平成5529日目
2004/02/27
この日のできごと(何の日)
【東京地裁】オウム・松本智津夫被告に死刑判決
地下鉄、松本両サリンの無差別大量テロ殺人事件など、計27人が死亡した13事件で殺人罪などに問われたオウム真理教、本智津夫被告(48)=教祖名麻原彰晃=に対し、東京地裁は27日午後、求刑通り死刑の判決を言い渡した。
小川正持裁判長は「被告は一連の犯行の源であり首謀者」とし「救済の名の下に日本支配を考えた動機は、あまりにも浅ましく愚かしい限りで、極限の非難に値する。遺族らの悲嘆は深く、極刑をもって臨む以外に道はない」と厳しく指弾した。
一連の事件で死刑判決は12人目。犯罪史上、未曾有の大量殺人に走った教団の「教祖」が極刑となり、教団をめぐる事件の一審はすべて終了した。
弁護側は直ちに控訴した。現在の弁護団は控訴審は担当せず、第二東京弁護士会の松井武弁護士が私選弁護人に就任した。
小川裁判長は午後の判決理由朗読で、松本サリンなど午前中の7事件に続き、地下鉄サリンなど6事件についても無罪主張を退け、松本被告と実行犯の共謀(実行犯への指示)を認めて、全事件の有罪を認定した。
量刑理由では、一連の事件について「自分が絶対的存在だと空想を膨らませ、日本を支配しようと考えた被告の虚言のもたらしたもので、被告の自己顕示欲や支配欲が極度にあらわれた結果」と分析。
さらに「わが国や諸外国の人々を恐怖に陥れた、これまで知ることのこない誠に凶悪な犯罪で、被害者や遺族の処罰感情がこれ以上ないほど厳しいのは当然だ」と指摘した。
松本被告が審理途中から沈黙し続けたことにも言及。「弟子に責任転嫁する態度に終始して、現実から目を背け、閉じこもって隠れている。遺族らに一片の謝罪の言葉もない。責任を語ることなく弟子たちに今なお、あしき影響を残している」と批判した。
地下鉄事件については「被告は、教団武装化が完成する前に警視庁による強制捜査が行われるのを恐れ、サリンによる無差別テロを起こせば捜査もなくなるだろうと考えた」と指摘。事件2日前の1995年3月18日未明、都内から山梨県上九一色村に向かう途中のリムジン車内でサリン散布を元幹部らに指示し、共謀が成立したと判断した。
同乗者に対する判決では「リムジン謀議」を否定しており、明確に認定したのは初めて。弁護側は「指示はない」と主張したが「弟子が『グル」である被告に無断で事を進めるとは考えられない」と退けた。《共同通信》
◇
午後3時14分。裁判長が死刑を宣告した瞬間、松本智津夫被告は反応を見せず、うつむいて立ちすくんだままだった。松本智津夫被告は27日午前10時前、刑務官2人に前後を挟まれて、東京地裁で一番大きな104号法廷に入った。自ら歩くというより、ひきずられるようだった。黒い上着に黒いズボン姿。目をつむったまま、弁護人の前に座った。
「まず理由の要旨を告げますから、被告人はその席で聞いていてください」と小川正持裁判長。 松本被告は腕を組んだまま、時折ニヤニヤと笑みを浮かべ、顔をそむけたり、フンフンと鼻を鳴らしたりする場面もあった。傍聴席には、被害者・遺族や松本被告の親族とみられる女性の姿も見られた。
松本被告はここ数年、沈黙を続けてきた。昨年春の被告人質問や、昨年10月の最終意見陳述の際も、何も語らなかった。弁護団が東京拘置所で接見しても、会話が成立しない状況だ。弁護団が松本被告の子どもたちを拘置所まで接見に連れていっても、会わなかった。《朝日新聞》
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「救済」の名の下、日本中を空前の恐怖に陥れた男に、極刑が宣告された。オウム真理教松本智津夫被告(48)=教祖名麻原彰晃=に対する27日の死刑判決。教祖は沈黙の殻にこもり、裁判長の「あまりに浅ましく愚かしい」との非難にも反応がなかった。奪われた27人の命、やすやすと犯罪に駆り立てられた若者たち。8年近い公判の末、悲劇の真相は闇に残され、遺族らが癒やされることはない。判決後の法廷で、誰もがやりきれない思いをかみしめた。
27日午後3時10分すぎ、小川正持裁判長が刑務官に指示した。「主文を言い渡しますから、被告を証言台に立たせてください」。被告席に座る松本被告は、8人の刑務官に囲まれ両脇を抱えられたが、嫌がり、腰を下ろそうとする。
ようやく立っても、刑務官に寄り掛かったまま。裁判長は強い口調で「立ちなさい」と注意。被告は何かつぶやいたが、傍聴席からは聞き取れない。刑務官が被告のそばを離れた直後だった。「死刑に処する」。被告の表情は変わらなかった。
