平成3993日目
1999/12/14
この日のできごと(何の日)
【参院】「日栄」社長を証人喚問
参院財政・金融委員会は14日午前、商工ローン問題で業界最大手、日栄(京都市)の松田一男社長(77)を、午後からは商工ファンド(東京都中央区)の大島健伸社長(51)を証人喚間した。松田社長は同委員会での参考人招致の際と同様、会社ぐるみの悪質取り立てや自身の関与を否定した。大島社長も「法律を順守している」と違法性を否定した。
議院証言法改正に伴い、証人喚問は20年ぶりにテレビ中継された。
松田社長は、警視庁に逮捕、起訴された元社員らが行ったとされる「腎臓売れ」と迫る取り立てについて「そういう行為の指示をした覚えはない」と、自身の関与を否定。この元社員が「成績が悪く、本社に呼び出された」と供述したことについては「事実無根」と断言。子会社の債権回収については「子会社に任せている」と繰り返した。
事件の背景に「達成できなければ解雇」といった厳しいノルマ体質があるとの指摘には「ノルマを高いところに置くのは当然」と突っぱねた。社員が指定暴力団名を使って取り立てをしていた点については「上場会社が指定暴力団と関係を持つことはあり得ない」とした。
債権回収マニュアルについては「今年4月に作ったものは目を通し、一部手を加えた」と作成への関与を認めたが、脅迫的取り立てを紹介した文書については「ブロック長が勝手に作った」などとして会社ぐるみの使用はないと強調した。
しかし近畿財務局から取り立てなどについて再三指導を受けたが改善されていない点を指摘されると、体質改善への姿勢に甘さがあったことを認めた。《共同通信》
◇
「指示した覚えはない」「社員の逮捕は信じられない」。14日午前、参院財政・金融委員会で開かれた証人喚問。参考人招致に続いて追及を受けた商工ローン最大手、日栄の松田一男社長(77)は、暴力的な取り立てに対する自らの関与と指示を否定する発言を繰り返し、何度も「当社は一部上場企業でございます」と胸を張った。二時間余の質疑の最後には、元社員が松田社長を「極悪人」と呼んでいることを指摘されたが「極悪人とは思っていない」と反論、笑みすら浮かべる余裕も見せた。《共同通信》
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【工藤公康投手】巨人入団会見
プロ野球、ダイエーからフリーエージェント(FA)になり、移籍交渉が長期化していた工藤公康投手(36)の巨人への入団発表が14日、東京都内のホテルで行われた。
工藤からの申し入れで契約は1年。契約金7500万円、年俸は現状維持の1億5000万円。さらに巨人は工藤にリーグMVPと防御率、奪三振のタイトル料として一時金を支払う。背番号は西武、ダイエーで付けていた「47」。
会見に臨んだ工藤は「悩みに悩んだが、今は優勝するつもりでいる。中5日でも6日でも投げる」と晴れ晴れとした表情で話した。《共同通信》
【衆院政治倫理・公選法改正特別委員会】
今国会最大の焦点の衆院比例代表定数を20削減する公選法改正案は14日夜、自民、公明両党が衆院政治倫理・公選法改正特別委員会で採決を強行、可決された。これに対し野党側は「採決無効」と反発したが、伊藤宗一郎議長の裁定で同法案は継続審議となった。
これを受け同日深夜の衆院本会議で、来年1月から政治家個人への企業・団体献金を禁止する政治資金規制法改正案を全会一致で可決した。15日の参院本会議で成立する。
定数削減法案の今国会成立を強く求めていた自由党は、委員会採決を欠席するなど態度を硬化、連立政権離脱の動きを強めており、政局は流動化の様相を見せている。
民主党は、今国会中の小渕恵三内閣不信任決議案の提出見送りを決めた。自民党は会期延長を断念、臨時国会は15日、閉幕する。《共同通信》
【政府】北朝鮮制裁を全面解除
政府は14日、昨年8月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル発射に対抗して実施してきた制裁措置を全面解除した。青木幹雄官房長官が同日夕の記者会見で発表した。
