平成1532日目
1993/03/19
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎郵政相】NHKを厳重注意
郵政省は19日、NHKスペシャル「奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン」でやらせや虚偽の表現があった問題で、小泉郵政相が国会にNHKの川口幹夫会長を呼び、文書で厳重注意した。NHKに対する郵政省の文書による注意処分は初めて。
郵政省は同番組について、高山病の演出など5つの場面が真実でなく、明らかに放送法に違反したと判断。さらにメディアミックス事業に当たって、公共放送としての在り方に疑念を生じさせたとし、具体的な再発防止策への取り組み状況を、当分の間四半期ごとに報告するよう求めた。
これに対し、NHKは「注意は重く受け止める。NHKとしては、あくまでも自主自律、自らの努力で再発防止に努めることが基本であり、これに全力を挙げて取り組んでいる」との川口幹夫会長名の談話を発表した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【TBS系連続ドラマ・高校教師】最終回
【全国高校柔道選手権】
第15回全国高校柔道選手権第1日は19日、東京武道館で男女の個人戦を行い、女子48キロ級はバルセロナ五輪銀メダルの田村亮子(福岡・福岡工大付)が優勝した。
準決勝までの4試合をすべて一本勝ちした田村は、決勝では磯崎祐子(茨城・土浦日大)の寝技にてこずりながらも危なげはなく、判定勝ちした。《共同通信》
【大相撲春場所】6日目
大相撲春場所6日目(19日・大阪府立体育会館)全勝の横綱曙が取り直しの末、平幕旭道山に敗れる番狂わせ。小結若花田が全勝を守って単独トップに立った。曙は物言い取り直しの一番、旭道山に飛び込みを許し、右下手ひねりで初の金星を奪われた。旭道山が金星を挙げたのも初めて。若花田は右下手投げで大翔山に快勝した。
大関貴ノ花は元気のない関脇霧島を押し出して1敗をキープ。霧島は3日目から4連敗。大関小錦は小結琴錦を寄り切って4勝2敗。幕内は全勝の若花田を、1敗で曙、貴ノ花の平幕の剣晃の3人が追う展開。十両は立洸が5勝1敗で単独首位。《共同通信》
【宮澤喜一首相】金丸事件を陳謝
参院予算委員会は19日午前10時から、佐川急便事件の証人喚問問題で与野党折衝が決着したのを受けて1週間ぶりに総括質疑を再開、午前は社会党の及川一夫、自民党の石井道子の両氏が金丸前自民党副総裁の巨額脱税事件や政治改革、景気問題などについてただした。
及川氏が金丸氏の脱税事件について見解を求めたのに対し、宮澤首相は「政治や政治家の在り方について国民に不信を与えたことは申し訳ない」と陳謝。さらに「事態は民主主義自身の危機に立っている」との認識を示した。
その上で首相は「今国会で抜本的な政治改革について立法を含めて決定し、直ちに実行に移さなければならない」と述べ、政治改革に全力を挙げる考えを強調した。
及川氏が、中島科技庁長官が金丸氏とかけマージャンをしていたとの報道についてただしたが、同長官は「限られた仲間だけのごく私的な集まりであり、お金のやりとりは一切ない」と、かけマージャンは否定した。《共同通信》
【宮澤喜一首相】北朝鮮への経済制裁に慎重姿勢
参院予算委員会は19日午後、4日目の総括質疑を続行、自民党の石井道子、井上章平、社会党の久保田真苗、山口哲夫の各氏が外交問題や政治改革などについて政府の見解をただした。
久保田氏は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が核拡散防止条約(NPT)脱退を表明したことについて「重大な懸念を持っている」と指摘。
宮澤首相は「NPT脱退が朝鮮民主主義人民共和国にどういう利益があるのか理解しにくい。極めて遺憾だが、すぐに対抗措置を取る前に、もう一度考えなおす機会を与えることが大事だ」と述べ、経済制裁などの対抗措置を直ちに取ることに慎重な姿勢を示した。
渡辺外相はこの問題に関する日本政府の方針として「あらゆるチャンスをとらえて、国際社会に核疑惑を持たれることは何のメリットもないことを知らせなければならない」と北朝鮮側に撤回を求める考えを強調。首相も「積極的に意思表示するべきだと考えている」と述べた。《共同通信》
【政界談話室】
○…森山文相は19日、参院予算委員会で教育問題を取り上げた自民党の石井道子氏に「文相は仕事と育児、家庭を両立させた女性のかがみと敬服している」とエールを送られると、照れ笑いしながら答弁席に着き、「私の経験は随分前のことで参考にならないと思うが…」と切り出した。「最近、家庭の役割が見直されている」と強調して、中でも「父親がより大きな役割を担っている。父親の参加に力を入れていきたい」と答えた。野党の女性議員から「いい答弁」と声が掛かったが、日ごろ家庭教育とは縁のなさそうな男性議員らは一様に伏し目がちだった。
○…社会党の赤松書記長はこの日、国会内で記者会見し、新人職員9人を内定したことを発表した。先週の面接試験で「僕を知らないと言った人もあえて採用した」と赤松氏は非党員の人を含めて各界各層の変わり種の有能な人を選んだと説明。また「親子3代社会党職員になる人もいる。歴史と伝統を誇る社会党ならではのこと。結党50年を前にして歴史の重みを感じた」と話した。社会党の古臭い殻を破る党改革に取り組む2世執行部に3世職員が果たして貢献できるか。《共同通信》
【中曽根康弘元首相】「株取引でヤミの政治献金」報道で敗訴
「株取引でヤミの政治献金を受けたかのような報道をされ名誉を傷付けられた」と、中曽根康弘元首相が朝日新聞社(中江利忠社長)に謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。
藤村啓裁判長は「記事の主要部分は真実で、株取引が政治献金だったと疑わせる客観的事情があった」として、中曽根元首相の請求を棄却した。
判決によると、朝日新聞は平成2年1月、「中曽根元首相側近名義で株取引」「1億2000万円の差益」などの見出しで、元首相の元政治団体代表の女性が昭和62年夏、仕手集団のコーリン産業(現光進=破産)社長だったA被告=恐喝などの罪で公判中=と国際航業株を相対取引し、約1億2000万円の差益を得たと報道。「ぬれ手であわの株取引で、実質的なヤミ献金だったのでは」と疑惑を指摘した。
中曽根元首相は報道直後に「差益は政治献金ではなく、政治家としての倫理性を不当に非難された」と提訴した。
判決で藤村裁判長は、記事の主要部分である株の相対取引は原告側も認めた事実とし①リクルート事件の際も、この女性の名義で株が譲渡されていた②小谷被告は元首相やその政治団体と密接な関係があった③相対取引は極めて不自然、不公正な形態で、差益の使途も不明―と指摘。
その上で「相対取引は原告と政治団体に対する政治献金だったとの疑いを生じさせる客観的事情が存在しており『実質的なヤミ献金』との論評には合理的地拠がある」と述べた。《共同通信》