「弟子として自分に傾倒していた者に責任転嫁し、その現実からも目を背け、閉じこもっている。一片の謝罪の言葉もない」
裁判長は厳しく指弾した。だが被告は鼻をこすったり、天井を仰いだり。被害者の感情に触れると、裁判長の方に体を向け、何かを唱えるように口を動かした。
判決理由に「ふん、ふん」と小声でうなずき、時折歯を見せて「ぐふふ」っと笑う場面も。「くくっ」とばかにしたような声を上げ「ポアとは殺害の意味」と指摘されると、裁判長に向かって右目を開き、むっとした表情を見せた。
傍聴席からは女性のすすり泣く声が漏れ、ハンカチで目頭を押さえる姿も目立った。気分が悪くなり、隣の人に背中をさすってもらう人もいた。
弁護団は開廷前と休廷中、閉廷後の3回接見したが、被告は何も話さなかった。肩を揺らし、怒ったような表情を見せたため「怒ってるの」と聞いたが無反応。「控訴するからね」と何度も念押しし、拒否しなかったので控訴した。
被告はこの日午前7時に起床。ご飯と納豆、味付けのり、みそ汁の朝食を残さず食べたという。
◇
松本被告の弁護団は閉廷後、東京・霞が関の弁護士会館で記者会見。渡辺脩団長は「なぜ、あんな事件が起こったのか。説得力のある説明はなかった。証拠に基づいた事実認定を求め続けたが、すべて無視された」と判決を批判した。
弁護団は判決直後に松本被告に接見。控訴の意思表示はなかったが、弁護人の権限でただちに控訴した。
現在の弁護団は控訴審は担当せず、松本被告の娘2人の代理人を務める第二東京弁護士会の松井武弁護士が私選弁護人に就任した。
控訴審まで続けない理由について、渡辺団長は、「心身ともに限界で、これ以上やれば事務所が持たない」と苦笑い。同席した別の弁護士が「控訴審は新しい視点で争った方がいい」と補った。《共同通信》
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小泉首相は27日夜、オウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告に対する死刑判決について「あれだけの大犯罪ですからね。死刑は当然ですね。もっと早く裁判が終わっていればいいんですけどね。被害者はやりきれない思いでしょうね。悔しい思いよく分かります」と語った。
被害者に対する政府の支援策が十分かとの質問には「状況は人によってそれぞれ違いますからね。できるだけの対応はしないといけないと思っています」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
歴代首相は、三権分立の原則から確定前の判決について評価を述べるのは避けるのが通例で、こうした発言は異例。小泉首相は昨年8月、大阪教育大付属池田小での児童殺傷事件で宅間守被告が死刑判決を受けた際にも「当然だと思う」と語っている。《朝日新聞》
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【京都府】鳥インフルエンザで陽性反応
京都府は27日、同府丹波町の採卵養鶏場で今月20日以降、計約1万羽の鶏が死に、鳥インフルエンザの感染を調べる簡易検査で5羽から陽性反応が出たと発表した。確定すれば山口、大分に続いて国内で戦後3例目。
府は27日、対策本部を設置。死んだ鶏の検体を動物衛生研究所(茨城県つくば市)へ送って本格検査し、感染の最終確認を急ぐ。また、同養鶏場と半径30キロ以内の養鶏場、養鶏農家に対して卵と鶏肉の移動と出荷の自粛を要請、養鶏場の周辺の立ち入りを規制し、周辺でも鶏に異常がないか確認している。
府によると、保健所などに26日、「丹波町の養鶏場で鶏が毎日死んでいる」との匿名電話があり、養鶏場に確認したところ「2月20日ごろから毎日約1000羽、合計約1万羽が死んだ」と説明を受けたという。同養鶏場は約20万羽の鶏を飼育している。《共同通信》
【自衛隊イラク派遣】陸自主力サマワ到着
イラク派遣の陸上自衛隊の主力部隊が27日午後2時半ごろ、クウェートから陸路サマワ入りし、造成された仮宿営地で先着の部隊約100人と合流した。
イラク復興支援特別措置法成立から約7カ月。サマワ周辺の治安が流動化する中、陸自の支援活動が本格段階を迎える。
派遣部隊全体のトップとなる番匠幸一郎一佐は到着後、「国民に託された任務をスタートできることを心から喜びに思う。日いずる国から来たわれわれ日本人が、イラクの夜明けに光を差すことができれば」などと語った。
