平成2844日目

平成8年10月21日(月)

1996/10/21

【台湾・李登輝総統】中国政府の対応批判

台湾の李登輝総統は21日、国家統一委員会の全体会議で演説し「中国統一は歴史的責任である」と従来の立場を強調する一方、「中国は政権内部の激変を避けるため強硬かつ極端な保守的手法を取っている」と台湾問題での中国政府の対応を強く批判した。

同委は大陸政策に関する総統の諮問機関で、全体会議開催は昨年4月以来。この日の会議には立法委員(国会議員)や学者ら委員56人が出席した。

李総統は、台湾問題で中国の江沢民国家主席が8項目の提案をしたのに対して総統が6項目の対応策を発表した昨年が「国家統一発展の大きな機会だった」と指摘。その後「中国当局は覇権主義的で硬直的な台湾政策を取り、両岸関係の停滞を招いた」と批判した。総統はまた「われわれの大陸政策は台湾に根を張って国家建設を強化し、急がず徐々に和平統一の目標を遂げるものでなければならない」と述べ、性急な統一路線と距離を置く姿勢を明確にした。

今回の演説は、中国が武力不行使を宣言すれば、敵対状態終結に応じる用意があるとした昨年の国家統一委での演説に比べ新しい提案はなく、中台間の懸案となっている「三通」(通商、通信、通航の直接往来)にも触れていない。

中国の軍事演習などを経て冷えきっている中台関係の回復には、中国側の新たな対応を待つしかないとの認識を示したとみられる。《共同通信》



【梶山静六官房長官】幅広い連携目指す

梶山静六官房長官は21日午前の記者会見で、第二次橋本内閣に向けた政権協議について「現在の(自社さ)連立政権の枠組みがあり、さらに意識を同じくする政治家や政治グループがあれば連立、連携を深めながら政局運営に当たるというのが橋本龍太郎首相の姿勢だ」と述べ、社民、さきがけ両党に加えて民主党に対しても積極的に連携を働き掛ける考えをあらためて表明した。

首相指名のための特別国会召集については「外交日程に支障がないよう配慮するのが当然だ」と述べ、31日からのコール・ドイツ首相の来日に配慮、11月上旬の召集となることを示唆した。

また衆院選の投票率が史上最低となったことに関して、小選挙区制という新選挙制度が国民に十分理解されなかった点を挙げる一方で「無関心層は政治への権利放棄だ。民主主義の危機につながる」と批判した。自民党が239議席を獲得したことについては「政府や自民党の景気対策や沖縄基地問題への取り組みが有権者に理解された結果だ」と総括した。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】続投へ

新進党の小沢一郎党首は21日午後、細川護熙、羽田孜、海部俊樹の3元首相による最高諮問会議メンバーら幹部と会談、選挙前の160議席を確保できなかったことについて「責任を感じている。いつでも辞めていい」といったん引責辞任に言及した。

しかし、出席者から「辞める、辞めないを個人で言う権限はない」と慰留する声が相次ぎ、細川氏も「後ろ向きに責任論を論じるより、どう党を再建して次の戦いに備えるかどうかが大事だ」と指摘。こうした空気を受け、小沢氏は続投の方向となった。

この後、小沢氏は記者団に「党の将来にきちんと道筋をつけなければならない。ただ放り投げればいいというものではない」と述べ、党の態勢建て直しに全力を挙げる考えを強調した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】続投に意欲

橋本龍太郎首相は21日午後、衆院選の結果を受けて党本部で記者会見し「引き続き責任を果たしていきたい」と続投に強い意欲を明確にした。新政権の枠組みについては「自社さ3党の連立政権は一定の評価をいただいた」と指摘。

3党連立を軸に調整する考えを明らかにするとともに「いかなる政党であれ、個人であれ、拒否する理由はない。協力できるのであれば、連携していくのは当然だ」とも述べ、民主党や新進党の一部も含め幅広い政治勢力の結集を呼び掛ける考えを表明した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】社さに連立要請

安定多数による第二次政権発足を目指す橋本龍太郎首相(自民党総裁)は21日夕、土井たか子社民、井出正一さきがけ両党首と会談、自社さ連立政権の維持、政権への協力を正式に要請した。自民党は並行して民主党に対しても政策協議を提唱した。社さ両党は党内調整のため持ち帰ったが、幹事長レベルなどの政策協議に入ることは合意。社民党の党内準備が整い次第、開始する。民主党も自民党との協議には応じる考えを示した。

