平成2084日目
1994/09/22
この日のできごと(何の日)
【消費税】5%へ引き上げ決定
政府は22日、臨時閣議を開き、自民、社会、さきがけの与党3党首脳会議で決着した消費税率引き上げを柱とする「税制改革大綱」を了解、政府大綱とすることを決めた。30日召集される臨時国会に税制改革法案を提出し、年内の成立を目指す。
大綱は①消費税の税率は平成9年4月1日から5%に引き上げる②7、8年の所得減税は3兆5000億円規模の恒久減税と2兆円規模の定率減税を組み合わせた二階建てとする③消費税の税率は行財政改革や福祉財源の検討を踏まえ、増税実施前に見直すーなどが柱。社会党の抵抗で最後まで難航した増減税の法案処理は「一体」で行うことを明記した。
今回の税制改革は高齢化社会への対応や中堅所得者層の税負担軽減、景気対策が狙い。消費税は元年4月の導入以来初めて税率が引き上げられる。また、消費増税による低所得者層への影響を緩和するため寝たきり老人らへの給付金500億円のほか、福祉財源として、増税分で4000億円、それ以外で7、8年度に計3000億円を手当てすることになった。
大綱では消費税率は5%と明記されているが、高齢化社会に向けて福祉の財政需要が膨らむことを想定すると、増税実施までに「6%以上」への再引き上げが検討課題となりそうだ。
大綱では所得税は「おおかたのサラリーマンが生涯を通じて10−20%の税率におさまる」ようにするため、税率20%を中心に所得区分を拡大。住民税も税率区分を広げる。
日本に内需拡大を求める米国に配慮して、所得減税規模は3年間の先行期間すべてを総額5兆5000億円とするが、8年は定率減税分の2兆円について、景気が良ければ「あらためて検討する」と、取りやめることを示唆している。《共同通信》
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村山首相は22日夜、税制改革大綱決定を受けて首相官邸で緊急記者会見し、消費税率を5%に引き上げる決定をしたことについて「政権を担う立場から責任ある決断をした」と述べ、国民への理解を求めた。また「行政改革を進めることを前提に決め、財源措置を考えて計算した結果の5%だ」として、根拠ある数字と強調した。《共同通信》
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【政界談話室】
○…村山首相は22日午後、大詰めの税制改革をめぐる与党首脳会議を終え「ようやくヤマを越したということじゃ」とほっとした表情。社会党の調整に手間取ったことには「念には念を入れてね。いろいろな意見があるんじゃけん。皆心配しよる問題じゃから」。会議前に「十分に時間をかけた社会党にやさしい税制改革か」と皮肉まじりに質問されると「いえ、納税者にやさしい(税制改革)です」と笑いながらかわした。そう言いながらも調整に時間をかけたのは「人にやさしい政治」だけではなく、身内にもやさしい政治?
○…この日、国会内で開かれた野党の新党協議会世話人会で「イチロー」談議。山口敏夫元労相が小沢一郎新生党代表幹事に「イチローという名前は良いイメージだ。おやじさん(小沢佐重喜元衆院議員)が選挙用に一郎としたのだろう」と持ち上げた。小沢氏は「おやじは難しい名前だったので私が生まれるときに選挙に当選したら一郎にしようと決めた。落選したら悪太郎だった」と冗談。そこに中野民社党書記長が「落選する回数で、一浪、二浪になった」と軽口をたたいた。新・新党の「イチロー」で、200本安打ならぬ、議員200人以上を結集したいところ。《共同通信》
【大相撲秋場所】12日目
大相撲秋場所12日目(22日・両国国技館)全勝同士の対決は大関貴ノ花が関脇武双山を危なげなく寄り切り12連勝。優勝争いで単独トップに立った。大関若ノ花は小結舞の海を落ち着いた相撲で退け、大関貴ノ浪は魁皇を寄り切り、ともに1敗を守った。大関武蔵丸は三杉里を破り9勝目。関脇貴闘力は琴錦を下して勝ち越しを決めた。幕内は全勝の貴ノ花を若ノ花、貴ノ浪、武双山が1敗で追う展開。十両は大翔山ら3人が8勝4敗で並んでいる。《共同通信》
【毎日新聞東京本社】男が銃を発砲して逃走
22日午後4時35分ごろ、東京都千代田区一ツ橋、毎日新聞東京本社の週刊誌「サンデー毎日」編集部など出版局がある3階の社員食堂入口付近で、男が銃を3発天井に向け発射し、逃走した。当時、食堂と近くのエレベーターホールに社員ら5、6人がいたがけがはなかった。
警視庁の調べでは、同日午後4時半ごろ、サンデー毎日編集部に男の声で「10月2につ付のサンデー毎日はとんでもない。不満がある。今からそっちに行く」という内容の不審な電話があった。現場には「支店長はなぜ殺されたのか」と題して住友銀行名古屋支店長射殺事件を取り上げた同誌の10月2日号が落ちていた。
「サンデー毎日」をめぐっては昨年6月、皇室批判とも受け取れる内容の記事を掲載、右翼団体からの反発も出ていた。《共同通信》
【トリカブト殺人事件】被告に無期懲役の判決
保険金目当てにトリカブトとフグの毒を使って妻を殺したなどとして、殺人、殺人未遂罪などに問われた元自動車部品製造会社経理部長K被告(54)の判決公判が22日、東京地裁で開かれた。
川上拓一裁判長は「K被告の行動、周辺に認められる多くの不可解な事実を総合すると、被告によって保険金を目的に行われた殺人事件であることが、証拠上合理的な疑いを入れない程度まで証明された」と判断。
その上で「犯行は計画的、冷酷、残忍で、欲望を満たすためには人命さえ一顧だにしない姿勢は非道の極み」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。K被告は近く控訴する。《共同通信》