1993 平成5年11月30日(火)

平成1788日目

平成5年11月30日(火)

1993/11/30

【自民党】造反議員を処分

自民党は30日午後、党本部で党紀委員会(林田悠紀夫委員長・18人)を開き、政治改革法案の衆院本会議採決で党議に反して政府案に賛成した議員13人の処分問題を審査、全員を3年から6カ月の党役職停止とする処分を決定した。

出席した15人の党紀委員からは、除名を含む厳正な処分を要求する強硬意見も出されたが、党則上、処分決定に必要な3分の2以上の同意を得られなかったことなどから、除名処分は見合わせた。

河野執行部は、党の再分裂につながる除名処分を回避、党の結束を優先させたといえる。自民党によると過去20年間では除名の例はなく、最も重い処分は役職停止6カ月だった。

処分の内訳は、6月の宮沢内閣不信任決議案にも賛成した石破茂、笹川尭両氏(ともに渡辺派)が処分対象者の中で最も重い党役職停止3年、不信任案採決に棄権した西岡武夫氏(無派閥)が同2年、赤城徳彦氏(河本派)ら4人が同10カ月、新井将敬氏(無派閥)ら6人が同6カ月。

6カ月の役職停止処分者のうち佐藤静雄(無派閥)、小此木八郎、浜田靖一(ともに渡辺派)の3氏は、「自己の行為を反省している」として処分の執行を猶予し、厳重注意とした。処分内容は書面で本人に通達、再審査請求がなければ30日から発効するが、石破、笹川両氏は同日、処分に不服を申し立てる意向を表明した。

処分を受けた議員は、処分の期間中、党の役職に就けないだけでなく、党からの推薦で決まっている国会の各常任委員長ポスト就任の道も閉ざされることになる。

処分決定後、記者会見した林田委員長は、除名処分を避けた理由について、①政治改革という政策上の問題であり刑事事件など破廉恥な行為ではない②過去20年間で除名した例はないーなどを挙げた上で、「挙党一致、団結して政局に当たらなければならない大事な時期だからこういう処分となった」と強調した。《共同通信》

政治改革法案の衆院採決をめぐる党議違反に対し、重い処分を受けた西岡武夫、石破茂両氏らは30日夜、「おかしい」「承服できない」などと強い不満を表明した。

2年間役職停止の西岡氏は「処分はもともとけしからんのだ」と、処分を批判し、あとはノーコメント。3年間役職停止の石破氏は「良心に従って行動したという私の見解に対し、党執行部は挙党一致と言うだけで、今回の処分は首肯できない」と語った。その上で離党の意思がないと断言、「新生党に入ることはない」と述べた。

同じく3年間の停止処分を受けた笹川尭氏は「本年中に政治改革を実現すると約束した選挙民への公約を優先させた」と述べ、「私は無罪だ」と再審査の申し立てをする意思を示した。10カ月役職停止の小坂憲次氏は「政治改革を実現することが党議だった。それに背いたつもりはない。はなはだ不本意だ」と述べた。《共同通信》



【三菱重工横浜・石井貴投手】西武入団決定

プロ野球西武がドラフト1位で指名した三菱重工横浜の石井貴投手(22)=180センチ、78キロ、右投げ右打ち=の入団が30日決まった。西武の浦田チーフスカウトがこの日、横浜市中区の同社本牧工場を訪ね、本人に里木野球部監督を交えて交渉し、球団史上初めて契約金1億円を超える1億4000万円、年俸1200万円で合意した。

入団が決まり、石井はさっぱりした表情。「高い評価を受けてうれしい」と笑顔で話し、契約金の使い道を問われると「母にプレゼントします」と、女手一つで育ててもらった母親の恭子さんに全額預けることを口にした。《共同通信》

【柔道・田村亮子選手】帝京大に合格

YAWARAちゃんおめでとうー。柔道女子48キロ級の世界チャンピオン、田村亮子選手(18)=福岡工大付高=が30日、帝京大経済学部の推薦入学試験に合格した。

この日、田村は福岡市東区で行われた福岡県警の年末特別警戒街頭キャンペーンに参加。合格は、鎌田智博福岡工大付高柔道部監督から伝えられた母親の和代さんを通じて聞いたそうで「28日の試験まで、先生からもらった問題集などを使って一生懸命勉強した。これでやっと、ほっとできる。福岡国際女子選手権(12月11、12日・福岡国際センター)まであとひと頑張りして、その後はゆっくりしたい」と、かわいい婦人警察官姿で喜びを表した。

3年後のアトランタ五輪は新天地で金メダル獲得を狙う。来春から女子柔道部を発足させる帝京大では、部員用に合宿所を建設中だが「寮に入るかどうかは、まだ分からない。別に部屋を借りてお母さんと一緒に住むかも」と話した。期待が大きいだけに指導者問題を含め、環境面での整備も注目されそうだ。《共同通信》

【政界談話室】

○…新生党の渡部恒三代表幹事代行は30日、議員団総会であいさつ。「戦後政治に残る改革の年もあと1カ月。連立政権の中で、政権を担当した経験のある党として期待されることが大きい」と檄を飛ばした。さらに「(政権という)カゴに乗る人、かつぐ人そのまたわらじを作る人というが、新しい政治システムをつくるカゴかきであることに誇りを持ってもらいたい」と政権与党の責任を強調したが、「本当はカゴに乗る人になりたいが、私は一生カゴかきで終わりそうです」と黒子に徹する寂しさもちらり。

