平成2398日目
1995/08/02
この日のできごと(何の日)
【天皇皇后両陛下】沖縄訪問
広島、長崎に続き3番目となる戦後50年の「慰霊の旅」で沖縄県を訪問した天皇、皇后両陛下は2日午後、糸満市の平和祈念公園内にある国立沖縄戦没者墓苑で白菊の花束を供え、平和祈念堂では出迎えた遺族にいたわりの言葉を掛けられた。
また今年6月に完成したばかりの「平和の礎」では、戦争犠牲者の名前が刻まれた石碑を熱心に視察、沖縄戦などで戦禍に倒れた外国人を含む20万人余りのめい福を祈られた。両陛下の沖縄訪問は平成15年4月の全国植樹祭出席以来。
両陛下は出発にあたり「全県民の4人に1人が戦争によって亡くなったという事実を、私どもは長く記憶せねばなりません」などとする「お気持ち」を文書で発表。午後0時半すぎ那覇空港に到着後、糸満市摩文仁の平和祈念堂に向かわれた。
祈念堂では大田昌秀県知事が両陛下に沖縄の戦後50年の歩みについて、日本復帰前の米軍占領下の状況を交えて説明。両陛下は出迎えた県遺族連合会の代表87人に「50年前は本当に大変でしたね」「ご苦労なさいましたね」などと、いたわりの言葉を掛けられた。
戦争犠牲者約18万柱が眠る戦没者墓苑で供花後、両陛下は「平和の礎」で、沖縄戦などの犠牲者で判明している外国人を含む23万4183人の名前が刻まれた石碑を熱心にご覧になった。
天皇陛下は、台湾や朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国出身の犠牲者の名前が刻まれた石碑の前では「何人の方が亡くなられたのですか」などと先導の吉元政矩副知事に尋ねられた。
両陛下は同日夜、特別機で帰京。3日午前には、東京大空襲などの犠牲者慰霊のため東京都墨田区の東京都慰霊堂を訪問。7月末から始まった「慰霊の旅」を終了する。《共同通信》
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【村山富市首相】本格改造を断念
村山富市首相(社会党委員長)は2日、8月上旬の内閣改造を事実上、断念し、浜本万三労相の後任補充など小幅人事にとどめる意向を固めた。首相周辺によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)の拡大外相会議出席中の河野洋平自民党総裁(副総理兼外相)に電話でこの方針を伝えたとされる。
しかし、河野氏はブルネイでの記者団との懇談で「経済状況から見て変化が大事だとの意見が自民党内にある」と強調、あくまでも大規模改造にこだわる考えを示した。首相は河野氏が帰国する3日、意見調整した上、4日に武村正義さきがけ代表(蔵相)を交えた3党首会談で最終態度を決定する。《共同通信》
【円】急落
大蔵省が2日、生命保険会社など機関投資家の海外投融資促進策を柱とした円高是正策を発表したのに続き、日米通貨当局は同日のニューヨーク外国為替市場で円売りドル買いの協調介入を実施、円相場は一時1ドル=91円をつけ、一段と円安ドル高が進んだ。 同日の東京外為市場で、円高是正策を受けて円は90円台に下落したが、日米当局は武村正義蔵相、ルービン財務長官がそれぞれ協調介入実施を公表する形で、一層の円高ドル安是正への決意を示した。
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日米通貨当局は2日のニューヨーク外国為替市場で円、マルク売りドル買いの協調介入を断続的に実施。1ドル=90円ちょうどの水準で推移していた円相場は、介入をきっかけに米投機筋の円売りを巻き込んで急落、午前10時すぎ、一時91円ちょうどまで下落している。91円台は3月14日以来約4カ月半ぶり。日米の協調介入は協調利下げを実施した直後の7月上旬以来約1カ月ぶり。 日米通貨当局が大蔵省の円高対策に連動し、日本経済回復の足かせとなっている円高の是正に対し強い姿勢を示したと受け止めている。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・村山富市首相は2日、記者団から「きんさん、ぎんさんの双子姉妹がきのう103歳の誕生日を迎えたが…」と聞かれると「へぇ、すごいね。いいことだ」と驚いた様子。「きんさん、ぎんさんに比べると首相もまだ若いですね」には「そりゃそうじゃ、まだ青春じゃ」と若さをアピールした。しかし記者団から「河野洋平外相、武村正義蔵相とそろって長寿政権となりそうか」と水を向けられると、一転して「こういう状況だからね。今与えられた課題をこなしていくだけじゃ」とそっけない答えに。内閣改造問題で揺れる政権の寿命のことは考えたくない?
