平成992日目

1991/09/26

この日のできごと(何の日)

【天皇皇后両陛下】初のアジア歴訪

天皇、皇后両陛下は26日午前9時45分、羽田発の日航特別機でタイ、マレーシア、インドネシア公式訪問に出発された。出発に先立ち、陛下は空港で「訪問国では各方面の人々と交わり、友好関係を増進させたい」とお言葉を述べられた。特別機は午後2時(日本時間同4時)、最初の訪問国タイのバンコク・ドンムアン空港に到着予定。天皇がアジアの国々を訪問するのは初めてで、来月6日まで11日間にわたる友好親善の旅は、平成時代の皇室外交の幕開けとなる。

羽田空港では午前9時すぎから特別貴賓室でお見送りの行事が行われ、皇太子さま、秋篠宮ご夫妻、紀宮さま、常陸宮ご夫妻ら皇族方のほか、海部首相、桜内義雄衆院議長、外交団長のセネガル特命全権大使などが出席した。

海部首相が代表して「ご旅行中の平安を心からお祈り申し上げます。つつがなきご帰国をお待ちしております」とあいさつ。陛下は「即位後初めての外国訪問ですが、訪問国では国王陛下、大統領閣下はじめ各方面の人々と交わり、それによりお互いの理解が深まり、友好関係を増進させることができれば、まことにうれしい」と、即位後初の外国訪問への抱負を述べられた。

このあと両陛下は特別機のタラップから見送りの人たちに手を振ってこたえられ、特別機はバンコクに向けて飛び立った。

天皇、皇后両陛下は26日午後2時(日本時間同4時)、東南アジア諸国連合(ASEAN)3か国歴訪の最初の訪問国、タイのドンムアン空港に到着された。晩さん会で天皇陛下は、太平洋戦争の教訓に触れ、東南アジア諸国との新たな友好関係の確立を希望するスピーチをされた。

プミポン国王、シリキット王妃主催の晩さん会は、午後8時(同10時)すぎからチャクリ宮殿で開かれ、ワチュラロンコン皇太子、シリントン王女など王室ご一家をはじめ約170人が出席した。

プミポン国王の歓迎の言葉に対し、天皇陛下は両国の長い交流の歴史を振り返ったうえで、「日本は、先の誠に不幸な戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう、平和国家として生きることを決意し、戦後一貫して東南アジア諸国との新たな友好関係を築くよう努力してきました」と、戦争を反省して戦後生まれ変わった日本を強調された。

これに先立ち、ドンムアン空港では、国王ご夫妻や皇太子も出席して歓迎行事が行われた。

バンコク首都圏庁のロイヤル・パビリオンでは、チャムロン・バンコク市知事が友好のしるしの「市のかぎ」を陛下に贈る式があり、陛下は英語でお礼のあいさつ。続いてチトラダ宮殿で、両陛下と国王ご夫妻との会見が約50分間行われ、席上、陛下にタイ国最高位の「ラーチャミトラーポーン勲章」が贈られた。《読売新聞》

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【イージス艦・こんごう】進水式

わが国初のイージス艦として、三菱重工長崎造船所香焼工場(長崎県西彼杵郡香焼町)で建造中の海上自衛隊の7200トン型護衛艦の進水式が26日午前、同工場で行われた。

この日の進水式には防衛庁側から佐久間一統幕僚長や岡部文雄海上幕僚長、三菱重工から相川賢太郎社長など関係者約180人が出席。岡部幕僚長が「こんごう」と命名した。《共同通信》

【プロ野球・中日】次期監督に高木守道氏

プロ野球中日ドラゴンズの次期監督に同球団OBで評論家の高木守道氏(50)が就任することになった。26日、同球団の中山球団社長が明らかにしたもので、シーズン終了後に正式に就任、発表される。中日には6季ぶりの復帰となる。《共同通信》

【ルーマニア・ロマン首相】辞任

死者4人を出したルーマニアの首都ブカレストの炭鉱労働者らによる反政府暴動は26日、ロマン首相が辞職する事態に発展した。ブカレストは同日も労働者らがデモ行進を再開してイリエスク大統領の辞任も要求、一部は議会棟に乱入した。これに対し当局側は軍の装甲車を政府庁舎周辺などに配置して厳重警戒にあたるなど、依然緊張状態が続いている。

ルーマニア大統領報道官によると、同首相はイリエスク大統領に対し辞表を提出、大統領がこれを受理した。政府声明によると、首相は、「新たに挙国致内閣を設立するため、組閣権限を大統領に返上した」もので、新内閣発足まで暫定首相を務めることになる。

イリエスク大統領は同日、ラジオを通じて声明を発表、既に新政府作りに着手していると述べ、国民に平静を訴えた。大統領は同時に、話し合いの結果、炭鉱労働者の指導部が引き揚げに同意したと言明。ブカレストで依然続いているデモは「一部グループが混乱を作り出そうとしている」ためだとし、軍と治安部隊が破壊行為防止のため態勢を整えていると警告した。

ロマン首相は、自由価格制導入や賃金凍結など、市場主義経済移行のための経済政策を進めてきた。しかし、このため年間インフレ率が200%を超えるなど、国民は苦しい生活に追い込まれ、不満が高まった。25日、同国西部ジウ渓谷から押しかけた1万人近い炭鉱労働者らのデモはこうした背景の中で起きた。《読売新聞》

【ルーマニア】全土に軍配備

内閣を総辞職にまで追い込んだルーマニア・ブカレストの炭鉱労働者らによる反政府暴動は26日夜になっても収まらず、数千人のデモ隊は同日午後の国会乱入に続き、今度は国営テレビ局を包囲し火炎ビン投てきなどを繰り返した。これに対し政府は国営テレビを通じ、「実弾を装備した軍隊を全土で配置につける」との声明を発表、デモ隊に警告するとともに、騒乱拡大を断固阻止するとの構えを示した。

ブカレストからの報道によると、テレビ局を取り囲んだ約4000人のデモ隊はイリエスク大統領辞任を叫び、またテレビを通じてデモ隊の声明を読み上げさせるよう要求、警備にあたる軍や警察と衝突した。治安当局側は催涙ガスなどで応酬する一方、装甲車などでテレビ局の周囲を固めデモ隊の突入に備えた。この衝突で約70人が負傷したという。

また、ブカレストの騒乱は地方にも広がる気配を見せ始め、第二の工業都市プラショフや炭鉱労働者の出身地ペトロサニではデモ隊支持の抗議行動が起きたという。

軍配置の政府声明は、こうした事態に対し、「実弾を装備した国防軍が政府庁一合など主要な建物の保護にあたる」と言明。同時に、「軍は秩序回復と民主化・改革継続のため任務を遂行一することを国民に保証する」と述べ、平静と非暴力を訴えた。

一方、辞任に追い込まれたロマン首相はフランスのテレビとの電話インタビューで、「われわれが今目撃しているのは、地下からはい出した共産主義者による一種のクーデターだ」と警告。「法と秩序が回復されるまで、首相としての義務を果たす」と述べ、デモ隊の圧力に屈したわけではないことを強調した。

今回の暴動の主体となっているジウ渓谷出身の炭鉱労働者は、昨年公然化した、旧チャウシェスク政権時代のベールデット元首相を指導者とするネオ共産主義者党とのつながりが深いといわれる。《読売新聞》



9月26日 その日のできごと(何の日)