平成4553日目
2001/06/26
この日のできごと(何の日)
【政府】財政基本方針を閣議決定
政府は26日、経済、財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)がまとめた「経済財政運営の基本方針」を臨時閣議で決定した。今後2、3年を「集中調整期間」として低成長を容認し、不良債権処理など経済、財政の構造改革を通じて経済の体質を強化、民間需要主導の成長を目指す。
閣議決定を受けて各省庁は、基本方針を反映させた具体的政策の検討を本格化させる。国債発行を30兆円以下に抑制するため、来年度予算から歳出見直しなどへの取り組みを進める。
小泉首相は30日の日米首脳会談で、ブッシュ米大統領に基本方針を説明し、理解を求める。国内外で改革への決意を打ち出し、「聖域なき構造改革」の具体化に着手する意向だ。
基本方針では、日本経済再生の第一歩として2、3年以内に不良債権問題を解決する必要性を強調。金融機関が保有する不良債権の状況を正確に把握するため、新指標を導入するほか、整理回収機構(RCC)が幅広く不良債権を引き受けられるように機能を拡充し、金融機関による最終処理を後押しする。《共同通信》
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【薬剤師リンチ殺人事件】松本知子被告の上告棄却
オウム真理教松本智津夫被告(46)=教祖名麻原彰晃=の妻で、信者Oさん=当時(29)=殺害事件の殺人罪に問われた元幹部松本知子被告(42)の上告審で、最高裁第二小法廷は26日までに被側の上告を棄却する決定をした。知子被告を懲役6年とした二審判決が確定する。
知子被告は1995年7月の起訴から約6年間拘置されており、約5年近くが刑期に算入され、来年10月にも刑期を終え出所する。
被告側は「教団に戻り活動することはない。二審判決の刑は重すぎて不当で、これを破棄しなければ著しく正義に反する」と主張したが、梶谷玄裁判長は「上告理由に当たらない」と退けた。《共同通信》
【大橋巨泉氏】参院選出馬を表明
タレントの大橋巨泉氏(67)が26日午前、米ロサンゼルスと東京を中継で結んだ日米同時記者会見で、民主党から参院選比例代表候補として正式に立候補することを表明した。
「小泉フィーバーに草木もなびく日本人の付和雷同体質は恐ろしい。一石を投じるための石になりたい」と出馬の動機を話した。《共同通信》
【衆院外務委員会】
衆院外務委員会は26日午後の理事会で、日本モンゴル、日本パキスタン両投資協定など条約3本を継続審議とすることを正式に決めた。
田中真紀子外相が自民党の鈴木宗男氏の質問を制限しようと働き掛けた問題で審議入りが遅れ、29日の国会会期末までの承認が困難となったため。外相の言動が具体的に外交政策に支障を来す結果となり、外相の責任問題や資質論が再び浮上することも予想される。条約が継続審議になったことについて、外務省は「秋の臨時国会で承認されることを期待している。今直ちに悪影響が出ることはない」(幹部)としている。
外相は26日夕、首相官邸で小泉純一郎首相と会った後、記者団に「私は自分で責任ものだと思っている」と述べた。これに先立って福田康夫官房長官は外相を呼び「厳重に気を付けるように」と重ねて注意した。
26日の衆院議院運営委員会理事会などで、与野党から「外相は本当に反省しているのか」「街頭演説で『いじめられている』と発言した。国会で謝りながら、内と外で言うことが違う」と批判が相次いだ。野党理事は「謝罪の趣旨が生かされない場合はあらためてこの問題を取り上げる」と指摘、野党側は27日の外務委での田中外相の答弁を聞いた上で、今後の対応を検討することにしている。条約3本を犠牲にしても、なお火種は残ったままだ。
閣僚の言動が原因で法案や条約承認が先送りされたケースは異例で、与党内にも「混乱の責任が外相にあるのは明々白々」(自民党幹部)との声は強い。外相との確執が続く事務当局も「相手国との関係を考えれば、本来なら進退にかかわる話」(外務省筋)と、不満を強めており、閣内や、省内での外相の発言力に少なからぬ影響を与えそうだ。《共同通信》
【小泉純一郎首相】IT戦略本部に出席
26日、官邸でIT戦略本部(第5回)が開催され「e-Japan2002プログラム~平成14年度IT重点施策に関する基本方針~」が本部決定された。小泉首相はあいさつで「IT人づくり計画、イー・プロジェクトの推進により、国民一人一人の利便性向上を、国民の目に見える形で推進していきたい。この気運を大事にして、なお、一層の御努力をお願いしたい」と述べた。《首相官邸》
