平成3910日目

1999/09/22

この日のできごと(何の日)

【淡谷のり子さん】死去

「別れのブルース」などのヒットで、ブルースの女王と称され、歌謡界のご意見番として毒舌をふるった歌手の淡谷のり子さんが22日午前4時半、老衰のため東京都大田区の自宅で死去した。92歳。青森市出身。葬儀は故人の遺志により近親者のみで行う。淡谷さんは生前「ひっそりと送ってほしい」との強い希望を伝えていた。

子どものころから歌が好きで、青森県立青森高等女学校から東洋音楽学校(現東京音大)に進学。学費を得るため絵のモデルをしながら、昭和4年に首席で卒業。「十年に一人のソプラノ」と言われた。しかしクラシックでは生計が立たず同年暮れ、ポリドールに入社。「浅草で流行歌を歌った」として、母校の卒業生名簿から除籍される悲哀も味わった。

以後、レコード会社を変え、流行歌を歌い続けるうち12年に「別れのブルース」が大ヒット。その後も、「雨のブルース」などのブルースものが次々にヒットして「女王」の冠がついた。ジャズ、タンゴ、シャンソンとレパートリーは広いが、軍歌、演歌が嫌いで、戦時中も豪華な衣装や派手な化粧を変えようとしなかった。

戦後も人気を保ち、「君忘れじのブルース」などがヒット。歌だけでなく、ベトナム反戦運動など平和問題について発言したり、愛きょうのあるズーズー弁で、テレビ、ラジオの人生相談を引き受けたりした。

歌謡界のご意見番的な存在として毒舌をふるったが、言葉の裏には温かさをにじませた。80歳を過ぎても精力的にステージ活動を続け、歌一筋の生涯だった。

46年日本レコード大賞特別賞、47年紫綬褒章を受けた。平成10年には青森市から名誉市民に選ばれた。著書に自伝「歌わない日はなかった」など。《共同通信》

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【フジ系連続ドラマ・彼女たちの時代】最終回

【東京株式市場】

22日の東京株式市場は、日銀の追加金融緩和見送りを受け円相場が急伸したのを懸念し急反落、終値の平均株価(225種)は前日比607円3銭安の1万7325円76銭と今年最大の下げ幅となった。

前日のニューヨーク株価も大幅安となっており日米市場で動揺が続いた。回復の兆しがある日本の景気の腰折れ懸念も出ている。

週末の先進七カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)で為替、資本市場の安定化が重要議題になりそうで、ほころびも指摘される日米協調立て直しや、日本の大型の第二次補正予算に市場の期待が高まっている。《共同通信》

【J1】第2ステージ第10節第1日

Jリーグ1部(J1)第2ステージ第10節第1日(22日・西京極陸上競技場=1試合)ともに勝ち点17で前節3位の京都サンガと柏レイソルが対戦。相が2−1で延長Vゴール勝ち、勝ち点19で、この日試合のなかった首位の清水エスパルに勝ち点差1と迫った。

柏は後半開始早々に京都に先制されたが、北島のゴールで追いつき、延長前半8分に再び北島が決勝点を挙げた。柏は3連勝。

23日はヴェルディ川崎−清水など7試合が行われる。《共同通信》

【大相撲秋場所】11日目

大相撲秋場所11日目(22日・両国国技館)2横綱2大関がすべて敗れる波乱。横綱、大関総崩れは平成5年春場所7日目に横綱曙、大関貴ノ花、小錦が敗れて以来のこと。横綱武蔵丸は湊富士の右上手出し投げに屈し2敗目。しかし2敗だった雅山と和歌乃山も負けたため、単独首位はキープした。横綱若乃花は琴ノ若にあっけなく突き出されて7勝4敗。大関千代大海、出島も4敗目を喫し、3敗グループは雅山、和歌乃山に安芸乃島の平幕3力士となった。《共同通信》

