平成5947日目
2005/04/20
【この日の小泉総理】
豪・ハワード首相と会談
平成17年4月20日、小泉総理は総理大臣官邸で、オーストラリアのジョン・ウィンストン・ハワード首相と首脳会談を行いました。
会談では、イラクへのオーストラリア軍部隊の派遣について小泉総理から「厳しい、難しい状況の中での決断に敬意を表し、高く評価する。」と述べるとともに、ハワード首相からの日本の常任理事国入り支持表明に対して、謝意を表明しました。
会談後両首脳は、共同記者会見に臨みました。会見で小泉総理は、「日豪のさまざまな分野で交流を拡大していく。ハワード首相の訪日を機会に、さらに日豪関係を発展させていきたい。」と述べるとともに、自衛隊の撤収時期について「派遣期限は今年の12月だが、現地やイラクの状況、イラク国民の努力、イラク政府の反応をよく判断して円満に撤収したい。」と述べました。また、両首脳は自由貿易協定(FTA)のメリットとデメリットを検討する研究を政府間で2年程度かけて行うことで合意しました。《首相官邸》
中国、韓国との関係「大局的に打開」
小泉純一郎首相は20日午後の党首討論で、反日デモなどで悪化している中国、韓国との関係について「(日中、日韓の)両国の友好関係を維持発展させていくとの大局的見地に立ち、現状の問題をいかに打開するかとの意識を(日中、日韓)両国政府とも持って対処していきたい」と述べ、関係改善に向けた強い意欲を表明した。《共同通信》
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【この日の民主党】
岡田代表、オーストラリア首相と日豪関係等めぐり幅広く意見交換
岡田克也代表は20日、東京都内でジョン・ハワード オーストラリア首相と会談した。
会談冒頭、ハワード首相からは、総選挙の時期・小泉首相の任期等を確認した上で、民主党の位置づけに関する質問がなされた。岡田代表は「われわれはセンターだ」と述べた上で、自民党が保守であるのに対し、民主党は改革を志向する政党であることを明らかにした。
日豪間の自由貿易協定(FTA)締結に関する議論では、ハワード首相が、「民主党は日豪の経済関係をさらに拡大する関係づくりに熱心だと聞くが」と前置きした上で、岡田代表の認識を質した。「当然進めるべきと考える」と岡田代表は述べ、FTA締結に前向きな姿勢を示した。同時に日本の場合、省庁間の利害調整が非常に重要な意味をもつことを首相に説明し、同日行われる小泉首相との会談の際、小泉首相がそうした点に関してイニシアチブをとるよう進言してみてはどうかと提言した。
自衛隊のイラク派遣の問題についても議論が行われ、岡田代表は、戦闘地域への自衛隊派遣を禁止する憲法上の理由から、民主党が派遣反対の立場をとることを改めて明示した上で、「ただ、オーストラリアが自衛隊の安全確保のために派兵してくれることに感謝する」として、オーストラリア政府の決断に謝意を示した。
中国問題も取り上げられ、一連の中国でのデモ等をどう見るか問われたのに対して岡田代表は、「大使館への投石といった暴力には反対する。ただ、多くの若者があれだけ多くデモに参加した背景については考えるべきことがある」と語った。また、戦争をめぐっては加害者に比べ被害者の方が忘れ得ないものだとの考えを示し、そうした点を考慮していく必要性を指摘。同時に小泉首相就任後、日中関係がぎくしゃくしていることに危惧を示した。
また、国連の常任理事国入りをめぐる議論もなされ、岡田代表から日本の常任理事国入り支援の姿勢をとるオーストラリア政府への感謝を表明がなされた。
郵政民営化の問題をハワード首相から問われたのに対して、岡田代表は、「小泉総理の案では今の国営会社がさらに大きくなるといった形。それでは無理だろう」との認識を示し、郵便だけでなく、金融・保険も含め、国民資産の3分の1に当たる350兆円の運用にあたっては政府案では難しいとの考えを語った。
更に同日午後、党首討論に臨む岡田代表に対してハワード首相は、「私は野党の経験も首相の経験もあるので、両方の気持ちがわかる」などとした上で、岡田首相に対して「健闘を祈る」とのエールが送られた。
なお、会談には鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣、海江田万里ネクスト経済産業大臣、前原誠司ネクスト防衛庁長官、藤田幸久国際局長が同席した。
政治の流れを変えよう 羽田最高顧問・川端幹事長ら福岡での演説で
