平成3804日目
1999/06/08
この日のできごと(何の日)
【宮下創平厚相】介護保険「延期は不信感を買う」
宮下創平厚相は8日、衆院厚生委員会の一般質疑で、介護保険について「これだけの準備をしてきて、選挙がらみで延期ということになれば、かえって不信感を買い、国民に対する責任を果たせない」と来年4月からの実施をあらためて強調した。質疑では与党の一部に出ている介護保険の実施時期の延期論について、各党から見解を求める質問が相次いだことから“不退転の決意”を示した格好だ。
介護保険の市町村間の格差や保険料水準の是正については、厚相は「近く市町村から集まってくる指標を基に実態を見たうえで的確に判断したい」とし、月内に自治体から報告を受ける保険料水準や、介護サービス量を検討したうえで対策を検討する考えを示した。
ホームヘルパーや特別養護老人ホームなどの基盤整備の目標値を示した現行の高齡者保健福祉推進計画(新ゴールドプラン)以降の、次期計画について「基盤の強化による良質なサービスは必要。新しい内容のものも検討しなければならないだろう」と述べ、平成12年度以降のプランの必要性を示した。安倍晋三氏(自民)に対する答弁。《共同通信》
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【サッカー・名波浩選手】ベネチア入り決定
サッカーの日本代表MF名波浩(26)=ジュビロ磐田=は8日、東京都内のホテルでイタリア一部リーグ(セリエA)のベネチアへの移籍を発表した。背番号は磐田でも付けている「7」に決まった。
同日、磐田とベネチアの幹部らが最終交渉し、条件付き3年契約、移籍金3億円、年俸8000万円(金額は推定)で合意した。
名波は磐田との契約が半年ほど残っているため、7月1日から来年6月30日までの1年目はレンタル移籍の形を取り、その後の2年間はベネチアが保有権を得る。ベネチアがセリエBに降格する場合などを想定し、付帯条件として磐田が優先交渉権を得るとの条項も盛り込まれた。名波も最終的には磐田に復帰する意向を示している。《共同通信》
【公明党】閣内協力も検討
公明党は8日、自民党との連立政権参加問題をめぐり、閣僚を送り込む「閣内協力」も視野に検討する方針を固めた。神崎武法代表は同日の記者会見で、小渕恵三首相が閣内協力を要請している考えを示していることについて「閣内に入るべきとか、各外(協力)にとどめるべきだとか、さまざまな意見がある。内外の意見を伺いながら(7月の臨時)党大会前後に考えをまとめたい」と強調。
「閣内協力は今のところ考えていない」としていた従来の方針を転換し、政権参加形態をめぐる選択の幅を広げた。《共同通信》
【創価学会・秋谷栄之助会長】自公連立を事実上容認
創価学会の秋谷栄之助会長は8日付の機関紙「聖教新聞」のインタビュー記事で、公明党の政治路線に関して「政策的に一致することがあれば、民衆の側に立った政策実現のため自民党との連携も選択肢の一つだ」と述べ、政策本位の「自公連立」を事実上、容認する考えを明らかにした。
公明党執行部は、重要法案の審理が自自公3党の枠組みで進んでいる国会対応について、党機関紙「公明新聞」で連日のように正当性を強調するなど、支持者への説明に躍起となっている。秋谷氏のインタビュー記事は、こうした公明党の立場をバックアップする狙いがあるようだ。
秋谷氏は公明党に対して「最初に(自自公3党の)枠組みありきでは、国民の理解も得られない。中道主義の政治とは何かということを明示して、広く国民に理解を得ていくことが大事だ」と、理念と政策を掲げて対応するよう注文を付けた。
公明党が日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法や組織犯罪対策3法案に賛成した点については「重要な部分で修正を加え懸念を取り除いた。その努力は評価してよい」と理解を示している。《共同通信》
【この日の民主党】
衆議院を通過し、参議院で9日から審議が始まる通信傍受(盗聴)法案の廃案をめざす緊急集会が8日午後、国会近くのホールで行われ、党所属の国会議員や市民など約400人が集まった。
円より子参議院議員の司会で、まず、実行委員長の角田義一参議院議員(民主党参議院幹事長)が、「参議院ではこの法案を絶対に通さないと腹をくくって闘っていきたい」とあいさつ。
続いて96年から、通信傍受法を含む組織犯罪対策法の問題を追及してきた日本弁護士連合会(日弁連)事務局次長の神洋明弁護士が法案の問題点を説明。「この3法案が組織犯罪だけを対象にしていないことが一番の問題。憲法のみならず刑法や刑事訴訟法の基本原則を変える危険性もある。人権保障上の歯止めも十分ではない」と指摘した。
また連合の笹森事務局長は「組織犯罪対策法では、労働組合の正当な争議権が監禁罪や威力業務妨害罪に拡大解釈される危険性が高い。国会外からも国民世論を巻き起こす運動をしていく」と反対姿勢を鮮明にした。
続いて作家の猪瀬直樹さん(日本ペンクラブ・言論表現委員長)が、言論活動の自由を守る立場から「通信傍受法の第15条の傍受対象除外規定になぜジャーナリズムが入らないのか。取材源の秘匿はジャーナリストの最高の倫理。取材のやり取りが一捜査官の範囲から流失すれば、人権や国家機密に影響が広がる危険がある」と指摘。さらにこの問題を積極的に取り上げない日本の報道機関は「大いに責任を感じるべき」と、批判の目を向けた。
また猪瀬さんは「先進国では通信傍受の規定があっても、個人のプライバシー保護法制とのバランスがとれている」と述べ、プライバシー法制が整備されていない日本での拙速な盗聴法審議に警鐘を鳴らすと共に、「本気でがんばってほしい。ペンクラブとしてもひとりの物書きとしても力になりたい」と民主党へエールを送った。
次にあいさつに立った菅直人代表は、「人権や民主主義にかかわる問題が自民・自由・公明3党の枠組みの中で議論無しに進められている。廃案に向け全力を挙げ、ありとあらゆる知恵と経験を使って闘っていきたい」と、法案の成立阻止に全力を挙げると決意表明した。
会場に詰めかけた参加者からも多くのメッセージが寄せられた。日本消費者連盟の富山洋子さんは「このような市民社会を管理する法律が着々と進められていることは、異議申し立てをする市民の動きを封殺するもの」、日本放送労働組合の今野徳男さんは「盗聴法によって私たちの自由な取材・制作が損なわれ、ジャーナリズム機能を十分に果たせなくなることを強く危惧する」と訴えた。インターネットのプロバイダーを運営するJCAネット事務局長の印鑰(いんやく)智哉さんは「盗聴法によってネットワークに対する不信が生まれれば、市民社会にも企業社会にも大きな影響を与える」、NTT労組の加藤さんは「法案の議論の中で、通信設備の管理・保全を行う私たちの精神的な負担、設備的影響、立会人としての責任や義務が論じられておらず、不安が大きい」と述べて、それぞれ法案への反対を表明した。
続いてあいさつした鳩山由紀夫幹事長代理は「なぜ今あえて窒息するような社会を国民に提示をするのか、不思議でならない。国家と市民とどちらにより重きをおくか、日本の社会をどのように導くかの自民党など与党側とと民主党との理念の違いがある。基本的スタンスを同じくする皆さんとうねりを作って盗聴法案を廃案に導いていく」と力強く宣言した。
最後に北澤俊美参議院国会対策委員長が、「官僚のいうことを何でも飲み込む小渕内閣ほど危険な内閣はない。そのことを終盤国会で天下に明らかにしていきたい」と会を締めくくった。《民主党ニュース》