平成1566日目
1993/04/22
この日のできごと(何の日)
【民社党】第38回党大会
民社党は22日午前から2日間の日程で、東京・九段会館で第38回党大会を開いた。大内委員長はあいさつで、政治改革推進協議会(民間政治臨調)の小選挙区比例代表連用制案について、欠点はあるとしながらも「民社党独自案と同様に、与野党が合意できる第三の案の一つとしてまじめに検討されるべきだ」との考えを表明した。
また「今年こそ政治を変える年にしなければならない」と政界再編に意欲を示し、自民、社会両党の一部を含む新努力結集を目指す考えを明らかにした。その際、「一つのカギは羽田派が自民党を割って出るか否かだ」と指摘。民社党としても「自ら状況をつくり、連鎖反応を呼び起こすことが必要だ」と訴えた。羽田派への言及は、党大会のあいさつとしては極めて異例だ。
連用制案の欠点として大内氏は「小選挙区の数を300としているため、第一党に有利となっている。比例区の定数が犠牲になる」などと指摘しながらも「政界再編が実現するなら(民社)党案に固執せず大胆に決断する」と述べ、連用制案や民社党案を含め妥協案を探る柔軟姿勢を示した。
大内氏は、政界再編について「第一に自民党の一党支配をストップさせること、第二に自民、社会両党による政権交代なき55年体制を打破すること、第三に自民党でもなく社会党でもなく改革的な政治勢力を形成することだ」とし、そのパートナーについて「懐を大きく広げ、自民党の一部や社会党の一部、日本新党まで含めたものが望ましい」との構想を明らかにした。
改革は①選挙制度を含む選挙と資金の改革②政官財の癒着のシステムの改革③政権交代を可能にする政界再編の断行—を同時並行で実行しなければならないことも強調。「今国会会期末で内閣不信任案が出た場合、自民党の一部の造反で可決し、衆院解散になるケースを考えておく必要がある」として、総選挙への準備を要請した。《共同通信》
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【衆院内閣委員会】
河野官房長官は22日の衆院内閣委員会で、皇太子殿下のご結婚に伴う恩赦について「過去の先例にできるだけ即した形であることが大事であると同時に、個人的な感じだが今日の政治状況を取り巻く状況や社会的気持ち、その他を十分に勘案する必要もあろう。十分に検討したい」と述べ、選挙違反者などを恩赦の対象に含めることに慎重な考えを表明した。《共同通信》
【自民党】175人が靖国神社を参拝
自民党の「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」(会長・橋本龍太郎元蔵相)は22日朝、橋本会長をはじめ、閣僚、衆参国会議員計175人(代理人含む)で靖国神社の春季例大祭に集団参拝した。靖国神社への集団参拝は昭和56年春以来通算37回目。
参拝者の内訳は衆院議員103人(本人出席70人)、参院議員72人(同44人)で昨年に比べて22人減となった。
このうち閣僚の参拝は、村上労相、北・北海道、沖縄開発庁長官、井上国土庁長官、中島科技庁長官の4人で、越智運輸相も同日午後に参拝した。田名部農相は21日に既に参拝している。党幹部では斉藤参院議員会長らが参拝した。《共同通信》
【宮澤喜一首相】キルギスタン・アカエフ大統領と会談
宮澤首相は22日午後、首相官邸でキルギスタンのアカエフ大統領と1時間余り会談した。
首相は、キルギスタンの民主化と市場経済移行への努力を高く評価した上で、旧ソ連諸国へ初めての政府開発援助(ODA)となる6000万ドル相当の円借款供与を正式に表明。今年夏ごろに、具体的な円借款プロジェクトを協議するため、政府の調査団を派遣する方針を示した。大統領は「キルギスタンがアジア開発銀行(ADB)へ加盟できるよう協力してほしい」と要請。これに対し、首相は努力を約束した。また大統領は、宮澤首相がキルギスタンを公式訪問するよう招待した。《共同通信》
【日本新党・細川護熙代表】解散は秋の早い段階に
