平成2670日目

1996/04/30

この日のできごと(何の日)

【TBSビデオ問題】最終報告書発表、検証番組放送

坂本弁護士ビデオ問題でTBSは30日午後、これまでの調査をまとめた最終報告書を発表、同日午後7時から約4時間にわたり、おわび検証の特別番組をCM抜きで放送した。

報告書では、平成元年にオウム真理教幹部にビデオを見せた際の総合プロデューサー同席を認め、事実関係の確認は昨年10月の調査で認定可能だったとした上で、社内調査で誤った結果を出した点について「判断ミスが重なり重大な結果を招いた。個人のモラルだけでなく組織・機能の欠陥」とした。検証放送の中では現場担当記者の切実な報告が社内調査に反映されなかった実態も報告された。

TBSは「これで一応の区切りにしたい」との意向を示ししたが、事実関係の詳細や責任の所在などで不明な点が残り、「説得力に乏しい」との指摘も出る報告内容となった。

これに先立ちTBSは郵政省に報告書を提出、同省の処分は5月中にも出る予定。また、総合プロデューサー(53)を30日に懲戒解雇。磯崎洋三社長、杉本明専務、大川光行取締役が5月1日付で辞任、常務4人も取締役に降格、後任の社長には砂原幸雄取締役が1日就任すると発表した。

最終報告書はTBSの調査と、同社が依頼した特別調査人の佐藤庄市郎弁護士による調査で構成された。

それによると、元年10月26日夜、早川紀代秀被告らに坂本弁護士のビデオを見せたのは、ワイドショー「3時にあいましょう」の曜日担当プロデューサー(既に懲戒解雇)だけでなく、これまで見せた記憶はないとしていた同番組の総合プロデューサーの2人だったと認定した。

放送中止はオウムの圧力も一因との見方を示したが、報道局記者の関与や強制捜査情報の流出は否定した。さらに、ビデオを見せた事実を通報しなかったのは、プロデューサーが事態の重大な進展に驚き「後ろめたさや気後れ」から、と表現した。

一方、昨年秋からこの疑惑が指摘されていたにもかかわらず、今年3月に「見せてはいない」という誤った報告になった理由について、報告書は①連絡・報告の不十分さによる初動対応の遅れ②いわゆる早川メモなど証拠の読み誤り③関係者への厳しい追及が逆効果④調査体制の不備―などを挙げた。

日本テレビの報道を否定した点も「冷静さを欠いた心理的反発から、不十分な調査に基づいて反論してしまった」と説明。この半年間の不適切な対応を自己批判しつつも「意図的に事実の隠ぺいを図ったことはない」とした。

佐藤弁護士も、早期にビデオ問題の事実究明に当たることも可能だったのにTBSは怠った−と認定。「個人の責任を糾明するあまり、真相解明と全社的対応を誤った」と厳しく批判した。《共同通信》

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【橋本龍太郎首相】普天間「岩国移転」を陳謝

橋本龍太郎首相は30日、沖縄県の普天間飛行場移設に伴い山口県岩国基地に米海兵隊の空中給油機部隊が移転される問題で、平井竜山口県知事と貴船悦光岩国市長を首相官邸に招き「事前に協議できなかったことは遺憾であり、おわびする」と陳謝した。

これに対し平井知事らは「首相が誠意をもって対応してくれた。今後(岩国基地の)機能拡張はないとのことだった」と述べ、移転に理解を示した。

午前中の平井知事らと橋本首相との会談で、首相は今回の交渉経緯について説明。「日米トップのぎりぎりの空中戦的決着だった。だれにも相談できなかった」と謝罪。平井知事らが、岩国基地の将来展望の明示や事前協議をするよう要望したのに対し、橋本首相は「なし崩し的な機能拡大はしない。十分地元の意向を踏まえて検討する」と約束したという。

平井知事は「今後は国の具体策を聴いた上で県の方針を決めたい」と述べ、受け入れに事実上反対しないとの姿勢を示した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】日米さくらの女王にご満悦

