1人は自力で海岸にたどり着き、生存が確認された。千葉県山武町の作田川では午前11時ごろ、増水した川の排水作業をしていた八街市のGさん(62)が濁流に流され行方不明。富津市では主婦(58)が土砂に埋まり、遺体で見つかった。滋賀県志賀町の琵琶湖沖合でも水上バイクに乗っていた大阪市の男女2人の行方が分からなくなった。

警察庁が23日午前0時にまとめた被害状況は1都9県で床上浸水が567棟、床下浸水が2056棟、がけ崩れが100カ所など。《共同通信》

台風17号の暴風雨に見舞われた関東地方は22日、新幹線が東京−新大阪間で運転を見合わせたり、空、海の便が軒並み欠航するなど、首都圏を中心に交通機関が大混乱した。東海道新幹線は強風と停電のため正午前から東京−新大阪間全線で運転をストップ。停電の復旧工事作業に手間取り、午後6時すぎにようやく全線で運転を再開したが、運休本数は上下線合わせて計99本に上り、約11万人に影響が出た。

関東地方のJR在来線も、大部分が午前中から相次いで運休。午前10時すぎ、東海道線の東京−熱海間や総武線、内房線の一部区間などが運転できなくなり、午後には常磐線や京浜東北線などもストップした。一部線区を除き夕方、運転を再開したが、ダイヤは深夜まで乱れ、約21万人が影響を受けた。

私鉄は小田急線が一時全線で運転を中止し、京成線は成田空港行きのスカイライナーなどが運休。東京臨海新交通ゆりかもめも上下合わせて110本が運転を見合わせた。

道路でも東名高速道路の富士−清水間が一時通行止めになったほか、東北、常磐自動車道などでも一部区間で速度規制が行われた。東京都八王子市内の陣馬街道や伊豆諸島の道路では、土砂崩れや基準降水量を超えたため通行止めが相次いだ。

空の便では、成田空港を発着する定期便のうち国際線16便と国内線10便が欠航。60便が新千歳空港などに臨時着陸し、風雨が収まった午後7時ごろから成田空港に向かった。

秒速25−30メートルの強風が吹き荒れた羽田空港では、全日空の125便が欠航したのをはじめ、羽田と伊豆諸島を結ぶエアーニッポンの26便、日本航空の51便、日本エアシステムの87便が運航を見合わせ、4社で計289便が欠航。旅行客ら計約4万5000人が足止めされた。仙台空港でも発着する18便全便が欠航した。

船の便も、熱海港(静岡)などと伊豆大島方面を結ぶ東海汽船のフェリー計6便が欠航。神奈川−千葉間の東京湾フェリーも22便全便が欠航した。《共同通信》



【大相撲秋場所千秋楽】横綱貴乃花、4度目の全勝優勝

大相撲秋場所千秋楽(22日・両国国技館)既に4場所連続15度目の優勝を決めている横綱貴乃花が横綱曙を寄り切って、昨年秋場所以来1年ぶり4度目の全勝優勝を果たした。貴乃花は曙の猛攻をしのいで、もろ差しで寄り切った。曙は10勝に終わった。

関脇貴闘力は朝乃若をはたき込んで11勝目を挙げ、来場所に大関昇進をかけることになった。三賞は敢闘賞が貴闘力、旭豊。技能賞が琴錦で、殊勲賞は該当者がなかった。九州場所は11月10日から福岡国際センターで開かれる。《共同通信》

今場所を象徴するような万全の取り口で、貴乃花は4度目の全勝優勝を達成。これで秋場所は3年連続で全勝Vとなった。息を弾ませながら、しかしいつもの淡々とした口調で貴乃花は横綱同士の一番を振り返った。

左上手を引きつけた曙の寄りに後退した場面は「余裕はまったくなかった」と言う。しかし左を巻き替えてもろ差しになると、両まわしを与えない厳しい寄りでかつてのライバルを下した。

貴乃花と同部屋の貴ノ浪が「今場所の横綱(貴乃花)は、見ていて負ける気がしない。強過ぎる。普通の力士なら負ける形が想像できるのに、横綱は完ぺきに寄っていく姿しか頭に浮かばない」と驚いた通りの内容で15日間の戦いを締めくくった。

「(全勝Vは)大変うれしく思う。今場所は百点? 点数はつけられないが、頑張れた」。いつもと同じコメントが出たのは、全勝をかけたこの日も平常心で臨めたからだろう。

秋場所(3年前の千秋楽から通算で46連勝)に強い理由を聞かれても、瞬間、瞬間に全力投入する貴乃花からは「精いっぱいやった結果」という言葉しか出てこなかった。《共同通信》