【総合科学技術会議】本会議
総合科学技術会議(議長・小泉純一郎首相)の本会議が26日夕、首相官邸で開かれ、日本、欧州、ロシア、カナダが共同で計画している国際熱核融合実験炉(ITER)を日本に誘致するかどうかの結論を8月までに出す方針を決めた。
小泉首相は「(核融合は)私が一年生議員のころからの検討課題だが、将来の夢のエネルギーとして非常に重要であり、長期的課題として引き続き検討したい」と述べ、計画に前向きな姿勢を示した。文部科学省によると国内候補地の絞り込みや、原子力委員会による計画の評価を受け、誘致の可否を最終判断する。《共同通信》
【ローマ法王】東方帰一教会の本拠地で列福式
ウクライナを訪問中のローマ法王ヨハネ・パウロ二世は26日、東方帰一教会(ユニエイト教会)の本拠地の西部リビウ郊外の競馬場で、詰めかけた約30万人の信者を前に野外ミサに臨み、貧しい人々の救済に献身的努力をした神父ら2人に「聖人」に次ぐ「福者」の敬称を与える列福式を行った。
27日には、スターリン政権下の弾圧で殉職した帰一教会関係者の名誉回復のため、さらに二十数人の列福式をおこなう。
これらは法王の5日間のウクライナ訪問で最大の行事。正教の典礼を維持しながらローマ法王の権威を認める帰一教会の集中するリビウでの列福式は法王にとって悲願だった。《共同通信》
【この日の民主党】
航空自衛隊機機関砲誤射事故に厳重抗議~伊藤NC大臣らが中谷防衛庁長官に
民主党の伊藤英成外交安保担当ネクスト大臣ら6名の所属国会議員が26日昼、防衛庁に中谷元防衛庁長官を訪ね、25日に北海道北広島市で起きた航空自衛隊機による機関砲誤射事故に対して「防衛庁の責任は極めて大きく、猛省を促す」と厳重に抗議した。高木義明・衆院安全保障委理事、党北海道選出国会議員会の佐々木秀典(会長)、三井辨雄両衆院議員、峰崎直樹、小川勝也両参院議員が同行した。
この事故は、航空自衛隊のF-4型戦闘機が、北海道恵庭市の島松演習場内でのロケット弾による空対地射爆撃訓練中に20ミリ機関砲を誤射したもので、200発程度が発射され、一部が射場の約10キロ北にある北広島リハビリセンターなどに着弾し、建物や車などを破損したもの。幸い人的被害がなかったが、市街地から近く、状況次第では人命にかかわる重大な事故となった危険性もあった。
伊藤ネクスト大臣らが徹底的な原因究明と再発防止を強く求めたのに対し、中谷長官は「ご指摘の通りで申し訳ない。原因究明に全力で当たりたい」と述べた。
「これでは改革は絵に描いたモチ」~政府の「経済財政運営の基本方針」に対する見解を発表
政府の経済財政諮問会議がまとめた経済財政運営の基本方針が26日、閣議決定されたが、それに先立ち、同日、民主党の岡田克也政調会長が記者会見し、この基本方針に対する民主党の見解を明らかにした。
岡田政調会長は、総論と各論とに分けて基本方針の問題点を明らかにした。まず総論では、基本方針が改革実現のスケジュールも手順もほとんど示していないことを批判。また、そのビジョンは市場原理のみを強調した「20年遅れのサッチャリズム」というべきものであり、社会的公正を実現するという視点がない、と指摘した。
各論については、まず、「不良債権の抜本処理に取り組む意思がないと考えざるを得ない」と指弾。オフバランス化の対象が極めて限定されていることを批判し、要注意先の資産の厳格な再査定と完全な引き当ての実施が先決だ、と述べた。経済再生の指針をめぐっては、具体策の欠落を指摘。エンジェル税制の拡充や公正取引委員会の内閣府への移管、日本版FCCの設置など、民主党が提起している具体案の検討を要求した。
財政構造改革をめぐっては、歳出の抜本的見直しを踏まえた削減策が明確でないことを指摘、「近い将来の増税を前提にしているのではないかと思わせる」と懸念を表明した。公共事業改革についても、特定財源の一般財源化、長期計画の抜本的な見直しなどの具体策の欠落を批判した。
その他、雇用・社会保障制度改革、地方分権改革、2002年度予算編成などにわたって、具体的改革案の欠如と見通しの甘さを指摘、「このままでは改革は絵に描いたモチになる」と厳しく批判した。
「日本の危機を黙って見過ごせない」大橋巨泉さんがロスから参院選出馬会見
