平成2671日目

平成8年5月1日(水)

1996/05/01

【参院予算委員会】住専で初の証人喚問

参院予算委員会は1日午前、住宅金融専門会社(住専)処理問題に関連し、住専の一つ住総の原秀三・元社長を証人喚問した。住専問題では衆参両院で参考人としての意見聴取は行われているが、証人喚問は初めて。

原氏は住総が個人向け住宅融資から事業者向け融資に移行した背景について「一部の銀行からの借り換え攻勢はかなりきついものがあった。相手かまわず相当ひどいものがあった」と述べ、住総の当時の主力だった個人向け融資への一部銀行による攻勢が激しく、経営を圧迫したとの認識を示した。

このため住総は、事業者向け融資に重点を置くために不動産業などの「太陽グループ」との共同事業として、過剰融資が問題化している「太陽エステート」を設立、原氏は「(これが事業者向け融資増の)ターニングポイントになった」と証言した。

同氏は住総の経営悪化の背景について地価上昇への過信と借り手の不動産業者の倫理観の低さを挙げた。また借り換え攻勢の一部銀行については、住友銀行との指摘を否定しなかった。

原氏は融資の審査については「融資に当たっては専門の鑑定士を入れて議論した」と問題はなかったとの認識を示したが、「会社にクイックレスポンス(迅速な対応)とのモットーがあり、十分な調査が若干欠けていたかもしれない」と述べた。さらに「審査の結論を出すのに土地の見通しについて甘さがあった」と、土地高騰への期待があったことを認めた。

また原氏は母体行の住総への関与について「社長に着任した時には課長、部長はすべて母体行からの出向で、人事で深い関係があった」としながらも、「経営については関与はない」と否定した。《共同通信》

参院予算委員会は1日午後も、住宅金融専門会社(住専)処理をめぐって、大口借り手の佐佐木吉之助桃源社社長を証人喚問した。佐佐木氏は住専各社から728億円の融資を受けている桃源社の債務について「地価はピーク時の10分の1に下がった。返す返さないの問題は、地価の上昇が起きないと永遠に不可能だ」と述べ、地価上昇で担保価値が上がらない限り、負債返済は困難との認識を示した。

佐佐木氏はさらに「(平成2年の政府の)総量規制によりビルの完成手前で資金が来なくなった」などとし、経営破たんは政府の土地政策が原因と強調した。

橋本龍太郎首相の小林豊機元秘書からの4000万円の紹介料要求について佐佐木氏は「ひと月に3、4回繰り返して(要求が)あったが、断固断った」と述べた。

証人喚問の冒頭、佐佐木氏は小林元秘書から告訴されていることを理由に、宣誓、証言を拒否した。井上裕委員長が「刑事訴追を受ける範囲の証言は拒否できる」としたことから、予定より約1時間遅れて宣誓の上、喚問に応じた。

佐佐木氏はさらに3年当時、住専への未払い利息が20億円あったにもかかわらず、新たに別な住専2社から融資を受けた際、未払い利息への問い合わせが一切なかったと証言、住専の融資基準のずさんさの一端を明らかにした。

暴力団による担保物権などの不法占拠について「確認されただけでも45カ所の部屋の侵奪を受けた。持続的、系統的に資産を乗っ取ろうと接近している」との実態を説明した。《共同通信》



【Jリーグ】第11節

Jリーグ第11節(1日・瑞穂陸上競技場ほか=8試合)横浜フリューゲルスが前園の決勝点で、3−2とジュビロ磐田に逆転勝ちし、勝ち点27(9勝2敗)で、前節首位の鹿島アントラーズに代わってトップに返り咲いた。

名古屋グランパスは復帰したストイコビッチが2得点を挙げ、主力の外国人選手を欠く鹿島を3−1で下した。ヴェルディ川崎はジェフ市原に2−1で勝って連敗を3で止めた。京都サンガは柏レイソルに0−2で敗れて開幕から11連敗とワースト記録が伸びた。柏は4連勝。《共同通信》

