平成1525日目
1993/03/12
この日のできごと(何の日)
【小和田雅子さん】お妃教育始まる
皇太子さま(33)との婚約が決まった小和田雅子さん(29)のお妃教育が12日午前、皇居内の宮内庁3階の侍従控室で始まった。皇太子妃として必要な知識を身に着けるため、4月下旬まで宮中祭祀(さいし=祭事)や憲法、和歌、書道など8科目、50時間の講義を受ける。
青のコート姿の雅子さんは雨の中、午前9時20分ごろ、車で宮内庁西玄関に到着。玄関前で東宮侍従の出迎えを受けると深々と頭を下げ、ほほ笑みながら庁舎へ入った。
初回のこの日は宮中祭祀について。昭和天皇の学友で、天皇家の祭祀をつかさどる掌典長を務めた永積寅彦氏(91)が、新嘗祭(にいなめさい)など、天皇家が行う神事の特徴や時代背景による変化について午前9時半から15分の休憩を挟んで2時間にわたり講義した。
来週は15日の伊藤正己東大名誉教授(元最高裁判事)の「憲法」に続いて、鎌田純一宮内庁祭事課長の「神宮・宮中祭祀」、橋本義彦元正倉院事務所長の「皇室制度(歴史)」の講義が予定されている。
お妃教育が始まった雅子さんは1回目の講義を終えた12日午後、侍従を通じて次のような感想を述べた。
本日、永積先生より大変貴重なお話をありがたくお伺いいたしました。これから初めて学ぶ事柄も多いと存じますが、各科目、各先生方のご講義を一つひとつ大切に拝聴しながら研さんに努めて参りたいと存じます。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【ロシア・エリツィン大統領】国民投票を強行へ
ロシア臨時人民代議員大会は3日目の12日、大会決議案の国民投票中止、大統領権限縮小に関する部分を取り消すように求めたエリツィンの提案を否決。大統領はこれを受けて会場から退席し、保守色の強い大会に決別し、大統領の改革続行のための実績を確保するために、4月25日にも国民投票を強行する方針を発表した。
一方、大会は同日午後、大統領や閣僚不在の中で国民投票の中止と大統領権限の縮小を柱とする大会決議を賛成656票、反対184票の圧倒的多数で正式採択した。これにより、経済改革停滞の最大要因となっていた大統領と議会勢力の対立は頂点に達した。
大統領が大会に提出した計画によると、国民投票の設問は、①大統領共和制②土地私有制—などについて是非を問う簡明な内容になる見通し。コスチコフ大統領報道官は、国民投票の設問案を選挙管理委員会に提出したことも明らかにした。
しかし、大統領側近のシャフライ副首相は記者会見で「妥協はまだ可能」と述べ、正面衝突回避の可能性が残っていることを示唆、国民投票に代わって任期前に大統領、議会選挙を実施できるとの見解を示した。
副首相はまた大会を解散することはないと言明し、大統領が非常権限を行使するとの観測を否定した。
ロシア政府筋によると、大統領は議場から去った後、国民への呼び掛け演説をするとしてテレビ局へ向かったが、ハスブラトフ最高会議議長、ゾリキン憲法裁判所所長が思いとどまるよう説得に当たった。しかし、大統領はこれを拒否した。
このためルツコイ副大統領が事態打開のため大統領と協議に入るなど、水面下での調整工作が進められている。
国民投票実現には100万人以上の署名か、人民代議員総数の3分の1以上の要求が必要だが、報道官は「大会がどのような決定を下しても国民投票実施は妨げられない」との見解を示した。
大統領に続き閣僚も大会会場から退席したが、チェルノムイルジン首相だけは議場に残った。大会は13日も引き続き討議が行われる。《共同通信》
【北朝鮮】核拡散防止条約脱退を表明
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政府は12日、自国の最高権益を守るため、核拡散防止条約(NPT)から脱退せざるを得なくなった、との声明を発表した。
声明は「国際原子力機関(IAEA)当局者が『特別査察』などの名目で威嚇しようとも、われわれは恐れるものではないと、特別査察への反発が脱退理由であることを明らかにした。
声明はさらに、IAEAの「一部当局者」が、査察に際しての「不偏不党、厳正中立」という原則から逸脱し、米国の北朝鮮に対する悪意ある行動に加担している、と非難した。また、北朝鮮のNPT脱退は「米国の核戦争策動とIAEA一部当局者の不当な行為に対する正当な自衛措置」であると強調している。
米国に対しては「冷戦期の時代遅れの思考を捨て、米韓合同軍事演習、チームスピリットを直ちに停止、IAEAを操作することをやめる」よう要求した。