【台湾大地震】死者2000人超す

これまでで最大級の被害を出した台湾中部大地震は、震源地の南投県と隣の台中県を中心に崩れた建物の下に多くの住民が閉じ込められたままになっており、台湾行政院(内閣)は必死の救出作業を続けている。

22日午前0時(日本時間同1時)現在、死者1772人と4008人の負傷者が確認されたほか、建物の下敷きとなるなどで3036人が行方不明となっている。新たな集計作業は遅れているが、死傷者数はさらに増えるものとみられる。

台湾中央気象局によると、22日午前8時(同9時)すぎ、南投県日月潭付近でマグニチュード(M)6.8の余震が発生、台湾東部の花蓮市沖でもM5.1の余震が発生するなど同日朝までにM4以上の余震が相次いだ。

一方、国際支援で日本のほか米国、ロシア、ドイツ、スイス、シンガポール、トルコなどの救助チームや救助犬が相次いで到着、捜索に加わった。

しかし、一部が崩壊した建物が余震でさらに大きく崩れるなど救出活動は余震のたびに中断を余儀なくされ、難航している。

中央通信によると、同日午前1時(同2時)前、南部雲林県斗六市の崩壊したビルから娘を抱いたまま気絶している母親が、地震発生から一日ぶりに救出された。

南投県では余震を恐れる住民が、学校のグラウンドにテントを張ったり段ボールを使うなどして一夜を明かす姿が目立った。震源地に近い人口6万人の山間部の東勢鎮では、全家屋の3分の1が壊れ停電と断水が続いている。《共同通信》

台湾中部大地震で、発生2日目の22日も、震源地の南投県や隣接の台中県などで、建物の下敷きになっている。住民の捜索活動が続けられたが、強い余震で作業がたびたび中断、生存を祈る家族や関係者はいら立ちを強めている。

台湾の内政部によると、死傷者数は22日午後11時(日本時間23日午前0時)現在、死者は2008人、負傷者は5269人、行方不明者は2826人となった。

22日は午前1時半すぎ、今回の地震とは別に、台湾東部花蓮沖を震源地とするマグニチュード(M)5.1の地震を記録。さらに同8時すぎには、21日の大地震と同じ南投県の日月潭付近を震源とするM6.8と同6.2の強い地震があるなど、大地震発生からこれまでに3000回近くの余震が観測されている。

21日の地震は当初M7.6とされていたが、米国地質調査所は日本時間の22日になって、M7.7に修正発表した。

救助活動のため22日夜までに台湾入りした外国の教援チームは、日本、米国、ドイツなど14カ国計545人に上った。このうち日本からは、最多の145人が参加している。

地震で崩壊した台北市東部のホテルが入った12階建てのビルは、余震で壁に大きな亀裂が入り、「二次災害の危険があるため」捜索を一時中断した。建物にはまだ60人が閉じこめられているといわれ、救出を待ちながら現場を取り囲む家族らはあせりの色を濃くしている。《共同通信》

【野中広務官房長官】退任決定

小渕恵三首相は22日午後、自民党総裁に再任されたのを受けて党本部で記者会見し、自自公3党連立政権を一日でも早く発足させたいとの意向を表明、その後、自由党の小沢一郎党首、公明党の神崎武法代表と個別に会談し、協力を要請した。

また首相は同日夜、野中広務官房長官と会談し、引き続き職にとどまるよう要請した。しかし野中氏は「今後は一人の政治家として首相を支えたい」と述べ、辞意を正式に伝えた。これにより野中氏の退任が事実上決定、小渕派内では後任として青木幹雄参院幹事長らの名前が挙がっている。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の鳩山由紀夫幹事長代理は22日、代表選の演説途中で立ち寄った高知市で、学習院初等科の同然生の橋本大二郎知事と懇談し、菅直人代表について「役人に厳しい。すべて悪みたいに言う。力を借りなきゃいけない時もあるし、(役人を)そうしたのは政治家でもあるのに」と、菅氏十八番の官僚批判をバッサリ。「菅さんの白髪が増えた。私が悪いことしているからね」と言いながらも、「代表選でみんな元気になる」と悪びれる様子もない。旧友との会話を楽しむ余裕は代表選の優勢がなせる業?《共同通信》

