平成2845日目
1996/10/22
この日のできごと(何の日)
【民主党・鳩山由紀夫代表】連立政権には不参加
民主党は22日、幹事会と両院議員総会を開き、政権参加問題について協議した結果、自民党から要請があっても連立政権には参加しない方向となった。
鳩山由紀夫代表は「おおかたは、今回は(政権参加を)自重せよの意見だった。自民党に政権を担当させて、その間に政策を勉強し、国民の協力を得て政権を取りたい」と記者団に述べ、今後自力で多数を得て民主党主体の政権を目指す考えを強調。
菅直人代表(厚相)も記者団に「大きな方向性が見えてきた。この段階では、自民党と組んで政権をつくることには慎重論が強い」と述べ、党内が政権不参加でほぼ固まったとの認識を示した。《共同通信》
この日の幹事会では、政権参加を求める積極論は出ず、政策協議の申し入れが自民党からあれば、政権参加を前提としない話し合い、には応じるとの方針を確認した。
この後の両院議員総会でも、1人が政権参加を訴えたほかは「民主党は生まれたばかり。野党に徹するベきだ」「野党といっても、55年体制下とは違って政策課題によっては問題を限って協力することもできる」など、政権参加への反対論が続出した。
菅氏は、両院議員総会でのあいさつで「ただ安定政権をつくるための工作なら、改革に後ろ向きの影響を与えかねない」と多数派工作を進める自民党の姿勢を批判。予算を伴う法案提出権を得たことを指摘し「良い法案を議員提案していけば、野党の立場でも無視させない状況をつくることができる」と述べた。また、幹事会では当面鳩山氏と菅氏による二人代表制を維持することを決めた。《共同通信》
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【自民党】新進党、無所属に接触
自民党は22日、民主党が連立政権に参加しない方向となったことから、特別国会での首相指名選挙で、橋本龍太郎首相の再選を確実なものにするため、保守系無所属議員、新進党の一部議員などを対象に多数派工作を本格化させた。社民、さきがけ両党とは連立政権に向けた政策協議を続ける中で橋本氏への首相指名を確保する考えだ。
加藤紘一幹事長は同日の記者会見で、保守系無所属議員への働き掛けについて「個人的な接触で、いろんな方が首相指名選挙に協力できないかとやっている」と認めた。また「入党は準備をしてからでないとできないし、入党を考えていない人もある」と述べた。橋本氏への一票が期待できる無所属の船田元、石破茂両氏らは新進党からの離党者を待って新党を結成する意向とされ、自民党としては首相指名での協力と入党は切り離して考える方針だ。
無所属や新進党の一部に対する取り込み工作は野中広務幹事長代理や亀井静香組織広報本部長らが選挙期間中から始めていたが、自民党が過半数に届かなかったことで政権戦略の中での比重が高まった。今のところ首相指名選挙では無所属から5人以上の協力が得られると見込んでいる。
熊谷弘氏ら「新進離党予備軍」を念頭に、自民党は「自民党が230議席を獲得したら新進党から10人以上の離党者が出て合流してくる」(執行部)」との感触をつかんでおり、水面下で十数人を対象に接触を図っている。《共同通信》
【新党さきがけ】閣外協力の方針
新党さきがけは22日午後の総務会で、次期政権への対応を協議した結果、自民党の行政改革への取り組みを見極めた上で、基本的に閣外協力するとの方針を確認した。自民党に行革の実現を求めるため、社民党との連携を強化するとの認識でも一致した。
総務会では「有権者が自社さ政権の継続を否定したからこそ、社民、さきがけは選挙に負けた」と、野党に転ずるべきだとの意見が出る一方、「行革は待ったなしだ。選挙で公約したことを達成するために、努力するのが当然だ」と、現在の連立体制を継続するよう求める声もあった。
ただ、自民党などと連立を組もうとしても「(衆参両院議員が)5人という人数では閣僚を出すことは難しい」との見方が出され、閣外協力の方向に落ちついた。《共同通信》
【社民党】参院側に連立参加論
社民党は22日、政権参加問題について党本部で土井たか子党首、伊藤茂幹事長らと、村沢牧衆院議員会長ら参院執行部が協議するなど党内調整を続けた。