IAEAの姿勢に触れて、声明は、米国の韓国に配備している核兵器や核基地を査察せよとの北朝鮮の要求を無視している、として米国寄りだとの非難を強調した。北朝鮮の朝鮮半島非核地帯化の要求は変わらず、原子力を平和利用するとの方針も不変だと主張。また、IAEAが、北朝鮮のいわゆる「核兵器開発」と指弾する圧力をかける一方で、日本や韓国の核武装への動きを容認している、と非難した。《共同通信》
【北朝鮮】外国人の行動規制を強化
平壌の西側外交筋が明らかにしたところによると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外務省儀典局は12日、平壌の各国大使館に文書通達を出し、外交官を含むすべての在留外国人の行動範囲の規制強化と一般朝鮮市民との接触禁止を通告した。
12日発効の通告によると、外国人は首都を許可なしで離れることができなくなり、平壌の西65キロの南浦などへの外出も許可制になった。この日、南浦港に入港しているロシア船を訪れようとしたロシア外交官が南浦行きを申請したが、拒否された。
通告は、外国人が北朝鮮の一般市民と当局の許可なく接触することを禁じている。禁止行為には一緒に映画を見に行ったり、食事をしたり、個室で会うことも含まれている。通告はこうした規制強化について、米韓合同軍事演習チームスピリット開始で朝鮮半島の緊張が高まっているのに伴う安全上の理由だと説明している。北朝鮮政府が北朝鮮駐在の外交官の退去を求めたとの韓国の一部報道について、同筋は「そのような話は全く聞いていない」と述べた。
一方、北京の北朝鮮外交筋によると、北朝鮮の在外大使館は本国政府の指令により、チームスピリットに合わせて準戦時態勢入りが一宣言された9日から外国人への入国ビザの発給を一斉に中止している。11日には北朝鮮を訪問するはずだった世界保健機関(WHO)職員もビザ発給を拒否されている。同筋によると、この措置は準戦時状態が解除されるまで続くという。《共同通信》
【政界談話室】
○…宮澤首相は12日、金丸前自民党副総裁の逮捕に対する首相の発言が「遺憾と繰り返すだけで愛想も何もない」と身内の宮澤派からも批判を浴びたことについて「僕は大げさな言葉は使わない人間ですから」ときっぱり。記者団が「遺憾という言葉は重い意味があるのか」と重ねて国語論を挑むと、「総理大臣の言う言葉は重いんであって、ちゃんと考えて言っているんだ」と反論した。最後は「言葉をあまり安っぽく使うと値打ちが下がります」。講釈は立派だが、やはり首相の顔は見えずじまい。
○…社会党の赤松書記長はこの日の記者会見で、若干名の採用に13人の応募があった前日の党職員採用試験の模様を披露。「社会民主主義について述べよ、などという従来の社会党的な問題はやめた。矢ガモについて書かせたんだ」と論文テストにも「現実路線」を導入したことを強調。赤松氏は面接試験にも立ち会ったが「僕がだれだか分かりますかと聞いたら、さあ、と首を振った人もいた」と知名度の低さも痛感した様子。「脱線発言」で顔を売ったつもりの赤松氏も、まだまだ脱線ぶりが足りない?《共同通信》
【ウクライナ・クラフチュク大統領】START1批准は困難
ウクライナのクラフチュク大統領は12日、キエフの大統領府で共同通信と単独会見し、核軍縮、対日関係などについて見解を明らかにした。焦点の第一次戦略兵器削減条約(START1)の批准問題について大統領は、①批准後のウクライナの安全保障問題で、ロシアからの保証が不十分②ミサイル廃棄費用の負担問題が未解決―などの点を指摘。「最も重要なのは批准を急ぐことではなく、正しく解決することだ」と述べ、当面、批准は困難との見通しを示した。
だが大統領は、ウクライナが非核国家になるとの方針に変わりはなく、START1が核拡散防止条約とともに批准されることを「深く確信している」と強調した。
旧ソ連と米国が調印したSTART1はソ連崩壊に伴い、核兵器が配備されているロシア、カザフスタン、ベラルーシが改めて批准したものの、ウクライナだけがまだ批准していない。
現在、最高会議の委員会で審議中。大統領は「批准に反対しているのは一部の議員だが、批准されるとの確信がなければ、本会議に提案できない」と述べ、批准反対論が根強いことを明らかにした。ロシア側から現在ウクライナ領のクリミアに対して領土要求が出されたことなどから、核兵器を放棄した後のウクライナの安全保障に不安感があるためだという。《共同通信》