平成3194日目
1997/10/06
この日のできごと(何の日)
【国際柔道連盟】カラー柔道着導入を可決
国際柔道連盟(IJF)は6日、パリで総会を開き、IJF主催大会で一方の選手がカラー柔道着(青色)を使用するとの理事会提案を賛成多数で可決した。
伝統文化に根ざした柔道は、純白の競技着でなければならないとして、日本は強く反対してきたが、スポーツ界のカラー化の流れを阻止することはできなかった。
青色柔道着を着用する大会は、五輪のほかIJF主催の世界選手権、世界ジュニア選手権、ワールドカップ。最初に着用するのは、来年秋の世界ジュニア選手権(コロンビア)になる。これ以外の大会でも青が広がることは確実だが、全日柔道連盟(全柔連)は、男子の嘉納杯と女子の福岡国際のIJFが認める大会でも白のみを使用する考えで、日本の孤立化が進むことが懸念される。
青色柔道着は観客、審判に識別が容易だとして、1986年のIJF理事会で、東京五輪無差別級金メダルのアントン・ヘーシンク氏(オランダ)が初めて提案。テレビ放映に適しているという観点から、五輪競技のカラー化を要望する国際オリンピック委員会(IOC)も後押しした。過去のIJF総会では欧州連盟から提案され、89、93年と2度否決されたが、95年にIJF会長に当選した朴容晟氏(韓国)が、精力的な活動で反対勢力を抑え込み、今回は初めて理事会提案となった。
山下泰裕・日本男子監督 日本人には多少抵抗があることでも、世界の柔道の発展にプラスになることなら、それに協力していくのが、柔道を始めた国としての役目ではないかと思う。日本は世界的な柔道の発展に貢献することが必要だし、そういう気持ちを持ち続けることが大切。選手は既に試験的な大会で青を着ていることもあり、一般の人ほど抵抗はない。
田村亮子選手 柔道はいまや世界的なスポーツ。世界に通用するためにも、取り入れないといけないのかなと思う。選手としては、柔道をやることに変わりはない。欧州の合宿などでは外国選手が着ているのを見ているし、違和感はない。自分自身が着るとどうか分かいらないけど、こだわりはない。《共同通信》
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【NHK連続テレビ小説・甘辛しゃん】放送開始
【酒鬼薔薇聖斗事件】第2回少年審判
神戸の連続児童殺傷事件で、家裁送致された中学3年の少年(15)の第2回少年審判が6日午後、神戸家裁(井垣康弘裁判官)で非公開で開かれた。
少年を取り調べた兵庫県警須磨署捜査本部の捜査員2人が証人として出廷した。犯行を自白した経緯や取り調べの状況などについて証言。弁護側は、筆跡鑑定が出ていないのに筆跡が一致したと告げて自白を引き出したとして、捜査の違法性を主張したとみられる。
少年の精神状態について「重症の行為障害」などとし、医療少年院送致を示唆する精神鑑定書の提出後、初めての審判で、逮捕以来約100日を経て本格的な審理に入った。
審判では今後、鑑定医や両親、学校関係者らの証人尋問も実施される見通しで、17日までに少年院送致などの処分が決まる。
審判は午後1時半に開1廷。少年、付添人弁護士5人、調査官らが出席。両親は出廷しなかった。弁護側は、少年が犯行を自白した状況について「犯行声明と少年の筆跡が一致したとの鑑定結果が出ていないのに、捜査員は『一致している』と持ちかけて自白を引き出した」として、証拠から排除するよう主張したもようだ。
少年は捜査本部の調べに「むしゃくしゃしていた」などと漠然とした供述を繰り返す一方、殺害方法や遺体切断の状況などについては淡々と詳細に話したとされる。出廷した捜査員はこうした状況を証言したとみられる。《共同通信》
【ジャスコ・岡田卓也会長】ヤオハンの再建支援を表明
大手スーパー、ジャスコの岡田卓也会長は6日、千葉市の同社本社で記者会見し、会社更生法の適用を9月に申請し事実上倒産したヤオハンジャパン(静岡県沼津市)の再建を支援する、と表明した。
