平成3931日目
1999/10/13
この日のできごと(何の日)
【パキスタン】軍が全権掌握
クーデターを決行したパキスタン軍は、ムシャラフ陸自参謀長が13日未明、国営テレビを通じて演説、シャリフ政権の失政を激しく非難し「経済の崩壊と、国家機構のこれ以上の破壊を防ぐため、最後の手段として介入した」と述べた。
国営テレビはこれより先「軍がシャリフ政権の全閣僚を解任した」と報道。参謀長の演説は、軍による全権掌握を示す事実上の宣言となった。
軍は同日中に、今後の政策に関する声明を発表する予定。ムシャラフ参謀長も同日、南部カラチから首都イスラマバードに戻り、軍幹部と対応を協議した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【首相官邸】車いすリフト設置へ
政府は13日、小渕再改造内閣で車いすを使う八代英太郵政相が誕生したことを受けて、首相官邸に車いす用のリフトを設置することを決めた。「年末か、来年の通常国会までには設置したい」(政府筋)としている。
昭和4年完成の首相官邸は、鉄筋コンクリート2階建てで、エレベーターもなく「バリアフリーとはほど遠い建物」(関係者)。首相執務室や閣議室は2階にあるため、これまでは閣議の際、SPらが車いすごと八代氏を2階まで抱え上げていた。
関係者によると、リフトは1階から2階への階段に取り付け、階段が狭いため使用しない間はたたんで収納できるようにする。「特別注文のため、製作に2、3カ月かかる」という。《共同通信》
【小渕恵三首相】ベネズエラ・チャベス大統領と会談
小渕恵三首相は13日午後、ベネズエラのチャベス大統領と首相官邸で会談し、ベネズエラ産原油の輸入に関して両国が協議することで合意した。
大統領が「日本への輸出には品質や価格の問題はあるが、委員会をつくって技術的検討ができるのではないか」と、品質や輸送費などの面での難点は克服できると提案したのに対し、首相も同意した。
一方、13日、首相官邸で開かれたチャベス大統領歓迎昼食会にヤクルトスワローズのロベルト・ペタジーニ内野手(28)が招かれた。
野球好きの大統領が希望し実現した。白の襟なしシャツに黒のスーツ姿で着席したペタジーニ選手は、母国の大統領を前にして少々緊張気味。しかし、小渕恵三首相があいさつで日本での活躍を紹介し、「(14日の)明日の試合でホームランの数を伸ばすか大いに注目されます」と話題を振ると、うれしそうに笑った。《共同通信》
【参院長野補選】小渕首相、鳩山氏が舌戦
参院長野選挙区補選は13日、自民、民主、共産3党首が相次いで長野入りし、17日の投票日に向け最後の追い込みをかけた。小渕恵三首相と鳩山由紀夫民主党代表はそれぞれの総裁再選、新代表選出後、初の国政選挙だけに、補選勝利で今後の政局、党運営に弾みをつけようと躍起。自自公連立の是非を焦点に白熱した舌戦を繰り広げた。
首相は13日夜、JR長野駅前で数千人の支持者らを前に街頭演説。自自公連立について「(参院選で敗れ)自民党105人だけでは参議院を制することができないことが発端だった」と理解を求めるとともに「小渕恵三も最初は支持率が20%だった。一生懸命、政策を実行し、50%になった」と訴えた。
一方、鳩山氏は終日、民主党候補と街宣車で県内を回り、上田市内では「自自公は政権を維持したいという一点だけの政権だ。解散して信を問いなさい、との声を上げてほしい」と早期の総選挙を要求。首相の長野入りについては「(補選で負ければ)責任と取らされるのは嫌だから15分しか滞在せずに逃げてしまった」と駆け足応援を皮肉った。《共同通信》
【インド・バジパイ首相】就任
9月から10月にかけて行われた下院(定数545)選挙で、インド人民党を中心とする与党連合を率いて過半数を制したバジパイ首相(74)は13日、大統領府で宣誓式を行い、首相に就任した。今月下旬に開催される新下院での信任投票を経て、第三次バジパイ政権が正式に発足する。
カシミール問題などで対立する隣国のパキスタンで軍が12日、クーデターを起こしてシャリフ首相を解任する事態となっており、新政権は発足早々、対パキスタン関係で困難な対応を迫られることになった。
バジパイ首相は、閣僚名簿を13日中にも発表する予定だが、シン外相、シンハ蔵相などの主要閣僚は留任する公算が大きい。
下院選挙では、人民党を中心に計24政党で構成する与党連合「国民民主同盟」が過半数を制し、ナラヤナン大統領は11日、バジパイ氏を首相に再指名して組閣を要請していた。《共同通信》
【米国】CTBT批准否決
米上院本会議(定数100)は13日、国際的な核軍縮・管理体制の柱となっている包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准について採決を行い、賛成48、反対51で否決した。
クリントン大統領は否決後、再度批准を求める決意を表明したが、賛成票が可決に必要な3分の2(67)を大きく割り込んだことで、最大の核保有国である米国の審議、批准は今後数年間は不可能となり、CTBTの早期発効は遠のいた。
CTBT批准を政策課題に掲げてきた大統領は、議会への指導力のなさを露呈。核拡散防止体制を主導する米国の批准否決を受け、ロシア、中国などの批准やインド、パキスタンの署名の遅れも予想され、核軍縮の流れが後退する懸念が強まっている。国際的反発は必至だ。
大統領は否決を受けて「非常に失望した。米国民を核戦争から守る重要な条約で、闘いはまだまだ終わっていない」との声明を発表。バーガー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、批准否決でも1992年から米国が続けている核実験停止政策に変更がない、と強調した。《共同通信》
【この日の民主党】
パキスタンで13日未明(日本時間)に起きた軍部によるクーデターに対して、民主党の伊藤英成・外交安全保障担当ネクスト大臣は同日、談話を発表した。インドと軍事的な緊張関係が続く中で、事実上の核保有国であるパキスタンが軍事政権に移行しつつあることに憂慮するとともに、同国に対して民主的な秩序の回復を強く求めている。