平成1524日目
1993/03/11
この日のできごと(何の日)
【社会党、公明党】政策集団が意見交換
社会党の若手グループ「リーダーシップ21」(安田範代表)と公明党の政策集団「P・A・F(政治・行政・財政)改革フォーラム」(代表・二見伸明政審会長)が11日朝、議員会館で選挙制度改革を中心とした抜本的政治改革をテーマに意見交換をした。公明党は1月、2つの政策集団を発足以来、他党の政策集団や山岸連合会長らとの会合を重ねているが、社会党議員だけで構成するグループとの交流は今回が初めて。
会議の冒頭、二見氏は「金丸(前自民党副総裁の脱税)事件を見ても政治改革は待ったなしだ。自民党一党支配打破に向けて政界再編の共有部分を広げていきたい」とあいさつ。安田氏も「新しい政治の流れを作るため、いろんな形で意思疎通を図っていきたい」と応じた。
討議の中では、社会、公明両党間で共同提出を目指している政治改革関連4法案を早期に国会に出し、選挙制度、腐敗防止などの改革を今国会で一括処理すべきとの考えで一致したが、全面対立が予想される選挙制度に関しては「自民党の一部も乗れるような歩み寄りの議論も必要だ」という現実的な対応を指摘する意見が双方から出た。
自民党羽田派に対する評価では、改憲問題などの絡みから、同派の動向を慎重に見極める必要があるという認識が大勢だった。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【JR西日本】急行能登「レディースカー」公開
JR西日本の夜行急行「能登号」に18日のダイヤ改正から登場するレディースカー(女性専用車両)が11日、金沢運転所で公開された。2カ所の洗面所や便座シート付き洋式トイレなど女性客への細かな気遣いが各所に見られる。
JR西日本としては初の女性専用車両で、定員は56人。シートは茶色に緑のストライプが入り、シートカバーと天井を同じ淡い緑で統一するなど、落ち着いた色彩を取り入れている。トイレはスイッチを押すと便座シートが出るようになっており、他人が入った後でも気持ちよく使えるよう配慮してある。洗面所は明るいクリーム色で、コンセントや化粧品を置くスペースなども十分ある。
能登号は、東京-金沢間の4枚つづりの指定席回数券(3万800円)を利用す。れば、片道当たりの料金は、高速バス料金と同額になる。《北國新聞》
【埼玉県飯能市】「卒業式出席させろ」と乱暴、中3男子11人逮捕
11日午後1時ごろ、埼玉県飯能市双柳、市立飯能第一中(福島晃校長、生徒902人)から「生徒が職員室で暴れている」との110番があった。飯能署員が急行し、職員室にいた同校の3年生男子生徒11人(14歳から15歳)を暴力行為の現行犯で逮捕した。
調べによると、11日午後0時半ごろ、体育館で全校生徒が参加して開かれた「3年生を送る会」終了後、3年生は中央の通路から退場することになっていたが教師から「髪を染めている生徒はわきを通れ。そのままでは卒業式に出られないぞ」などと注意されたのに一部の生徒が反発。「このままの格好で卒業式に参加させろ」と口論になり、いすを投げるなどして暴れた。《共同通信》
【日産自動車】中国で商用車生産へ
中国での商用車生産を検討していた日産自動車は11日、河南省鄭州市の現地メーカー鄭州軽型汽車廠と合弁で1994年始めから小型トラック「ダットサントラック・ダブルキャブ(現地名ニッサン・ピックアップ)」を生産することで合意、契約調印したと発表した。
日本の自動車メーカーの中国現地生産の大半は技術供与にとどまっており、大手メーカーの中で本格的な商用車の合弁生産に乗り出すのは日産が初めて。急激な自動車需要の拡大に対応するのが狙いで、中国への進出を検討しているトヨタ自動車など他メーカーに影響を与えるのは確実だ。《共同通信》
【野党】小針氏を臨床尋問
衆院予算委員会は11日、佐川急便事件の真相解明に向けた小針暦二・福島交通会長に対する臨床尋問午後1時すぎから入院先の東京・代々木の榊原記念病院で始めた。
佐川急便事件への関与に加え、金丸前自民党副総裁らの逮捕を受け、新たに浮上した前副総裁の割引金融債「ワリシン」購入に小針氏が関与したとされる問題が最大の焦点。
野党側は小針氏と日本債券信用銀行との関係を重視しており、これらをただすことにより、前副総裁の脱税事件とのかかわりを追及する方針。