青木長官は「超党派の訪朝団により対話の環境が整備され、こうした好機を最大限に活用するため解除を決定した」と強調した。政府は国交正常化交渉に向けた局長級の予備会談を21日ごろ、北京で開く方向で調整中だ。
日朝国交正常化交渉は1992年11月、日本が李恩恵問題を取り上げたことに北朝鮮側が反発、7年間中断している。予備会談の開催で、関係改善に向けた動きが再スタートする。
青木長官はまた超党派訪朝団と朝鮮労働党の合意に基づき、日本人拉致疑惑や食糧支援など人道問題解決に向けた両国赤十字間の協議も予備会談と並行し年内に開催する方針を示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の村上正邦参院議員会長は14日朝、自らが主催する自民、自由両党参院議員の強会で「民主党と連立を組むと言っている。小渕恵三内閣をご用聞き内閣と批判している」と執行部批判を強める小泉純一郎元厚相をやり玉に。自らは昨年の参院選挙の際、執行部批判をしたため当時の加藤紘一幹事長に除名されそうになったとの秘話を披露し「(小泉氏は)加藤執行部だったら、さっさと除名している」と加藤・小泉両氏の盟友関係をチクリ。返す刀で「今の執行部はそれすらできないのか」。《共同通信》
【民主党ニュース】
商工ローン証人喚問で櫻井、浅尾両議員が追及
各地で事件や訴えが表面化している商工ローン問題で、日栄の松田一男社長と商工ファンドの大島健伸社長に対する証人喚問が14日、参議院財政・金融委員会(委員長=平田健二参議院議員)で行われた。民主党・新緑風会の櫻井充議員と浅尾慶一郎議員は厳しく両社の反社会的な活動を追及した。
午前中行われた松田社長の証人喚問で櫻井議員は、松田社長の名が記された「支店の年末対策について」と「四月の切り返し交渉について」と題した内部文書を取り上げ、「あなたは前回11月の参考人招致の際、取立ては会社ぐるみでないと発言しているが、自ら陣頭指揮に立って強引なやり方を押し付けているのではないか」と迫った。
だが松田社長は、「全国支店長会議で激励はしているが、具体的な指示は営業統括本部が行っている」と責任を回避。マスコミなどで多く取り上げられた、同社長が現場に直接取立てを強制しているとの元社員の証言とはまったく異なり、「営業統括本部」に責任を転換する姿勢を示した。 また櫻井議員が「新聞では社長が社員を集めて檄を飛ばした際、反抗的な社員二人を殴ったと報じられている」と質問したことについても、「事実無根」と突っぱねた。
続いて質問に立った浅尾議員は、「日栄の元取締役が大分地裁で、〝保証人に本当のことを言うと誰も保証はしないから本当のことを言わない〟と宣誓の上証言している。事実だから、この証言に抗議したり告発できなかったのではないか」とただした。これについて松田社長は、しぶしぶながら「告発を検討する」と返答した。
さらに浅尾議員は、「今年三月に日栄から、同社への債務保証を担当するとされる日本信用保証株式会社に出向した社員の給与明細を見ると社員コードは同一。結局、両社は同じ会社ではないか」と追及したが、松田社長は「ややっこしいからそうしたまで」とあいまいに答える一方で、「あくまで別会社。親会社としてアドバイスするだけ」と突っぱねた。
続いて午後には、大島社長を喚問。櫻井議員は、「仙台地裁で係争中のケースで、債務残高が6500万円ある債務者に、事実を記入させず500万円を追加融資している。意図的に事実を伏せさせ、契約しているのではないか」とただしたが、大島社長は「係争中のことは裁判所の判断にゆだねる。事実を記入するよう伝えている」とだけ答えた。
次に浅尾議員は、「日栄は脅迫的な取り立てが特徴だが、商工ファンドは法の網をくぐるような悪質なやり方だ」と強調しながら、「自ら営業7割を新規獲得にあてるよう指示しているが、これは既存の借り手にこれ以上融資すると破産するからではないか」と質問した。だが大島社長は、「過剰融資を避けるための措置で、広く浅くが融資の基本」と述べるのに留まった。
