平成5577日目

2004/04/15

この日のできごと(何の日)

【イラク日本人人質事件】3人解放

イラクで武装グループに拉致され、人質となっていたフリーライター今井紀明さん(18)=札幌市西区=ら3人が15日、解放された。3人の健康状態は良好という。自衛隊のイラク撤退を求め、日本人を拘束するという前例のない事件は、発覚から7日ぶりに3人の解放にこぎ着けた。

川口順子外相は記者会見で解放を確認。帰国の段取りは「調整中だ」と述べたが、3人は16日中にも空路アンマンに移動する見通し。

解放を仲介したバグダッドのイラク・イスラム聖職者協会によると、武装グループは解放の理由について「日本で自衛隊撤退を求める世論が現れた」などとし、日本国民に自衛隊撤退を政府に働き掛けるよう求める声明を3人に託した。カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは15日午後(日本時間同日夜)、協会の事務所にいる3人の映像を放送した。

政府は今後、バグダッド郊外で14日に新たに拉致されたとみられる日本人フリージャーナリスト安田純平さん(0)=埼玉県入間市=ら2人の安否確認に全力を挙げる。またイラクを占領統治する米国などと連携し、3人を拉致した「サラヤ・ムジャヒディン(戦士旅団)」と名乗る武装グループの実態解明を急ぐ。

解放されたのは今井さんのほか、フォトジャーナリスト郡山総一郎さん(32)=東京都杉並区=、ボランティア活動家高遠菜穂子さん(34)=北海道千歳市。

武装グループは15日午前0時半ごろ、同協会の呼び掛けに応じて解放すると連絡。3人は午後2時半ごろ、バグダッドのモスクで協会倫に引き渡された後、日本大使館に移動した。

3人の家族は日本で解放を喜び、同協会のクバイシ師も「うれしい」と述べた。協会スポークスマンは安田さんら残る2人については「何の情報もない」と指摘。

3人は6日深夜、ヨルダンの首都アンマンをタクシーで出発したまま行方不明になった。アルジャジーラは8日、3人が拉致された映像を放映。グループは南部サマワに駐留する自衛隊の3日以内の撤退を要求、従わなければ3人を殺害するなどとしたが、日本政府は拒否した。

10日夜には、3人を24時間以内に解放するとした戦士旅団の声明が報じられた。その後は大きな動きがなく、家族の不安が高まっていた。《共同通信》

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【春の園遊会】


https://www.kunaicho.go.jp/

天皇、皇后両陛下主催の春の園遊会が15日、東京都港区の赤坂御苑で開かれた。各界の功労者や三権の長、在京の外国大使ら役2000人が招かれ、両陛下や皇族方と和やかに懇談した。

米大リーグで活躍する松井秀喜、イチロー両選手らのバットを作る職人の久保田五十一さん(61)=岐阜県=に天皇陛下は「テレビで松井選手のバットを作るところを見ました。ずいぶん苦心されているんですね」と声をかけた。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手は15日、パドレス戦に先発し5回を6安打3失点で2勝目(1敗)をマークした。パドレスの大塚晶則投手は九回に登板し3者凡退に抑えた。

メッツの松井稼頭央内野手はブレーブス戦で2打数1安打2四球で2得点。連続試合安打は4に伸ばした。マリナーズのイチロー外野手はエンゼルス戦で5打数無安打に終わり、連続試合安打は5で止まった。松井秀喜選手のヤンキースは試合がなかった。《共同通信》

【横山光輝さん】死去

「鉄人28号」「三国志」などの作品で知られる漫画家の横山光輝さんは、15日早朝、自宅で起きた火事でやけどを負い重体になっていたが、同日午後10時29分、東京都板橋区内の病院で死去した。69歳。神戸市出身。

1956年から雑誌「少年」に連載された「鉄人28号」が爆発的にヒット。その後「伊賀の影丸」「魔法使いサリー」などで人気が定着、漫画界のスターになった。70年代以降は、「三国志」や「徳川家康」など長大な歴史物が評判になった。91年「三国志」で日本漫画家協会賞優秀賞。

90年代後半から、病気や骨折などで闘病生活が続いたが、その後仕事を再開した。一時代を築いた「鉄人28号」のテレビアニメの新作が、今月からテレビ東京系で放送され、事故直前の15日未明には第2回が放送された。また、実写版映画の製作も進んでいた。《共同通信》

【この日の民主党】

「社会保障の信頼性損ねる事態」日歯事件で野田国対委員長

民主党の野田佳彦国会対策委員長は15日午前の会見で、日本歯科医師会会長や元社会保険庁長官ら7人が歯科医の診療報酬改定をめぐる贈収賄容疑で逮捕されたことについて、「社会保障の信頼性に関わる由々しき事態だ」と言及。衆議院厚生労働委員会での参考人質疑や集中審議を求めるとともに、「年金を含む厚生労働行政そのものを問う」として、社会保険庁や日本歯科医師会をめぐる種々の疑惑をさらに徹底して追及する意向を明らかにした。

[常任幹事会]日歯連疑惑追及本部設置など決める

民主党常任幹事会が15日、国会内で開かれ、冒頭挨拶で菅直人代表は、日歯連会長や元社会保険庁長官らが贈収賄容疑で逮捕されたことについて「国会審議の中でびっくりするほどの年金流用が問題となって社会保険庁のあり方が問われており、また日歯連は自民党の最大の政治献金団体であり、捜査の進展によってもっと拡大することも十分ありえる。この疑惑をそのままにして年金その他の論議を進めることはできない。民主党はしっかりと取り組み、国民の前に信用できる社会保険庁、厚生労働省、政治家の姿を示さなければならない」と強調。また、イラク邦人拘束事件について「新たなニュース(2人拘束)も入り、イラク情勢は一層悪化している。われわれは政権を持った時と同じ緊張感を持ってこの問題に当たっていかなければならない」と力説した。

