平成3525日目
1998/09/02
この日のできごと(何の日)
【フジテレビ・菊間千乃アナ】生放送中に転落
2日午前7時半ごろ、東京都足立区谷のビルで、避難器具の実演をしていたフジテレビのアナウンサー、菊間千乃さん(26)が、5階から約13メートル下のマットに落下、腰の骨を折る重傷を負った。
警視庁西新井署の調べでは、事故があったのは生活情報番組「めざましテレビ」で防災グッズの新製品を紹介する生放送中。菊間さんは火事などの際、体にロープを巻き付け、窓から脱出する携帯用緊急避難器具を使って5階から壁伝いに地上に下りようとしたところ、ロープを支えていた留め金が外れた。地上には落下に備えて厚さ30センチのマットを並べていたという。
同署は器具の使用法に問題がなかったかどうか関係者から事情を聴いている。フジテレビには放送直後から「アナウンサーは大丈夫なのか」などの問い合わせが約350件も殺到した。フジテレビ広報局は「番組前に2度にわたってテストするし、マットを敷くなど万全の注意をしていたが、こういった事態になり申し訳ない。今後は安全対策に細心の注意を払います」とコメントした。《毎日新聞》
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【広島・大野豊投手】引退
広島は2日、セ・リーグ最年長投手の大野豊投手(43)が、体力の限界のため今季限りで現役引退すると発表した。大野は1日に松田耕平オーナーに引退の意思を報告し、了承された。同オーナーは大野に来季からの一軍投手コーチ就任を要請している。
昨季、最優秀防御率投手に輝いた大野は、今季は開幕投手に指名され、5月までに3勝をマークした。しかし一昨年に手術した左腕の血行障害が二度も再発。この日、広島球場で「自分の思い通りの球が投げられなくなった。これ以上投げてもチームに迷惑を掛けるだけ」と引退の理由を説明した。
来季については明言を避けたが「カープに育ててもらったと思っているので、必要とされるならば役に立ちたいという思いはある」と前向きに話した。引退記者会見は11日に広島球場で行われる。《共同通信》
【新党さきがけ】解党は国会終了後
新党さきがけの武村正義代表ら衆参両院議員5人は2日午後、党本部で記者会見し、「臨時国会最終日をもって、5人の議員による新党さきがけの議会活動にピリオドを打つ」と、事実上「解党」する方針を正式に表明した。
同時に①党自体は存続して党名を「さきがけ」に変更する。②「さきがけ」への所属は、各議員の自由な判断による−とした5人の合意文書を発表した。
「さきがけ」には武村氏と奥村展三参院議員の2人だけが所属、園田博之幹事長、堂本暁子総務会長、水野誠一政調会長の3人は離党し、いずれも無所属となる意向を明らかにした。新党さきがけは臨時国会閉会後、5年余の歴史に幕を下ろす。《共同通信》
【小渕恵三首相】防災功労者を表彰
2日、平成10年度の防災功労者に対する表彰式が官邸大ホールで行われ、小渕首相が表彰状を授与した。防災功労者に対する内閣総理大臣表彰は、毎年、防災週間(9月1日を含む一週間)に、災害時に人命救助、被災の拡大防止などの防災活動に顕著な功績を挙げた人々に敬意を表して行われている。
首相はあいさつのなかで「地震や集中豪雨など、厳しい気象条件のもと、身の危険も顧みず、率先して人命救助、住民の避難誘導などに努められた方々や昼夜を問わず、警戒監視、危険場所の補修、改修活動および医療行為に当たられた方々に対して敬意を表します」と感謝の言葉を述べた。《首相官邸》
【政府】北朝鮮の航空便停止
政府は2日午後、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル発射に抗議して、名古屋−平壌間の直行チャーター便の運航を当分停止する方針を決めた。野中広務官房長官、川崎二郎運輸相と外務、法務、大蔵など関係省庁幹部が首相官邸で協議し決定した。1日発表した国交正常化交渉や食種支援の凍結に続く追加措置で、政府筋は「事実上の経済制裁」としている。
野中長官はこの後の記者会見で、ミサイル発射が、民間航空機の安全確保を定めたシカゴ条約に違反するとして①既に許可した9便は許可を取り消す②申請中の14便は許可しない−と発表。「北朝鮮が同条約を順守し、民間航空機の安全を脅かすような行為を行わないよう働き掛けていきたい」と表明した。
川崎運輸相は記者会見で、停止措置期間について「向こう(北朝鮮側)から安全に関する確認がとれるのが大前提となる」と述べ、措置が長期化する可能性を示唆した。
野中長官はさらに追加措置を取るかどうかについて「今後、検討する」と述べた。ただ船の往来については「船籍によって入港は拒否できない」とし、措置に含めるのは困難との判断を明らかにした。
政府内では、北朝鮮船舶の入港時の荷物検査の厳格化の案なども浮上しおり、政府筋は「何ができるか、できないか、一週間以内に判断する」と述ベた。
【北朝鮮】「ミサイル実験は自主権の問題」
朝鮮中央通信によると、北朝鮮のアジア太平洋平和委員会スポークスマンは2日、ミサイル発射実験について談話を発表。「これはわれわれの自主催に属する問題で、われわれがわきまえて処理する問題だ。日本があれこれ口出しする性格の問題ではない」と実験を間接的に認めるとともに、日本側の姿勢を非難した。
8月31日の実験後、北朝鮮が初めて実験に言及した。談話は「この数日間、日本ではわれわれが長距離ミサイル発射実験を行ったとして騒いでいる」とし、「こうした反応を「軽はずみな行為」と決め付けた。
日本国内の反発にもかかわらず、北朝鮮側が挑発的といえる見解を示したことで、日朝間の対立がさらに深まる可能性が強くなった。ただ、外務省スポークスマンなどの政府機関でなく、日本などとの民間交流団体の形を取っている同委員会名で批判を行った意図は注目される。《共同通信》
【スイス航空111便墜落事故】
ニューヨーク発ジュネーブ行きのスイス航空111便のMD11が2日夜、カナダ南東部ノバスコシア州ブランドフォード付近の大西洋上に墜落した。
同社スポークスマンによると、乗客215人、乗員14人の計229人が搭乗。カナダ沿岸警備隊などが生存者の発見に全力を挙げたものの、DPA通信は同日、スイスの航空当局者が「生存者はいない」と発表したと報じた。《共同通信》