平成2574日目

平成8年1月25日(木)

1996/01/25

【橋本龍太郎首相】議員辞職要求を拒否

国会は25日午前、参院本会議でも、橋本龍太郎首相の施政方針演説に対する各党代表質問が行われた。新進党、公明などでつくる平成会の大久保直彦会長と自民党の村上正邦参院幹事長が住宅金融専門会社(住専)処理策について政府の見解をただした。

大久保氏が、橋本首相の蔵相在任当時(平成2年3月)に出された土地融資に関する総量規制通達から住専を外したことへの責任を追及し、議員辞職金めたのに対し、首相は「景気回復を本格軌道に乗せ、わが国の金融システムの安定化、内外の信頼を取り戻すことで責任を全うしたい」と述べ、辞職要求を拒否した。

大久保氏は首相以外の蔵相経験者である林義郎氏と武村正義新党さきがけ代表の議員辞職も求めた。が、梶山静六官房長官は、「首相答弁と同じだ」とだけ述べ、同様に要求を拒否した。長尾立子法相は「不正が認められるような事実が明らかになった場合は法と証拠に基づき厳正に対処する」と述べた。

橋本首相が蔵相当時、農林系金融機関に対してノンバンクや不動産業への融資報告を求めなかったことについて首相は「ほかの通達で既に報告が求められていたからだ」と釈明した。

首相は、大蔵省から天下りした住専役員の報酬公開について「プライベートな問題もあって公開を控えたが、さらに検討する」と前向きに情報を開示する考えを示し「経営責任を徹底して明確にする」と強調した。村上氏が住専からの借り手責任の明確化をただしたのに対し、首相は「住専処理機構が法律上認められる回収方法で強力に整備できる態勢をつくる」と述べ、積極姿勢を示した。《共同通信》



【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は25日午後、国会答弁で眼鏡をかけるようになったことを記者団に指摘され、「国際会議などではかけていたんだけど…。(前の眼鏡は)度が合っていなかったので、ふだんは使っていなかったんだ」と説明した。自分の眼鏡姿については「眼鏡をかけて鏡をじっと見るような気持ち悪いことをするかい」と照れたが、「自分で選んだ」というだけあって、まんざらでない様子。続けて「眼鏡は良く見えるが、急に立った時は距離感が分からなくなるな」と付け足した。村山富市前首相の突然の退陣で急きょ首相になっただけに、眼鏡をかけても政局を見通すのは難しいと言いたげだった。

○・・・25日の衆院議運委理事会で新進党の中井洽筆頭理事-は「最近、議員の本会議出席がルーズになっている。各委員会でも過半数の出席がなかったりする。(本来なら)与党だけで過半数になるはず。こちらも朝の国会対策委員会で注意喚起した」と述べ、国会議員の出席率低下を嘆いた。前日の衆院本会議では、途中退席する議員に土井たか子議長が注意する場面もあり、中井理事の指摘を受けた与党側理事も「これからきちんと対応したい」と反省。与野党とも国会改革の重要性を訴えているが、一番必要なのは自分たちの意識改革では。《共同通信》

【陸上・高野進選手】現役引退を表明

陸上男子400メートルの日本記録保持者、高野進(34)=東海大講師=が25日、東京都内で会見し、「自分はずっと足が速いと思ってきたが、そう思えなくなってきた。アスリートのともしびが消え、スプリンターの高野は死んだ。未練はない」と心境を語り、引退を表明した。

同選手は五輪、世界選手権にそれぞれ3度出場し、1991年世界選手権(東京)で7位。92年バルセロナ五輪では8位に入り、日本短距離選手では60年ぶりの快挙を成し遂げた。

だが、日本選手には10年以上も負け知らずの高野も、同五輪後は限界を感じたという。一昨年の米国留学中から「死に場所を探していた」と振り返り「今後、後輩の指導のほか、何か新しいものを見つけ勝負していきたい」と抱負を話した。《共同通信》

【大阪ドーム】屋根持ち上げ

大阪のビル街に、銀色に輝く巨大UFOが出現!。世界初のマルチドームを目指して大阪市西区岩崎橋地区に建設中の大阪ドームで25日朝、直径132メートル、重さ5500トンの屋根を持ち上げる工事が始まった。

地上で組み立てたドーム屋根をコンピューター制御の油圧ジャッキで約49メートルの高さまでつり上げ、建物本体に接続しようという作業。工事関係者ら約300人が見守る中、午前7時にジャッキのスタートボタンが一斉に押されて作業開始。巨大な屋根がゆっくりと上がり始めると、安どのため息がもれた。上昇速度は1時間に6メートルで、工事が終わるのは25日の午後7時ごろになる。