会議では、(1)8日付でイラク邦人拘束事件対策本部(本部長=菅直人代表、事務局長=枝野幸男政調会長)を設置(2)日歯連疑惑追及本部(本部長=岡田克也幹事長)の設置(3)4月29日~5月9日の日程で菅代表を団長とする民主党欧米訪問代表団を派遣(4)次期参議院選挙公認候補者2人――などを承認・決定した。

日歯連疑獄解明に不退転の決意で取り組む」菅代表

民主党の菅直人代表は15日の定例記者会見で、前日に日本歯科医師会会長、元社会保険庁長官(元中央社会保険医療協議会委員)ら7人が贈収賄で逮捕されたことについて「歯科医師会は自民党の最大の応援団体。中医協の議論、政治の場で政策が歪められたとすれば重大なこと。政治家で歯科医師連盟と関係がとりざたされている政治家を参考人として招致し、集中審議が必要。不退転の決意で取り組む」とし、事件解明に全力で取り組むことを明らかにした。

また、新たに2人の日本人がイラクで拘束されたと見られることに関して、「大変心配な状況が重ねて起きた。3人に加え、今回の2人も無事に戻られることを願っている」と述べた。また、「(イラクに)行かれる人は、どれだけの人に迷惑がかかるかということも考えてもらいたい」などとした福田官房長官の発言について「政府が傍観者であっていいとは思わない。解決を目指す責任が国にはある」と批判した。

地方交付税改革へ市町村サミットと意見交流

「市町村サミット」の代表幹事である埼玉県志木市の穂坂邦夫市長と北海道ニセコ町の逢坂誠二町長が15日、民主党本部を訪れ、枝野幸男政調会長と松崎公昭地方自治体局長に「地方交付税改革」について同サミットがまとめた提言書を手渡し、意見交換した。

市町村サミットは、穂阪市長らが呼びかけて昨年10月に発足。地方からの政策提言と構造改革を目指す134の市町村長で組織されている。

提言書は、交付税の原資として所得税や法人税など国税5税の繰り入れ比率を高める/交付税を止め、自治体間の税収格差を均す目的に特化した「財政調整交付税」にする/公共事業の乱発につながる政策誘導的な交付税は減らす、などを提起している。

枝野政調会長は「党としても交付税改革には力を入れている。今後とも意見交換の場を設け。共同作業でまとめていきたい」と応じた。

[参院イラク特]斎藤議員、自衛隊活動の一時中断を要請

参議院イラク支援特別委員会で15日、川口外相らの政府報告を受け、民主党・新緑風会から斎藤勁議員が質問に立った。

斎藤議員はイラクでの3人の日本人人質事件、および新たに2人の日本人が拉致された問題について情報収集・捜査状況を質したが、川口外相は「いろいろな方法でできる限り確認したいと思っている」とするに留まり、大方の情報として安全であると認識しているにすぎず、具体的な手立てを講じられずにいる状況が明らかになった。

斎藤議員は、日本の事件と犯行形態が類似しているイタリア人拉致事件の人質の一人が、イタリア首相の自国軍撤兵拒否の発言の直後に殺害されたと伝えられている点を極めて重く受け止め、より積極的な対応と国民・人質家族への可能な限りの情報公開を川口外相に要請した。

斎藤議員はまた、陸上自衛隊宿営地近くに迫撃弾が撃ち込まれた事件に関連して、自衛隊員の安全確保を徹底するよう石破防衛庁長官に要請。同時に「イラク特別措置法8条5項にある『活動を実施している場所の近くで戦闘行為が行われるに至った場合や状況等に照らして戦闘行為が予測される場合』に当てはまるのでないか」とし、活動の中断を命じるべき事態に至っているという認識を示した。

邦人拘束事件対策本部、イラク内外の情勢を分析

第7回民主党イラク邦人拘束事件対策本部が15日午後、党本部で開催され、さらに邦人2名が拘束されたとの情報を整理し、アンマンからの藤田幸久国際局長のレポートを電話で聴取した。

枝野幸男事務局長(政調会長)は会議後、「イラクの状況はたいへん危惧される。人質解放まで時間がかかる可能性もある」と語った。また、在アンマンの国際局長からは「ヨルダンを含む近隣国のイスラム聖職者による犯人グループへの呼びかけのネットワークができつつあるのではないか」との報告があったことを明らかにした。

「人質解放を占領政策からの転機に」菅代表が緊急会見

民主党のイラク邦人拘束事件対策本部は15日の午後10時過ぎ、日本人人質3人が解放されたとの情報を受けて会合を開き、「イラクでの日本人人質の解放を受けて」とする代表名の談話を決定した。

会合後、緊急に記者会見した菅直人代表は「心から喜んでいる。人道支援に携わった、あるいは携わろうとした人であることが理解された、あるいは報道を通じて伝わったのではないか」とした上で、今後のイラク政策について「力による占領政策を話し合いで転換するチャンスではないか。米軍に自制を求め、話し合いによって新しい枠組みをつくるきっかけ。占領政策からの転換につなげるべき」と述べた。《民主党ニュース》



4月15日 その日のできごと(何の日)