到着したのは主力部隊第一波のほぼ全員に当たる約130人で、機関銃で武装した軽装甲車など約30台。1時間に3.5トンの真水をつくる能力を持つ「浄水セット」を搬入した。本格的な宿営地を造成するための重機なども、今後数日間で運び入れる。
陸自の先遣隊は1月19日以降、活動地域に指定されたムサンナ州の4市7村の評議会すべてを訪問。佐藤正久一佐らは部族社会や宗教指導者らとの会談を重ね、日本へのニーズ把握を急いできた。
3月末をめどに残る主力部隊の隊員らもイラクに入り、総勢約560人が浄水と給水、道路などの補修、医師免許を持つ自衛官らによる医療支援を本格化させる。
主力部隊到着で陸自部隊は「イラク復興支援群」と総称される。番匠一佐が「群長」を務め、佐藤一佐はその指揮下に入る。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の岡田克也幹事長は27日の代議士会で、自民、民主両党議員による超党派議連の相次ぐ発足を取り上げ「いろんな意図で活動がなされる場合もある」と自民党側に利用されないよう注意喚起した。ただかつて政治改革を目指して超党派の活動に参加した自らの“前歴”については「それが自民党の政権転落につながっていった一つの動きだった。いい方向の動きはいい」と強調。出席者からは「ご都合主義」と苦笑が漏れ、警告の効き目はいまひとつか。《共同通信》
【小泉純一郎首相】スペシャルオリンピックス名誉会長と会談
平成16年2月27日、小泉総理は総理大臣官邸で、スペシャルオリンピックスのシュライバー名誉会長と会談を行いました。
スペシャルオリンピックスは、故ケネディ米国大統領の妹であるユニス・ケネディ・シュライバー名誉会長が創始した活動で、日々のトレーニングと競技会を通じて知的発達障がいのある人々の自立と社会参加を達成することを目的とし、世界約160カ国が加盟して、知的発達障がいのある人々125万人と100万人を超えるボランティアが活動に参加しています。
スペシャルオリンピックスは、オリンピックと同様に4年ごとに夏・冬の世界大会を開催しており、平成17年2月には長野県で冬季世界大会が開かれる予定です。
会談で小泉総理は、「スペシャルオリンピックスは障がい者に対する理解を深める重要な大会だと聞いている。」と述べ、同席したボーリング競技の日本人メダリストの平田さんと「私も昔はボーリングが得意で、200を超えたこともある。しかし、最近やったときはガーターだった。」となごやかに歓談しました。《首相官邸》
【この日の民主党】
[衆院予算委]政府の三位一体改革の限界が鮮明に
衆議院予算委員会は27日、平成16年度予算案に関する公聴会を前日に続いて開き、新藤宗幸千葉大学教授ら4人の公述人から意見を聞いた。民主党からは小泉俊明議員が質問に立った。
新藤教授は「政府予算案は基本的に問題が多すぎる」と断じ、三位一体改革の問題を中心に意見陳述を行った。一般会計予算について新藤氏は、既存の財政構造に改革の手を加えずに歳出削減をはかり、一方で国民に負担増を求める図式が鮮明だと分析し、「国債発行額は過去最高、予算の44.6%が借金ということになる。財政は危機などというレベルを超えて破綻に近い」と断じ、「三位一体改革を大胆に実施すべき」と主張した。
また新藤教授は、政府の三位一体改革による補助負担金の削減、所得贈与税による財源補償、地方交付税の総額抑制が自治体財政にどのような影響を及ぼすかを北海道ニセコ町と岐阜県多治見市を例に分析し、「地方分権改革による税・財政面における自由度や裁量の強化ではなく、自治体への負担転化の色彩が濃厚」と批判。民主党が先の衆院選でマニフェストに示した大規模な税財源移譲を行うべきとした。
質問に立った小泉議員は「三位一体改革の本来の目的は地方自治の裁量権の拡大にあると思う」と述べ、中央から地方へ、官から民へとの小泉首相の主張と現実は逆行しているとして「中央から地方へは借金の付け替えだけが行われ、中央集権が強まっている印象だ」と指摘。新藤教授も同様の認識を示した。
[衆院本会議]高井議員、義務教育費国庫負担法改正案で初質問
衆議院本会議が27日に開かれ、政府提出の義務教育費国庫負担法等改正案について趣旨説明と質疑が行われた。質疑では、民主党・無所属クラブを代表して高井美穂議員が初質問に立った。
同法案は、地方分権の三位一体改革の一環として、義務教育費国庫負担金のうち教職員の退職手当と児童手当の部分を一般財源に組み入れるというもの。
高井議員はまず、もともと裁量の余地のない手当を一般財源化することが「地方の自由」の拡大につながるのかと質した。麻生総務相は、「それ自体は自由化の向上に資するものとは考えがたいが、18年度末までに全額を一般財源化する中での措置であり、改革を一歩前進させるもの」などと苦しい説明に追われた。
