平成1868日目
1994/02/18
この日のできごと(何の日)
【渡辺美智雄元外相】14年ぶりに「ミッチー節」
「しばらくぶりで質問する。大平内閣当時以来で感無量だ」―自民党の渡辺美智雄元外相が、18日午後の衆院予算委で、同党のトップバッターとして質問に立った。渡辺氏が予算委の質問に立ったのは昭和55年1月以来14年ぶりで、副総理まで務めた大物としては極めて異例。転んで左足の「骨にひびが入り、車いすに腰掛けたまま、予定の2時間をやや超えて「ミッチー節」を展開した。
全体としては「細川首相を応援」(渡辺氏)する是々非々のトーンに終始した。例えば、北朝鮮が核査察を拒否した場合の経済制裁について、首相が前向きの考えを示すと「結構な考えだ。高く評価したい」。その上で危機管理体制の整備に「あなたが決意してやるならいくらでもバックアップする」と強調した。与党内の反対で白紙となった国民福祉税構想に対しても「反対じゃない」と持論を繰り返した。
渡辺氏があえて補正予算審議の質問に立った背景には、健康回復を印象付けるとともに、党内外での求心力を高めたいとの思惑がある。渡辺派内では「多くの議員が応援に来て、国対委員会の部屋は空っぽだった」(若手)と一様に「成功」と受け止めていた。しかし党内的には「いつもの自説が多かった」(幹部)「見ていなかった」(首脳の一人)など冷たい反応が目立った。
一方新生党では渡部恒三代表幹事代行が「党の意見にこだわらず、自分の政治信念に従って発言した。いい質問だった」とコメントするなど、自民党内以上に評価が高く、今後の政界再編成の道筋を暗示する形となった。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【細川護熙首相】特使派米に前向き
衆院予算委員会は18日、1993年度第3次補正予算案をめぐる本格的論戦に入り、細川首相は日米包括経済協議の決裂に伴う日米間の緊張打開へ、貿易黒字削減の「中身をつくるのが第一」と指摘した上で、政府特使派遣について「これ以上、深刻な関係にならないよう最善の努力を尽くしたい」と述べ、前向きに検討する姿勢を示した。
また米国側が対日制裁実施のカ前を強めているのに対し、首相は(1)あくまで米側に良識ある対応を求める(2)日本側も冷静な対応を心がける(2)それでも制裁が追加された場合は国際ルールにのっとり対応するーとの考えを示した。《共同通信》
【細川護熙首相】官僚主導批判に反論
衆院予算委員会は18日午前、平成5年度第3次補正予算案に対する本格的論戦に入り、細川首相は日米包括経済協議決裂について「日米友好関係の基盤がこの一点で崩壊してはならないとの点では一致した」と指摘した上で、米国の対日制裁の動きについて「米側の良識ある判断、行動を強く願っている」と米国の慎重な対応を促した。
クリントン米大統領が、首脳会談決裂に関連し、大蔵、通産両省など日本の経済官僚を批判していることに対しては「政治家でも官僚の立場でも国益を考えれば同じことだ。政府一体として当たった結果で一あり、決して官僚主導とは思わない」と強く反論した。
貿易黒字削減に向けた市場開放政策に関し、首相は「ミクロ、マクロの問題で真しに努力したい。自主的になし得る措置は積極的に進めねばならない」と述べ①日米間の自動車産業協力②公正取引の競争的政策の確保③政府調達の国内手続きの透明化ーを進める考えを強調した。しかし、市場開放策の実行計画(アクションプログラム)を策定したらどうか、との提案には答えなかった。《共同通信》
【自民党】北川グループ旗揚げ
自民党の北川正恭副幹事長ら選挙制度改革推進派でつくる若手グループ22人が18日午前、都内で会合を開き、「政党政治研究会」を正式に旗揚げした。代表には北川氏、事務局長に塩谷立衆院議員を選出した。北川氏らは、これまで政治改革実現に向けた勉強会を重ねてきたが、政治改革法の成立を機に、改めて存在をアピールし、政界再編の動きにかかわっていこうとの思惑があるものとみられる。《共同通信》
【政界談話室】
○…18日の閣議前、集まった閣僚たちはひとしきり“ティールーム談議”。閣僚が首相官邸を訪れる際にゆっくり待機する場所がないことから、佐藤自治相が「官邸にティールームをつくったらいい」と持ち出した。羽田外相も「私もそう思う。空いている部屋を使ったらどうか」と相づち。中には「そのうち水割りが出てきたりして」とちゃかす閣僚も現れ、久しぶりに社会党と新生党で意見が一致、雰囲気は和んだ。しかしこの後、細川首相は記者団に「官邸は狭いから。秘書官室も狭いし…」とそっけなく答え、構想もあえなく幻に。
○…自民党の森幹事長はこの日の記者会見で、小渕派が政策集団への衣替えを検討していることを高く評価。「これからは各派の会合でも党本部を大いにお使いください。党の活性化にもつながる」と、側面的に支援する意向を強調した。ただ、派閥事務所の党本部への移転については「次々と5、6人のグループから部屋をくれとの意見が出かねない」と消極的に。役員の一部から「9階建ての党本部をインテリジェントビルに建て替え、地方党員のための宿泊所もつくればいい」との声も出ていることを紹介。「党再建より、まずは党本部再建」が先決?《共同通信》
【リレハンメル五輪】第7日
リレハンメル冬季五輪第7日は18日、リレハンメルを中心に5競技を実施。ノルディックスキー複合個人前半の飛躍で日本勢は河野孝典(野沢温泉ク)が239.5点で4位、エースの荻原健司(北野建設)は231.0点で6位と出遅れた。距離を得意とする地元ノルウェーのフレッドボーレ・ルンベルクが247.0点でトップに立ち、日本の金メダル獲得は絶望的となった。
スピードスケート男子1000メートルはこれまで五輪では無冠だった米国のダン・ジャンセンが1分12秒43の世界新記録で8組を終わって首位、悲願の金メダルを濃厚にした。日本勢のメダル獲得はならなかった。
バイアスロン女子は前回銅メダルのミリアム・ベダール(カナダ)が、2位のアン・ブリアン(フランス)に大差をつけて52分6秒6で優勝。本田佳子(自衛隊)は1時間0分0秒5で54位に終わった。リュージュ男子二人乗りは、イタリアのカート・ブルガー、ウィルフリート・フーバー組が合計タイム1分36秒720で金メダル、2位もイタリアのコンビだった。佐々木淳史(日友工業)佐々木雄次(仙台大)組は1分40秒124の8位だった。第6日の17日に行われたスピードスケート女子3000メートルでは橋本聖子(富士急)が4分21秒07の日本新で6位に入賞した。《共同通信》