支援の内容は国内店舗の運営と商品調達が中心で、条件付きで社員の雇用確保にも協力するとしており、同会長は「商品調達ができれば再建は十分可能」との見方を示した。海外店舗については支援しない。
会見に同席したヤオハンの保全管理人である山崎源三弁護士は、ジャスコをはじめ大手スーパー数社に支援を要請していたことを明らかにした。ジャスコは要請を受け5日の役員会で支援を決めた。山崎弁護士は、静岡地裁に対して事業管財人にジャスコを推薦しており、裁判所は更生手続きの開始を決めるとみられる。
有力支援者が現れたことで金融機関の支援が得られやすい環境が整い、ヤオハンは地方スーパーとして再生する見通しとなった。
ジャスコは支援引き受けに当たって、放置すれば失業問題に発展する可能性があるうえ、国際流通グループとして海外でも有名なヤオハンの中核会社の倒産が、日本の流通業のイメージを悪くする懸念があることなどを考慮したという。ジャスコの岡田元也社長が6日静岡地裁を訪れ、支援を申し入れた。《共同通信》
【新進党・小沢一郎党首】進退かけ宮城入り
新進党の小沢一郎党首は6日、宮城県入りし、9日告示の同県知事選に向けて自民党、公明党と共同推薦で立候補予定の市川一朗参院議員を応援するたえ本格遊説を開始した。新進党選対は秘書団も大量動員し背水の陣を敷いており、小沢氏は年末の党首選挙もにらみ、知事選に勝って党内で低下している求心力回復につなげたい考えだ。
しかし、市川氏が負ければ、新進党内で小沢氏の責任論が噴出するのは必至。小沢氏側近は「党首選で対抗馬が立てば、その前に解党ー分党論が具体化する」としており、知事選は小沢氏の党首生命だけでなく、新進党の行方にも影響を与えかねない。
小沢氏は、離党した愛知和夫氏に代わって岩手県選出ながら異例の形で宮城県連会長に就任。8日まで県内6カ所で遊説する。《共同通信》
【シプリア二大司教】橋本首相と会談
橋本龍太郎首相は6日午後、ペルー日本大使公邸人質事件でゲリラ側とペルー政府とを仲介したシプリア二大司教と首相官邸で約30分間会談した。最後まで人質として残ったトゥデラ前ペルー外相も同席した。
首相は「保証委の中心として果たした役割を国民は忘れていない」と事件解決までの協力に謝意を表明。これに対し大司教は「こういう事件が二度と起こらぬよう(日本滞在中に)国民に訴えたい」と述べた。
会談では、公邸での思い出話や解放時に骨折したトゥデラ氏の回復ぶりなどに加え、「私の妻や子供はカトリックだ」と話した首相に対し、大司教が「カトリックでもたばこを吸えますので(愛煙家の)首相も(入信しては)どうか」と冗談を飛ばすなど終始和やかな雰囲気だった。
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シプリア二大司教は、6日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。大司教は「神の教えに従い人間の尊厳と生命の尊重のため、平和的解決に向けて参加した」とした上で、特殊部隊の武力突入で17人の死者が出たことについて「命が失われ非常に悲しかったが、心の傷口は今ようやくふさがれようとしている」と述べた。
シプリアニ大司教は「ペルー政府は当初から暴力的手段を用いてはいない。原因はペルーにも日本にもない」と、解決策に一定の理解を示した。《共同通信》
【内海好江さん】死去
内海桂子さんとの名コンビで人気を集めた女性漫才の第一人者、内海好江さんが6日午前9時25分、胃がんのため東京都目黒区の病院で死去した。61歳。東京都出身。
東京・浅草の生まれ。両親が夫婦漫才をしており、幼い頃から演芸に親しんだ。10歳で歌手としてデビュー。14歳で内海桂子さんと組んで漫才を始めた。
1958(昭和33)年、NHK「漫才コンクール」で優勝し、寄席、テレビなどで活躍。江戸っ子同士の気取らない普段着の芸で、庶民派漫才としてお茶の間の人気を集めた。《共同通信》