平成2012日目

平成6年7月12日(火)

1994/07/12

【北朝鮮】金正日体制確立

韓国の内外通信が12日夜伝えたところによると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌放送は同日、北朝鮮住民はこれまで金日成主席の指導の下に革命闘争を行ってきたが「今や領袖(りょうしゅう、金日成主席)の唯一の後継者である指導者同志(金正日書記)を党と国家、革命武力(軍)の最高位に推戴することになった」と述べ、金書記が既に故金主席と同じく党、国家、軍の三権力を掌握したことを明らかにした。

世代間のあつれきなどがら、金書記が党総書記と軍最高司令官の2ポストに就き、国家主席は金主席の実弟の金英柱副主席ら4人の現職副主席の中から就任するとの権力分担説があったが、放送はこれを打ち消した。金書記は既に国防委員長として軍統帥権を保持しているが、17日の金主席の葬儀後にも開かれる党中央総会と最高人民会議で、党総書記と国家主席に選出される見通しとなった。

12日の平壌放送は「(北朝鮮住民は)今後、金正日書記の指導を仰ぎ、主体革命の偉業の完成と祖国統一のためにさらに力いっばい前進する。革命の一つの道を最後まで歩んで行く」と述べ、金書記を故金主席に代わる唯一単独の指導者として推挙することを確認した。《共同通信》



【大相撲名古屋場所】10日目

大相撲名古屋場所10日目(12日・愛知県体育館)大関武蔵丸と若ノ花はともに勝ち、無傷の10連勝をマークした。武蔵丸は土俵際の右下手投げで浜ノ島に逆転勝ちし、若ノ花は智ノ花を左からの上手投げで退けた。大関貴ノ浪は関脇武双山を下手投げに下して勝ち越しを決め、大関貴ノ花は小結魁皇を破り7勝3敗とした。魁皇は負け越し決定。舞の海は小結貴闘力に敗れ、3敗となった。この日の結果、場内は全勝の武蔵丸と若ノ花を2敗で貴ノ浪が追う。十両は9勝1敗で立洸が単独首位を守っている。《共同通信》

【社会党】北朝鮮へ弔電

社会党は12日、金日成主席死去に対し、村山委員長(首相)名で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮労働党あてに「偉大な指導者金日成主席の突然のご逝去の報に接し、深い悲しみをもって、心から哀悼の意を表する」とする弔電を在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を通じて打った。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は、12日午前の閣議の前に閣僚から「お疲れさまでした」と先進国首脳会議のねぎらいを受け、一人ひとりと握手。田中真紀子科技庁長官に「今度は、冷ややっことざるそばを持っていかれたら」と冷やかされた首相は「水が良くなかった。新聞には『ビールがぶ飲みしていた』と書いてあったが、飲んどりゃせんよ。水はガブガブ飲んだけどね」と盛んに弁解した。横から河野外相が「武村さんが良く食べるから」と割って入ると、首相は「(武村蔵相に)つられるんじゃ」と切り返し、終始和やかムード。

○…先の衆院での首相指名選で、海部元首相に投票して自民党の処分対象になっている保岡興治氏はこの日、党本部で記者会見、「国益を損なう村山内間実現けは絶対に許してはならないと決意した」と弁明した。既に離党した野田毅、津島雄二両氏とともに「海部担ぎ出し」の中心メンバーだっただけに「政治改革に努力してきた人はほとん党を出てしまった。本来の自民党は党の外に生まれ始めている」と舌ぼう鋭く自民党批判を展開。しかし、自らの進退問題になると一転して「処分次第だ」と歯切れが悪く、揺れる心境を見せた。《共同通信》

【自民党】中曽根、渡辺氏は不問

自民党は12日午後、党本部で党紀委員会(林田悠紀夫委員長)を開き、先の首相指名選挙で党議決定に反して海部元首相に投票した議員のうち、中曽根元首相と渡辺元外相について①首相、副総理など要職を歴任し党への功績が大②役職を辞任し、一党員として協力する改しゅんの意思が示されたーことから、党執行部に処分を一任することを決めた。離党した海部氏ら5人は処分対象から外された。

執行部は処分をめぐる党内の混乱を極力避けたい考えで、中曽根、渡辺両氏の処分が「不問」に付されるのは確実だ。党内には両氏に厳しい処分を求める意見も出ており、執行部の対応に反発も予想される。林田委員長も執行部の措置を明らかにするよう森幹事長に要請した。

離党した海部元首相、野田毅元経企庁長官、津島雄二元厚相の3氏は「除名処分に値する」ことを記録に付記した上で、処分しないことを決めた。同様に今津寛、野呂昭彦の両氏も処分対象から外した。《共同通信》

