平成5530日目
2004/02/28
この日のできごと(何の日)
【6カ国協議】閉幕
北朝鮮の核問題をめぐる第2回6カ国協議は28日午後、次回協議開催や作業部会設置などの合意をうたった議長総括を発表、4日間の日程を終えた。焦点の北朝鮮の「完全核放棄」は米朝の原則的対立が解けず先送りされたが、北朝鮮の核問題解決に向けた多国間の枠組みが初めて文書の形で示されたことで一定の前進を見せた。「関連する懸案に対処する」との表現で、間接的に日本人拉致問題解決の必要性も盛り込まれた。次回は4−6月に北京で開かれる。
7項目の成長総括は「朝鮮半島非核化」を明記、対話を通じた核問題の平和解決の必要性で一致し、6カ国が「核問題に対処するため調整された措置をとる」とした。
放棄・凍結の対象を「核兵器」に限定、ウラン濃縮による核開発も否定した北朝鮮と「検証可能で後戻りできない形による完全核放棄」を求める米国の対立する主張を折衷した中国側提案という。
米政府高官は北朝鮮がウラン濃縮による核開発を否定、北朝鮮以外の5カ国が「完全核放棄」の必要性で合意したことを明らかにし、協議は「予想以上の成果があった」と評価した。
一方、北朝鮮の首席代表、金桂冠外務次官は会見で「核兵器計画」の凍結提案は「非核化のための第一歩」だと表明した。
議長役の王毅・中国外務次官は会見で、北朝鮮の核放棄について「定義と範囲の共通認識が得られなかった」と述べる一方、北朝鮮への「安全の保証」を文書形式で解決することで各国が合意したことを明らかにした。王次官によると、作業部会は「それほど遅くない」時期に開かれる見通し。
閉幕式直前に北朝鮮が合意文書修正を提案、急きょ協議するなど混乱、閉幕は大幅にずれ込んだ。結局、当初各国が合意した「共同新聞発表」の形で発表される予定だった文書は拘束力の弱い「議長総括」になった。《共同通信》
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北京での6カ国協議で北朝鮮との溝が基本的に埋まらなかったことを受け、自民党は核開発の放棄と拉致問題の解決に向けて今後も圧力をかけ続ける方針だ。野党からは協議継続を評価する一方で、交渉が進展しなかったことに対する批判も出た。
自民党の安倍晋三幹事長は28日、埼玉県所沢市内で演説し「北朝鮮は核開発を認めた上で、核放棄を宣言すべきだ」と求めるとともに、拉致被害者家族の早期帰国を要求。改正外為法にも触れ「北朝鮮がこれ以上、状況を悪化させれば、政府は場合によっては(発動を)判断するかもしれない」とけん制した。
額賀福志郎政調会長は、札幌市内での講演で、作業部会の役割に期待を表明すると同時に「北朝鮮は拉致問題解決のための段取りを明確にすべきだ」と強調。古賀誠元幹事長は広島県福山市で講演し、核や拉致問題に触以れ「米大統領選が終わるまで進まないのではないか」との見通しを示した。
一方、民主党の菅直人田代表は、水戸市内の演説で「しっかりした前進が実現できていない」と指摘。「北朝鮮問題では中国の関与が重要だが、小泉純一郎首相は胡錦濤国家主席と会うこともできない」と首相の指導力に疑問を投げかけた。
共産党の志位和夫委員長は談話を発表し、拉致問題について「両国間の協議継続が確認されたことは前進」と表明。社民党の又市征治幹事長は、談話で「政府の対応は本国との共同歩調ばかりが目立った」と中国や韓国、ロシアとの連携も強めるよう注文した。《共同通信》
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拉致問題をめぐる日朝協議の日程も決まらないまま、6カ国協議が閉幕したことに、拉致被害者や家族会メンバーは28日夜、「残念」「失望した」と落胆の声を挙げた。
拉致被害者、福井県小浜市の地村保志さん(48)はコメントを発表し「実質的進展がなく『議長声明』(議長総括)でも明確に言及されなかったことに物足りなさを感じる」と不満を表明した。
さらに子供の帰国問題で進展がなかったことに「協議前に伊勢神宮を参拝して祈願したのに、誠に残念」とし「一層の外交努力を強く求めたい」と政府に注文した。