【第5回水俣病犠牲者慰霊式】チッソ社長が初参列

水俣病の公式確認から40年となる1日午後、熊本県水俣市の水俣湾埋め立て地で、同市主催の第5回水俣病犠牲者慰霊式が行われ、岩垂寿喜男環境庁長官と原因企業チッソの後藤舜吉社長が初めて参列。患者代表らとともに犠牲者のめい福を祈った。

昨年末に成立した未認定患者救済の政府解決策に沿って、既に5つの主要患者団体がチッソとの補償協定締結を決めるなど、水俣病問題が最終決誉を迎えた中での式典。

式典に先立ち、会場近くで海への献花を終えた岩垂長官は「あらためて命の大事さ、そして二度と過ちを繰り返してはならないということを実感した」などと述べた。

吉井正澄水俣市長のあいさつ、参列者による献花の後、岩垂長官や後藤社長らが犠牲者に対し祈りの言葉を読み上げる。

水俣病は昭和31年5月1日、チッソ付属病院が水俣保健所に「原因不明の脳疾患」と報告、公式確認された。公害病認定を受ける43年までチッソが有機水銀を含んだ排水を水俣湾周辺に流し続け被害が拡大。これまでに約2300人の患者が認定され、政府解決策では救済対象者数を約8000人と想定している。《共同通信》

水俣保健所に奇病発生が報告され、水俣病が公式確認されてから満40年を迎えた1日、熊本県水俣市の水俣湾埋め立て地で、同市など主催の第5回水俣病犠牲者慰霊式が開かれ、岩垂寿喜男長境庁長官と原因企業チッソの後藤舜吉社長が初めて参列した。

岩垂長官は、昨年末の村山富市首相(当時)談話を引用し「(患者らに対して)申し訳ないという気持ちは私も同じ。この思いをすべての接牲者に直接伝えたい」と謝罪の意を表明。後藤社長も「あらためて患者はじめ、地域の住民、社会全般に深くおわびする」と謝罪した。

全患者団体の会員や市民ら約1000人が参列。行政、企業側も含め水俣病問題にかかわる当事者が初めて顔をそろえ、昨年末に成立した未認定患者数済の政府解決策により紛争が終結したことを象徴する式典となった。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】連合系メーデーに出席

労働者の祭典、第67回メーデーが1日、東京・代々木公園など全国約1100カ所で開かれ、約210万人(主催者推計)が参加。連合系と全国労働組合総連合(全労連9など反対連合グループとの分裂開催が固定化する中で、連合系には橋本龍太郎首相が自民党の首相としてメーデー史上初めて出席した。《共同通信》

連合系はバンド演奏を盛り込むなどすっかりお祭り色が定着、東京では集会後のパレードも取りやめるなど「脱政治」の傾向を一段と強めた。これに対し、全労連系は米軍基地撤廃を訴えるなど政治色を前面に出し、違いを鮮明に。

今年も「ゆとり、豊かさ、公正な社会の実現」をメーンスローガンに掲げた連合系の中央大会は、午前11時に代々木公園で開催。演壇には橋本首相のほか社民党党首の村山富市前首相、新進党の米沢隆幹事長、新党さきがけの園田博之副代表が勢ぞろい。参加者数は主催者発表で約8万人。

冒頭あいさつした芦田甚之助会長は「企業のリストラの流れは変わっていない。雇用の安定と拡大を図ることが、働くものの最重要課題だ」と訴えた。

来賓の橋本首相は「立場が変わっても、手を携えていける政府と労働運動の関係でありたい」とした上で、雇用問題に「全力を挙げたい」と決意を示した。連合系メーデーの全国の参加者は約170万人。昨年の半分以下になったが、連合幹部は「実際の参加者数とのかい離を縮めた」と説明している。

全労連系の中央大会は東京都江東区の亀戸中央公園で開かれ、約7万8000人(主催者発表)が参加して都内をデモ行進。「沖縄の米軍基地の縮小・撤去」「『住専』に血税を使うな」などを中心スローガンに掲げた。