○…自民党の森幹事長はこの日午前の記者会見で、政府の第二次補正予算案について「まさに無策だ。細川首相から何の声も出てこないので、企業もアクションを起こせない」と厳しく批判した。与党から来年度予算案を越年編成するのもやむを得ないとの声が出ていることについても「無策以外何物でもない」と一刀両断。さらに「(私の)言葉は穏やかだが、心の中は怒りに満ちている」と、政府の経済運営に不満をぶちまけた。言葉の裏には長年かかわってきた予算の編成を手掛けられない悔しさも。《共同通信》

【三ヶ月章法相】死刑執行「私情を差し挟むべきではない」

三ヶ月法相は30日の閣議後の記者会見で、大阪拘置所などでの死刑執行について「法執行の最高責任者として私情を差し挟むべきではない。責任を果たしたまでだ」と述べ、従来の立場に変わりがないことを表明した。

法相は「現行法の執行の責任者としての問題と、死刑制度の存置の問題とは別だ。法相に法律上課せられていることは私情を差し挟むことなく執行しなければならない」とした上で、「制度改正は国民世論、世界の動向を見ながら、適時適切な立法化を考えるのは当然だ。未来永劫、何が何でも死刑制度が必要とは考えない」と将来の法改正に前向きな姿勢を示した。《共同通信》

【細川護熙首相】1月からの減税に意欲

国会は30日午後、衆参両院でそれぞれ本会議を開き、平成5年度第二次補正予算案についての藤井蔵相の財政演説と、各党質疑を行い、景気対策、コメ市場開放問題などに関する政府の考えをただした。

細川首相は、景気の現状について「先行き不透明で、大変深刻な状態」との認識を示した上で、焦点の所得税減税について「政府税調答申を踏まえて、平成6年度税制改正において所得税減税についても取り組んでいきたい」と明言し、来年1月からの減税断行に強い意欲を示した。

新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)でのコメ市場開放問題に関して、首相は「交渉は最終段階にきている。第三者が関係者から事情を聴取し、いずれ何らかの調停案を提示する段階がくる」として、交渉が重大な局面を迎えているとの認識を表明。調停案に、包括関税化反対の日本の主張を最大限反映させるよう努力することを強調した。

これに関連し畑農相は、諸外国が関税化に例外を認めるべきではないと主張していることを挙げ、「交渉は厳しい状況だ」と指摘。「仮にコメのミニマムアクセス(最低輸入量)を受け入れた場合、国内の需給事情のいかんにかかわらず、一定輸入量の輸入が一定期間行われるケースとなるので食糧管理法について所要の改正が必要になる」との認識を示した。

首相は景気対策に関連、証券市場の活性化、金融市場の円滑化と併せて「土地の流動化対策も検討していきたい」と述べ、土地規制緩和や土地税制の見直しを進める考えを明らかにした。首相はまた食糧自給について「国内供給が可能なものは国内自給を基本としながら、輸入と備蓄を適切に組み合わせるべきだ」と述べた。

衆院本会議では深谷隆司、保利耕輔(以上自民)、愛知和男(新生)、岩佐恵美(共産)の各民が質問。参院本会議では岩崎純三、斎藤文夫(以上自民)、林紀子(共産)、風間昶(公明)の各氏が質問に立った。《共同通信》

【北朝鮮】米兵の遺骨を返還

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は30日、朝鮮戦争(1950−53年)当時に行方不明になった米兵の遺骨33柱を板門店で在韓国連軍に引き渡した。

米兵の遺骨返還は1990年5月に5柱が引き渡れて以来、今回が6回目。最近では今年7月に17柱が返還されており、計96柱になった。

米兵の遺骨返還は米国側が対北朝鮮関係改善の条件の一つにしている。今回の引き渡しは、北朝鮮の核問題をめぐって中断している米朝第三ラウンド協議の再開を望む北朝鮮側が米国に示したシグナルとみられる。その一方、北朝鮮は29日の外務省声明で、核拡散防止条約(NPT)からの脱退留保を撤回することも辞さないとの強硬姿勢を見せるなど硬軟両様の構えだ。《共同通信》

【米・クリントン大統領】ブレイディ法に署名

クリントン米大統領は30日、犯罪者による短銃入手防止を目的としたブレイディ短銃暴力防止法(ブレイディ法)に署名した。ブレイディ法は議会提出から7年がかりで成立し、90日間の周知期間を経て、来年3月から施行される。

同法は、短銃の購入申し込みから引き渡しまで5日間の保留期間を設け、この間に購入申し込み者の犯罪歴の有無を調査することを義務付けており、実質的に野放し状態の短銃販売に一定の歯止めをかけることが目的。

ホワイトハウスの署名式でクリントン大統領は、ブレイディ法が凶悪犯罪追放の「第一歩」になると、その意義を強調するとともに、攻撃用火器販売の全面禁止など銃火器の一層の規制強化に取り組む決意を示した。

署名式には、1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件に巻き込まれ、頭部に銃弾を受けて半身不随になったブレイディ元大統領報道官も出席した。サラ夫人とともに銃規制強化を求める運動を続け、同法の生みの親となったブレイディ氏は「この法律が81年当時に制定されていれば、暗殺未遂は起きなかった」とあいさつ、今後もより強力な立法措置を働き掛けていくと話し、出席者の拍手を溶びた。《共同通信》



11月30日のできごと