地村さんの妻富貴恵さん(48)の兄、浜本雄幸さん(75)は小浜市役所で記者会見し「議長総括に拉致も言葉が盛り込まれず歯がゆい。何もいい話はなかった」と憤った。
家族会事務局次長の増元照明さん(48)は、外務省から政府支援室を通じ「北朝鮮は次回協議日日程について『早急に外交ルートで回答する』と答えた」と連絡があったことを明らかにした。
その上で「北朝鮮の時間つぶしにお付き合いをさせられただけ。失望した。経済制裁などの圧力を強めるべきだ」と語った。
家族会事務局長の蓮池透さん(49)は「次の協議日程だけでも決めてほしかった」と話し、拉致問題が議長総括で「関連する懸案」という間接的表現で触れられたことに「ないよりはあった方が良い」と語った。《共同通信》
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【スノーボード・W杯】
スノーボードのワールドカップ(W杯)にいがた上越国際大会最終日は28日、新潟県上越国際スキー場で男女のハーフパイプ(HP)第8戦を行い、女子の山岡聡子(アネックスク)がW杯種目別優勝を決めた。日本女子選手としてスキー種目のW杯種目別制覇は史上初めて。
山岡はこの日の予選で15位となり、最終戦を待たずに、獲得ポイントで種目別1位が確定した。
スキー種目での日本人選手のW杯種目別優勝は、ノルディック複合の荻原健司、フリースタイル・スキークロスの滝沢宏臣が果たしている。
男子はスティーブン・フィッシャー(米国)が今季初勝利、女子はリンゼイ・ジャコベリス(米国)が今季4勝目を挙げた。日本勢は女子の田村弥生(白馬ク)の8位が最高だった。《共同通信》
【小泉純一郎首相】タウンミーティングに出席
政府は28日午後、小泉内閣の閣僚と国民が直接対話するタウンミーティングが昨年末に100回を突破したことを記念し、首相官邸と岩手県遠野市の2会場を中継で結び、「タウンミーティング イン官邸アンド遠野」を開いた。
小泉純一郎首相は「100年後に成功、失敗したと評価される小泉内閣の政策は」と聞かれ「郵政民営化は将来、誰も想像しなかったことをやり遂げたと(言われる)。道路公団民営化の評価を1とすれば、郵政民営化が実現すれば100点以上だ。それほど難しい壮大な計画だ」とぶち上げた。《共同通信》
平成16年2月28日、小泉総理は総理大臣官邸で開催された「タウンミーティング イン 官邸 アンド 遠野」に出席しました。
タウンミーティングは、小泉内閣と国民との直接対話を促進することを狙いとして、平成13年6月の第1回以来、全都道府県で開催され、平成15年12月に通算100回を数えました。
今回は100回突破を記念して、これまでのタウンミーティングの参加者の中から招かれた11名が、小泉総理と直接対話しました。
また、同時開催されていた岩手県遠野市の会場と中継で結び、小泉総理と遠野市の参加者との対話も行われました。
小泉総理は、「政治は一部の人間が行うものではなく、皆さんと一緒に作っていくもの。タウンミーティングの中で出た様々な意見を参考にし、政策に反映して改革を進めていきたい。これからも積極的な意見をお願いしたい。」と述べました。《首相官邸》
【W杯・ジャンプ】
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ個人第19戦は28日、米ユタ州パークシティーの五輪公園ラージヒル(K点120メートル)で行われ、1回目に120.5メートルで首位に立った葛西紀明(土屋ホーム)が2回目の122.5メートルで逃げ切り、合計235.9点で今季初勝利、通算15勝目を挙げた。日本選手の優勝は、昨年2月に葛西がビリンゲン(ドイツ)で勝って以来となる。
31歳8カ月の葛西は、イエンス・バイスフロク(ドイツ)が持っていた31歳6カ月のW杯史上最年長優勝記録を塗り替えた。通算勝利数でも、船木和喜(フィット)を上回り、日本選手では単独トップに立った。
葛西と1点差の2位はソルトレークシティー五輪2冠のシモン・アマン(スイス)。7位に宮平秀治(ミズノ)、9位に東輝(日本空調)と、今季初めて日本勢3人がベスト3に入った。
伊東大貴(北海道・下川商高)は23位で、山田大起(北野建設)は2回目に進めず。船木は1回目に規定外の競技ウエアを着用し、失格した。《共同通信》