さらに野党側は①1991年6月に都内の小針氏の知人宅で竹下元首相、金丸前副総裁らと協議したとされる東京佐川急便再建会議などで小針氏が果たした役割②前副総裁辞任会見の直前に、東京・銀座のホテルで持たれた小沢自民党幹事長、元東京佐川急便社長渡辺広康被告の主任弁護人と小針氏の三者会談の経緯③小針氏と政界とのつながり—などをめぐって追及し、佐川急便事件の核心に迫る証言を引き出したいとしている。《共同通信》
◇
衆院予算委員会は11日午後1時から、佐川急便事件や金丸前自民党副総裁の脱税事件に関して小針暦二・福島交通会長に対する臨床尋問を入院先の東京・代々木の榊原記念病院で行った。小針氏は、金丸前副総裁に日本債券信用銀行の割引金融債「ワリシン」購入について「教えた」と述べ、指南したことを認めるとともに、その時期について「1984年以前だと思う」と証言した。
昨年8月に小沢元自民党幹事長と元東京佐川急便社長渡辺広康被告の主任弁護人との会談をセットしたことについて小針氏は、金丸前副総裁から電話で「小沢が心配しているので会わしてくれ」と頼まれて引き受けた、と証言。「会談がセットされた経緯、目的、内容は全く知らない」とした2月17日の証人喚問での小沢一氏の証言内容と微妙なニュアンスの違いをみせた。
臨床尋問では最初に粕谷茂委員長が総括的に質問。続いて自民党の鴻池祥肇、社会党の水田稔、伊東秀子、公明党の草川昭三、共産党の東中光雄、民社党の中野寛成の各氏が、休憩を挟みながら質問した。小針氏は尋問の途中、血圧が上がって休憩が長引き、所要時間は予定していた2時間半から1時間近く延びた。
小針氏は証言で、91年6月に都内の小針氏の知人宅で東京佐川急便の再建策を協議したとされる会議について、渡辺被告から「再建問題で困っている」と言われ、金丸前副総裁、竹下元首相を紹介したと述べ、仲介したことを認めた。また、その目的について「銀行からの融資が可能になるように頼みたいと思った」と、金丸前副総裁らに金融機関への働き掛けを期待していたことを明らかにした。《共同通信》
【政界談話室】
○…自民党羽田派の羽田代表は11日の同派総会であいさつ。金丸前副総裁の逮捕について「私にとって衝撃で驚かされた。長いこと指導いただいた者として、個人としてはそんなことはあり得ないと思うが」といまだに悪夢としか思えない様子。気を取り直すように「(政治改革で)きちんと手続きをやっていかないと、国民から何だと思われる。これから本当の政治改革をやっていかねばならない」と力説してみせた。しかし続いてあいさつした小沢元幹事長は逮捕の件に一言も触れず、かえって緊張感が目立つ結果に。
○…社民連の江田代表はこの日、シリウス総会であいさつ。「金丸前自民党副総裁は権力の二重構造をつくり、建設族の酋長として政治を年耳るひどいやつだと思っていたが、ひどいなりに独特の勘でさい配を振るう人だと、ある種の尊敬もしていた」と打ち明けた。続いて「しかし部屋を金庫にするなど、とんでもないことで失望した。人物を見る目がなかった」と反省の弁。最後は「前副総裁に税金を払えというのは、泥棒に税金を払えというのと一緒」と“落ちた偶像”たたきに専念していた。《共同通信》
【宮澤喜一首相】派閥の弊害除去に意欲
参院予算委員会は11日午前10時から、3日目の総括質疑に入り、共産党の上田耕一郎氏が金丸前自民党副総裁の脱税事件や政治改革問題などについて政府の見解をただした。
上田氏は続発する政界の不祥事の原因は派閥政治にあるとして、派閥の解消を求めた。宮澤首相は「カネ、地位の問題、党全体として有為の人材を簡抜するときに派閥的考慮を優先することも時々見られる」と問題点を挙げた上で「弊害に陥ることは全部やめるというのが党内問題の結論で、そのようにやっていかなければならない」と述べ、派閥の弊害除去に強い意欲を示した。
上田氏が、脱税事件で逮捕された金丸前副総裁を自民党の副総裁に起用した宮澤首相に結果責任があるとただしたのに対し、首相は「党内で指導的地位にあり、副総裁第っていただいた方で、大変残念なことだ」と述べたが、結果責任は言及しなかった。《共同通信》
【宮澤喜一首相】フィリピン・ラモス大統領と会談
宮澤首相は11日夕から東京・元赤坂の迎賓館で、フィリピンのラモス大統領と1時間半余り会談した。
