平成3207日目
1997/10/19
この日のできごと(何の日)
【尾身幸次経済企画庁長官】景気停滞認める
尾身幸次経済企画庁長官は19日、NHKの討論番組で、これまで政府が「緩やかな回復」としてきた景気の基調について「企画庁は(月例経済報告では)緩やかな回復と言っているが、(わたしの認識は)足踏み状態だ」と述べた。景気判断の主管官庁である経企庁長官が、景気停滞を公式に認めたのは初めてで、政府の景気判断を事実上転換したといえそうだ。
尾身長官は、政府が11月にまとめる方向で検討に入っている経済対策についてて、低迷する株式市場活性化のために有価証券取引税の廃止や、子会社などと利益を通算して納税額を決める企業の連結納税制度導入も検討することを明らかにした。
景気については、経企庁が9月の月例経済報告で、消費低迷に伴う景気回復テンポの緩やかさを、それまでの「一時的に」から「足元は緩やか」に変更して回復の遅れを認めた。また、10月報告では、企業の景況感の悪化に言及して景気認識を後退させたが、全体としては「緩やかな回復基調にある」との基本判断は維持していた。
尾身長官は、経済対策について①法人税見直しなどの企業活動活性化のための環境整備②不良債権処理につながる土地の流動化と有効利用策③規制緩和による経済体質の強化−をあらためて強調した。
しかし、国民や経済界の一部から要求が出ている所得税減税については「国が借金して国民に物を買ってもらうような浮揚策は取り得ない」と否定的な見解を示した。《共同通信》
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【プロ野球日本シリーズ】第2戦
1997年プロ野球日本シリーズ第2戦、西武−ヤクルトは19日、西武球場で行われ、西武が延長十回、6−5でサヨナラ勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。シリーズでのサヨナラ勝ちは一昨年のヤクルト−オリックス第3戦以来。西武は5-5の十回一死一、二塁から代打田辺が中越えにサヨナラ安打を放ち、第1戦の雪辱を果たした。
試合は西武が一回、河田のシリーズ12人目の初打席本塁打などで計5点を先行した。しかしヤクルトは二回から小刻みに反撃を開始し、六回に同点に追いついていた。試合時間の4時間45分は、史上2番目の長時間記録。第3戦は1日置いた21日、ヤクルトの本拠地・神宮球場に舞台を移して行われる。《共同通信》
【新進党・小沢一郎党首】「今国会中に倒閣」
新進党の小沢一郎党首は、19日午前、テレビ朝日の番組で、橋本龍太郎首相に対して「行革など国民への約束が実行できないなら政治責任になる。国民にウソをついたことになり、首相にとどまる資格はない」と述べ、今国会中に倒閣を目指す考えをあらためて強調した。内閣不信任案の提出は、「テクニカル(技術的)な話だ」とかわしたが「首相の責任を追及していく」と強調、当面は野党共闘で総辞職に追い込むことを最優先させる意向を表明した。
同時に「新進党の基本政策を実現するには与党、野党とも拒む必要はない」と述べ、倒閣後に自民党一部勢力との連携も模索していく考えを重ねて表明。橋本政権が今国会以降も続いた場合は「国民の意見を聞くため、(解散による衆院)選挙を求めていく」と述べた。《共同通信》
【民主党・菅直人代表】社さ早期の与党離脱も
民主党の菅直人代表は19日午後、仙台市で記者会見し、自社さ3党の与党の枠組みについて「来年の参院選まで社民、さきがけ両党が与党のままでいくのかどうか。どこかの時点で別の道を選択するのではないか」と述べ、年内も含めた早い段階で与党離脱もあり得るとの認識を表明した。
同席した鳩山由紀夫幹事長は「政治倫理や財政再建、行革にかける情熱や政策で、自民党と他の与党との隔たりや違いは本質的なものがある。さきがけが、さきがけたらんとする心意気を見せる時が来るのではないか」と述べた。《共同通信》
【社民党】「閣外協力」年内に結論
社民党の伊藤茂幹事長は19日午後、党本部で開かれた党全国組織部長会議であいさつし、橋本内閣への閣外協力について「年末までにこの一年間のメリット、デメリットを政治論として振り返り、決算しなくてはならない。最後は土井たか子党首がどう判断するかだ」と述べ、早ければ年内にも最終態度を決定するとの考えを初めて明確に示した。
伊藤氏は、民主党の鳩山由紀夫幹事長が各外協力の解消を前提に社民党との選挙協力もあり得るとしていることに対して「(橋本内閣との)離婚を勧める声があるが、するかしないかは当事者の問題だ。隣の家(他党)から言われて決める問題ではない。余計なお世話だ」と不快感を示した。《共同通信》
【F3・横山崇選手】事故死
19日午前11時45分ごろ、静岡県小山町大御神の富士スピードウェイで開催された「全日本F3選手権」第9戦の決勝レース中、横山崇選手(25)=群馬県太田市=の運転するマシンが前のマシンに乗り上げ、宙に舞って電光掲示板にたたきつけられた。横山選手は車外に投げ出され、全身打撲で間もなく死亡した。ほかにけが人はなかった。
御殿場署や富士スピードウェイによると、事故は4.470キロのコースを一周する直前、メーンスタンド前の直線で発生。コース右端を走っていた横山選手のマシンが直前を走っていたマシンに乗り上げた後、宙を舞い、コース上の高さ約5メートルの電光掲示板にたたきつけられた。車体はバラバラになって約100メートル四方に飛び散り、横山選手も約30メートル先に投げ出された。
同レースのスタート直後、先頭の2台が衝突事故を起こしたため、主催者側が救急車を入れようと黄色い旗を振ったり、電光掲示板で黄色のライトを点滅させて全車に徐行を指示した。同署は、横山選手が合図に気付かず、スピードを落とした前の車に追突した可能性があるとみて、事故の原因を調べている。
レースには22台が参加、横山選手は17番目のスタートだった。同日のF3レースは事故のため中止となった。《共同通信》