平成3930日目

1999/10/12

この日のできごと(何の日)

【パキスタン】軍が首都主要施設占拠

パキスタンで国軍部隊が12日夕(日本時間同日夜)首都イスラマバードの首相官邸を包囲、閣僚の自宅や政府施設に乱入、国営テレビ、ラジオ局の建物、空港などを占拠した。イスラマバード市内では銃撃音が聞こえており、クーデターとみられる。シャリフ首相は同日深夜(日本時間13日未明)現在、公邸にとどまっているもよう。

シャリフ首相はこれより先、スリランカ出張中の軍トップであるムシャラフ陸軍参謀長の解任を発表しており、軍首脳人事に反発した軍部が行動を起こしたもようだ。軍事筋は同日夜、南部のカラチ空港に帰還したムシャラフ参謀長が首謀者と述べた。

同日夕、国営テレビで放映中だったシャリフ首相の会見の映像は突然、中断された。軍部隊は公式声明などは発表していない。

軍は、南部カラチ、東部ラホールの各国際空港も制圧した。

パキスタンでは独立以来長期にわたり軍事政権が続いた。1988年に民政復帰したが、軍と文民政権との対立は極めて深刻な事態を迎えた。同国が、インドに対抗して昨年5月に核実験を行い、国力増強を図る一方で民主主義が完全には根付かず、政情が依然不安定であることがあらためて浮き彫りとなった。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【東京都・石原慎太郎知事】対米中外交を批判

石原慎太郎東京都知事は12日夜、都内のホテルで開かれた自民党国会議員でつくる「日本の進路を考える会」(会長・梶山静六元官房長官)で講演し、日本の対米、対中外交を厳しく批判する独自の外交論を展開した。

対中関係では日米防衛協力のための新指針の周辺事態の対象に「台湾が入るのは当たり前の話。これをはっきり言ったのは梶山氏だけで、当たり前のことを言えない政治家が多くて心配だ」などと強調、中国に強い姿勢で臨むよう注文した。《共同通信》

【東海村臨界事故】JCO部長、危険を認識

東海村臨界事故で、事故を起こした核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所の製造部長(同社取締役)が茨城県警捜査本部の事情聴取に、事故以前からウラン溶液の製造工程に取り入れたステンレス製のバケツによる手作業の危険性を認識していたとの供述をしていることが12日、分かった。

国に届けた工程を勝手に変更し、バケツ使用を明記した「裏マニュアル」を承認したことも供述。捜査本部は事故の予見が可能なのに安全管理を怠っていたと見て、直接の原因となった沈殿槽へのウラン溶液大量投入の経緯などについて、聴取を続けている。

JCO上層部が作業の危険性を認めたことで、業務上過失傷害容疑の操作は大きく前進した。

また、JCOが、事故現場の転換試験棟の換気装置を発生から12日目の10日午後までずっと動かしたままで、放射性ガスが含まれた内部の空気が垂れ流し状態だったことが分かった。科学技術庁や茨城県も換気の停止など拡散防止措置を指示していなかった。

また同社は、中性子を吸収するホウ酸水や放射線を遮へいする土のうなどの準備がなく、事故処理のための資材のほとんどを周辺の原子力関係施設から提供を受けていたことも判明した。《共同通信》

【小渕恵三首相】全国の新聞少年激励

17日の「新聞少年の日」を前に小渕恵三首相は12日、「読者の一人として心から感謝の言葉を贈ります」とのメッセージを全国約6万人の新聞配達の少年、少女に寄せた。

メッセージの中で、首相は新聞配達の重要性について「皆さんの熱心な配達をはじめ、多くの方々の努力により、新聞というメディアが支えられているのです」と指摘。さらに「未来の担い手である皆さんが新聞配達を通じて自分を磨き、新しい世紀に向けて希望と活力あふれる社会を築いていかれることを期待しています」と全国の新聞少年、少女を励ました。《共同通信》

【三浦綾子さん】死去

「氷点」「積木の箱」などのベストセラーで知られ、クリスチャンの立場から人間の生き方を追求し続けた作家、三浦綾子さんが12日午後5時39分、多臓器不全のため北海道旭川市の旭川リハビリテーション病院で死去した。77歳。北海道出身。

1939年旭川市立高等女学校を卒業後、小学校教諭となったが、戦時中の教育の過ちを自責し46年、退職。直後に肺結核と脊椎カリエスに倒れ、13年間の療養生活を送った。

同市内で雑貨店を営む傍ら執筆した「氷点」が64年、新潮社の1000万円懸賞小説に当選。当時としては異例の賞金額で話題となり、ベストセラーになる一方、テレビドラマや映画にもなって、一躍人気作家となった。《共同通信》

【この日の民主党】

中国の徐敦信・全人代外事委員長副主任(前駐日大使)一行が12日午後、民主党本部を表敬訪問し、鳩山代表、伊藤英成・外交安全担当ネクスト大臣、簗瀬進国際交流委員長、海江田万里衆議院議員と会談。台湾やアジアの情勢について意見交換した。

1974年から8年間にわたって旧西ドイツの首相を務め、現在ドイツの有力紙「ディ・ツァイト」紙の共同発行人のヘルムート・シュミット氏が12日午前、民主党本部を訪れ、鳩山代表、横路副代表、菅政調会長、簗瀬国際交流委員長、仙谷企画局長ら民主党幹部と意見交換した。

シュミット元首相は「官僚や政治、銀行に対する国民の信頼を回復するには、優れた指導者が出なくてはならないが、自民党から出るとしたら驚く、信じられない。新たなリーダーシップは野党から出なくては」「社会党の(村山)政権に変わっても何も実現できずガッカリした。小沢(一郎・自由党党首)氏も自民に戻ってしまった。三番目のチャンスがこの民主党だ」と民主党への期待感を表明した。

そして、日本の経済に関しては、金融問題を中心とした経済の構造改革を行う勇気を持った政治指導者が必要である、と指摘。国際関係ではアメリカには戦略的な思考が衰え、「アメリカの利益が世界の利益である」との危険な考え持った国際派が台頭しているとの認識を示し、日本の外交・安全保障がアメリカに従属してはいないか、と不安感を表明した。

これに対し、鳩山代表らは金融国会での民主党の実績や、外交・安全保障でアメリカと間合いをとること、中国との信頼醸成をつくるために努力することなど民主党の考えを説明し、相互認識を深めた。



10月12日 その日のできごと(何の日)