平成734日目

1991/01/11

この日のできごと(何の日)

【国連・デクエヤル事務総長】戦争回避の方策を探る

国連安保理決議が決定したイラク軍のクウェート撤退期限まであと4日と迫った11日、瀬戸際の和平工作に乗り出したデクエヤル国連事務総長はパリでミッテラン・フランス大統領、ジュネーブで欧州共同体(EC)諸国の外相とそれぞれ会談し、戦争回避のための方策を探った。

デクエヤル事務総長は12日、フセイン・イラク大統領との会談のためバグダッド入りし、撤退の実行を迫るが、イラクに対し具体的な提案はしないと言明。しかしイラクが撤退に応じれば、クウェートへの国連平和維持軍派遣を安保理に提案する用意があると語った。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【巨人・クロマティ外野手】退団決定

巨人のウォーレン・クロマティ外野手(37)の事実上の退団が決まった。同球団の湯浅代表は11日、「これまでこちらに連絡してこないのは、本人にプレーする意思がないからではないか」と語り、同選手との再契約の可能性が消えたことを認めた。

巨人は昨年末、新戦力として現役大リーガーのフィル・ブラッドリー外野手(前ホワイトソッス)を獲得。さらに呂外野手に加えて三人目の外人のヘクター・デラクルーズ外野手(3Aシラキュース)との契約交渉を進めている。

また、この日発表された背番号変更で、昨季までクロマティがつけていた「49」を新外人選手用に準備していることが明らかになり、湯浅代表は「クロマティの件は、週明けにも最終的な決着をつけたい」と表明した。《共同通信》

【海部俊樹首相】ASEAN歴訪中止に

政府は11日の閣議で、海部首相が13日から予定していた東南アジア諸国連合(ASEAN)五カ国歴の中止を正式に決めた。中止理由について首相は、湾岸危機の緊迫化を挙げた。

訪問を予定していた五カ国には同日午前、外交ルートを通じて歴訪中止を連絡したが、坂本官房長官によると各国とも「事情が事情だけに理解できる」と了承した。

首相自身も各国との友好関係に配慮、各首脳に直接電話連絡、理解を得たい考えだ。首相は閣議の席で、「最後まで平和的解決の努力に最善の対応を期するため、私自身が東京にとどまることが最善と判断した」と述べ、デクエヤル国連事務総長の調停工作に対するバックアップ、非常事態(開戦)が生じた場合邦人保護などの危機管理対策の陣頭指揮に立つ意欲を示した。

首相は今回のASEAN歴訪を通じ、訪韓に続けて一海部外交の足固めをする方針だった。このため歴訪中止は首相にとって痛手であることは否めないばかりか、昨年8月の中東歴訪日程をしゅん巡し、結局延期した経緯とも合わせ、首相の決断の遅さを内外に印象づける結果になった。

さらにこの背景には、米イラク直接対話で和平への何らかの道筋が開けるとの、日本外交の“甘い”読みもあったといえよう。《共同通信》

【政界メモ】触れたくない「歴訪中止」

◯…海部首相は11日、湾岸危機を理由に東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪を取りやめたことで、記者団の質問攻めを受けた。最初は「(日本にいて)日本のなしうることをして(湾岸危機の)平和的解決をしていくということです」と丁寧に答えていたが、最後には、うんざりした表情で「いろいろあるが、そんなことはもう聞かんでくれ」と大声を出した。

自民党の“圧力”で歴訪を中止した気配が濃いだけに、この話題には触れてほしくない様子があない「歴訪中止」りあり。

◯…社会党の山口書記長はこの日、首相官邸に大島官房副長官を訪ねた際に「文句を言っておきたいことがある」と切り出した。イラクに社会党が医薬品を送ろうとした時に「政府が借り上げ機を使わせなかった」などと並べたてた上で、今回の土井委員長のイラク訪問についても「活動してほしくないとの魂胆が外務省に見え見えだ」などと言いたい放題。

平身低頭の大島副長官に向かって「土井委員長の行動は評価されるべきだ」と言い残して引き揚げたが、官邸に居残る海部首相を横目に、行動する“土井委員長”をアピールすることで少しは留飲を下げたよう。《共同通信》

【ソ連・リトアニア共和国】反独立派が救済委設立

ソ連軍空てい部隊などが共和国の重要施設2カ所を占拠する事件が起きたソ連バルト地方リトアニア共和国では、同日夜(日本時間12日未明)までの情報によると、カウナスなど二都市にある共和国の準軍隊組織「郷土防衛隊」地方本部やビリニュスにある「狩猟・漁業協会」の建物もソ連軍に占拠されたことが分かった。

一方、親ソ派の共和国共産党を中心とするロシア系市民団体はこの日、共和国政権の打倒を目指す方独立派団体の連合組織「共和国救済委員会」の創設を宣言。ソ連軍の攻勢に勢いを得て、ランズベルギス政権打倒に向けた動きが一層活発化している。

11日昼に占拠された共和国印刷所など2カ所の占拠は続いているが、戦車は同日夜までに引き揚げた。テレビなどを通じて、国民の団結を求めたランズベルギス同共和国最高会議議長はこの日夕の同会議で、ゴルバチョフ大統領と電話による接触を試みたが、実現しなかったと報告した。

共和国政府筋によると、市民数千人が最高会議前広場に集結し夜通し警戒。議長ら最高指導部も執務室に徹夜で残ることにしている。同会議建物の入り口付近にはバリケードが楽かれており、郷土防衛隊や警察官約千人に守られている。防衛隊員の一部は銃で武装している。

タス通信によると、最高会議の解散と共和国への大統領直轄制導入を求めて始まった連邦政府直属企業での政治ストは二十企業以上に及び、共和国共産党が支持する政治スト委員会は11日、約20の反独立派市民団体を集め「共和国救済委員会」を創設した。

救済委は、共和国政権が大統領の求める連邦憲法の効力回復に応じない場合、委員会が共和国権力を握ると言明、政権打倒の用意があることを示した。《共同通信》



1月11日 その日のできごと(何の日)