東京・日比谷公園の全国労働組合連絡協議会(全労協)の式典には、東京管理職ユニオンのメンバーや外国人労働者も姿を見せた。《共同通信》

【チェチェン共和国】大統領代行は生存

死亡説が伝えられていたチェチェン共和国独立派の指導者ヤンタルビエフ大統領代行が1日未明、独立派のテレビに登場、ロシアに対する徹底抗戦を訴えていたことが分かった。代行はその後、共和国南部で一部報道陣の前に実際に姿を見せ、死亡説を覆した。

正確な場所は明らかにされていないが、ロイター通信が現地から伝えた情報によると、代行は和平推進派の代表格と目されるマスハドフ参謀長を伴って現れた。参謀長が報道陣と会うのはドダエフ大統領の死後初めて。参謀長は代行が強硬路線の継承を説く中で、ロシア側との対話折衝を進めていると伝えられていた。2人が今回そろって登場したのはドクエフ後継体制の「内部抗争」説を全面否定する狙いとみられる。

インタファクス通信によると、代行はテレビ演説で「戦士が最後の一人になるまで戦いはやめない」と宣言。さらに自らの死亡説について、ロシア側と親ロシア派ザフガエフ政権が政治目的のため意図的に流した「うわさ」であると指摘した。

代行は先月28日夜、首都グロズヌイ南方のウルスマルタンで独立派武装勢力同士の撃ち合いが起きた際に殺害されたと伝えられていた。

代行は演説で「仮に殺害されたとしても、後継者はおり、任務を最後まで遂行する」と組織の結束を強調した。問題の撃ち合い、死亡情報はロシア側が独立派勢力の分断、混乱を狙ったかく乱工作だった可能性も否定できない。

独立派は、拠点とする南部山岳地帯に独自のテレビ局を持ち、毎日夜の時間帯に放映を続けている。《共同通信》

ロシア南部チェチェン共和国の新たな独立派指導者となったヤンダルビエフ大統領代行は1日、「人命尊重のためモスクワといつでも、しかるべきレベルで交渉を始める用意がある」と述べ、ロシア政府と和平交渉を行う意向を初めて表明した。タス通信に語った。

4月21日に死亡したドダエフ大統領の後を継いだ代行は、当初ロシアへの報復を宣言するだど強硬姿勢をみせていたが、「紛争解決の詳細な計画がある」と語り、和平達成に意欲をみせた。

仲介者を通じてドダエフ大統領と交渉する方針を決めたエリツィン政権の和平方針は、大統領の突然の死で宙に浮いていたが、代行が前向きな姿勢を見せたことで、交渉実現の可能性が出てきた。

だが、代行は、ロシア軍の共和国からの完全撤退が交渉開始の条件であることを示唆しており、交渉実現の障害になりそうだ。共和国では、ドダエフ大統領殺害に報復する独立派の攻撃が続き、現状ではロシア軍の早期完全撤退は困難とみられる。

また、ヤンダルビエフ代行は「交渉は真の和平達成が目的で、選挙向け宣伝であってはならない」と述べ、大統領選挙を控えチェチェン和平で得点を狙うエリツィン大統領をけん制した。《共同通信》

【北朝鮮】燃料棒密閉開始

マカリー米大統領報道官は1日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝,鮮)の寧辺にある実験用原子炉から取り出され、冷却用プールに貯蔵されていた約8000本の使用済み燃料棒を鋼鉄製の密閉容器に移し替える作業が、米エネルギー省の専門家らによって開始されたと発表した。同省によると、作業は六月末にも完了する予定。

作業が完了すれば、約25キロ、核爆弾で4、5個分のプルトニウムの抽出が可能といわれる8000本の燃料棒を、北朝鮮が核兵器開発のため再処理することは不可能になる。作業開始は、一昨年の米朝核合意に基づくもので、北朝鮮が核合意順守を続けていることを示すものである。

密閉容器に入れられた燃料棒は、最終的に北朝鮮から第三国に移管されるまで寧辺で国際原子力機関(IAEA)の管理下で保管される。

報道官は「これで世界はより安全になる」と述べ、クリントン米政権の外交成果の一つである北朝鮮との核合意が履行される上での新たな進展の意義を強調した。報道官は北朝鮮側が移管作業で「協力的である」と述べた。



5月1日のできごと