【パ・リーグ】オリックス、優勝お預け

プロ野球パ・リーグは22日、優勝までのマジックナンバーを2としていたオリックスがグリーンスタジアム神戸でマジック対象チームの日本ハムと延長十二回、1−1で引き分けた。この結果、優勝決定は23日の日本ハム戦(神戸)以降に持ち越された。マジック1のオリックスは23日に勝つか引き分ければ優勝が決まる。《共同通信》

【民主党設立委員会】1次公認79人を発表

民主党設立委員会は22日午後、都内のホテルで設立委結成記念大会を開き、衆院選の公認予定者79人(うち比例代表のみは4人)を発表した。内訳は現職40人、新・元職39人。設立委代表の鳩山由紀夫氏は会見で「200人の公認候補を擁立し、100人の当選を目指す」と決意表明した。

菅直人厚相(設立委代表)は大会あいさつで「主役は市民、国民で霞ヶ関にコントロールされている政治家ではないという点で自民、新進とは根本的に違う」と述べ、官主導の政治からの脱却を図ると強調した。《共同通信》

【与党】行革を政権の軸に

自民、社民、さきがけ3党の幹事長は22日午前のNHKなどの番組で、総選挙後の政権の枠組みについて、行政改革政権の軸にすべきだとの考えを表明した。自民党の加藤紘一幹事長は「行政改革をテーマにいろいろな合従連衡があっていい」との見解を示した。

その上で「自民党は単独過半数を目指すが、なかなか難しい。社さとそれ以外の人も与党に加わる可能性があり、安定政権をつくりたい」と述べ、自社さ3党に民主党と、新進党離党者加えた政権構想を重ねて強調。自民、新進両党の「保・保連合」については「日本の政治が溶けてなくなる」と、否定的見解を示した。

社民党の佐藤観樹幹事長は「現在の連立政権を固定的に考える必要はない」としながらも「自民、さきがけ両党とは信頼関係にある。行革などの政策実現のためにどうするのがいいかだ」と述べた。

さきがけの園田博之幹事長は「選挙後は、政権を握る人が行革をしてくれるかの一点で決断すべきだ。少数政党だから組み合わせを選ぶ立場にないが、優先順は自民、社民にある」と述べ、行革実現を前提に現政権の枠組みを維持していく考えを示した。《共同通信》

【江陵浸透事件】銃撃戦で4人死亡

韓国国防省は22日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の武装スパイ潜入事件で同日早朝、韓国江原道江陵市近くの山中で韓国軍兵士と武装スパイが銃撃戦を展開、武装スパイ2人と韓国軍兵士2人が死亡した、と発表した。

韓国軍は現場付近でさらにスパイ1人を発見、兵力を集中動員して空と地上から大々的な掃討作戦を展開、緊迫した状況が続いた。これで計26人とみられる武装スパイのうち20人が死亡、1人が逮捕され、逃走者は5人。韓国軍兵士の死亡は21日の1人に続き計3人となった。

軍当局はまた、逮捕した潜水艦戦闘要員の李グァンス容疑者が、潜水艦の基本装備として射程距離8キロの107ミリ砲1門と対戦車無反動砲1門を積んできた、と供述したと明らかにした。しかし、これらの兵器は潜水艦から見つかっていないという。

潜入は、兵器を施設破壊や要人暗殺に使うため韓国に運ぶ目的だったとの見方も出ており、軍当局は21日深夜に李容疑者の身柄をソウルに移し、潜入目的など核心部分について本格的追及を始めた。

一方、韓国軍は同日午後、江陵市近くの海上で座礁していた潜水艦を約30キロ離れた東海港にえい航、内部の検証を徹底的に行う予定だ。《共同通信》

【韓国軍】兵士が銃乱射し脱走

韓国の非武装地帯近くにある江原道楊口郡東面の韓国軍部隊で22日午前、同部隊所属の金時竜二等兵(20)が兵舎や食堂で手りゅう弾2発を投げ、小銃を二十数発乱射し、兵士9人に重軽傷を負わせ脱走した。

聯合通信が伝えた軍の調査結果によると、脱走の動機は①恋人が妊娠したため休暇を申請したが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の武装スパイ潜入事件を理由に認められなかった②22日朝の所持品検査でライターを持っているのを見つかり、厳しくとがめられた−ことに対する不満とみられるという。《共同通信》



9月22日のできごと