平成735日目

1991/01/12

この日のできごと(何の日)

【堤清二氏】セゾングループ代表退任へ

セゾングループの堤清二代表(63)は12日都内で記者会見し、「グループ代表を退いて3、4人の代表幹事制にする。しかし、情報センター機能を持つセゾンコーポレーションの会長として、グループのビジネスは続ける」と述べ、経営態勢を変更する考えを明らかにしたが、一部報道された引退説は否定した。

経営態勢の変更は21世紀に向けてグループをさらに発展させるため各社を完全に独立させるべきだ、との判断による。また、昨年多発した関連企業、朝日航洋のヘリコプター墜落事故の反省から、強くなりすぎた堤カラーを薄めてグループ内の人心を一新する目的もあるとみられる。

同グループは計100社から成り、堤代表は西武百貨店など基幹6社の会長や代表取締役などのほか多くの企業で取締役にもなっている。今後順次これらのポストを退き基幹六社の取締役相談役になるが、セゾンコーポレーションの社長から会長に就任、引き続き重要事項の決定について影響力を保持する。

新たな体制はグループ内を小売業、小売以外の流通業、外食フードサービス、ホテル、デベロッパー、ファイナンスの6集団に分け、3、4人の代表幹事が統括する。代表幹事は最初に限り堤代表が選任し、3月1日から新体制をスタートさせる。

堤代表は「まだまだやりたい仕事が残っており、事業家としてグループをもっと大きくしたい。しかしここ数年、社会が大企業集団をあまり評価しない時代に入っているため、社会の目で企業を見なくてはいけない」との考えを示したほか、「公器である企業を私物化しないことを徹底的に追求したい。私がいつ死んでもいいような組織にする」と述べ、今後グループの各企業に権限を委譲していく意向を明らかにした。《共同通信》

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【全日本スプリント選手権】

スピードスケートの第17回全日本スプリント選手権最終日は12日、八戸市の長根公園リンクで男女500メートル、1000メートルの各2回目を行い、女子は橋本聖子(富士急)が総合得点167.395で8年連続9度目の優勝を飾り、大会の連勝記録、最多優勝記録を伸ばした。男子は宮部保範(王子製紙)が2連勝した。《共同通信》

【社会党】運動方針案発表

社会党は12日、1991年度運動方針案を発表した。1月30日からの定期党大会に提出、決定する。方針案は「政権と平和を担える党へ―統一自治体選挙を勝ち抜き、政治改革を推進しよう」を副題に掲げ、ことし前半、最大の政治決戦となる統一地方選挙の勝利に向けた態勢確立の必要性を強調。同時に「日本の政治は今日、調整の時代を迎えている」と位置付けた上で、参院での与野党逆転状況に対応した政治方針として「鮮明な対決と大胆な協調」を打ち出した。

これは与野党間の積極的な協議を通じて「政策調整」に努め、政権を担当し得る姿勢を示すのが狙いだが、昨年まで前面に立ててきた野党連合政権への具体的展望は大きく後退している。

社会、公明、民社、社民連の四野党による連合政権協議は挫折した形だが、方針案は、与野党逆転を果たした一昨年の参院選、社会党の議席が大幅増となった昨年の衆院選で示された国民の意思は「自民党一党支配の政治に代わる国民連合政権の樹立にある」と分析。「協議が再開できる条件を誠意を持って追求する」と強調している。

しかし、このための手順については①小選挙区制反対②「非軍事・民生・文民」原則での日本の国際平和協力―などの共通政策を通じて野党間の政策共闘を強め、信頼関係を回復する、としているだけで具体的には踏み込んでいない。

土井委員長の提唱する「社会民主主義勢力の総結集」に向けては①社会主義インター加盟の世界の社民政党と連携を深める②新しい政治勢力の結集を展望しつつ、関係諸党派との信頼関係構築を図る―などとし、国内的には民社、社民連との協議・協力を進める意向をにじませたのにとどまった。

シャドーキャビネット(影の内閣)づくりでは党内に「シャドーキャビネット政策懇談会」を発足させ、政策形成能力を総合的に深める方針だ。《共同通信》

【デクエヤル国連事務総長】バグダッド入り

国連安保理がイラク軍のクウェート撤退期限と定めた1月15日が刻々と迫る中で、デクエヤル国連事務総長は12日午後5時前、バグダッドに到着した。

事務総長はアンマン出発前「誠意をもってバグダッドに行く。私の訪問が平和にとって役立つことを国際世論、世界の人々がそれだけ真剣に望んでいるかを、フセイン大統領およびイラクの人々に伝えたい。私はそのような立場にいると思う」と語った。《共同通信》

【ソ連】新首相にパブロフ氏

ソ連連邦会議は12日、ゴルバチョフ大統領の提案を受けて連邦新首相にワレンチン・パブロフ蔵相(53)を推薦した。これを受けて大統領14日、ソ連最高会議で指名、任命される見通しである。

連邦会議に出席していたクラフチュク・ウクライナ共和国最高会議議長によると、大統領はこのほか、副首相候補としてマスリュコフ第一副首相、バカーチン前内相、ドグジエフ副首相、ベリチコ重機械製作相の4人を挙げ、このうち2人を選ぶよう求めたが、決定は最高会議に任せられた。

パブロフ蔵相はモスクワ財務大卒の経済官僚で、税務署員を皮切りに大蔵官僚として昇進、大蔵次官を経て国家計画委(ゴスプラン)議長から蔵相へと実務畑一本の実務派である。

