平成1597日目

平成5年5月23日(日)

1993/05/23

【カンボジア総選挙】投票開始

カンボジアの再生をかけた総選挙は23日から、全土で一斉に投票が始まった。国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)報道官が同日夜発表したところによると、投票初日の有権者の出足は極めて好調で、首都プノンペンで登録有権者の35%に当たる約15万人が投票したほか、ポル・ポト派の活発な活動が伝えられていた中部コンポントム州でもほぼ40%に当たる8万9707人、全土では、全有権者数の約30−40%に相当する150万−200万人が投票した。

同日早朝には、南部カンポート州チュムキリ郡内の投票所がポト派部隊の攻撃で投票箱が破壊され住民2人が死亡するなど、少なくとも全土で3人が死亡したが、報道官は「投票に向けた有権者の熱意は否定できない」と述べ、選挙の順調な滑り出しを強調した。

今月に入ってから、UNTAC要員、施設に対する相次ぐ襲撃で一時は実施さえ危ぶまれた総選挙だが、予定通り投票にこぎつけたことで、国連の全面管理によるカンボジア和平の展望は大きく前進した。

投票は28日まで行われ、来月5日前後には大勢が判明する見込み。選挙を経て成立する制憲議会は、憲法制定後、立法議会へと移行し国際的認知に向けた新政府をつくる。

カンボジアで選挙が実施されたのは、1972年のロン・ノル政権下での大統領選以来だが、複数政党制による自田選挙は実質的に初めてである。初日からの好調な滑り出しは、投票に向けた有権者の期待を反映したものといえそうだ。

この日は、人民党(プノンペン政権)のチア・シム議長、民族統一戦線のラナリット殿下、仏教自由民主党のソン・サン党首ら有力政党の指導者がプノンペン最大のオリンピックスタジアム投票所で一票を投じた。

明石代表もプノンペン市内のほか、カンダル、コンポンスプーでの投票状況を視察、「よくここまでき「たものだ」と、ようやく選挙実施にこぎつけた感慨を漏らした。

投票所は全国で1430カ所設置され、国連の選挙監視ボランティアや各国から派遣された選挙監視員らが立ち合った。《共同通信》

カンボジア総選挙投票初日の23日、南部カンポート、タケオ州と、北西部バンテイミエンチェイ州で投票所や選挙事務所が襲われ、3人が死亡、4人が負傷した。

【カンポート州チュムキリ郡】ポル・ポト派部隊40−50人が午前5時(日本時間同7時)ごろ、チュムプルワー村をロケット弾などで攻撃、投票所を占拠し、投票箱に向けて自動小銃を乱射、投票用紙を焼き払った。襲撃の巻き添えで、住民2人が死亡した。国連の選挙監視要員らにけがはなかったが、文民警察官の車1台が奪われた。1時間後、フランス軍歩兵部隊が装甲兵員輸送車1両と四輪駆動車数台で現場に駆け付けようとしたが、道路はポト派部隊に封鎖され、近付けなかった。両部隊の間で交戦はなかった。

【同州アンコーチェイ郡】プノンペン政権軍によると同日早朝、ロケット弾による投票所攻撃があり、市民2人が負傷。

【同州カンポート】州都カンポート市内には午後4時(日本時間同6時)ごろ、国連の展開以来初めて、ポト派部隊から砲弾一発が一撃ち込まれた。死傷者はなかった。

【バンテイミエンチェイ州ポイペト、ニミット】同日朝から昼すぎにかけて計3カ所の投票所近くに計7発の砲弾が撃ち込まれ、2人が軽傷を負った。どのグループの犯行かは不明。

【タケオ州バティ】同日午前、ラナリット派の民族統一戦線の選挙事務所に男が侵入、室内を物色後、逃走時に銃を乱射した。流れ弾に当たった少女が死亡した。《共同通信》



【大相撲夏場所千秋楽】貴ノ花、3度目の優勝

同期のライバル同士の相星決戦は貴ノ花に軍配—左から張って出る気迫の立ち合いを見せた貴ノ花は、曙の突き、押しを封じてもろ差しから寄り倒した。横綱昇進後の初賜杯を狙った曙は13勝2敗で涙をのんだ。

