平成1789日目
1993/12/01
この日のできごと(何の日)
【細川護熙首相】コメ問題は譲歩必要
細川首相は1日午後の衆院予算委員会で新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の焦点であるコメ市場開放問題について「何も譲らないというのでは交渉にならない。腹をくくってぎりぎりの交渉に臨む」と述べ、譲歩の姿勢を明らかにした。
首相は10日前後に従来の国内産による完全自給方針を転換し、部分開放の決断を発表する意向とされており、首相答弁は、その布石とも受け止められている。首相は、これまで完全自給方針堅持を繰り返し表明しており、方針転換の姿勢をにじませたことで、大き政治問題となりそうだ。
首相は来年度予算編成について「何とか年内に編成するような方向で、できる限り努力していると述べ、政治改革法案成立に関連して一部で取りざたされている越年編成を回避したい姿勢を示した。
景気回復のための土地流動化策に関し、首相は「できる限り土地、住宅など規制緩和の目標を絞って取り組みたい」と述べ、土地取引監視制度の緩和などを積極的に検討する考えを明らかにした。
所得税減税の財源について首相は「特例国債(赤字国債)を発行しないことを踏まえ来年度の税制改正論議の中で考えたい」と最終的には消費税率引上げにならざるを得ないとの考えを示唆した。藤井蔵相は「所得課税軽減と消費課税充実を一体処理するかどうかは政治判断だが、たれ流し的赤字国債は反対だ」と述べ、赤字国債は短期にすべきだとの姿勢を強調した。
午後は、民社党の高木義明、自民党の中山太郎、越智通雄、江藤隆美、白川勝彦、共産党の佐々木陸海各氏が質問した。《共同通信》
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【Jリーグ第2ステージ】第16節
ヴェルディ川崎が初優勝へ大きく前進した。サッカーのJリーグ第2ステージ第16節は1日、東京・国立競技場などで5試合を行い、注目の1、2位対決は川崎が清水エスパルスに1-0で勝ち、2試合を残してほぼ優勝を確実にした。
川崎は前半に武田が上げた先取点を守り抜き連勝を8に伸ばして14勝2敗とし、2位の清水(12勝4敗)に2勝差をつけた。川崎は続く第17節(8日)の浦和レッズ戦に勝つと優勝が決まる。また2試合とも敗れ、清水が残り試合を全勝して14勝4敗で並んでも得失点差で断然優位で、清水の逆転優勝は絶望的となった。/p>
ガンバ大阪は1−0で横浜フリューゲルスを破った。横浜マリノスはディアスの通算25得点などで名古屋グランパスに2−1と逆転勝ちし、3位に浮上した。広島は2−0で市原を下した。市原は5連敗。最下位の浦和は延長の末、第1ステージ優勝の鹿島を2−1で突き放した。《共同通信》
【東京株式市場】
1日の東京株式市場は、政府が株価対策に前向きの姿勢を示したことを好感、幅広い買い注文が入り、ほぼ全面高の展開となり急伸した。平均株価(225種)の終値は、前日終値比718円77銭高の1万7125円31銭となり、4営業日ぶりに1万7000円台を回復した。上げ幅は今年3番目。
東証一部上場の全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)の終値は前日終比69.81ポイント高の1443.87となり、上げ幅は今年最大となった。出来高は約3億6800万株。
これまで政治改革問題に追われて景気対策に前向きの姿勢を示していなかった政府が、景気・株価対策に積極的な発言をし始めたことを市場は好材料と受け止めている。この日は、前日の11月30日夜、細川首相が田淵節也・野村証券相談役と懇談、景気対策などについて話し合った、という情報を市場は好惑、朝方から機関投資家が買い注文を入れて、続伸した。一時、伸び悩む場面もあったが、午後に入ると金融機関、投資信託、個人投資家が積極的に買いに回り、平均株価は一段と高くなった。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は1日、衆院予算委で、新生党の村井仁氏から発足100日を超えた政権の自己評価を求められ「永田町だけの政治、族議員政治を打破し、政治をより身近なものにすることに、それなりに役割を果たした」と、内閣支持率の高さを背景に自信たっぷり、政策面でも「外交では日米、日口、日韓などでそれなりの成果を上げ、国内でも規制緩和や行政改革に着手した」と自画自賛。景気対策には一言も触れずじまい。村井氏が思い切った減税を」と迫ったのに、「あらゆる手だてを講じる」とだけ。やはり経済は苦手?
○…コメ市場開放反対を訴え国会前で座り込みを続けている自民党の「日本の農業を守る特別行動議員連盟」の松岡利勝会長はこの日、国会内で韓国の農村出身国会議員3人と会談。韓国側から「コメ自由化は原爆投下のようなもの」「断食と座り込みをやっていることに敬意を表する」とエールを送られると、松岡氏も「日韓ともコメは大事だ。アジア農業の基本は水田農業だ」と自由化阻止の決意を強調。「細川首相と金大統領が一緒に自由化を阻止してほしい」と述べ、何かとぎくしゃくしがちな日韓関係だが、コメ問題では共闘か。《共同通信》
【益田喜頓さん】死去
“キートン”の愛称で親しまれた喜劇俳優の益田喜頓さんが1日午前8時25分、大腸がんのため北海道函館市内の病院で死去した。84歳。北海道出身。
戦前の新宿ムーランルージュなどを経て昭和12年、川田晴久、坊屋三郎と「あきれたぼういず」を結成。ファンだった喜劇俳優バスター・キートンをもじって芸名とした。
14年「ロッパの大久保彦左衛門」で映画初出演。戦後も多くの喜劇咲画に三枚目役で出る一方、東宝ミュージカルや東宝現代劇の舞台で個性的な演技を発揮、性格俳優として認められた。テレビでもNHK「陰りも陰り」、日本テレビ系「キートン迷探偵」などで活躍した。
著書に「ハイカラ紳士」など。菊田一夫演劇賞特別賞、紫綬褒章、勲四等旭日小綬章などを受けている。《共同通信》