民主党は26日、数々のテレビ人気番組の企画、司会者として活躍した大橋巨泉さんを次期参議院選挙の比例代表候補として擁立することを決定した。菅直人幹事長が大橋さんが滞在中のロサンゼルスを訪れて会談し、最終的に立候補を合意。26日10時(現地時間25日18時)から、ロサンゼルスから大橋さんと菅幹事長、東京都内の会場で鳩山代表が出席して、両会場を専用回線で結び、同時記者会見を行った。またその内容は、インターネットで同時中継された。
会見ではまずロサンゼルスから菅幹事長が「小泉政権誕生以来、週刊誌のコラムなどで厳しく的確な意見を発表されているのを拝見し、民主党を応援するつもりで出てほしいと電話で連絡を取らせていただいた。決意していただき、大変うれしい」と経過を説明。
続いて、大橋さんが「長い間、自民党以外の政権でなければ日本は救えないと繰り返し述べてきた。自民党が参院選で圧勝すれば、日本は沈没する。それを黙って見過ごすわけにはいかない。現在の状況は極めて危険だ。小泉フィーバーに草木もなびく日本人の付和雷同体質は恐ろしい。一石を投じるための石になりたい」と出馬の動機を話した。
また、「小泉首相は信用できない」という大橋さんは理由のひとつとして、靖国神社公式参拝をすると表明していることをあげ、「国のために若い命を散らした人たちと、彼らを戦場に送り込んだ者たちの区別もつかない」「構造改革なくして景気回復なしという姿勢には賛成だ。構造改革から始めるのは正しい。しかし、それなら、靖国神社についても、『A級戦犯分祀なくして公式参拝なし』と言うべきだ」と、戦後ドイツ人が自らナチスの罪を裁いたことを例に挙げ、小泉首相のあいまいな姿勢を痛烈に批判、「化けの皮を必ずはいでみせる」と断言した。
大橋さんは90年に日本での仕事からのセミリタイア宣言をして、これまで主に海外に居住しながら、土産物店を経営。週刊現代や朝日新聞に連載コラムを掲載してきた。そのことについては、「議員になれば、セミリタイアの生活を6年間諦めなければならないが、国の進む方向を正すために、力を尽くしたい。著書の『巨泉-人生の選択』で後半生の優先順位として書いた『1に健康、2にパートナー』は変わらないが、3の趣味をしばらくの間『奉仕』に代える」と述べた。
中継を通じての鳩山代表との対談では、「あなたは育ちが良くて、すぐ相手の良いところを認めてしまうが、それではいけない。ぼくが理想とするのはイギリスやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの2大政党制だ。国民が腐敗しそうな政党を下ろし、第2党を選ぶことができる。日本でも同様のことを実現するには、自民党が多少いいことをしても目をつぶって、誉めてはいけない。敵を認める美学はわかるが、あなたは大学教授ではなく党首なのだから、相手の悪いところをびじばしと批判すべきだ」と注文を付け、鳩山代表も苦笑い。
鳩山代表は、「小泉首相、自民党の欠点は過去を曖昧にしてきたこと。靖国問題もその象徴だ。森政権の総括もなく、構造改革ができるとは思えない。過去の批判を厳しくやってこなかったことに日本の民主主義の稚拙さがある」と応じた。
また政策について、大橋さんは「民主党の政策に100%賛成しているわけではない。特に痛みを伴う構造改革といいながら、言葉だけが先行している。年金生活者や病弱な人たちにどのような痛みを我慢してもらうのかなど、きちんと具体的に説明するべきだ」と提言した。
大橋さんは選挙期間中の7月中旬は仕事の予定がすでにあることなどから帰国できないが、菅幹事長はこのことについて、「大橋巨泉という名前を利用するだけなら立候補などはお願いしない。大橋さん単なるタレント候補とは違い、長い間同じ主張を続けてきた方。有権者の皆さんは理解してくれると思うし、補完することはわれわれ民主党がやっていく。さまざまな方法を工夫したい」と説明した。
最後に大橋さんは「一年生でもぜんぜんひるんだりしない。当選したら必ず一対一で小泉首相に質問をしたい」と当選した場合の抱負を述べ、会見を終えた。
鳩山代表はこのあと記者からの「民主党はタレント候補の擁立に慎重な姿勢だったはずだが」との質問に答えて、「大橋さんや(すでに擁立した)幸田(シャーミン)さんさんはたいへんな信念の持ち主。政治に対する強い関心を持っている。人気取りのような形でタレントの名前を利用して、本人の政治的能力如何にかかわらず利用することは民主党は断じてしない。歴史認識、構造改革のスタンスの話も含めて、大変鋭い感覚を持っている大橋さんだからこそ擁立した。けっしてタレントだから擁立したのではない」と説明し、いわゆるタレント候補扱いされることをきっぱりと否定した。《民主党ニュース》