平成1526日目
1993/03/13
この日のできごと(何の日)
【東京地検】金丸前自民党副総裁を起訴
前自民党副総裁、金丸信容疑者(78)らの巨額脱税事件で、東京地検特捜部は13日、金丸容疑者の昭和62年分の所得2億円を共謀して隠し、所得税約1億1800万円を脱税したとして所得税法違反の罪で金丸容疑者と元公設第一秘書A容疑者(49)を起訴した。A容疑者は自分の所得5000万円についても同様の手口で隠し2600万円を脱税したとして起訴された。
国会議員在職中の脱税について刑事責任を問われるのは、平成2年の国際航業事件の元環境庁長官稲村利幸被告(57)=一審有罪、控訴中=以来で、戦後3人目。“政界のドン”と呼ばれた元自民党実力者の起訴は、政界に改めて衝撃を与えるとともに、政治とカネをめぐる政治改革に一層の拍車を掛けることになった。
特捜部は残る脱税の起訴に向け、引き続き2人を拘置して取り調べ、ヤミ献金や巨額の蓄財の全容を解明する方針。捜査の進展によっては新たな展開も予想される。
62年分の脱税は申告から5年間の時効が13日いっぱいで成立するため、ぎりぎりの起訴となった。
金丸被告はこの2億円で62年10−11月に日本債券信用銀行発行の割引金融債ワリシンを買い、A被告も5000万円をワリシン購入に充てていた。
起訴に先立ち、東京国税局は同日午後、2人を所得税法違反罪で告発した。
特捜部は、金丸被告がこれら資金に政治献金を流用したことをほぼ解明、両被告も脱税の事実については認めている。しかし、献金を受けた企業や個人の名前など具体的な供述は避けて、いるもようだ。A被告の個人分は、秘書の立場で受け取っていた付け届けなどの副収入だったとされる。
特捜部はこのほか、金丸被告の約6億円(平成元年)と生原被告の約3億5000万円(昭和63―平成3年)の所得隠しなどについても、2人を追起訴する方針。
金丸被告は小針暦二福島交通会長の勧めで昭和59年からワリシンを購入。毎年のように更新、買い増しを続け、現在の保有残高は金丸被告が約22億円分、生原被告が約6億円分に上るほか、保護預かり分もあるといわれる。
さらに金丸事務所のある東京・永田町のマンションなどから、ワリシンのほか金丸被告側が岡三証券を介して購入した日本興業銀行発行の約10億円のワリコーなど債券類、現金も押収され、金丸被告が隠していた総資産は40億円を超えていたことが判明している。
このうち岡三証券を通じては、平成3年に死去した夫人の指示で担当者が昭和61年と平成元年にワリコーなどを10億円ずつ購入。特捜部は元年分のワリコーが実質的に金丸被告本人の隠匿資産の疑いが強いとみて、同証券の担当者や役員から取引の経緯について詳しい事情を聴いている。《共同通信》
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宮澤首相は13日午後、金丸信・前自民党副総裁が所得税法違反で起訴されたことについてコメントを発表。「不祥事が相次ぎ、政治不信が一段と深刻なものとなっていることは誠に残念で、国政を預かる者として国民に対し心からおわびしたい」とし、これまでの「事件は遺憾」などとしてきた表現を一歩進めた言葉で謝罪した。
首相は「私ども政治家一人ひとりが事態を厳しく受けとめ、信頼回復に努力しなければならない。国民は政治改革の実現を息をつめる思いで見守っている」との厳しい認識を強調した。《共同通信》
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【公明党・石田委員長】「解散より総辞職を」
公明党の石田委員長は13日、地方議員との懇談のため訪れた大阪市内で会見、政治改革関連法案に触れる中で「宮澤首相の責任は重大だ。(与野党で)話し合いで(合意)できなければ、(衆院を)解散する。というだけでは済まされない」と述べ、法案不成立の場合、内閣総辞職を求める考えを示した。