【中国】軍事委副主席に胡錦濤氏

中国共産党の第15期第4回中央委員会総会(四中総会)は22日、胡錦濤国家副主席(党政治局常務委員)(56)を中央軍事委員会副主席、郭伯雄・蘭州軍区司令官(中将)(57)ら若手2人を軍事委員に選出し、19日から4日間の会期を終えて閉幕した。

総会はまた、2010年までの国有企業改革の目標と指導方針を盛り込んだ「国有企業改革と発展をめぐる若干の重要問題の決定」を採択、10月1日の建国50周年を前に、党を挙げて長期的に改革に取り組む姿勢を内外に示した。

中央軍事委主席を兼任する江沢民国家主席(党総書記)は軍事委内に信頼をおく若手の胡氏らを登用して自らの権力基盤を強化。江主席の有力な後継者候補と目される胡氏は、軍事委副主席就任で後継者としての地歩をさらに固めたと言える。《共同通信》

【東ティモール】多国籍軍、地上軍部隊兵力を増強へ

東ティモールに派遣された多国籍軍のマーク・エバンス地上軍司令官(オーストラリア)は22日、現在ディリ市内だけで2000人規模の地上軍部隊を展開させているが、市内の情勢は依然不安定で、今後さらに兵力を増強する必要があると述べた。

エバンス司令官によると、多国籍軍はインドネシア国軍と協力し、ディリ市内の治安回復に努めている。しかし市、内で完全に抑えているのはディリ空港、国連東ティモール派遣団(UNAMET)施設、在ディリ・オーストラリア領事館など4カ所にとどまっている、と指摘した。

治安回復を進めているのはオーストラリア、ニュージーランド、英国の部隊が中心で、これにタイ、米国、フランス軍が協力している。

またエバンス司令官は、20日にディリ入りした多国籍軍が市内パトロールを実施、これまでにインドネシアとの併合を主張する民兵組織メンバーなどから、手製の短銃などを含め数百点に上る武器を押収したことを明らかにした。ディリ展開以来、多国籍軍と民兵組織との衝突などは起きていないという。《共同通信》

【民主党代表選】

民主党代表選は22日午後、高松、岡山両市内で鳩山由紀夫、菅直人、横路孝弘3候補が街頭演説会などを行い、3氏は小渕恵三首相の政権運営を批判するとともに、政権奪取の決意を強調した。

菅氏は「無責任な自自公政権に対して、未来に責任を持つ政治は民主党がやっていかないといけない」と指摘した上で「(自民党)総裁選の結果、小渕さんが決勝戦に出てくる。決勝戦は総選挙だ。皆さんで民主党の首相をつくっていただきたい」と述べ、次期総選挙で政権奪取を目指す考えを示した。

鳩山氏は「公共事業のばらまきは必要ない」と小渕政権を批判。「3候補の主義、主張は違っているが、国民政党に脱皮するため、いろいろな考えが集約される党でなければならない」と述べた。

横路氏は「次の衆院選では、だれが代表になっても3人がしっかり協力して勝利を目指したい」と強調した。

3氏は岡山での立会演説会で「首相になったら何をやるか」との会場からの質問に「景気回復と規制緩和」(鳩山氏)、「諫早湾干拓の工事中止」(菅氏)、「基礎年金の全額国庫負担」(横路氏)を挙げた。《共同通信》

翌22日、3候補は東京から空路で高松に入り、市内のデパート前で街頭演説。その後、電車で瀬戸大橋を渡って岡山市入りし、駅前での街頭演説、ホテルでの立会演説会に臨んだ。高松では雨が一時上がり、約300人の買い物客が立ち止まって真剣な表情で演説を聴いた。岡山では小雨がぱらつく中、市電の降車場で雨をよけながら約100人が、立会演説会場には約500人の市民がそれぞれ集まった。