総事業費は約682億円。大阪市などが第三セクター方式で、平成6年7月から建設していた。オープンは9年3月で、プロ野球の近鉄バファローズの本拠地となる予定。収容人員は5万5000人で、東京ドーム(同5万6000人)に次ぐ日本第二の規模のドームとなる。《共同通信》

【新幹線500系】報道陣に公開

JR西日本が日本の鉄道史上最高の時速300キロ営業運転を計画している新型新幹線(500系)の全16両の車両編成が終わり、博多総合車両所(福岡県那珂川町)で25日、運転席など車内が報道関係者に公開された。

新型新幹線は1月末から走行試験などのため山陽新幹線に登場。順調に行けば年末から年始にかけ臨時列車として走行する。新型新幹線の横には、新型車両のベースとなった走行試験車両のWIN350、のぞみなど歴代の新幹線が並び、世代交代を印象付けた。

騒音対策を施した新型新幹線は、先頭車両の流線型の長いノーズが大きな特徴。運転席は戦闘機のコックピットのように盛り上がり内部はかなり狭くなっている。《共同通信》

【宮内庁・鎌倉節長官】「女帝」検討しない

19日付で就任した宮内庁の鎌倉節長官は25日、定例記者会見で女性皇族の皇位継承についての考えを問われ「女帝を検討する考えはない」と言明した。

鎌倉長官は「皇位の継承については現行制度がきちっとしており、制度が働かない事態ではない」とした上で「世間で(女帝について)いろいろ意見があるのは認識しているが、法改正という意味で考えていることはない」と述べた。

また雅子さまの懐妊問題について鎌倉長官は「立ち入ったことはプライバシーの問題になる。結婚後2年以上が過ぎたからどうこうするという空気は(宮内庁に)ない」と静観する姿勢をあらためて示した。

皇位の継承については皇室典範第1条で「皇統に属する男系の男子たる皇族が、これを継承する」と規定。現在の皇族では皇位継承順位1位の皇太子さま、同2位の秋篠宮さまより下の世代での皇位継承権者はいない。

30年間男児が誕生しておらず、男女平等の観点からも「女性にも皇位継承権を認めるべきだ」という論議が続いている。

平成4年4月の参院内閣委では加藤紘一官房長官(当時)が「皇室制度は歴史と伝統に基づいており、これを守ることと男女平等を目指すことは矛盾しない」と答弁。当時の宮内庁次長は「現在女帝を考えなければならない状況ではないが、将来の問題としては研究を続けてまいりたい」と答えていた。《共同通信》

【オウム真理教・麻原彰晃被告】初公判は4月18日

東京地裁(阿部文洋裁判長)は25日、オウム真理教の教祖麻原彰晃(本名松本智津夫)被告(40)の初公判を4月18日午前10時から開くことを正式に決定した。8回目の期日まで指定、この間に起訴された全事件の罪状認否や検察側冒頭陳述、同意証拠の調べなどの冒頭手続きを終えたいとしている。私選弁護人解任問題などで揺れ続けた初公判問題は、昨年5月16日の逮捕以来約11カ月ぶりに裁判に入ることで決着した。

同日開かれた同地裁、東京地検、弁護団の三者協議での合意を受けて決まった。弁護団によると、できるだけ遅い開廷を希望していた麻原被告もこの日程を了承しているという。地検側は4月以降、公判部の検事を数人増員して同被告の公判に対応する。《共同通信》(後日延期に)

【北朝鮮】政治犯20万人

昨年12月、第三国を通じて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から韓国に亡命した元政治犯収容所軽微隊員の崔ドンチョル氏(29)は25日、ソウル市内で記者会見し、北朝鮮には11カ所の政治犯収容所があり、1カ所が約2万人、全国で計約20万人の政治犯が収容されていると語った。

また、その後従事した咸鏡北道穏城郡のタバコ栽培所では、副業としてアヘンの材料のケシを栽培していた、と暴露した。

崔氏によると、故金日成主席は1991年に食糧問題などについて「人民はトラジ(キキョウ=根を食用に利用)を植えて自ら解決せよ」という指示を下したが、この「トラジ」は実は「ケシ」のことを指していた。

ケシの栽培は92年春から行政機関や企業でも副業として行われ始め、穏城郡のある史跡管理事務所では93年に一級品2キロ、二級品5、6キロを生産した、と聞いたという。

また同様に記者会見した北朝鮮亡命兵士の崔グァンヒョク氏(25)によると、北朝鮮軍の食事事情は困難になり、一日800グラムという規定の主食は650グラムに減少、一日7本ずつ支給されていたたばこも、昨年9月からは供給が中断している。

崔グァンヒョク氏は昨年12月に非武装地帯を越えて韓国へ亡命したが、亡命後1カ月間で体重が14キロ増えたという。《共同通信》



1月25日のできごと