連邦閣僚会議は大統領直属内閣に改組が決まったが、実務派新首相の登用でその実務的役割も明確になった。

今回の新内閣は、昨年暮れのシェワルナゼ外相の辞意表明、それに続いてルイシコフ首相が心筋梗塞で倒れるなど、ゴルバチョフ政権のペレストロイカ(改革)を担ってきた重要人物が政治の表舞台を去る厳しい状況の中で進めざるを得なくなったが、ゴルバチョフ大統領は責任を自ら引き受け、あえて実務内閣で政治的、経済的困難に立ち向かうことになる。

内政面で言えば、最大の懸案である市場経済体制への移行が大筋で固まり、あとは実務的な行政手腕が問われる状況から言えば、小粒でも行政能力のある内閣が必要だとも言える。その意味では、副首相候補に挙げられた4人は、いずれも能吏タイプで、文字通り実務派内閣になりそうだ。《共同通信》

【夫婦別姓】3割賛成

夫婦が別々の姓を名乗る「夫婦別姓」を法律上、選択できるようにした方がいいと考える国民が、全体の約三割に上ることが、総理府が12日付で発表した「女性に関する世論調査」で明らかになった。別姓選択制に賛成の人のうち4人に1人は、姓の選択制度が導入された場合、実際に自分も夫婦別姓にしたいと思っていることも分かった。

女性の社会進出や自立意識の向上に伴い、近年高ま「っている夫婦別姓を求める声が数字の上からも裏付けられた。

法相の諮問機関である法制議会・身分法小委員会も、夫婦別姓問題に強い関心を示しており、調査結果は今後の審議にも影響を与えそうだ。

調査は、昨年9月、全国20歳以上の男女5000人を対象に実施した。回収率は75%。現行民法で、夫婦は婚姻の際、夫か妻のどちらかの姓を名乗るよう規定されている。同姓、別姓を法的に選択できる制度の道入についての賛否を聞いたところ、29.8%の人が「選択制にした方がいい」と賛成した。《共同通信》

【米上下両院】大統領の武力行使承認

米上下両院は12日、20時間以上に及んだ激しい論戦の末、ブッシュ大統領の湾岸危機での軍事力行使を承認する両院共同決議案を上院で賛成52、反対47、下院で賛成二250、反対183という議会の混迷を象徴するような投票結果で可決した。これにより米議会はベトナム戦争時の1964年8月のトンキン湾決議以来初めて、大統領に対し国外での本格的軍事力行使を認めた。

ブッシュ大統領は休養先のキャンプデービッド山荘から急きょホワイトハウスに戻って記者会見し、決議案可決は「平和への最後の最善の機会を示している」と満足の意を表明した。

しかし、圧倒的多数で可決されたトンキン湾決議などに比べ投票結果が米世論の分裂を示していることは明らかで、決議案に反対する議長として異例の演説をしたフォーリー下院議長(民主党)は「いずれの投票をするにせよ、投票後は米国民として団結しよう」と訴えた。

12日未明に前日からの論戦をいったん中断した両院は、早朝から審議を再開。まず軍事力行使承認決議案に対抗し、上下両院の民主党指導部から提案されていた対イラク制裁を継続して解決を図るべきだとする決議案を否決し、それぞれ次の軍事力行使承認決議案の審議に入った。

軍事力行使承認決議案の上院での共同提案者となったドール共和党院内総務は「決議案はブッシュ大統領の平和を求める道を整えるもので、直ちに軍事紛争に突入する許可を与えたのではない」と指摘、イラクに対し米国民の一致した意見を示すことの重要性を強調した。

これに対し決議反対派のケネディ民主党上院議員は「まだ平和解決への最後の「努力を尽くしていない。上院は絶対に戦争賛成の投票をしてはならない」と訴えた。

上院ではゴア議員ら民主党議員10人が決議賛成に回る一方で、ベトナム戦争時以来の反戦派として知られる古参のハットフィールド議員ら2人の共和党議員が反対に回り、下院で一も決議賛成が共和党164、民主党86など党派を超えた投票行動となった。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】「決議は米国の決意」

ブッシュ米大統領は12日、米上下両院が対イラク武力行使承認決議案を可決した直後にホワイトハウスで緊急記者会見し、「決議は米国の決意であり、15日が完全撤退の真の期限であることをイラクに伝える最も明確なメッセージだ」と強調した。

大統領は15日以降、軍事行動に踏み切る構えを示し「開戦すれば、イラクは必ず敗れる」と警告した。その一方で「最後まで平和的解決を求める。戦争は不可避ではない」とも述べ、ぎりぎりの外交努力を重ねる方針を示した。さらに「期限までの完了はまず不可能だろうが、今すぐ無条件に大規模な撤退を開始することが戦争回避の唯一の道だ」と呼び掛けた。

ブッシュ大統領はデクエヤル国連事務総長がフセイン・イラク大統領との会談で提示すると伝えられる五項目提案は「承知していない」と述べた。しかしイラク撤退後の国連平和維持軍派遣構想については「米軍を必要以上に(サウジアラビアに)駐留させようとは思わない。ある種の平和維持軍は必要だ」と理解を示した。だがイラクが主張するパレスチナ問題との連関には、絶対に応じない方針を改めて強調した。《共同通信》

【立石一真さん】死去

制御機器メーカー、オムロン(旧立石電機)の創業者で同社取締役相談役の立石一真氏が12日午後1時、心筋梗塞のため京都市上京区の京都府立医大付属病院で死去した。90歳。

大正10年熊本高等工業学校(現熊本大)電気科卒。兵庫県庁、井上電機製作所を経て昭和8年5月、立石電機製作所を創業。23年には立石電機を株式会社に改組して社長に就任。以降54年に会長へ退くまで半世紀にわたって社長として立石を引っ張り、同社を世界的な制御機器メーカーに育て上げた。《共同通信》



1月12日 その日のできごと(何の日)