両首脳は、アジア太平洋地域の安全保障について、米国の継続的関与が重要との認識で一致。大統領は、米軍のフィリピンからの撤退後も、米国との防衛面での対話を活性化させる意向を示した。
さらに、ラモス大統領はフィリピン人の元従軍慰安婦問題に言及、「満足のいく形でできるだけ早い解決」を求めたのに対し、宮澤首相は「筆舌に尽くしがたい苦しみを味わった方におわびの気持ちをいかに表すか検討している」と述べ、早期解決のために両国で折衝していくことで合意した。
一方、先進国首脳会議(東京サミット)に関連して、大統領は「クリントン米大統領にもっとアジアに時間を割くよう伝えてほしい」と述べ、米大統領のサミット後の東南アジア訪問に期待を示した。
大統領は、①日本からの投資拡大②対日貿易赤字削減のため農産品などの日本の市場アクセスの拡大―を要望。首相は来年度に経済援助の政策対話のミッションを派遣する考えを明らかにした。《共同通信》
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宮澤首相は11日夜、首相官邸で開かれたラモス・フィリピン大統領歓迎式典であいさつし、フィリピンに対する経済、政治、文化各分野での日本の支援策が「今後とも不変である」と表明した。
また「歴史の教訓を生かし、決して軍事大国にならない」とした上で、資金面に加え人的側面から「国際貢献の強化を図っていく」との考えを強調。フィリピンがカンボジアでの日本の国連平和維持活動に輸送機の中継基地を提供する形で協力していることを「高く評価」した。《共同通信》
【ロシア人民代議員大会】国民投票は中止
ロシア臨時人民代議員大会は2日目の11日、①新憲法草案に関する国民投票の中止②大統領令取り消しの権限を最高会議に付与③政府だけにあった法案提出権を議会などにも付与―を骨子とする大会最終決議案を賛成672票、反対116票の大差で基本採択し、最終採決は12日に持ち越した。これにより、エリツィン大統領が権力強化のため実施を望んでいた国民投票の中止が事実上決まったばかりか、大統領権限も大幅に縮小されることになった。
大会は基本採択後、決議案の正式可決に向け、条文の調整作業に移ったため、決議案の内容が今後修正される可能性は残っているものの、大統領が最終的に保守・中間派が優勢の議会側に重大な政治的敗北を喫することは避けられない情勢となった。
この結果、今後のロシア政局の主導権は、手足をもがれた格好の大統領に代わり、ハスブラトフ最高会議議長を指導者とする保守・中間派に移ることになり、エリツィン政権の存続さえ危ぶまれる局面を迎えた。
最終決議案はこのほか、大統領が、対立する同大会や最高会議の解散・停止を命じる権限を認めないとする憲法修正も発動させ、追い込まれた大統領の“伝家の宝刀”とみられた議会解散権も封じた。
大統領は2日目冒頭に演説し、自らの権力強化のため4月11日の実施を目指していた国民投票の延期を受け入れる譲歩を示し、権限問題での反対派との妥協を呼び掛けたが、大会は大筋でこれを拒否した。
半面、最終決議案は、大統領の要求を一部取り入れ、政府でなく最高会議に従属している中央銀行や連邦資産基金などの経済機関のトップを、閣僚として入閣させることを認めるなど、内閣の政策運営上の権限を拡大させた。《共同通信》
【フィギュアスケート】
フィギュアスケートの1993年世界選手権第3日は11日、プラハ(チェコ)のスポーツホールで男子自由を行い、カート・ブラウニング(カナダ)が順位点1.5で2年ぶり4度目の優勝。鍵山正和(愛知工大)は同11.5で8位に入り、日本男子では1981年大会の五十嵐文男=4位=以来の好成績。来年のリレハンメル五輪の男子シングルには日本から2選手が出場できることになった。
鍵山は最初のトリプルアクセルこそ転倒したが、その後6度の3回転ジャンプに成功。自由だけでは7位となり、テクニカルプログラム(TP=9位)の順位を上回った。
ブラウニングはジャンプでわずかなミスがあったが、芸術点で審判から満点(6.0)を与えられるなど豊かな表現力で圧勝。
アイスダンスのオリジナルダンスでは、日本の白幡カヨ、田中衆史組(サンスクエアク)が順位点25.0の25位にとどまり、12日の自由演技に進めなかった。《共同通信》