平成5525日目
2004/02/23
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】国連・アナン事務総長と会談
小泉純一郎首相は23日夕、首相官邸で、来日中のアナン国連事務総長と会談した。首相は、自衛隊のイラク派遣について「人道復興支援のために行く。今のイラクの状況では最もふさわしい組織だ」と説明し、理解を求めた。これに対し、アナン氏は「正しいことだ」と派遣への支持を表明、「日本のビジョンと指導力を評価したい。イラクでの日本の役割を称賛する」と述べた。
会談で首相は、イラクの主権移譲プロセスで国連の一層の関与を要請した。アナン氏は「イラク側と協力して暫定政権を確立するメカニズムづくりを前進させることが重要だ」と応じ、国連の積極的な関与が重要だとの認識で一致した。
小泉首相は23日夜、首相官邸で、アナン氏を歓迎する夕食会を開いた。この中で首相とアナン氏は、安保理改革を含む国連改革の早期実現で一致。日本を第二次大戦の敵国と位置付けた国連憲章の旧敵国条項についても「時代遅れだ」との認識で一致した。《共同通信》
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平成16年2月23日、小泉総理は総理大臣官邸で、国連のアナン事務総長と会談し、イラク問題、国連改革、北朝鮮問題などについて意見交換を行いました。
会談後、小泉総理とアナン事務総長は共同発表に臨み、小泉総理は、「イラク問題が重要な局面を迎えているときに、アナン事務総長と率直な意見交換ができたことは大変有意義だった。イラク問題については、イラク人のイラク人のための国造りを国際社会と支援していくことが重要であり、イラクの再建に国連の積極的な関与が重要であるとの見解の一致を見た。」と述べました。
一方、アナン事務総長は、イラクへの自衛隊派遣を高く評価するとともに、「イラク側と協力して暫定政権を確立するためのメカニズム作りを推進することが重要である。」と述べました。
その後、総理大臣官邸でアナン事務総長歓迎の夕食会が催され、夕食をとりながら引き続き、国連改革、北朝鮮問題などについても意見交換が行われました。国連改革について小泉総理は、アナン事務総長が設立したハイレベル委員会の活動が重要であり、日本として支援していく、との考えを示しました。また、北朝鮮問題について小泉総理は、六者協議のプロセスを通じて、平和的・外交的手段によって包括的に解決するとの立場を説明し、アナン事務総長から十分な理解と支持を得ました。また、アナン事務総長は、拉致問題が日本にとって重要な問題であることを理解している旨述べました。《首相官邸》
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【皇太子殿下】44歳に
皇太子さまは23日、44歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち宮内記者会と記者会見。「イラクの情勢が混迷を深めてきており、一日も早く平和が訪れることを心から祈ります」と一述べた。
イラク国民や日本人外交官などの犠牲を「たいへん悲しいこと」と悼み、派遣された自衛隊員に「くれぐれも体に気を付け、イラク国民のためになるお仕事を」と言葉を寄せた。
昨年12月から公務を休み静養中の雅子さま(40)については、結婚以来、「世継ぎ問題のプレッシャー」や公務と育児の両立に努める中で疲労が蓄積したとし、「外では(疲れを)見せずに頑張っており、私も心配でした。今はともかく、すべてを忘れてゆっくり休んでほしい気持ちです」と気遣った。
長女愛子さま(2つ)の近況を「走ったり、飛び跳ねたり、言葉も少しずつ、増えてきました。いつの間に覚えたのか、かわいらしい表現をすることもあります」と披露された。
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皇太子さま44歳の誕生日に合わせ、宮内庁が公表した近況映像と写真には、静養中で公式の場から遠ざかっている雅子さまも登場された。
