平成2397日目

平成7年8月1日(火)

1995/08/01

【北海道大病院】初の遺伝子治療を開始

札幌市の北海道大病院は、1日午前、アデノシンデアミナーゼ(ADA)という酵素をつくる遺伝子に異常があるため免疫不全となっている北海道在住の男児(4つ)の採血に着手、日本初の遺伝子治療を始めた。

採血は約1時間40分かかり、午前11時20分終了した。この後、血液から、分離したリンパ球に正常な遺伝子を組み込み、一週間後の8日に体内に戻す。順調にいけば半年程度で免疫機能が回復する見込み。

日本の遺伝子治療は米国より5年遅れ、米国の技術をそっくり導入する形でスタートした。がんやエイズなど難病の治療法として期待が高い半面、「生命の設計図」である遺伝子に人間の手を加える治療だけに慎重論も多い。第一例の成否は、日本で遺伝子治療などの先端医療がどう展開するかを左右しそうだ。

同日午前9時前、総括責任者の崎山幸雄北大助教授(小児科)ら治療スタッフが男児の病室へ。同9時40分から血球分離装置を使い、採血しつつ白血球だけの分離を始めた。分離を終えた白血球約100ccは、遺伝子治療臨床研究室に運ばれた。研究室では遠心分離器を使い白血球からリンパ球を取り出し、培養を行う。

4日と5日には、ベクター(遺伝子の運び役)となるレトロウイルスを使って、リンパ球にADA遺伝子を導入。8日にリンパ球を静脈注射で男児に戻し、1回目の治療を終える。酵素補充療法も続けながら、リンパ球を戻す治療を1−1.5カ月ごとに繰り返すことで、男児の体内で正常遺伝子がADAをつくり、免疫機能が回復するのを待つ。

北大病院は、1993年11月に遺伝子治療を学内の倫理委員会に申請。学内と厚生、文部両省の審査機関の審査を経て、今年2月に計画が承認された。《共同通信》



【野球・上林誠知さん】誕生日

上林誠知さん
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【都市対抗野球】日本石油、2年ぶり8度目の優勝

第66回都市対抗野球大会最終日は1日、東京ドームで日本石油(横浜市)ーNKK(福山市)の決勝戦が行われ、延長十回の末、日本石油が8−7でサヨナラ勝ちし、2年ぶり8度目の優勝を果たした。《共同通信》

【新党さきがけ・佐藤謙一郎衆院議員】離党

新党さきがけの結党以来のメンバー、佐藤謙一郎衆院議員(旧神奈川4区)は1日午後、同党の鳩山由紀夫代表幹事に離党届を提出、さきがけは同日夜の臨時総務会でこれを受理し佐藤氏の離党が決まった。

離党届提出後、記者会見した佐藤氏は「もともと自民、社会、さきがけの連立政権に反対していた。さきがけの解党を主張したが、受け入れられなかった」と離党理由を述べた。今後は、国会では無所属で活動し、地元・神奈川でローカルパーティー(地域政党)結成を目指す考えを明らかにした。

佐藤氏は一昨年6月、自民党を離党してさきがけを旗揚げした10人のうちの1人。武村正義代表(蔵相)の辞表提出、撤回騒動に続く中核メンバーの離党が同党のイメージダウンを加速するのは必至で、大きな痛手となりそうだ。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】総裁選は河野氏支持

自民党の森喜朗幹事長は1日の記者会見で、9月の総裁選での河野洋平総裁支持を明言、“本拠地”の旧三塚派と密接に連携を取りながら、河野再選を目指す方針だ。

内閣改造問題を契機に、旧小渕派を中心に反執行部グループが橋本龍太郎通産相擁立で猛然と動き出したことを、幹事長ら河野氏支持グループは「もう与党ボケだ。また野党に転落してもいいのか」と批判。有力な材料だった改造が小幅にとどまる見通しの不利な展開の中で、「与党であり続けること」を大命題に主導権の再確保に躍起になっている。

森氏は「3党連立は公党同士の枠組みという以上に、現在の3党首の属人的な側面が強い。橋本総裁では自社さの連立政権の維持は難しい」とけん制球を投げている。《共同通信》

○・・・村山富市首相は1日昼、都内のホテルで開かれた「南方特別留学生戰後50年記念式典」に出席。太平洋戦争中に日本に留学していたアジア各国からの参加者を前に「日本とアジアの間に、壊れることのない強固な友人関係を打ち立てていきたい」と強調した。首相は大きな拍手にうれしさを隠せない様子で、首相官邸に戻ってからも「日本で学んでもらった人は財産だ。日本のためにもアジアのためにも、若い人がもっと交流することが望ましい」と力説した。しかし内閣改造をめぐり連立与党内が混迷している時だけに、首相が今欲しいのは3党の強固な関係か?