菅候補は岡山県が本籍地。子どもの頃の思い出話から、約50万トンの廃棄物の不法投棄で問題になった瀬戸内海に浮かぶ香川県の豊島(てしま)の話題をいずれの会場でも取り上げた。

厚相在任時に、厚生省の官僚の反対を押し切って視察に訪れた話から、「今回の代表選ではこれまでの『口7割・耳3割』から、『口3割・耳7割』を公約にして、もっと人の意見を聴くようにしたが、役人と対するときには耳7割では官僚の言いなりになってしまい、全く問題解決ができない」と指摘。自民党総裁選に出馬した加藤紘一氏の「巨大与党ができると役人任せになりやすい」とのコメントに賛意を表し、「未来に無責任な自自公政権に対して、未来に責任を持つ政治は民主党がやっていかないといけない」と訴えた。

鳩山候補は、祖父の鳩山一郎元首相を支えた三木武吉氏のふるさと高松の街頭演説では、「今の自民党は祖父や三木先生が描いていたのとはあまりにも違った姿であることに、2人の先達は嘆かわしく思っているに違いない」と述べた。

また祖先が勝山藩士で鳩山家ゆかりの地である岡山では、「自民党総裁選では小渕派だけで15億円使ったそうだが、私たちは3人あわせて2、300万円」だと述べ、かつて自民党小渕派にいたときのエピソードを披露しながら、「お金の結びつきに支えられて政治をやっている派閥では、国民の声は聞こえない」と自民党の金権体質を批判。政治家個人への企業団体献金禁止の先送りを狙う自民党に対し、「民主党だけでも先に禁止し、クリーンな政党として、自民党との根本的な違いを見せつけたい」と強調した。

横路候補はこの日、環境問題に演説の多くを費やした。台湾やトルコなど今年世界で相次ぐ大震災や、間近に迫っていた台風18号など大型化する台風の話題から地球温暖化問題に触れ、「科学技術の発展で生活は豊かになったが、地球は悲鳴を上げている。大量生産・大量消費・大量廃棄の構造を変えて、適度に生産し適切に消費しゴミを少なく抑える社会にしていかなくてはいけない」と述べ、「環境循環型社会」を、福祉社会、情報社会と共に次の社会づくりの視点に据えるよう訴えた。

横路候補は、ビール醸造の廃棄物による魚の養殖、北海道の生活クラブ生協による「共用ビン」など、いくつかの実例を挙げながら、「これに取り組むことで、技術革新や新たな投資が生まれる」と、環境への取り組みが経済波及効果をもたらすことも強調した。

岡山の立会演説会では、3候補の意見表明後、会場から「首相になったら第一に何をしたいか。ひとつだけ短く答えて」との問いかけが。

鳩山候補は「祖父の一郎がまずやったことは(要人警護の)SPの廃止、(官僚の)ゴルフと麻雀の禁止だったが、そういう答えは望まれていないでしょう。景気回復が第一だ」。菅候補は「諫早湾の水門を開け事業をストップさせる。それをやらないなら農水大臣を交代させ、反対する役人は農水事務次官以下全部クビ。無駄な公共事業をなくすスタートだ」。横路候補は「国民年金の全額国庫負担と共に、現在の年金水準を切り下げないことを国民に宣言したい」と、それぞれ答弁した。

また、この会場で行われた代表選の「市民投票」の評価を問われた3候補は、「私たちの政党は、共通の志でつながれたネットワーク型政党」(横路候補)、「市民参画の政治が民主党の原点。代表選に限らず、皆さんの意見で政治を動かす政党にしたい」(鳩山候補)、「全国一律のやり方は巨大組織に依存してしまう。地域ごとに市民の声をまとめるやり方を工夫してほしい」(菅候補)と、それぞれ「大賛成」した。《民主党ニュース》



9月22日 その日のできごと(何の日)