羽田孜最高顧問、川端達夫幹事長、連合の草野忠義事務局長らは20日、福岡市内で街頭演説を行い、衆議院福岡2区補欠選挙で民主党が公認している平田まさのり候補とともに、民主党への支持を力強く訴えた。
この街頭演説で羽田最高顧問は、小泉・自民党政権の失政を舌鋒鋭く批判しつつ、「誇りある福岡をつくり出していただきたい」などと力強い訴えを行った。
続いて川端幹事長も、この日の朝に福岡市で起こった地震へのお見舞いを述べ、民主党などが提出している被災者生活再建支援法の改正案を審議しようともしない小泉首相・自民党の姿勢を、「皆さんの暮らしを守ることなど、何も考えていないと言わざるを得ない」と厳しく批判。「暮らしは安心か、将来は安心か」といった不安と心配に耳を傾けず、「どんどん負担ばかりを押しつける、こんな政治をまだ続けてもいいのか」などと訴えた。その上で川端幹事長は、民主党は「予算の締め付けで政治をする政党ではない」として国民の目線に立った政治の重要性を強調し、平田まさのり候補についても、「若くて情熱があり、何よりも信念がある人だ」と紹介し、政治の流れを変えよう、と改めて訴えて演説を締めくくった。
次に連合の草野事務局長がマイクを握り、「今、日本にとって最も大事なことは、政治を変えることだ」と指摘。小泉・自民党政権による「強い者はますます強くなる、弱い者はますます弱くなる」という弱肉強食の市場万能主義についても、「日本の国の姿、生活の有り様を、そんなふうに変えてはならない」とし、「日本の政治の流れは必ず変えられる」と力強い訴えを行った。
平田まさのり候補も続いて演説を行い、「小泉政治によって、置き去りにされ、切り捨てられていく」人がますます増えている現状を指摘し、「そういった政治を許すことはできない」と述べ、「今の世の中を変えなければならない」と強調。「この戦いに勝つことで、日本の政治を大きく変えよう」と呼びかけた。
外交は失敗、郵政は偽物の改革 岡田代表が党首討論で
岡田克也代表は、20日午後に行われた党首討論で、小泉首相の外交を失敗、郵政改革を偽物と鋭く批判し、反省を求めた。
岡田代表は、小泉外交がアジアを軽視しており、そのことがアジアでの日本の孤立化を招き、日本の国連安保理常任理事国入りに中国・韓国からの賛成を得られておらず、日本の国益を損ねている、などとして首相に反省を求めた。しかし首相は従来の考えを繰り返すにとどまった。また年金改革については、14日の年金改革両院合同会議での与党側の発言を取り上げ、これでは抜本改革はできないとして、自民党内での指導力発揮を求め、自民党の具体的な案を合同会議に示すことを迫った。首相はこれに直接答えず、民主党の案を議論すればいいとのすり替え答弁に終始。郵政改革問題では、窓口ネットワーク会社に3分の1以上の国の資本が入っているにも関わらず、コンビ二・住宅リフォームなども手がけることを取り上げ、首相の進める民営化は官業の肥大で偽物の改革であると批判した。首相は、民営会社が行うのは競争であると開き直った。
やり取りの概要は以下の通り。
冒頭
岡田 今朝の福岡の地震について、心からお見舞いを申し上げる。自民党の若い国会議員が、自民党の候補が勝たなければ地震からの復興はないと演説していたことに、心から怒りを覚える。
外交
岡田 北朝鮮問題を話し合う六者協議は、1年間も開かれていない。中国・韓国との関係も、領土・歴史認識をめぐり難しい状況にある。日本はアジアで孤立しつつあるのではないか。関係改善に努めてきた先人の努力が水泡に帰す懸念すら持つ。総理の責任は免れない。反省を求める。
小泉 友好関係の発展に支障がないような対応が必要だ。
岡田 それは一般論だ。中国の若者が日本への怒りを持っていること、デモをしていること、これについて日本が原因をつくったことを反省すべきだ。
小泉 デモは否定しないし、反対もしない。
岡田 反日機運が盛り上がっていることについて、日本側にも原因があったのではないか。あまりにもアジア軽視の外交だった。日中関係に対応してきたと言うのであれば具体的に。
小泉 日中重視の外交だった。行動で示していく。
岡田 日中関係は日本の経済・安全保障の面からも重要だ。国連安保理常任理事国入りの問題で賛成してもらえるよう、韓国・中国にどういった戦略を持って対応してきたのか。日本外交の完全な失敗ではないか。
小泉 理解してもらうよう努力してきた。
岡田 何もしてこなかったことは、はっきりしている。責任を感じてもらわなければ困る。侵略の歴史を美化しているのでは、との批判がある。村山談話の認識を共有しているのか。