○・・・新進党の海部俊樹党首はこの日、都内で開かれた「友愛会創立を記念する会」であいさつ。「(友愛会は)歴史が長いということで、100年くらいと思っていたが、大正元年にできたそうだ」と切り出した。さらに「大正元年のことはきのうの夜、年表で調べた。近代日本の幕開けで、労働運動の夜明けの年だ」と、それとなく労働運動史にも触れ、にわか勉強の成果を披露。自民党時代には労組の関係大会に出る機会はほとんどなく、今年5月1日のメーデー行事で、連合を「総評」と言い間違える失態を演じただけに、労組のあいさつ前には“予習”は欠かせない。《共同通信》

【河野洋平外相】ロシア・コズイレフ外相と会談

河野洋平外相は1日午後(日本時間同)、バンダルスリブガワン市内のブルネイ外相公邸でロシアのコズイレフ外相と会談し、北方領土問題に関する環境整備の一環として、9月8日にモスクワで平和条約作業部会と次官級協議を開催することで合意した。

河野外相は領土問題について「東京宣言に基づき問題を解決する重要性を確認したい」と述べ、ロシア側の努力を求めた。これに対し、コズイレフ外相は「東京宣言に基づき両国関係を進めるのが重要」と、同宣言を土台に交渉する考えを確認した。

北方四島周辺海域の安全操業問題の第3回交渉を今月30、31の両日、東京で開催することも決まった。

河野外相は、日本側が外相定期協議で訪口する際に、日口貿易経済委員会の第1回会合を併せて開く意向を表明、ロシア側も基本的に合意した。この準備のため同委員会の分科会を今秋モスクワで開催することになった。《共同通信》

【米中外相会談】関係改善へ足掛かり

クリストファー米国務長官と銭其琛中国外相は1日、ブルネイの首都バンダルスリブガワンで1時間半にわたり会談したが、李登輝・台湾総統の訪米をきっかけに悪化した米中関係改善のための首脳会談開催は継続協議となり、中国系米国人人権活動家ハリー・ウー氏の釈放問題では合意できなかった。

しかし、双方は、両国関係の重要性を確認し、9月に再び外相会談を開くなど、話し合い解決の枠組みをつくることで一致、辛うじて関係改善の足掛かりを得たとみられる。

会談後の記者会見で外相は「会談は有益だった」と述べ、米政府高官も「双方は(関係改善に向けた)」弾みをつける措置を取り始めた」と評価した。会談の成果について米政府高官は「一回の会談では改善できない」とも述べ、大きな進展がなかったことを認めたが、対話の継続で双方が努力する姿勢で一致したことを強調した。

また、米側が強く要求してきたハリー・ウー氏の釈放問題については進展がなく、銭外相は司法当局の調査終了後、解決する問題との姿勢を再度表明した。李総統の再訪米問題で、米高官はさらに、中国は望んでいないが「米国はその可能性を排除できない」と述べ、この問題をめぐる会談での双方の主張が平行線に終わったことを明らかにした。

会談でクリストファー長官は、「一つの中国」政策維持の確認とともに、「二つの中国」や台湾の国連加盟、台湾独立のいずれも支持しないことを約束した。これについて銭外相は会見で「この原則はいいことだ」と評価したものの「現在の問題は口頭や書面で言ったことを実行することだ」と述べた。

これに関し、クリストファー長官は米中間の三つの共同コミュニケを順守する。とのクリントン大統領から江沢民国家主席あての親書」を手渡した。

首脳会談についてはクリストファー長官が提議したが、銭外相が拒否し、開催決定には至らなかった。米政府高官は、9月の外相会談を経て、10月のニューヨークでの国連50周年記念行事か、11月に大阪で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で、首脳会談が実現する可能性があることを示唆した。《共同通信》

8月1日のできごと