日本新党の細川代表は22日夕、都内で講演し、衆院の解散時期について6月9日の皇太子ご結婚、7月の先進国首脳会議(東京サミット)、さらに関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)でのコメ市場開放問題が年末に最大のヤマ場を迎えるとの日程を指摘した上で「11月末、12月初めは自民党には不利であり、やるとすればもっと早いかと思う」と述べ、今年秋の早い段階で解散・総選挙が行われるとの見通しを示した。
自民党羽田派の動きについては「(羽田氏らの)新党の動きが表面化するかもしれないが、うちがどう対応をするかは具体的に申し上げられない」と述べた。《共同通信》
【政界談話室】
○…22日の自民党羽田派の総会で星野行男氏が「連用制という浮輪が投げられた。民間政治臨調に羽田派から実質的に参加していることはよく知られている」と切り出した。ところが出席者から「羽田派は直接関与してない」「何を言っているんだ」と非難ごうこう。羽田代表が「努力して民間政治臨調を作ったのは事実だが、運用案に関与したことはない」と取りなして幕となったが、党内には「連用制は羽田派の専売特許」という見方が強いだけに、突出を嫌う羽田派の複雑な思惑が露呈した格好。
○…この日の社会党代議士会で、党の政治改革プロジェクト委員長を務める佐藤観樹委員長があいさつ。自民党が政治資金規正法改正案で、一企業の献金枠を拡充した点を取り上げて「火事場泥棒という品のない言葉は使わないが、(自民党は)焼け太りだ」と痛烈に批判。衆院の政治改革調査特別委で「政治家とカネ」の問題を取り上げる決意を表明した。党内には「選挙制度改革に力点を置きすぎる」という声が上がっているだけに佐藤氏は「議席もカネも独占して政権交代なんて成り立たない」と言いたい放題。《共同通信》
【JAS325便】相模灘上空でニアミス
22日午後6時ごろ、日本エアシステム(JAS)から運輸省に「羽田発徳島行き325便に相模灘上空で異常接近(ニアミス)があった」との報告があった。同省安全監察官室は、同機のA機長(43)から状況を聴くなど事実関係を含め調査を始めた。
安全監察官室によると、ニアミスがあったのは同日午後2時42分ごろ。325便MD81(乗員6人、乗客121人)が千葉県館山市の西約65キロの相模灘上空(高度約5500メートル)を上昇中、操縦室にある航空機衝突防止装置(ACAS)が航空機の異常接近を示すとともに、回避操作を指示した。同機長は雲の中だったため飛行機を発見できなかったが、指示に従い左旋回しながら高度を下げ、衝突を回避した。装置の表示では、325便の真上を高度差約30メートルで交差していったという。
ACASによるニアミス報告は初めて。乗員乗客に異常はなかった。
運輸省安全監察官室の調べでは、同時刻ごろ米軍厚木基地から飛び立ってきた電子戦機EA6が南に向け飛行しており、埼玉県所沢市の東京航空交通管制部の管制官から325便に対し接近の情報が伝えられていた。325便は管制官の指示通りのコースを飛んでいたという。安全監察官室は当時、周辺を飛行していた飛行機がEA6以外にないことから、ニアミスの相手機は同機とみて米軍と連絡を取り確認を急いでいる。325便は定刻の午後3時35分、徳島空港に着陸した。《共同通信》
【伊・アマート首相】辞任
イタリアでは国民投票で上院選挙制度改革が圧倒的支持を得、既成政治家への不信が明らかになったが、同国大統領府は22日、アマート首相がスカルファロ大統領に辞表を提出し、大統領が受理したとの声明を発表した。大規模な政治家の汚職事件や、マフィアへの関与疑惑で政治システムがほとんど機能停止状態に陥った中で、大統領は今後に予定される総選挙実施に向け、政局運営を任せる新首相の指名では思い切った人選を迫られている。
選挙制度改革推進で国民の支持を受けたセンニ下院議員(キリスト教民主党を離党)の新首相就任には既成政党が猛反対、今のところ左翼民主党(旧共産党)のナポリターノ下院議長、チャンピ中央銀行総裁の2人が有力視されている。
アマート内閣は昨年6月、汚職スキャンダルの拡大、マフィアによる治安判事殺害、キリスト教民主党はじめ既成政党の後退と分離主義政党、北部同盟の躍進など、戦後イタリア政治のひずみが一挙に爆発した時点で、政治経済改革を義務付けられた4党連立内閣として出発した。《共同通信》