小泉 同じような認識を共有している。
岡田 日中首脳会談でもその認識を述べて欲しい。日本の戦後の歴史は自信を持っていいし、誇っていいことだと思う。その自信に裏付けされた謙虚さがあっていい。それで近隣諸国に対処すべきだ。日中関係は危機的な状況にある。首相在任の4年間に大変なことになった。再構築する責任が総理にはある。改善の端緒をつくるべき。できないのなら民主党に任せて欲しい。
年金制度改革
岡田 両院合同会議で丹羽雄哉さん(自民党)は、改革を断行したと言い、公明党の冬柴幹事長は、優れた抜本改革と言った。こうした現状認識では抜本改革はできない。総理も同じか。
小泉 昨年の改革は優れたものと思っている。民主党は違うと思っている。政党が違うのだからそれでいい。それを踏まえて協議するのが、あの会議ではないか。
岡田 産業・雇用構造の変化に、現行の制度は対応できないのではないか。これは総理も言っているが、あの二人は違う。国民年金制度をどう思うか。4割の人がきちんと保険料を払っていない。多様なライフスタイルと制度が合っていないので、安心できる制度になっていない。その認識は。
小泉 今、提起されたことを協議しようというのが、あの会議だ。
岡田 聞いたことに答えるべきだ。
小泉 国民年金は破綻しているとは言えない。将来を見ると問題だ。だから協議をすべきだ。
岡田 すべての年金の一元化との絵を描いた上で、段階的ならいいが、そこを与党はどう考えるか。40年勤続の人や専業主婦がそれを支えるというモデルは通用しない。時代に対応した制度をつくらないと、一部の限られた人だけの国民年金になってしまう。
小泉 負担と給付、保険料、納税者番号制について民主党の案を提示し、それをもとに議論することを拒否していない。
岡田 自民党の中で、一元化が望ましいとの総理の意見を委員に伝えて欲しい。民主党の案を出せというなら出す。国会決議の中で、お互いの案を持ち寄ることになっている。自民党の案も是非出すべきだ。
郵政改革
岡田 自民党の考えは国業公営の肥大化だが、民主党は縮小を主張している。総理は自民党に近づいた。100%民営で、簡保・郵貯の資金を運営できる案を示すべきだ。35兆円を貸付けする人材やノウハウなしに10年後に貸付けできるというのは絵空事だ。できないとなれば、官の肥大化を招くだけだ。
小泉 できるように制度設計をしている。近く政府案をつくる。公社のままでいいのか、公務員がどうして350兆円を運営できるのか。
岡田 私は35兆円の貸付けの話をしている。焦げ付けば税金で穴埋めすることになる。可能なモデルが示されていない。
小泉 今、努力している。27万人の公務員でなければできない仕事とは思わない。今月中に政府案を決定する。
岡田 公務員でなくすための民営化は、本末転倒だ。窓口ネットワーク会社には3分の1の国の資本が入るが、この会社がコンビニや住宅のリフォームもするのは官の肥大化だ。
小泉 民営化された会社がするのは競争だ。激烈な競争が、より国民が望むような商品を生む。
岡田 民営ではない。3分の1以上、国が株を保有している。郵政改革のスタートは、特殊法人に財政投融資資金が流れることを止めようということだった。公社の財投機関債は50兆円から150兆円に、首相の在任中に増えている。官の肥大であり、偽物の改革だ。
郵政問題も具体的な話が全く出てこない 党首討論後に岡田代表
記事を印刷する岡田克也代表は20日、党首討論を終えた後、国会内で記者団の質問に答え、「なかなか具体的な答弁を聞けなかった。もう少し踏み込んだ答弁をして欲しかった」と、党首討論の感想を述べるとともに、小泉首相の逃げ腰の姿勢を批判した。
まず郵政問題について岡田代表は、「民営化して、果たして35兆円もの金額を、きちんと貸付けできるのか、全く分からない。その辺りの具体的な話が全く出てこない。総理も自民党も、党内での内向きな議論に終始しないで、より具体的な議論に入って欲しい」と述べ、自民党内における国民不在の混乱にきつく注文をつけた。
また外交関係については、「小泉総理の努力が不足している。歴代内閣が積み上げてきたことが大きく後退している。もっとアジアに関心をもってあたって欲しい」との見解を述べるとともに、わが国の国連安保理常任理事国入りの問題についても、「近隣諸国にはっきり反対と言わせるような外交をしていることは、由々しき問題だ」と、小泉外交の失敗を厳しく指摘した。
[参院本会議]簗瀬議員、21世紀の刑事政策のあり方を問う