関連法案について「社会党との統一法案を今月中にも提出できる」とした上、「これだけ論議が高まり、大枠の合意がある中で、中心的課題の選挙制度改革の先送りは結果的に改革を難しくする可能性が強い」と述べ、あくまで一括成立を目指す方針を示した。
また、金丸前自民党副総裁の巨額脱税事件に関連し「竹下元首相の辞職勧告決議案を今国会の早い時期に上程したい」と表明した。
政界再編については「(自民党)羽田派にも注目しているし、社会党からも動きが出てほしい。かぎは今後の政治改革にあり、さらに議論が高まると思っている」と述べるにとどまった。《共同通信》
【自民党・小沢一郎元幹事長】「新党結成は不可避」
自民党羽田派の小沢元幹事長は13日の盛岡市内の記者会見で、新党結成問題について「(自民党内の)考え方の相違は歴然としているので、党派を超えた動きになっていくのではないかという気がする。将来的に政党の枠を超えた動きが展望できる」と述べ、新党結成は不可避との見方を示した。
小沢氏は今国会での政治改革論議を通じた「改革派」結集を目指しており、当面は「党内で改革を実現する」との立場を示しているが、政治改革の展開次第では野党との連携による新党結成に動かざるを得ないとの認識を示した。新党結成の可能性について明確に言及したのは初めて。《共同通信》
【ロシア人民代議員大会】国民投票中止、改めて決定
口シア臨時人民代議員大会は4日目の13日、前日に中止を正式決定した国民投票問題について改めて採決し「現時点での投票実施は不適当」とする中間派のドルキン議員ら200人余りが共同提出した大会決議案を賛成643票、反対141票で正式採択し閉幕した。
エリツィン大統領は4月25日に国民投票を実施する決議案を改めて提出したが、大会はこれを否決、妥協を探る決議案も不採択となり、大統領と議会の立場は決裂した。大統領が大
会決定を無視してまで国民投票を実現できるかどうかは微妙で、今後も妥協を探る動きが続くとみられる。大会は6月までに次回大会を開くことを決めた。大会決議は、国民投票の実施について①国家や領土の統一性を脅かす②法的根拠が不十分③大統領に投票を提起する憲法上の権限はない—とし、投票に批判的な構成共和国や地方代議員の支持を集めた。
4日目の大会はこれに先立ち、大統領と人民代議員の繰り上げ同時選挙について、実施を可能にする憲法修正法案の準備をするかどうかの判断を、最高会議にゆだねる内容の大会起草委員会提案を正式に採択した。さらに大会起草委員会は「国民投票の実施の是非を大統領、最高会議、共和国首脳の3者が協議、2カ月以内に結独を出す」という問題先送りの妥協案を出したが、大統領側が付帯条件に難色を示し、大会も採決の結果、妥協案を退けた。《共同通信》
【皇太子殿下、小和田雅子さん】結婚の儀は6月9日
宮内庁は、皇太子さま(33)と小和田雅子さん(29)の結婚の儀を6月9日に行う方針を13日までに固め、政府と調整に入った。政府は昭和34年の天皇陛下結婚の時と同様、結婚の儀を国の行事の国事行為とし、特別法案で当日を休日とする方針であり、近く閣議で正式決定する。
雅子さんが皇太子妃として必要な知識を身に着けるお妃教育は12日から始まっており、一般の結納に当たる「納采の儀」は4月12日に行われることが決まっている。この後5月中にも「告期の儀」があり、小和田家に挙式の日取りを告げる。
挙式の日取りについて宮内庁は、4月末の両陛下の沖縄訪問、5月の叙勲や園遊会などの日程のほか、7月の先進国首脳会議(東京サミット)を控えた警備事情を考慮し、5月末から6月上旬にかけての数日を候補に検討。この結果、「国民的視野から広く受け入れやすい日を」(宮内庁幹部)との配慮から「大安」の6月9日の方針を固めた。《共同通信》
【韓国・金泳三大統領】慰安婦「日本に物質的補償求めず」
韓国の金泳三大統領は13日青瓦台(大統領官邸)での首席秘書官会議で、従軍慰安婦問題について「日本側に物質的補償を要求しない方針だ」と述べた。その上で、補償は韓国政府の手で行い、来年から政府予算で実施するよう指示した。