また高井議員は、この法案の措置が義務教育改革にとってプラスになるのか、と追及。しかし河村文科相は「国庫負担の対象経費を国が真に負担すべきものに限定する」などと、国の支出のスリム化という観点からしか説明できなかった。
さらに、国庫負担金総額を一括して地方に渡す総額裁量制が政令改正で導入されようとしていることについて高井議員は、「地方の裁量を拡大するといっても、1クラス40人という現行標準法(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律)の中でのやりくりになっている。この際、30人以下学級を推進し、地域が主役の教育環境を整備すべく制度設計を見直すべき」と迫った。河村文科相は「40人を標準としつつも、それを下回る基準を定めることも可能にする」などと答えるにとどまった。
[参院本会議]川橋議員、決算審査の早期化を求める
参院本会議が27日開かれ、平成14年度決算を審議。民主党・新緑風会から川橋幸子議員が質問に立った。
川橋議員は冒頭、「参院の独自性は決算重視にあり、決算審査内容を充実し次年度予算へ反映させるため、決算の国会への早期提出の実現が必要」と力説。次いでスパウザ小田原など巨額な出資金で建てられた年金福祉施設の安値売り急ぎについて、小泉首相以下の「丸投げ・丸受け」体質による「政治と行政のもたれ合い、無責任」の結果だと迫った。
また、「財政再建のためには税収の正確な見積もりが不可欠」だとして見積もりの精度向上を求め、小泉首相の国債発行額「30兆円枠」の公約違反について「今も大したことはない、という気持に変わりはないか」と追及した。さらに「改革の痛み」について失業率や非正規雇用の急増など労働市場の実態を「首相は知らないか、あまり関心がないのではないか」と皮肉るとともに、若年失業の深刻化について「若者にとっては『雇用崩壊』どころか『人生の夢の崩壊』になりかねない状況を政治家はじめ経済、教育のリーダーたちは分かっているのか」と迫った。
最後に、財政難の理由によるODA(政府開発援助)の減額は「哲学なき我が国外交の姿を国際社会にさらけ出すことになる」と指摘し、「国連開発目標や人間の安全保障に関するODAについて日本としての数値目標を示す時期だ」と説いた。
「日歯連疑惑、分かりやすい解決図る」岡田幹事長
民主党の岡田克也幹事長は27日の定例記者会見で、日本歯科医師連盟の不正政治献金問題ついて、「けた違いの献金が渡っている人もいる。個々の名前を挙げて感謝していることが議事録に残っている。国民の皆さんからみて分かりやすい解決を図るべきだ」として、今後も追及することを強調した。
拉致問題に関し、来週韓国の「拉北者」(拉致被害者)3人が党の要請で来日、国会でも証言してもらう見通しであることに触れ、「日本の拉致被害者に関する何らかの情報が得られることを期待する」と述べるとともに、「政府ができないことに党として取り組み、解決を図りたい」と積極的な姿勢を示した。
党改革については、「本日の党改革推進委員会で党の意志決定のあり方を議論した。両院議員総会を3分の1程度の要求があれば開く方向」と議論の一端を披露した。
東京・三軒茶屋で街頭演説会開く
民主党は27日夕、東京・三軒茶屋駅頭で街頭演説会を開いた。この日の演説会は、通常国会において審議されている重要問題を広く国民に伝えていくために取り組んでいる連続街頭演説会の一環で、地元・東京6区選出の小宮山洋子衆議院議員、東京選挙区選出の小川敏夫参議院議員のほか、松本剛明衆議院議員、古賀一成国民運動委員長が参加。寒風吹きすさぶ中、通勤帰りのサラリーマンらが力強い訴えに耳を傾けた。
1月の交通事故による負傷もほぼ回復し、元気な姿を見せた小宮山議員は、『次の内閣』ネクスト法務相の立場から、同日、オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告に死刑判決が下されたことに言及し、「この判決も9年かかった。裁判を迅速化し、国民が司法に関われるようにする司法制度改革が必要」と訴え。裁判員制度導入に向けた国会審議などを報告した。
また、7月の参議院選挙で再選を目指す小川敏夫議員は、安定した年金制度への改革をめぐる論点を紹介。プールした国民の年金保険料の運用をめぐる利権を手放せない自民党には抜本的な制度改革はできない、と訴えた。
街頭演説会は、今後も都内各所で毎週水曜日と金曜日の昼・夕2回行っていく。《民主党ニュース》