平成2400日目

平成7年8月4日(金)

1995/08/04

【岡山地裁】「調書は捏造」会社員に無罪判決

覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われたが「岡山県警は偽造調書を使い違法な家宅捜索をした」と無罪を主張していた同県倉敷市内の男性会社員(41)の判決公判が4日、岡山地裁倉敷支部であった。

正木勝彦裁判官は、警察が家宅捜索に使用した参考人の調書をねつ造と断定。その後の一連の取り調べについても「令状主義の精神を没却するような重大な違法捜査があった」と述べた上で「犯罪の証明がない」として無罪を言い渡した。

検察側は公判で大半の証拠が採用されず、求刑を放棄していた。

正木裁判官は、問題の調書について「岡山県警水島「署の警察官が白紙の調書に参考人に署名押印だけさせて創作したもので、これがなければ裁判官は捜索令状を発布していなかった」として家宅捜索そのものを違法と断じた。

また同裁判官は任意同行、採尿、逮捕までの長時間の留め置き行為についても「被告の意思に反して強制的色彩の強いもので、警察官の行為は任意捜査の域をはるかに超えている」と指摘。さらに「水島署防犯課全体で証拠隠滅を図ろうとした事情がうかがわれる」として岡山県警の捜査を厳しく批判した。

この会社員は昨年6月、別の事件で拘置中だった知人の男性(21)が「会社員が覚せい剤を所持しているのを見た」との供述をしたとして覚せい剤取締法違反容疑で家宅捜索を受け、同署に任意同行された後、尿検査の結果などから逮捕、起訴された。《共同通信》



【与党3党首】内閣改造で協議

村山富市首相(社会党委員長)ら与党3党首は4日夜、首相官邸で内閣改造の規模と日程などについて引き続き協議した結果(1)来週前半を目標に実施する(2)適切、妥当な規模とするーとの方針で一致。早ければ7日にも村山改造内閣が発足する見通しとなった。

改造と自民党総裁問題を切り離して与党内の混乱を回避するため、首相が河野洋平自民党総裁(副総理兼外相)と武村正義さきがけ代表(蔵相)に対し「現在のポストにとどまることが絶対条件だ」と強く求めた。しかし河野氏は総裁選出馬を念頭に外相ポストから無任所相などへの横滑りに固辞、会談後「(態度は)決まっていない」と述べた。

武村氏は会談後、記者団に「首相の真剣な要請と受け止め、それぞれ党に持ち帰って協議することになった」と説明、要請受け入れ留任する考えを示した。《共同通信》

【臨時国会】核実験反対を決議

7月の第17回参院選を受けた第133臨時国会が4日、召集され、昼すぎの衆参両院本会議では「中国の核実験に抗議し、フランスの核実験に反対する決議」を全会一致で採択、唯一の被爆国の立場から、あらゆる核実験に反対する姿勢をあらためて明確にした。この種の国会決議はインドの地下核実験に反対した昭和49年以来21年ぶり。

これに先立つ午前の参院本会議では正副議長選挙が行われ、第21代参院議長に自民党の斎藤十朗氏(55)、22代副議長に平成会の松尾官平氏(68)を選出した。斎藤氏は衆参両院を通じ戦後では最年少議長。参院選で敗北し第三会派に転落した社会党は、52年から確保してきた副議長ポストを18年ぶりに失った。

与野党が対立していた会期については、両院本会議で採決し、与党3党などの賛成多数で5日間に決定。村山富市首相の所信表明演説と代表質問を要求していた新進党(参院平成会)、共産党は反対した。

核実験反対決議は、中国、フランスの核実験について「地球環境と生態系を破壊し、人類の生存をも脅かす行為」と批判。政府に対し、両国に直ちに適切な措置を講じるとともに、全面核実験禁止条約の早期締結に向け努力するよう求めている。

ただ与党3党と新進党の共同提案である衆院決議が、両国の核実験を「核拡散防止条約(NPT)への信頼を損ない」としているのに対し、参院はNPTに反対する共産党も提案者に加わったため、同部分の表現を「核保有国の核実験の自制を求めている国際世論に逆行し」と変えた。《共同通信》

【馳浩参院議員】初登院

「青い夏を仰いで踏みしめる赤じゅうたん」。4日、初登院した馳浩参院議員は、国会議事堂の赤じゅうたんの階段を上り、国会議員の第一歩を記した。抱負として、国民に分かりやすい政治を目指す決意を「的確一語」の言葉に表し、あえてプロレスのリングでおなじみのガッツポーズの要請を断るなど、国政の府の一員となった自覚を示した。

国会北門から橋本聖子参院議員とともに歩いてきた馳氏は、議事堂前で待ち構えた記者団に囲まれ、カメラや質問の集中砲火を浴びた。国会議事堂を見上げて「石川県民の一票の積み重ねで導いていただいた。平常心で黙々、淡々と任事に臨みたい」と語り、国会議員としての実感をかみしめた。

馳氏は、得意の一句で、まず炎天下の青い空と赤じゅうたんの対照を巧みに織り込み詠んだ。この後、さらに「初登院行く手さえぎる蝉の声」と、質問攻めでなかなか国会内に入れてくれない記者団に向けて、皮肉を込めて一句を加えた。