記者会見で皇太子さまは「公務復帰にはまだ時間がかかるかもしれません」としながら、「体調が回復したら、今までの経験を生かした形でのテーマが見つかって、かかわっていけるようになれば」と心遣いを見せられた。
映像と写真は12日、住まいの東宮御所(東京・元赤坂)で撮影された。夫妻でソファに腰掛けた雅子さまは、白のタートルネックセーターにスラックス姿。動物のぬいぐるみを手に愛子さまに笑顔で話し掛けたり、部屋で流れる童謡に合わせてリズムを取るしぐさを見せた。
側近によると、体調が良い日には皇太子さまや愛子さまと御用地内を散策したり、子供連れで訪れた友人らと歓談。一方で、けん怠感や頭痛、目まいなどで日中でも横になる日があるなど、健康状態は一進一退という。
撮影は当初10日に予定されていたが、雅子さまの体調がすぐれず、12日に変更された。負担がかからないようにと、宮内庁は15分ほどで撮影を終えた。《共同通信》
【薬害エイズ事件】帝京大元副学長の公判停止
薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われ、一審・東京地裁で無罪判決を受けた帝京大元副学長・安部英被告(87)について、東京高裁(河辺義正裁判長)は23日、元副学長が心神喪失状態にあるとして刑事訴訟法に基づき公判を停止する決定をした。97年3月の初公判以来、7年近くにわたる公判は事実上、元副学長の最終的な刑事責任が確定しないまま終結する見通しとなった。《朝日新聞》
【吉野家】焼鶏丼も販売休止
吉野家ディー・アンド・シーは23日、牛丼販売中止で導入した新メニュー「焼鶏丼」を3月中旬で販売中止にする方針を明らかにした。焼鶏丼に使う加工品の鶏肉をタイ、中国から輸入しており、両国からの輸入停止で在庫がなくなるため。
政府はタイ産の鶏肉など家禽肉で人体に影響がないとされる加熱処理した加工品については今月中に輸入再開を目指すことにしている。
吉野家は焼鶏丼の鶏肉の3割がタイ産、7割が中国産。同社は「今月中に加工品が再開になっても実際に製品が入ってくるまでに時間がかかる」としており、焼鶏丼中止後は新メニューを投入する予定だ。
ファミリーレストラン大手、すかいらーくも鶏肉の在庫不足で「日替わりランチ」などから鶏肉を外す。
すかいらーくはメニューで使う鶏肉の8割以上がタイ産。冷凍した鶏肉を輸入し、国内でチキンステーキや空揚げ用に加工しているが、冷凍の鶏肉は今回の輸入再開では対象外。在庫確保で「日替わりランチ」「週替わりランチ」での鶏肉の使用を中止した。
他方、加工品輸出再開をにらみ、ニチレイは生産を停止していたタイ現地資本との合弁の加工工場で生産再開の準備を始めた。
新設したタイ工場稼働の延期を検討していた日本水産も、今月中に輸入が再開されれば、当初予定の3月下旬の稼働に間に合う可能性があるという。《共同通信》
【イラク】自爆テロ、13人犠牲
イラク北部キルクークの少数派民族クルド人地区で23日、爆弾を積んだ車が警察署の前で爆発し、ロイター通信によると警官ら13人が死亡、50人以上が負傷した。車の運転手も死亡した。自爆テロとみられる。
イラク各地で活動を続ける反米武装勢力は「米国主導の占領統治に協力している」として、警察やイラク保安隊などイラク人による治安組織を狙った同様の攻撃を強めており、今回の事件もその一環とみられる。
キルクークでは大規模油田の支配権をめぐり、クルド人とアラブ人など民族間の衝突が続いている。親米のクルド人に対する反発は強く、イラクで武装活動を率いるザルカウィ氏は国際テロ組織アルカイダ高官あての書簡で、クルド人を「主要な敵」の一つに名指しして攻撃を呼び掛けていた。
キルクークの警察当局者によると、事件当時、警察署前では朝礼のため約20人の警官が集合していた。AP通信によると、署に入ろうとした警察の車列最後尾に犯人の車が突っ込み、爆発した。現場には爆発で吹き飛ばされた遺体の一部が散乱。付近の建物や車も天きな損害を受けた。