新関脇若ノ花は大関小錦の左小手投げに屈して10勝5敗。大関昇進は名古屋場所以降に持ち越された。小錦は7勝8敗。殊勲賞は若ノ花、敢闘賞は貴ノ浪、技能賞は貴闘力と二子山部屋勢が三賞を独占。幕内優勝者と三賞の各賞受賞者3人が同一部屋となったのは、昭和24年夏場所の出羽海部屋以来のこと。

十両は既に13日目に初優勝を決めていた湊富士が12勝3敗で制した。

貴ノ花、若ノ花の横綱、大関への同時昇進が懸かる。名古屋場所は7月4日から愛知県体育館で行われる。《共同通信》

優勝インタビューを受ける貴ノ花の目が、みるみるうちに赤く染まっていった。初優勝の時でさえ見せることのなかった涙。それだけこの一番に懸けていたのだろう。そんな気持ちをさらに若ノ花の敗戦が燃え立たせた。

最近、パワーに圧倒されて曙には3連敗。「何場所か相撲を取らせてもらえなかった。立ち合い、何かしなくては」。連敗脱出の執念は立ち合いでの左からの張り手となって表れた。気勢をそく効果十分。素早くもろ差し。曙が左からの上手投げにきたところをかまわず出て寄り倒した。うっ憤を一気に晴らす快勝。「とにかく一生懸命取るだけで…」。ため息をもらしながら話す声の震えは最後まで止まらなかった。

ライバルを倒しての14勝。大関昇進後初の優勝は、史上最年少横綱への足場を固めるものでもある。「まだこれからです。もっと精進して頑張らなくては…」。横綱どりへ話が及ぶと、潤んでいたひとみが、一点をにらみつけるような鋭いものへと変わっていくのがはっきりと分かった。

「来場所も優勝なら横綱の声は間違いなく掛かる」とは陣幕審判部長(元横綱北の富士)。鏡山審判部長(元横綱柏戸)も「狙える」と期待感を込めて言う。兄の若ノ花は大関を、弟は横綱を次の場所で目指す“ダブル昇進”が焦点となる名古屋は熱くなりそう。《共同通信》

【ゴルフ・丸山茂樹選手】プロ初勝利

ペプシ宇部興産ゴルフ最終日(23日・山口県宇部CC万年池西=6853ヤード、パー71)プロ2年目の新鋭、丸山茂樹がボギーなしの66で回り通算20アンダー、264の大会最少ストロークで待望のプロ初優勝を遂げた。獲得賞金は1440万円。

トッド・ハミルトン(米国)とともに通算15アンダーの首位タイでスタートした丸山茂は、1番でいきなりバーディーを奪って抜け出し、3、5番でもバーディー。さらにインで2バーディーを加え、2位のハミルトンに2打差をつけて逃げ切った。

3位には通算14アンダーで渡辺司と中村輝夫が入った。川岸良兼は7アンダーの19位、昨年優勝の中島常幸は通算6アンダーで27位に終わった。《共同通信》

【ゴルフ・西田智恵子選手】今季初優勝

中京テレビ・ブリヂストン・レディース・ゴルフ最終日(23日・愛知県春日井CC東コース=6204ヤード、パー72)上位がスコアを落として4人のプレーオフとなり、西田智恵子が制して今季初優勝、賞金900万円を獲得した。西田は昨年10月の東海クラシック雪印レディース以来の4勝目。

首位と3打差の4位でスタートした西田は、堅実なゴルフで2バーディー、2ボギー。通算イーブンパーの216で並んだ涂阿玉(台湾)、高村博美、村井真由美とのプレーオフでは1ホール目でチップイン・バーディーを決めた。