20日午前、参議院本会議において、『次の内閣』で法務大臣を務める簗瀬進参院議員が、政府から提案されている「刑事施設・受刑者処遇法案」に対して代表質問に立ち、南野法相に対して21世紀の刑事政策のあり方をめぐって質問と提言を行った。
冒頭に簗瀬議員は、明治41年に施行された監獄法が97年ぶりに大改正される審議の場に立ち会うことを光栄としつつも、法案からは21世紀の刑事司法の姿についてのグランドデザインが見えないと指摘した。そして、今国会では、会社法案、国際化・組織化犯罪について共謀剤を設ける刑法改正案、さらに本法案と21世紀の日本の秩序の基礎となる重要法案が審議されており、これらの提出責任者である法相の責任は重大であると指摘しつつ、法相の指導力を質した。また、今後刑事裁判に導入される裁判員制度への参加について、国民の7割が消極的であるという世論調査結果を提示し、戦前の陪審員制度の導入の際の原敬内閣の努力と比較しながら、法相の熱意を問い質した。
これに対して南野法相は、指導力の問題には特に答えず、裁判員制度の啓蒙宣伝活動については、自ら3回のタウンミーティングに参加したこと等について答弁するのみであった。
続いて簗瀬議員は、刑事政策の一環である本法案の前提となる刑事司法のあり方を取り上げ、取締りを強化し厳罰主義を取って警察官・検察官・裁判官の増員をはかる大きな刑事司法の考え方ではなく、社会復帰のための処遇を促進する寛刑主義を取って調査官・法務教官・保護監察官の増員をはかる適正な刑事司法の考え方を取るべきであると提言した。また、そうすることが刑事施設の過剰収容による犯罪の拡大再生産を防ぎ、受刑者の社会復帰をめざす本法案の趣旨にも合致すると主張し、そのためにも職員数の拡充と過剰収容問題の解消が必要であるとして、法相の見解を質した。加えて、簗瀬議員は、奈良で発生した小学生女児殺害事件を取り上げ、このような再犯を防止するために民主党『次の内閣』の行った調査活動を踏まえつつ、矯正教育の内容について質した。
これに対して南野法相は、大きな刑事司法を否定しないとの見解を示した上で、職員数の拡充や過剰収容問題解消については前向きな答弁を行い、矯正教育の内容については被害者の立場に立った教育などを行って行くと答弁した。
また簗瀬議員は、受刑者が刑事施設について不服を申し立てるために導入される「不服申立制度」および「刑事施設視察委員会」のあり方に触れつつ、不服申立について第三者に相談できる体制の整備が必要であると主張した。これに対し南野法相は、一般的な説明を行った後に、特別な場合を除いてその必要性を否定した。
最後に簗瀬議員は、官僚政治を許してきたのは政治家の責任であり、そのためにも政権交代が必要であると強く訴えて代表質問を終えた。
鉢呂委員長、郵政をめぐる政府・与党の国民不在の混乱を厳しく批判
鉢呂吉雄国会対策委員長は20日午前、共産・社民両党との国対委員長会談を終えた後、国会内で記者会見を行った。
会見の中で鉢呂国対委員長は、郵政関連法案をめぐって「政府と与党がドタバタ劇を繰り広げている」ことに触れ、外交・内政ともに重要案件が山積している中で、「政治の優先課題の選択に誤りがある」と指摘して国民不在の混乱を厳しく批判するとともに、今の与党について、「議院内閣制の下における政権担当能力が欠けているのではないか」と述べた。
鉢呂国対委員長は更に、郵政関連法案に関し、「今のような状態では会期内成立は不可能」との見方を示し、「法案の提出を断念すべき」だと述べるとともに、各種世論調査でも慎重な議論を求める意見が多くを占めていることを指摘。会談でも、何のための民営化かという説明責任が果たされていないことなどについて、三党の意見が一致したことを明らかにした。
また、竹中郵政改革担当相の総務委員会欠席問題についても改めて触れた鉢呂国対委員長は、総務委員会の答弁でも竹中担当相に「責任を自ら取るという姿勢がなかった」ことを挙げて、問題の重大性の認識に欠けると指摘。「辞職の必要性はますます高まっている」として、今後も三党が「一致して対応していく」ことを確認したことを明らかにした。
中国との外交関係については、昨日、岡田克也代表が王毅駐日大使と会談し、デモによる破壊行為は許すことができない行為であること、中国側の謝罪と補償が必要であることを指摘したことを紹介した上で、小泉政治が、対中関係に限らず「外交面でも全く行き詰まっている」と指摘。この問題についての予算委員会での質疑を申し入れていることも明らかにした。《民主党ニュース》