【向井千秋さん】宇宙で診断

米スペースシャトル「コロンビア」に乗っている向井千秋さん(42)は12日午前、同僚のリチャード・ヒーブ飛行士(38)の心臓を超音波診断、慣れた手つきで医師らしさを見せた。

この診断は無重力が心臓など循環器に及ぼす影響を調べるのが目的。ヒーブ飛行士は腰から下を寝袋のような袋に入れて内部の空気を抜き、無重力で上半身に集まっていた血液など体液を地上の状態と同じように下半身に引き戻した。この間、血圧や心拍、心臓の大きさを測定。上半身に体液が集まった状態と、地上と同じような状態で循環器にどんな変化があるか比較した。同日午後には、今度は向井さんが実験台になってヒープ飛行士の診断を受けた。

一方、同日までにメダカーが産んだ卵は12個に増えた。向井さんの観察では地上から持ち込んだ受精卵からかえった稚魚も増えていた。

イモリはさらに30個の卵を産み、宇宙で産んだ卵は計46個になった。一匹のイモリは脱皮していた。

日本の実験では同日、シャトル内に残ったわずかな重力の変動を測定する実験などが行われた。同実験には宇宙飛行士の土井隆雄さん(39)も共同研究者として加わっている。《共同通信》

【国連】ハイチ人権監視団を撤収へ

国連報道官は12日、ハイチの軍勢力が国外退去を命じた国連と米州機構共同派遣の人権監視団約100人を、安全上の理由から一両日中にハイチから撤収させることを決定したと発表した。

また、国連安全保障理事会は同日、人権監視団の退去命令を「国際社会への重大な挑戦。軍勢力の挑発」と非難し、「安保理はハイチ危機の緊急、明確な解決への決意を固めた」との議長声明を発表した。米国は既にハイチの実権を握る軍勢力排除のための軍事介入計画を立案、安保理も加盟国による軍事力の行使を承認するとみられ、緊張が高まっている。

人権監視団は1993年4月正式に設置され、軍勢力やその支持者による民主化要求への弾圧を現地から告発してきた。軍努力は11日、監視団の存在がハイチの治安と安全を脅かしているとして、48時間以内の退去を命じていた。

カプト国連事務総長特使は退去命令について「軍勢力は市民を殺し、拷問し、その目撃者を追放した」と激しく非難している。国連報道官によると、ハイチには国連関係の援助機関の要員26人が滞在中で、ガリ事務総長は国際機関要員の安全確保を徹底するよう要求している。《共同通信》

【独・憲法裁判所】NATO域外派遣は合憲

ドイツ連邦憲法裁判所は12日、ドイツ連邦軍の北大西洋条約機構(NATO)域外への派兵を、連邦議会の過半数の賛成を条件に合憲として容認する判断を下した。国連平和維持活動(PKO)など国際軍事行動への参加に正式に道を開くこの日の判決は、戦後ドイツのタブーを破る「歴史的判断」であり、国連安全保躍理事会の常任理事国入りなど国際社会での役割拡大を目指すドイツの外交戦略に大きく弾みをつけそうだ。

憲法裁は野党、社会民主党などの提示を受けてコール政権が実施した①ユーゴスラビア制裁のためのアドリア海への艦艇派遣②ボスニア・ヘルツェゴビチ上空監視飛行へのドイツ兵参加③ソマリア派兵ー3件について、基本法(憲法)に合致するかどうかを審理していた。

基本法は34条でドイツの集団安全保障機構への参加を認める一方、87a条で武力行使を自衛目的に限っており、社民党は「城外軍事行動は基本法のこうした規定に抵触する」として違憲提訴。ボスニア監視飛行については中道与党の自由民主党も、政府決定に反する異例の違憲提訴に踏み切った。

しかし、この日の判決は、国連安保理の決定を遂行するため、国連とNATO、西欧同盟(WEU)の枠内で域外行動に参加することは基本法24条によって認められるとの判断を示すとともに、派兵の決定に際しては、人道援助のための非武装の派兵を除き連邦議会の過半数の承認を取り付けることを政府に命じた。

判決はまた、域外行動中のドイツ軍が「強制的手段」をとることも許されるとして、武力行使行動への参加も事実上、容認している。

コール政権は湾岸戦争をきっかけに、「統一されたドイツがより大きな国際責任を引き受けるのは当然」として、戦闘を含む域外行動を可能にする改憲方針を打ち出した。だが、社民党は人道援助のためのPKO参加に限定した改憲を主張。対立が平行線をたどる中、政府はユーゴ紛争など、国際情勢の急変に追われる形で、改憲抜きの派兵に走った。

憲法裁は昨年、ボスニア上空監視飛行参加とソマリア派兵の差し止めを求める社民党の仮処分申請を、「中止すれば、ドイツ外交に重大な損失を与える」として相次いで却下していた。《共同通信》



7月12日のできごと