土井氏は閣内協力に依然として慎重な姿勢で、今後、民主党とともに大蔵省改革などを中心とした政策課題で自民党との調整が進むかどうかが焦点となり、政権の枠組みを決定付けることになろう。

自社さ3党は21日タ、都内のホテルで3幹事長も同席し橋本首相、土井党首、井出代表が会談。橋本首相は「2年半前からの関係を大事にし、社民党、さきがけと政権を運営していきたい」と述べ、政権担当と自社さの連立を引き続き維持していく意向を示し、協力を求めた。

土井氏は「この間の貴重な経験を大事にしたい」と、これまでの自社さ連立を評価しながらも、「選挙の前と後では事情が違う。以前と同じというのは困難かもしれない」と、閣内協力に消極姿勢を示し、提案を持ち帰った。22日午前から三役会議などを開き対応を協議する。井出氏は「行革は待ったなしだ。行革を主要課題とする前提で、協議に入らせていただく」と、基本的に政権に協力する意向を示した。《共同通信》

【沢村賞】巨人・斎藤雅樹投手

プロ野球創設期の名投手だった故沢村栄治氏を記念した沢村賞の選考会が21日、東京都内のホテルで開かれ、16勝4敗、防御率2.36で5度目の最多勝と3度目の最優秀防御率の二冠に輝いた巨人の斎藤雅樹投手が選ばれた。2年連続3度目の受賞で、杉下茂、金田正一、村山実と並ぶ最多受賞となった。

選考委員は別所毅彦、稲尾和久、藤田元司、平松政次、土橋正幸の5氏で15勝以上、勝率6割以上などの選考基準から、西口(西武)グロス(日本ハム)ガルベス(巨人)武田(ダイエー)も候補に上がった。しかし、防御率、勝率で群を抜く斎藤雅が満場一致で選ばれた。

神戸に移動後、吉報が届いた斎藤雅は宿舎で記者会見し「ほかに受賞されてもいい方がいっぱいいるんですけど、選んでいただいて光栄です」と喜んだ。3度目の受賞は最多タイで、杉下、金田、村山と肩を並べた。「沢村さんというあこがれの人の賞なのでうれしい」と話し、16勝4敗、防御率2.36の今季の成績には「勝ち星は少なかったけど、負けも少なく勝率がよかったのはよかった」とうなずいた。 連敗スタートとなった日本シリーズについて「場所も移って流れも変わる。また、投げるチャンスはあると思うので、その時には全力を尽くす」とエースらしい言葉を口にした。《共同通信》

【国連安保理】日本、非常任理事国に当選

国連安全保障理事会の非常任理事国選出選挙は21日午前10時(日本時間同日午後11時)から、ニューヨークの国連本部で行われ、日本は142票を獲得、アジア地域割り当ての1議席を争った対立候補のインドを抑え当選した。任期は1997−98年。日本の非常任理事国入りは8回目で、国連加盟国の中で最多となった。

安保理は議長国をアルファベット順にローテーションで回しており、日本は来年1月の安保理議長国を務めることになる。

日本は今回、冷戦終結後の新しい国際秩序構築のためには日本がもっと積極的に政治的な役割を果たすことが必要との立場から非常任理事国に立候補。インド対抗馬とした選挙戦ではODA(政府開発援助)の実績を強調しながら開発問題への取り組みなどを訴え、各国の支持を取り付けた。《共同通信》

【アフガニスタン】戦闘終結へ

アフガニスタンの首都カブール北方で戦闘を続けていたイスラム原理主義勢力タリバンとラバニ前政権のマスード国防相派は21日、ドスタム将軍派が示していた停戦提案を、それぞれ条件付きで受諾すると表明した。

条件として、タリバン側は「捕虜の交換」と「ドスタム派の中立宣言」を、マスード派は「首都の非武装化へ向けた話し合い開始」を挙げた。停戦受け入れ表明で、タリバンの首都制圧以来、3週間以上続いてきた戦闘は当面、終息する見通しとなったが、条件をめぐる交渉は難航が予想され、イスラーマバードの観測筋は「条件で折り合えない場合、いつでも戦闘が再発するだろう」と述べた。

提案は、21日正午(日本時間同日午後4時半)からの停戦発効を呼び掛けているが、首都周辺ではその後も小規模な砲撃音が聞こえた。《共同通信》



10月21日のできごと