平成6474日目
2006/09/29
【この日の安倍総理】
第165回国会で所信表明演説
安倍晋三首相は29日午後、衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行った。憲法で禁じられている集団的自衛権の行使について、事実上の政府解釈の見直しに向けた具体的研究を行う考えを表明。伝統や自然を大切にする「美しい国」づくりを掲げ、イノベーション(技術革新)などで経済成長を維持しながら行政改革、財政再建を断行する決意を表明。格差是正に向け、「再チャレンジ支援」推進を内閣の重要課題に据えた。
小泉純一郎首相の靖国神社参拝で首脳会談が途絶えている対中韓外交では両国と未来志向の関係構築を目指す考えを強調した。《共同通信》
この中で安倍総理は、「私が目指す、この国のかたちは、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた、『美しい国、日本』である。」とし、この「美しい国」の姿とは、(1)文化、伝統、自然、歴史を大切にする国。(2)自由な社会を基本とし、規律を知る、凛とした国。(3)未来に向かって成長するエネルギーを持ち続ける国。(4)世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国と位置づけました。そして、そのために、「未来は開かれているとの信念の下、たじろぐことなく、改革の炎を燃やし続けてまいります。」と述べました。
続いて、活力に満ちたオープンな経済社会の構築、財政再建と行政改革の断行、健全で安心できる社会の実現、教育再生、主張する外交への転換について、基本的な方針を述べました。
むすびに、「かつて、アインシュタインは訪日した際、『日本人が本来もっていた、個人に必要な謙虚さと質素さ、日本人の純粋で静かな心、それらのすべてを純粋に保って忘れずにいてほしい』と述べています。21世紀の日本を、アインシュタインが賞賛した日本人の美徳を保ちながら、魅力あふれる活力に満ちた国にすることは十分に可能である、日本人にはその力がある、私はそう信じています。」と述べ、「美しい国、日本」とするために、国民及び議員に向けて理解と協力を呼びかけました。《首相官邸》
拉致被害者御家族との面談
平成18年9月29日、安倍総理は、塩崎長官や中山総理大臣補佐官らとともに、横田滋さんをはじめとする拉致被害者御家族と総理大臣就任後初めて面談しました。
安倍内閣発足後、直ちに拉致問題に関する対応を協議し、この問題への戦略的な取組、並びに安否不明の拉致被害者に関する真相究明、生存者の即時帰国、拉致容疑者の引き渡しに向けた施策等総合的な対策を推進するため、本日の閣議で安倍総理を本部長、塩崎長官を副本部長として全閣僚で構成する拉致問題対策本部を設置することを決定しました。
今日の面談では、安倍内閣における拉致問題への対応を説明するとともに、長く続いているこの問題を早期に解決するために万全の体制で取り組む決意を述べました。
これに対して、御家族側からも問題の早期解決の要請がありました。《首相官邸》
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【世界レスリング女子48キロ級】伊調千春選手、金メダル獲得
レスリングの世界選手権第5日は29日、中国広東省広州の天河体育館で行われ、女子48キロ級でアテネ五輪銀メダリストの伊調千春(綜合警備保障)が決勝で前回覇者の任雪層(中国)にフォール勝ちし、金メダルを獲得した。51キロ級で出場した03年大会以来2度目の優勝。《共同通信》
【東芝、富士通】ソニー製電池の自主回収を発表
ソニーが、ノート型パソコン向けリチウムイオン電池パックのリコール(回収・無償交換)を全世界で始める。米デル、アップルコンピュータの製品のリコール後に「これ以上はない」と表明した矢先にレノボ(旧IBM)に飛び火したため、対象をすべての電池供給先に拡大した。リスク要因を一掃しようという前代未聞、捨て身の対策だ。
パソコン各社は29日、リコールの必要性についてソニーと協議を開始。1日に「安全宣言」したばかりの富士通と東芝はリコールを発表した。「デルなどと同じ原因の事故はないが、安心して使ってもらうため」という。東芝の対象は83万個だが、富士通は非公表。ソニーも近く、自社製パソコン搭載電池をリコールするが、日立製作所はリコール対象電池を使っていないという。《朝日新聞》
【この日の民主党】
安倍内閣が何であるかを追及する 荒井議運筆頭理事
代議士会が、29日昼院内で開かれ、議院運営委員長が、職権で2日、3日の衆院本会議の日程を決め、議院運営委員会で採決によって決定されたことが報告された。荒井聰議運筆頭理事は「怒りに震えている。協議中であったにもかかわらず、委員長が職権で2、3日の本会議の日程を立ててきた。安倍内閣が何であるか明らかにする国会論戦にしていく」と決意と怒りを表明した。
これは、代表質問の時間を十分にとること、公党である国民新党に代表質問の時間を与えるよう要求していたにもかかわらず、一方的に慣例に従うとして議院運営委員会の理事間協議では、折り合わず、国会対策委員会レベルでの協議中に、職権を発動したことに抗議したもの。
木義明国会対策委員長も「委員長職権と委員会の採決で2、3日の日程を決めた。2日の本会議には鳩山由紀夫幹事長が、3日の本会議には松本剛明政調会長が立つ。国民のための政治、国民の中の政治のために闘っていきたい」と国会論戦への決意を改めて表明した。
次に、大阪府連代表として平野博文国対委員長代理が、大阪9区の衆議院補欠選挙への支援を、神奈川16区の責任者として菅直人代表代行が、神奈川16区への補選への支援をそれぞれ訴えた。
また、松本政調会長が、昨日開かれた『次の内閣』での決定事項を「衆参の連携、委員会での審議と政策決定の連携を基本方針とする。副大臣会議は廃止する。『次の内閣』では重要案件以外は書面による審査を基本とする」と報告した。
首相の所信表明、「内容は極めてあいまい」菅代表代行
菅直人代表代行は29日午後の衆議院本会議終了後、国会内で、安倍首相の所信表明演説について、記者からの質問に答えた。
菅代表代行はまず、演説の印象について「抽象的な言葉が踊っているが、内容は極めてあいまい」と印象を述べた。その上で、臨時国会のたたかい方について問われると、「自分の考え方をもっと分かりやすく具体的に、色々と聞かせてもらいたい」と指摘。外交関係の立て直し方法や歴史認識についての考え方を例に挙げて、「国民の皆さんが聞きたいことを、きちんと話してもらうところから始めたい」と答えた。
また、本人のこれまでの経験に根ざしていない、あちらこちらから持ってきたような言葉が使われている気がすると印象を挙げ、教育については、どこが問題でどこを変えようというのか、演説からは全く分からなったと振り返った。
小泉前首相との違いについては「安倍総理の言葉は、誰かに『こういう表現がある』と教えられて述べているようだ。『本人の思い』という意味で、何かを感じさせるものがなかった」と評し、「所信表明という、最も大事な、国民の皆さんに対して自分の考え方を述べる場で、重要なことを全部あいまいにした」と問題点を重ねて指摘した。《民主党ニュース》