土井氏は党の再建に全力挙げるためにも「閣外協力が限度」の方針をかえていないが、参院側には「政策を実現させるためには閣内に入った方がいい」との政権参加論も強く、この日の協議でも積極、慎重の両論に分かれたまま結論を持ち越した。24日に参院議員総会、25日に代議士会を開いた上で党内の意見集約する方針で、閣内協力か、閣外協力かの最終判断は29日がめどになる見通しだ。《共同通信》
【政府・与党】“重複立候補”見直し論噴出
衆院選候補者が小選挙区で落選しながら比例代表で当選するという「重複立候補制度」が初めて実施されたが、政府与党内から早くも批判や見直し論が噴き出した。
梶山静六官房長官は22日の記者会見で同制度について「有権者からすると常識に反する」として見直しに前向きな姿勢を表明。自民党の加藤紘一幹事長も「これから議論が出るにではないか」と述べたが、与党内からは「重複制廃止論議を突破口に中選挙区制が復活するのではないか」との警戒も出ている。
これに対し自治省は「比例だけが頼りの小政党にとって重複制度は唯一のよりどころで、大政党にとっても安全弁のはずだ」(幹部)と、制度の妥当性を強調。当面は議論の推移を見守る考えだ。
橋本龍太郎首相は22日午後、記者団に「問題があるとは言わないが、僕は(導入には)反対したんだ」と感想を述べたが、見直しの是非についてはコメントを避けた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の橋本龍太郎総裁(首相)は22日、ふだんは出席しない役員連絡会に顔を出し「総選挙では皆さんに協力していただき感謝している。特に参院の皆さんには従来にないご苦労をかけた」と、小選挙区比例代表の新制度で駆け回った参院議員の健闘をねぎらった。加藤紘一幹事長も「安定ということを考えると、参院の皆さんにも努力してほしい」と要望。参院社民党への多数派工作が新連立政権の力を左右しかねないだけに、いつも「独自性」を主張してやまない参院側を持ち上げることしきり。
○・・・総選挙で落選したきがけの井出正一前代表と田中秀征経企庁長官はこの日、惨敗を受けて新しいさきがけの顔となった堂本暁子参院議員と土井たか子社民党党首の議員会館の事務所にあいさつ回り。田中氏は、同党の選挙公約としてまとめた行革政権構想を説明、30分もの会談となった。「よくまとまっている」と感想を述べた土井氏に対し、田中氏が「こういうことに時間をかけていたから選挙に落ちてしまった」。もともと小選挙区制反対論者の田中氏としては、新しい選挙制度でも政策を争う選挙戦にならなかったという無念さがありあり。《共同通信》
【プロ野球日本シリーズ第3戦】オリックスが3連勝
オリックスが日本一に王手。1996年プロ野球日本シリーズ、オリックスー巨人第3戦は22日、舞台をグリーンスタジアム神戸に移して行われ、オリックスが5−2で巨人を下して3連勝、初の日本シリーズ制覇(前身の阪急時代を含めると4度目)にあと1と迫った。
オリックスは1−1とされた二回、一死一、二塁から小川、田口の二塁打、大島の左前打と3連続適時打で4点を勝ち越し。先発の野田が七回途中まで巨人の反撃をマック、仁志のソロ本塁打による2点に抑えた。七回途中からは伊藤ー平井ー野村ー鈴木と小刻みな継投で得点を許さなかった。《共同通信》
【アフガニスタン】停戦失敗
アフガニスタン北部のマザリシャリフからの報道によると、ウズベク人の民兵組織の指導者ドスタム将軍は22日、同将軍派とラバニ前政権のマスード国防相派などと軍事同盟「アフガニスタン最高防衛評議会」は、イスラム原理主義勢力タリバンとの停戦を拒否すると表明した。
一方、停戦交渉を仲介してていたパキスタンのバーバル内相も同日「停戦合意は崩壊した」と認め、ドスタム将軍派を通じてパキスタンが働き掛けてきた停戦交渉は失敗したことが確実になった。
バーバル内相は依然、和平達成に希望を捨てていないと強調したが、タリバン側が、マスード派が提案した首都カブールの「非武装化」を拒否したと述べ、交渉は手詰まりになったことを認めた。《共同通信》