橋本龍太郎首相は30日昼、首相官邸で「全米さくらの女王」のミッシェル・ウエストさん(23)の表敬訪問を受けた。首相の遠縁に当たる「日本さくらの女王」の三宅亜紀子さん(23)も同行、2人に挟まれて、首相は「女王様は両方ともすてきだ」と相好を崩した。

米ミネソタ州出身のミッシェルさんから州特産のパイプをプレゼントされ、へビースモーカーの首相は「これを持って行けば、ホワイトハウにスでも合法的にたばこが吸えるね」とご満悦だった。《共同通信》

【池田行彦外相】南ア・マンデラ大統領と会談

南アフリカを訪問中の池田行彦外相は30日午前(日本時間同日午後)、マンデラ大統領とプレトリアの大統領公邸で会談し、政治、経済両面で両国関係を強化していくことで一致した。

大統領は「日本企業の進出が雇用増進、技術移転に役立っている」として、両国間の経済関係発展を高く評価。日本が1998年(平成10)年に東京での開催を提唱している第2回アフリカ開発会議への出席にも積極的な考えを表明、併せて国内での教育普及に日本の支援を要請した。

外相は南アを含むアフリカ諸国の初等教育普及に向こう3年間で約1億ドルを拠出する方針を伝えた。また両国は南アの開発計画で、初の円借款として計78億3100万円の供与について書簡を交換した。

池田外相は「両国は核軍縮など国連での協力を進展させている」との橋本龍太一郎首相の親書を手渡し、今秋の国連安保理非常任理事国選挙での支持を要請。大統領は「最も親密な友人からの要請であり、共感をもって検討することを約束する」と述べ、前向き姿勢を示した。

外相はまた「新政権が国民融和などを短時間で実行しており、近隣の南部アフリカ諸国にも刺激になる」と大統領の指導力を評価するとともに、国内の経済安定に期待を示した。

閣僚の南ア訪問は初めて。外相が南部アフリカを訪れるのは12年ぶり。《共同通信》

【米国、イスラエル】テロ防止協定に調印

クリントン米大統領と訪米中のペレス・イスラエル首相は4月30日、ホワイトハウスで両国間のテロ防止協定に調印した。協定により米国は爆弾テロに苦しむイスラエルに対し、精密な爆弾探知装置の提供や、テロ組織に関する情報提供などテロ対策についての支援や訓練を行う。

テロ防止協力協定は、大統領が今年3月にイスラエルを訪問した際に基本的に合意していたもので、この際、大統領は1億ドル相当の援助を約束していた。

米国とイスラエルは4月28日、イスラム武装組織ヒズボラによるロケット砲攻撃に対抗するためレーザー方式の迎撃装置を共同開発することでも合意しており、米国が中東和平プロセス維持のため、イスラエル防衛に一層力を入れることを意味する。

同時にクリントン政権としては、和平推進派のペレス首相への協力姿勢を明確にすることで、5月29日に総選挙を控える同首相の労働党にテコ入れする意図もあるとみられる。しかし、大統領は首相との共同会見で「他国内政上の決定に米国は干渉しない」と述べ、総選挙に向けた思惑を否定した。《共同通信》

【ドジャース・野茂英雄投手】今季4勝目

米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手は30日、ドジャースタジアムでのロッキーズ戦で八回まで2失点と好投し、チーム最多の4勝目をマークした。

野茂は一回、先頭のヤングに初球を左越えに本塁打されたが、すぐに立ち直り八回まで5安打1四球。九回は救援投手にマウンドを護ったが、味方打線の援護もあって、7−4で快勝した。奪三振は6だった。

ドジャース打線は三回に守備の乱れを突いて逆転。六回にはピアザ、キャロスの連続本塁打も飛び出し、10安打で7点を奪い、勝率を5割に戻した。《共同通信》



4月30日 その日のできごと(何の日)