平成991日目
1991/09/25
この日のできごと(何の日)
【秋篠宮妃紀子殿下】着帯の儀
秋篠宮妃紀子さまの着帯の儀が25日午前、東京・元赤坂の秋篠宮邸で行われた。妊娠9カ月目の戌の日に行われる着帯の儀は天皇、皇后両陛下から贈られた紅白の絹の帯を、洋服の上から着けて安産を祈る儀式。宮内庁によると紀子さまは10月末に出産の予定で経過は順調という。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【PKO協力法案】審議入り
衆院国際平和協力特別委員会は25日、国連平和維持活動(PKO)協力法案、国際緊急援助隊派遣法改正案が審議入りし、自民党の柿沢弘治、武部勤、社会党の上原康助、川崎寛治、五島正規の5氏が質問に立ち本格論戦が始まった。
海部首相は停戦合意が崩れた状況での国連の指図と日本の指揮が食い違った場合の対応について「日本の実施要領が優先する」と述べ、業務の中断、撤収については日本独自の判断が優先することを強調した。
工藤内閣法制局長官は国連平和維持軍(PKF)への自衛隊参加に関し「参加が困難な場合が多い」とした従来の政府答弁との整合性について「武力行使をしない。他国の部隊の武力行使と一体にならない」との前提条件を説明し、従来の憲法解釈の変更ではないことを強調した。《共同通信》
【G7外相会議】対ソ人道支援急ぐ
先進国首脳会議(サミット)参加7か国(G7)の外相会議が25日午前8時(日本時間同午後9時)すぎから、ニューヨーク市内のホテルで約1時間半行われた。席上7か国外相は、ソ連に対する食料などの人道支援を速やかに実施する必要があるとの認識で一致するとともに、対ソ支援にあたっては、支援物質が末端にまで行き渡るような流通制度改善の技術支援も重要との点を確認した。また、国連のイラク核査察チームがイラク政府に拘束されている問題について、「明白な国連決議違反」との立場で一致した。
対ソ支援問題では、各国外相が最近、ソ連政府やロシア共和国の要人らと接触した内容を踏まえて、ソ連情勢について説明。この中で、ソ連側が今冬に深刻化するとみられる食料不足などに対して、数十億ドルから100億ドルを超えるとみられる巨額の要請をしていることが明らかにされたが、この日の会議では、緊急援助の実効性を高めるためにも確実な根拠に基づく援助規模の決定が必要との意見が強く出された。
また、7月のロンドンサミット(先進国首脳会議)でも見送られた金融支援問題については、話題に上らなかった(日本関係筋)とされ、ソ連の連邦と共和国の関係、新しいソ連の経済システムの構築など受け皿がはっきりしないままでは、慎重に対処すべきだとの立場を確認した形だ。《読売新聞》
【自民党・金丸信元副総理】「海部続投」を示唆
自民党竹下派会長の金丸信・元副総理は25日夜、都内のレストランで、同派の衆院当選5回生ら8人と約2時間懇談、10月末の自民党総裁選に言及して「海部内閣に対する国民の支持が高いことも無視できない」と述べた。また金丸氏は、今年4月の都知事選の際の宮澤喜一・元副総理、渡辺美智雄・元政調会長の対応に触れて「こちらが(両氏の)責任を問いたいくらいだ」と述べた。
金丸氏はこれまで、10月4日の臨時国会終了後に総裁選への最終的態度を決めるとして総裁選への竹下派の対応は「白紙」と強調してきたが、この日の発言は竹下派の大勢が首相続投支持を受け入れる方向になっている状況を踏まえ、首相支持を強く示唆したものだ。
その理由として金丸氏は、海部内閣に対する高い支持率を挙げると同時に、90億ドルの湾岸支援策を実現した「自公民路線」の延長線上にあった都知事選の際、宮沢、渡辺両氏が積極的な協力姿勢を示さないまま「敗北しても小沢幹事長の責任は問わない」と発言したことも指摘、現在もなお、不満を持っていることを明らかにした。