従軍慰安婦問題は日韓間の最大懸案の一つで、金大統領はこれまでにも同様の考えを何度か明らかにしているが、就任後、この問題に対する見解を明確に示したのはこれが初めて。
日韓両国政府はこの問題の早期解決の必要性で認識が一致しており、この日の大統領発言も日本側に真相解明努力と「政治決断」を促す狙いが込められているとみられる。
大統領スポークスマンによると、金大統領は、従軍慰安婦問題は日本側が真実を究明することが重要で、物質的補償は必要でないと強調し、(こうした立場に立てば)今後、道徳的優位を保ちつつ新たな日韓関係構築を進めていけるだろう、と述べた。
韓国政府はことし2月、元従軍慰安婦として211人が届け出たと発表。韓国紙は政府がこのうちの生存者103人に対して1人1000万ウォン(約150万円)ずつの生活支援金を、遺族には同額の慰労金を支給する方針と伝えていた。金大統一領が来年からの実施を指示した。「補償」の内容は明確でないが、これらの生活支援金や慰労金などを指すとみられる。《共同通信》
【ノルディックスキー・W杯】
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)複合第1戦は13日、ホルメンコーレン(ノルウェー)で個人第7戦の後半距離を行い、前半2位の河野孝典(野沢温泉ク)が逆転勝ちして個人戦のW杯初勝利を挙げたのをはじめ、4位までを日本選手が独占した。
2位は既に総合優勝を決めている荻原健司(北野建設)、3位は古川純一(近大)、4位は阿部雅司(東京美装)だった。今季の第3戦で3位までを占めたのに続く快挙で、日本勢はこれで個人戦6勝、団体戦3勝と圧倒的な強さを示している。
レースは河野と、前半4位の荻原が途中からトップ争いを演じ、残り2キロを切って荻原がリード。ゴール前200メートルから2人のし烈な競り合いになり、ほとんど同時にゴール。写真判定の結果、わずか0秒1の差で、河野が勝った。《共同通信》
【スピードスケート・W杯】
スピードスケートのワールドカップ(W杯)最終戦ヘーレンフェイン大会第1日は13日、オランダのヘーレンフェインで行われ、女子1000メートルで楠瀬志保(佐田建設)が1分21秒17の自己ベストで優勝し、インツェル大会に続いてW杯でこの種目に2連勝した。
男子1000メートルでは宮部保範(王子製紙)が自己の持つ日本記録を0秒05更新する1分13秒75の日本新で4位に入った。優勝はイーゴリ・ゼレゾフスキー(ベラルーシ)で1分13秒05。
男子500メートルでは堀井学(専大)が36秒70の日本歴代2位の好タイムで4位。36秒49の日本記録を持つ宮部保は36秒72で5位。優勝はアレクサンドル・ゴルベフ(ロシア)で世界記録に0秒04と迫る36秒45だった。《共同通信》
【米国】竜巻、寒波で42人死亡
米国の観測史上最大級といわれる規模のあらしが13日、南部から東部を震い、竜巻や積雪のため42人が死亡、空陸の交通網が広範囲にわたり終日まひした。12州で非常事態が宣言され、州兵が住民を避難させるなどしているが、停電のまま夜を過ごした地域も多く、凍死者の増大などが懸念されている。
犠牲者を一番多く出したのはフロリダ州で、20以上発生した竜巻による家屋の倒壊などで18人が死亡した。同州にとっては昨年8月の大型ハリケーンに引き続く災害。中には、夏のハリケーンで家を失ったため、移動式の仮住居で寝ているところを吹き飛ばされ死亡した主婦(36)もいた。
他の州ではホームレスの凍死、路面凍結による交通事故死が目立った。山間部では積雪が2メートル超えた所もあり、めったに雪を見ないジョージア、テネシー、アラバマなど南部諸州でも数十センチの雪が積もった。
ニューヨーク、ワシントンなど東部の各空港は終日、閉鎖された。幹線道路の多くも封鎖され、路線バスが運行を中止した。週末だったこともあり、各空港では数千人の客が缶詰めとなった。《共同通信》