前日首位の具玉姫(韓国)は80と崩れ、アマの有藤智香らとともに11位に終わった。服部道子は27位だった。《共同通信》

【競馬・第54回オークス】一番人気ベガ快勝

競馬の第54回オークスは23日、東京競馬場の芝2400メートルで四歳牝馬18頭が出走して争われ、一番人気のベガ(武豊騎乗)が2分27秒3で勝ち、桜花賞に続く二冠を達成、賞金9600万円を獲得した。

二冠馬は昭和62年のマックスビューティ以来9頭目。武騎手はこのレース初優勝、桜花賞、皐月賞に続いて、ことしのクラシック3連勝を飾った。松田博資調教師は2度目の勝利。《共同通信》

好位につけたベガは直線で先頭に立ち、食い下がるユキノビジンを1馬身3/4抑えて快勝。3着はマックスジョリーが入り、上位3頭は桜花賞と同順位となった。《共同通信》

【自民党・小沢一郎元幹事長】改革志向勢力と連携も

自民党羽田派の小沢元幹事長は23日、民放のテレビ番組に出演し、政治改革をめぐる今後の羽田派の対応について「今度の国会で(政治改革が)できなかった、それなら次の国会で必ず実現させようという人がいればその人を支援するのも一つの選択肢だ」と述べた。

これは、政治改革関連法案が今国会で成立しなかった場合、秋の党総裁選をにらみ宮沢首相と対抗し政治改革を志向する他の派閥と連携する考えを明らかにしたものとみられる。《共同通信》

【日本人留学生射殺事件】被告の無罪確定

米ルイジアナ州東バトンルージュ郡裁判所の陪審は23日、昨年10月、服部剛丈君=当時(16)、愛知県立旭丘高二年=を射殺した事件で「計画性のない殺人罪」(マンスローター)に問われていたロドニー・ピアーズ被告(31)に対し全員一致で無罪評決を下した。

米国の法律では被告が無罪評決を受けたときは検察側は控訴できないため、同被告の無罪が確定した。 地域住民から選ばれた陪審が「自衛のための発砲は当然」とする米国の常識と「善良な市民」(弁護側)とされた被告に対する同情とを背景に、被告の行為は正当防衛という弁護側の主張を受け入れたものといえよう。 公判を終始、傍聴してきた服部君の父親、政一さん(46=)名古屋市港区=は「本当に信じられない」と無念さをにじませた。

この日は検察側、弁護側の双方による最終弁論を経て結審、12人の陪審員が約3時間にわたり審議を行った。同州では、マンスローターの場合、評決成立には10人の陪審員の一致で+分だが、今回は全員一致の評決となった。

弁護側は射殺の事実については争わなかったが、「服部君が異常な動きを示しながら急に接近してきたため、侵入者と思い、自分と家族を守るため発砲した」(被告)と正当防衛を主張。検察側は「住居への不法侵入者ないし侵入を企てる者を殺害して正当防衛が成立するためには加害者が住居内にいなければならないが、被告はドアの外に立っていた。また発砲の必要性もなかった」と反論していた。

17日から始まった公判では、最初の3日間をかけて陪審員を選任した後、証人調べに入り、当時、服部君に同行し事件を目撃したウェブ・ヘイメーカー君(17)ら31人が証言した。 服部君は昨年10月17日夜、ハロウイーン・パーティーに出掛けたが、訪問先を間違え、被告から「フリーズ(動くな)」と警告を受けたが、そのまま近付いたため44口径の大型短銃で胸を撃たれ死亡した。

「全員一致と聞いて本当に信じられなかった」―ピアーズ被告に対する無罪評決に対し、射殺された服部剛丈君ーの父親、政一さんは23日、東バトンルージュ郡裁判所の玄関で取材陣にこう答えた。

政一さんは「(息子の死は)結果的には犬死にでした。しかし、それだけでは済ましたくない」と語り、今後も米国での銃規制を求める日本での署名運動を続けていく意思を明らかにした。 ピアーズ被告に会う意思があるかとの質問には「向こうから会いたいと言ってくれば会います」と応じながらも、「裁判が無罪になったとしても、あなたが私の息子を殺したことには変わりはないと伝えたい」と無念さを表情ににじませて語った。《共同通信》



5月23日のできごと