一方、金丸氏は、出席者の質問に答える形で竹下元首相の再登板は「本人が否定しており、ありえない」と明言、竹下氏を含め独自候補擁立の選択肢がないことを強調した。《読売新聞》
【自民党竹下派】総裁選候補擁立を見送り
自民党竹下派会長代行の小沢幹事長は25日夜、民放ニュース番組のインタビューで、党総裁選での竹下派の独自候補擁立について「現時点ではない」と述べ、他派閥から候補を立てる限り自派からの擁立は見送る方針を明らかにした。
竹下派が海部首相の続投支持に傾いているとの党内の見方に対しては「なんとなくうちはそうだと思われている」と否定せず、首相続投もやむを得ないとする派内の雰囲気を認めた。しかし「改めて手を挙げる人から話を聞いてみたい」とも述べ、候補者が出そろった段階で政治改革や国際貢献など重要課題に対する政策を聞いた上で判断する構えを強調した。《共同通信》
【自民党河本派】「海部再選」若手が支援要請
自民党河本派は25日、都内の河本派事務所で例会を開いた。この席で若手議員が10月末の自民党総裁選での海部首相再選のための支援活動を始めるよう、派幹部に強く要請した。
例会では、村上誠一郎衆院議員(当選2回)が「総裁選が迫っているのに、このままじっとしているのは忍びない。我々にできることを幹部は指示してほしい」と発言。首相が立候補した場合の政策、選挙運動の方法などを考えてはどうか、と提案した。簗瀬進衆院議員(当選1回)も「一、二年生議員の切なる気持ちの代弁だ。配慮してほしい」と幹部に迫った。
河本派は、首相の出身派閥ながら国会議員31人の党内最小派閥。首相を実置的に支えているのは竹下派である上、政治改革など難問を抱える臨時国会が大詰めを迎える中で続投の意思を見せると、党内の猛反発を受けることは必至とあって、出身派閥としても、「何もしないことが唯一最大の戦略」(河本派幹部)という事情がある。
しかし三塚、宮沢、渡辺各派が総裁選への動きを活発に展開、河本派議員にも情報収集のための会合の誘いが頻繁にかかる中で、沈黙を強いられている若手議員の不満が噴出した格好。
近藤鉄雄事務総長は「首相も河本(敏夫)会長も言っている通り、今は国会に全力で取り組む時。気持ちはよくわかるが、しばらく時間を貸してほしい」と自重を求めた。近く、近藤事務総長が若手と話し合う機会を設けることになったものの、若手のいらいらはしばらく続きそうだ。《読売新聞》
【ソ連・ゴルバチョフ大統領】「政治諮問評議会」設置
タス通信によると、ゴルバチョフ・ソ連大統領は25日、改革派政治家、学者らで構成する「大統領政治諮問評議会」を発足させた。メンバーは、アレクサンドル・ヤコブレフ特命国家顧問、シェワルナゼ元外相、バカーチン国家保安委員会(KGB)議長、ペトラコフ市場研究所長、ポポフ・モスクワ市長、サプチャク・サンクトペテルブルク(旧レニングラード)市長、ベリホフ科学アカデミー副総裁、ルイジョフ・ソ連最高会議科学技術委議長、エゴール・ヤコブレフ・テレビ・ラジオ公社総裁の9人で、いずれも共産党解体後の民主化、市場化の行方に大きな影響力を持つ顔ぶれとなっている。
同政治諮問評議会の具体的役割についての説明は行われていないが、ヤコブレフ氏、シェワルナゼ元外相はじめメンバーの大半がペレストロイカ(立て直し)推進のためのゴルバチョフ側近グループに一度は名を連ねた人々ばかり。特に、ゴルバチョフ氏との復縁を渋っていたシェワルナゼ元外相の参加の意義は大きく、ゴルバチョフ大統領としては自己周辺への改革派指導者の再結集に成功した事実を誇示することで、失われた権威の回復を期待しているものと見られる。
またソ連再編成のための経済同盟条約、新連邦条約調印さらには連邦大統領選など今後の政治日程をにらんでの、自らの影響力確保の狙いもうかがえる。《読売新聞》