平成1567日目
1993/04/23
この日のできごと(何の日)
【天皇、皇后両陛下】初の沖縄ご訪問
天皇、皇后両陛下は23日午前10時すぎ、全国植樹祭出席のため、特別機で羽田空港を出発、同日午後、沖縄に到着された。
両陛下は皇太子時代に5度沖縄を訪れているが、歴代天皇としては初めての訪問である。那覇空港到着後、県南部の戦跡に向かい、戦没者の遺族にほとねぎらいの言葉を掛けられることになっている。44回目となる植樹祭は今回で全国を一巡、大きな節目を迎える。
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全国植樹祭出席のため沖縄県入りした天皇、皇后両陛下は23日午後、糸満市の南部戦跡を訪問、太平洋戦争で犠牲となった多数の戦没者のめい福を祈られた。沖縄平和祈念堂で天皇陛下は、戦没者の遺族に対し「20万の人々が犠牲になったことに対し、深く哀悼の意を表します」とねぎらいの言葉を掛けるとともに「自国と世界の歴史を理解し、平和を念願し続けていきたい」と、日ごろの平和希求の気持ちを素直に表明された。
陛下は約5分間にわたりメモを持たない異例な形で、かみしめるように話された。歴代の天皇として初の沖縄訪問に、沖縄県警は約4700人の警察官を動員して警戒に当たった。
午後2時すぎ、沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁の国立沖縄戦没者墓苑を訪れた両陛下は、約18万人の戦没者が眠る納骨堂にテッポウユリ、菊などを供え、深々と頭を下げられた。続いて、沖縄平和祈念堂で県内の戦没者遺族約150人を前に陛下があいさつされた。
陛下はまず「即位後、早い機会に沖縄県を訪れたいとの願いがかなった」と喜びを表し、沖縄が国内で唯一地上戦に巻き込まれ21万人の犠牲者が出たことに一触れ「言葉に尽くせぬものとに角歩を感じます」と哀悼の意を表された。
続いて、戦後の沖縄の歩みについて「それぞれが痛みを持ちつつ郷土の復興に立ち上がり、今日の沖縄を築いた」と述べ、県民の労苦をねぎらわれた。陛下は最後に、平和希求の必要性を説き「国民とともに戦争のため亡くなった人々の死を無にすることなく、平和を念願し続けたい」と結ばれた。《共同通信》
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【日本新党・細川護熙代表】連用制を積極支持
日本新党の細川代表は23日昼、都内のホテルで開かれた共同通信社主催の「きさらぎ会」で講演し、民間政治臨調が提示した小選挙区比例代表連用制について「現実的に与野党が歩み寄れるたたき台として積極的に評価し、支持していきたい」と述べ、連用制導入に前向きに取り組んでいく姿勢を強調した。
政界再編の動きに関し「総選挙前に新党の動きが出るケースもあり得る。政権交代一点に絞って各種グループが原形をとどめたままで、連絡会議をつくり、シナリオを考えていくこともあり得るのではないか」と述べ、近く新党結成を視野に入れた政権交代準備委員会(仮称)を発足させる方針を明らかにした。
解散・総選挙の時期をめぐり細川氏は「常識的には、仮に(東京サミット終了後の)7月10日まで(国会を)延長して(政治改革関連法案が)成立していなければ、その時点で解散し、8月1日ぐらいの選挙になる」と指摘。早ければ8月総選挙もあり得るとの見方を示した。また、政治改革の見通しについて「選挙制度だけをやらないで他の法案を通すことも、宮澤首相、梶山幹事長のハラ次第であり得ない話ではない。(羽田派が)自民党から出ようとする動きを封じるということになるかもしれない」とした上で「このケースが一番、要注意と感じている」と述べた。《共同通信》
【民社党・大内委員長】改革へ大胆に妥協
東京・九段会館で開かれていた第38回民社党大会は23日午後、政界再編に向け積極的に取り組む。ことをうたった93年度の運動方針を採択し、2日間の日程を終えた。
終了後、記者会見した大内委員長は「選挙制度を成立させた後に、新しい政治勢力を形成するのだという前提に立てば、のめない案ものめることになる」と述べ、改革には大胆に妥協していく考えを強調した。
大内氏は民間政治臨調の「小選挙区比例代表連用制案」について「一つの案として検討されるべきだ」としながらも「最も有力な妥協案となるかどうかは未知数だ。主力の自民党が乗ってくるかは未知数だし、野党第一党の社会党がこの案に乗るのは今の段階では悲観的だ」との見方を示した。
同席した米沢書記長は「連用制案が出るのが早過ぎた。自民党案、社公案と並べられ、たたき合うことになるのではないか」と述べた。
大会では、代議員から「政界再編よりまず党の主体性の確立、選挙対策の強化が必要だ」との指摘があったものの「自民党の一部、社会党の一部、日本新党」の提携をにらんだ再編の方針は確認された。《共同通信》
【宮澤喜一首相】米商務長官と会談
来日中のブラウン米商務長官は23日、宮澤首相、武藤外相と相次いで会談した。日米首脳が設置を合意した新経済協議機関では、長官が日本の市場開放措置の成果を測る数値目標を設定すべきだと主張したのに対し、首相は「(貿易不均衡を是正するための努力は)自由主義経済の原理に基づくアプローチでなくてはならない」と、数値目標設定に応じない考えを改めて示した。《共同通信》
【政界談話室】
○…衆院政治改革調査特別委員会では23日、自民党の小坂憲次氏が「地元支持者への広報活動のコストは?」と意表をつく質問を自社公計14人の提案者にぶつけた。これに対して「党や労組の集会に連動してやっている」(社会党の小沢克介氏)「県本部の輪転機を使って1枚1円70銭のザラ紙に7000枚刷る」(公明党の日笠勝之氏)と、質素さを強調する答弁が続いたが、自民党の深谷隆司氏は「先日、“春の集い”と称し6回、延べ5000人を集めた。このほかに会費制で3000人の旅行会が20年続いている」。これには自民党の中からも「ホー」とうらやましそうなため息。
○…社会党の赤松書記長は民社党の大内委員長が社会党の一部も含めた新党結成に強い意欲を表明したことをただされ「コメントしない。誤った報道で誤った発言をしたと言われてはいけない」と煙幕。「連用制」に前向きな公明党を「不謹慎」と批判して、物議をかもしたばかりとあって「党一体で政界再編にかかわると決めている。他党の人が社会党も一緒にと言ってくれるのはありがたいが、誤解のないように」と優等生答弁に終始し、相次ぐ舌禍騒動に懲りた様子がありあり。《共同通信》