負傷者の中には、近くの学校に通う子供たちも含まれているという。《共同通信》
【この日の民主党】
[衆院予算委]年金流用、道路借金返済問題などを質す
衆議院予算委員会の23日の質疑で、民主党から生方幸夫、牧野聖修、小林千代美、首藤信彦、長妻昭、井上和雄の各議員が質問に立った。
生方議員は、新生銀行の上場について「8兆円の公的資金投入で最終的に国民負担が4兆円超える一方で、株売却で外資系投資グループが不課税で大きな利益を得る。リスクに見合ったリターンになっていない。国民は納得できない」として経緯をチェックして今後の不良債権問題に生かすよう求めた。
また、中国人留学生の犯罪や不法滞在の増加を理由に入国審査が厳しくなっていることについて「意欲を持って勉学に来る真面目な人が大多数だ。日中交流拡大のためにも奨学金など援助策を講じ、できるだけ広く受け入れて欲しい」と要望した。
牧野議員は教育問題で質問。冒頭、今日の時代状況における「心の教育」の重要性を指摘し、道徳教育ばかりではなく、家庭や地域コミュニティなどと連携した人格教育をこそ推進すべきことを主張した。また、教育基本法改正については1年前に出された中央教育審議会の答申を取り上げ、「教育を投資の対象と捉え、投資効率を良くすることを目標にしている」と厳しく批判。河村文科相は、教育環境の整備について論じている部分だと弁解しながらも、法案化にあたっては「投資」という表現を使わない意向を示した。
小林議員は、イラクへ派遣された自衛隊員の放射能被害について質した。小林議員は「私の出身地の千歳、恵庭は基地の町。家族に説明するつもりで答えを」と前置きした上で、石破防衛庁長官が劣化ウラン弾がサマワでは見つかっていないと答弁したことを取り上げ、その後に発見されたことを踏まえて撤退・活動地域の変更を行うべきだとした。石破長官はガンマ線が「あったとすればそこでは活動しない」と答えた。また、小林議員が自衛隊員の健康管理について質したのに対し、石破長官は「帰国後も精神面も含めてケアする」と答えた。
首藤議員はまず、イランのアザデガン油田の開発契約が当初の米国からの圧力にもかかわらずまとまったことを「エネルギー権益の確保と日本の中東政策において意義がある」と評価するとともに、中東の安定に向け今後も外交努力を重ねるよう川口外相に要請した。
続いて首藤議員はイラク・サマワでの自衛隊活動に関して借地料の問題を取り上げ「オランダ軍が70~100万円とされるのに日本はなぜ1億円なのか」と石破防衛庁長官に質問。長官は具体的数字を何ら明らかにしなかったが、首藤議員は、破格の支払いは現地の社会システムの破壊につながりかねないと懸念を示した。また、劣化ウラン弾の発見とそれによる健康被害を伝える英国防省警告書の存在を石破防衛庁長官に確認した上で、自衛隊員の安全確保に向けて危険を周知・警告する体制を整えるよう求めた。
長妻議員は年金の掛金流用問題を中心に質問。「社会保険庁職員の健康診断費用が厚生・国民年金、政管健保の掛金で賄われている。県人会参加費や退官記念品代などの社会保険庁長官交際費にも、低家賃の職員用マンション建設費にも、厚生年金に加入している非常勤職員の人件費にも、職員の外国旅費や公用車購入にもどんどん使われている。年金財政が厳しい中で国民の年金不信が益々高まる。廃止や見直しをすべきだ」と谷垣財務相や坂口厚労相に迫った。また、天下りや天下り先での高額報酬の見直しについて「そろそろ始めたらどうか」と皮肉り、数値目標と達成期限を明確にするよう厚労相に求めた。
井上議員は、道路公団改革、年金改革、住宅の省エネ対策などについて質問した。道路改革では、今までの料金収入(44.3兆円)と建設費(43.4兆円)を質し、なぜ45年間で借金が返済できるのかを詰問した。石原国交相は「法律に書き込む」としただけで詳しい返済計画については示さなかった。年金については基礎年金は生活保障だとして、スウェーデン方式への転換を求めた。住宅の省エネに関して、二酸化炭素の削減計画(6%)の達成のためにも、断熱材、2重窓、外断熱工法などを規制として取り入れるよう求めた。《民主党ニュース》