定数削減・政党への企業献金継続/採決は無効、審議はやり直し
国会最終盤を迎え、審議方法をめぐり与野党が厳しく対立していた衆議院の政治倫理・公選法改正特別委員会で14日、自民・公明の両党が衆院比例代表定数を20削減する公選法改正案と、政党への企業団体献金を存続させる政治資金規正法改正案で、「この日は採決をしない」との理事会の合意を破って採決を強行した。しかし、伊藤宗一郎衆院議長の裁定で2法案は議長預かりとなり、事実上採決無効・審議やり直しとなった。
また委員会の冒頭、民主党と与党が先週合意していた来年1月からの政治家個人への企業団体献金を禁止する政治資金規正法改正案(付則9条の実施)は切り離して採決され、全会一致で可決。同日午後11時20分からの衆院本会議でも全会一致で可決、参議院に送られ、15日の会期末までに成立する見通しとなった。
民主党は共産、社民両党との野党共闘姿勢を崩さず、緊密に連絡を取り合って、与党側に対抗してきた。同特別委員会の日程を決める理事会では、(1)政治資金規正法付則9条の「政治家個人への企業団体献金の来年1月からの禁止」を先行して採決する(2)そのあとで同法付則10条関係の議員立法3法案を審議する(3)衆院の比例定数20削減は、与野党の協議が整わないうちに採決をすべきではない――と主張。堀込征雄、中桐伸五両理事が「3法案を一括して採決したい」などとする与党側と断続的に協議を続けてきたが折り合わず、10日と13日に予定された委員会は開かれないまま2度にわたって流会した。
14日、参院本会議で補正予算関連の中小企業対策法が成立したのを受けて、同委の理事会で(1)すでに合意した付則9条の委員長提案により採決する(2)政治資金規正法に関わる3法案(民主、共産、自民提出)の提案理由説明を行い、それに関わる審議を行う(3)今日は採決はしない――ことを委員長と与野党の理事が了解して、審議に入った。
ところが、審議開始から2時間たった午後9時過ぎ、民主党の松本龍議員ら野党議員の質疑が終了したところで、自民党議員が突然質疑打ち切り・採決を求める緊急動議を出そうと立ち上がった途端、野党議員が委員長席に駆け寄り、委員会室は大混乱に陥った。委員長の発言などが全く聞き取れない中、与党側の議員は、バンザイのような動作を繰り返し、採決が行われたとして退席した。
●連立維持のための国会私物化は許せない
野党3党はこの後、直ちに伊藤衆院議長に採決の無効を申し入れた。続いて開かれた党代議士会で堀込理事は経緯を説明しながら「議会制度の根幹に関わる議員定数のあり方を決める場所が、与党の暴挙によって壊されたことは納得できない」と憤りを露わにし、羽田孜幹事長は「皆さんとともに心から怒りを感じている。自自公の連立維持のために天下の公器である国会を私物化したのは許せない」と与党の暴挙を厳しく批判した。
この後10時20分、伊藤議長は与野党6党の国対委員長を議長室に集め、「国会議員の各々の政治資金や政治活動に関わる問題は各党間の協議が整うことを願っていたが、依然として結論が出ていない」とした上で、(1)政治資金規正法付則10条関連法案と定数削減法案については、議長預かりとしたい。今後審議が継続できるよう与野党は互譲の精神で取り組むようお願いしたい。(2)政治資金規正法付則9条関連法案は、本日(14日)の本会議で議了させたい――との裁定を出し、与野党ともこれを受け入れた。
民主党の川端達夫国会対策委員長は、この後共産党の穀田国対委員長、社民党の前島院内総務とともに国会内で記者会見し、議長裁定で与党の採決強行に断が下されたことから「小渕内閣への不信の気持ちは当然のことだが、不信任案を今の時点で出すことは控えることで3野党が一致した」と述べた。
また、与党側で取りざたされた会期延長問題について川端委員長は、付則9条関係の政治資金規正法改正案が成立することで「衆参両院で(処理すべき)法案がなくなり、15日で閉会するという裁定であり、現実にそれ以外の選択はないと認識している」と強調した。