○・・・自民党の小渕恵三副総裁と新党さきがけの鳩山由紀夫代表幹事はこの日、浦和市で開かれた全電通の定期大会に出席。小渕氏は自民党議員として初めて招かれただけに「お招きいただき感謝に堪えない。22万人の組合員と優良な財政状況はわが身を顧みて実にうらやましい」と賛辞を贈った。ところがその後に登場した鳩山氏は「経世会(旧竹下派)のころを思い出した。(小渕氏のあいさつは)内容の吟味が必要。こんなことを言うと嫌われるが…」とあいさつ。ここでも与党間のあつれきを垣間見る思いだった。《共同通信》
【中国】米軍人2人を国外退去に
新華社電によると、中国国家安全省当局者は2日、中国滞在中だった米国の香港総領事館所属の空軍将校2人を、不法に軍事情報を収集したなどの理由で、24時間以内に国外退去させると発表した。
また中国外務省の張宏喜領事局長は同日、駐中国米国大使館のハルフォード臨時代理大使を呼び、今回の米側の行為について厳重抗議するとともに、再び同様の事態が起きないよう強くの臨米申し入れた。
米中関係は李登輝・台湾総統の訪米を契機に冷却化しており、1日、ブルネイで開かれた米中外相会談で一も関係改善で大きな進展はなかった。米軍人の国外退去という異例の措置は中国側の厳しい対米姿勢を反映したものとみられる。
米中間には中国系米国人の人権活動家ハリー・ウー氏の釈放問題もあり、中国側の強硬姿勢で両国首脳会談の実現を含め関係改善はいっそう遠のいたとの見方が強い。
中国外務省の沈国放・副報道局長によると、この2人は在香港総領事館所属のジョセフ・ウェイ・チャン空軍連絡将校とハワード・フロレンジー同連絡将校補佐。
2人は在北京米国大使館との協議などを理由に入国ビザを取り、先月23日、中国入りした。しかし副局長によると、2人は中国南東部の沿岸地方で外国人立ち入り禁止の軍事管制地域に侵入、カメラやビデオを使って不法に軍事情報を収集したため、同29日、人民解放軍兵士に現場で捕まったという。
2人の行為は中国の軍事施設保護法、国家安全法、外国人出入国管理法に違反し、中国の安全を著しく損なったとして、国家安全省は国外退去を決めた。
2人が沿岸地方のどこにいたかなど詳細は明らかにされていないが、中国は先月21日から同26日まで台湾北方海域を着地点としたミサイル発射訓練を実施しており、この関連の情報収集していた可能性もある。《共同通信》
【河野洋平外相】米・クリストファー国務長官と会談
河野洋平外相は2日午後(日本時間同)バンダルスリブガワン市内のホテルで、米国のクリストファー国務長官と会談、11月のクリントン米大統領訪日の準備を急ぐことで一致した。
この一環として外相は、9月に米国で開かれる外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「安全保障関係の合意を築き上げたい」と述べ、在日米軍駐留経費に関する新特別協定締結の意向を表明、長官も同意した。
経済関係では、長官が「日米間の枠組み協議で数多くの合意ができたが、実施についてフォローアップするのが重要」と指摘。外相は「そうでなければ意味はない」と述べ、双方の認識が一致した。
外相が「大統領訪日に向けてできるだけ厚みのある準備を進めたい」と述べたのに対し、長官も「村山首相との首脳会談は建設的であることが重要だ」と応じた。長官は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)大阪会議成功のための協力を約束した。《共同通信》
【台湾・李登輝総統】100年間の平和協定を
台湾の李登輝総統は2日、台北で開会中の国民大会(憲法改正機関)で中国に対し、中国との統一を進めるのには100年間の平和協定を締結することが最善の解決の道だと呼び掛けた。李総統が平和協定の締結を主張したのは初めて。総統は、そのためには相互信頼と理性的な対応が必要だと強調した。
中国は「台湾は中華人民共和国の1省」との立場をとっており、対等な国家的な存在としての協定締結に同意する可能性はほぼない。しかし、総統自らの訪米、中国のミサイル発射訓練、台湾問題などをめぐって米中台の関係が揺れる中、中国も主張する統一を掲げての平和攻勢で、国際的理解を得ようとする働き掛けの一環とみられる。
中国の江沢民総書記は今年の春節(旧正月)に発表した新台湾政策で「平和統一の第一歩としての敵対状態終結についての協議開催」を求め、これに対して李総統は4月に行った新対中政策演説で「(台湾は)1991年に憲法を改正、大陸への武力不行使を既に宣言している」と述べ、中国による台湾への武力不行使宣言が協議の前提であることを主張した。
中国は李総統を台湾独立派とみなして批判キャンペーンを展開しており、7月31日にも遅浩田国防相が「武力行使の可能性を放棄しない」と宣言、主張は平行線をたどっている。
ミサイル発射訓練の実施で緊張が激化する中、李総統は同28日に核開発の可能性を排除しないと受け止められる発言をし、国際的な反響を呼んだこともあり、平和攻勢を強めたとみられる。《共同通信》
【サントリー】「ボス」即決のCM中止
サントリーは2日、表現内容が観光業界にマイナスイメージを与えるとして、長野県のホテル経営者から放映中止を求める抗議を受けていた缶コーヒー飲料「ボス」のテレビコマーシャル(CM)を、数日以内に取りやめることを明らかにした。
同社によると、これまでに正式な抗議はこの1件だけ。わずかな抗議でCMを中止するのは珍しく、企業イメージを配慮したものとみられる。
問題のCMは7月1日から全国放映。歌手の矢沢永吉さんが「夏だからってどこかに行こうっていうのやめませんか、あれ。どこだって夏なんだから」と話すせりふ部分がある。このせりふに対し、長野県丸子町の温泉ホテル経営、斎藤宗武さんが「外出やめようと呼び掛ける表現が、低迷する国内観光業界に与える影響は大きいなどと、抗議を申し入れていた。
サントリーは「夏休みにそわそわする日本人の心理を表現したイメージCM。指摘のような受け止められ方は本意でないが、考慮して放映を取りやめることにした」(広報部)と説明している。《共同通信》