登院ボタンを押して国会内に入った馳氏は、政局で焦点となっている内閣改造について「最気対策が急がれる以上、大幅改造は当然だ。統一会派の自由民主党・自由国民会議の一員としてお役に立ちたい」と述べ、本会議場に向かった。《北國新聞》

【自民党・河野洋平総裁】外相留任に難色

村山富市首相(社会党委員長)は4日夜、首相公邸で与党3党首会談を開き、内閣改造問題について来週前半を目標に実施。適切、妥当な規模とするとの方針で一致。早ければ7日にも村山改造内閣が発足する見通しとなった。

しかし、首相が河野洋平自民党総裁(副総理兼外相)と武村正義さきがけ代表(蔵相)に「現在のポストにとどまることが絶対条件だ」と強く求めたのに対し、自民党総裁選での再選を目指す河野氏は、激務の外相ポストから無任所相への横滑りを念頭に強く抵抗。結論を週明けの党首会談に持ち越した。改造は中規模以上とみられるが、首相は新たな難題を抱えた。武村氏は留任要請を受け入れる構え。

会談後、首相は野坂浩賢建設相と電話で会談、河野氏が外相留任に応じない姿勢について「信義の問題だ」と不快感を示した。これに対し、自民党首脳は「首相を一番支えてきたのは河野氏だ。しっかりした態勢で総裁選に取り組ませてやるべきだ」と、暗に首相の対応を批判した。

河野氏は4日午前の記者会見で、森喜朗自民党幹事長の重要閣僚への起用と、三塚博氏の後任幹事長就任の方針を表明した。これに反発する小渕恵三副総裁は、東南アジア訪問中の橋本龍太郎通産相と電話で会談。橋本氏は河野氏に対抗して総裁選準備のため閣外に去る考えを伝えた。ことから、小渕氏は村山首相を官邸に訪ね、慎重な対応を申し入れた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は4日、内閣改造で河野洋平自民党総裁、武村正義さきがけ代表の閣内残留が固まったことを受け、記者団から「3人で支え合う『3本の矢』の話があるが、3党首の関係は」と聞かれ、戸惑った表情で「3党の枠組みを維持しなければならない」とかわした。「改造で矢は太くなるか」と畳みかけられると「太くせにゃいかん」と盟友関係に変わりないことを強調。しかし橋本龍太郎通産相の去就問題を質問した途端、声を荒らげて「余計なことは聞きなさんな」。改造と自民党総裁選は絡めないと言いながらも、4本目の矢の立て方には神経がピリピリしている様子。

○・・・新進党の海部俊樹党首はこの日、両院議員総会で「参院選は大きな成果を挙げた。改選議席19の倍増に手が届くかどうか、と思っていたが、結果は手が届くどころか足まで乗っかり、倍増の上に2議席伸ばした」とあいさつ「わが党の公約実現が政治の再生につながる」とゲキを飛ばした。しまいには「新進党にしっかりしてもらわなきゃこまる。ハイ」と書かれた党のポスターを指さして「ハイという文字が小さい。大きくハイ、と言えるようしっかり頑張ってほしい」と、ポスターにまで活を入れるはしゃぎぶり。改造をめぐる与党3党のぎくしゃくも、ボルテージに拍車を掛けた?《共同通信》

【クロアチア軍】クライナ中心都市を包囲

セルビア人勢力の支配するクライナ地方の完全制圧を目指し、10万人規模の兵力を動員したクロアチア軍のトーイエ将軍は4日夕、記者会見し、進攻作戦初日の段階で同勢力の拠点クニンに数キロの地点まで迫り、包囲したことを明らかにした。

また北大西洋条約機構(NATO)南欧軍司令部のあるナポリからの報道によると、同日クニン上空を飛行していたNATO軍機にセルビア人勢力の地対空ミサイルの照準が合わされたため、同勢力のレーダー施設にミサイルを発射した。

将軍は、クロアチア軍が首都ザグレブの南方約40キロに位置し、ロケット砲による首都攻撃の拠点となっていたペトリニャなど二つの戦略拠点を制圧したと述べ、作戦が順調に進めば、約1週間で完全制圧できるとの見通しを示した。しかし、セルビア人勢力側も反撃に出ている。

同日夕にはザグレブ南郊にロケット弾が撃ち込まれたもようで、その後3回にわたって退避警報が発令されるなど首都は緊張に包まれた。

トーイエ将軍は、セルビア人勢力の支配地域に攻勢をかけた30の前線で、初日の4日だけで5−15キロの進撃に成功したと語り、南部の戦略要衝も制圧したことを明らかにした。

さらに、クロアチア軍はセルビア人勢力の指揮・連絡系統を混乱に陥れるため、レーダーを含む中継基地を空から攻撃した。クロアチア軍はクライナ一地方を完全奪還し、クロアチアへの再併合を果たすまでは進攻作戦を継続する意思を明確に表明している。

セルビア人勢力の拠点クニンの陥落が早期決着のかぎを握るとして、攻略作戦に全力を挙げている。《共同通信》

8月4日のできごと