平成2568日目

平成8年1月19日(金)

1996/01/19

【社会民主党】日本社会党が改称

社会党は19日、党本部で第64回定期党大会を開き党名の「社会民主党」への変更と、新しい綱領と規約に当たる「基本理念と政策の基本課題」と「党則」を満場一致で正式に承認した。これにより、社会党は50年の歴史にピリオドを打ち、村山富市氏を「党首」とする社会民主党として、新たな政治勢力結集へスタートを切った。

役員人事については、主要ボストを村山党首支持派と新党推進派がボストを分け合い、いずれも無投票で決定。書記長に代わる幹事長には新党推進派の佐藤観樹元自治相、政策審議会長には伊藤茂元運輸相、国会対策を担当する院内総務会長には池端清一前国土庁長官の就任が決まり、副党首には野坂浩賢前官房長官、久保亘蔵相ら計5人が就任。

村山氏は午前中のあいさつで「政権を担い得るもう一つの党」と、「新しい政治努力の結集」を強調。締めくくりの答弁でも「内外の情勢が変化した中で、いつまでも同じ考えでは進歩がない」と、党の55年体制からの脱皮を訴えた。

その上で、村山党首は次の総選挙に向けて新党さきがけとの新党づくりを急ぐ考えを示した。同時に「志を同じくするものがある程度の議席を確保することが必要で、新党が間に合わない場合はどう協力するか、選挙戦術も考えなければならない」との認識を明らかにした。

大会で決定した「基本理念」は、原案を一部修正し「日本国憲法の掲げる理念を守り創造的に発展させる」と護憲の立場を強調。①過去の植民地支配と侵略戦争の反省と謝罪を強調する「歴史認識」②「大きな自治体・小さな政府」を目指す「市民主権の政治」―などを柱としている。「党則」は、党を社会民主主義者、リベラル勢力などさまざまな人びとが参加する「民主主義の共同の家」「開かれた市民の政党」と規定している。

大会では、党名変更に慎重な代議員から「戦後50年間の歴史ある社会党の姿とは似ても似つかない党に解体するものだ」と厳しい批判が出される一方、推進派の代議員からは「新党づくりはこれからだ」と、新党結成大会を先送りした村山氏らの姿勢を疑問視する声も上がり、党内事情の複雑さをあらためて露呈。村山氏の指導力が今後問われるのは確実だ。《共同通信》



【大相撲初場所】13日目

大相撲初場所13日目(19日・両国国技館)横綱貴乃花は関脇琴綿をはたき込みで退け13戦全勝、大関貴ノ浪は左四つから朝乃翔を寄り切り1敗守った。14日目に貴ノ浪が大関武蔵丸に敗れ、貴乃花が関脇魁皇に勝てば2場所ぶり12度目の優勝が決まる。

武蔵丸は北勝鬨を押し出し、魁皇は上手投げで湊富士を下し、ともに9勝目。新入幕の玉春日は智ノ花に敗れ3敗目。新小結で勝ち越しを狙った土佐ノ海は旭豊の下手ひねりに屈し、小結武双山は剣晃に寄り倒され5敗目。十両は若隼人が9勝4敗で単独トップに立った。《共同通信》

【日野不倫放火殺人事件】地裁、被告女性に無期判決

妻子ある同僚男性との交際のもつれから、男性宅に放火、幼児2人を焼死させたとして殺人と現住建造物等放火の罪に問われた東京都日野市、元会社員A子被告(29)の判決公判が19日、東京地裁八王子支部で開かれ、豊田健裁判長は「攻撃の対象を罪のない子供に向けたことは許されない」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。

同僚男性については「長期間不倫を続けた非は、A子被告と比べものにならない。裏切られて捨てられた被告の立場、心情は哀れ」と断罪した。《共同通信》

【VX襲撃事件】オウム・麻原被告ら再逮捕

平成6年12月から7年1月にかけて、東京都内の駐車場経営Mさん(64)と「オウム真理教被害者の会」会長永岡弘行さん(57)が猛毒の有機リン系化合物VXで相次いで襲撃された2件の事件で、警視庁築地署捜査本部は19日、殺人未遂容疑で教祖の麻原彰晃被告(40)をはじめ教団幹部ら8人を再逮捕した。

また同容疑で信者高橋克也容疑者(37)=地下鉄サリン事件で特別手配=の逮捕状を取った。麻原被告の逮捕は両事件で12、13回目。調べに対し、麻原被告は黙秘し、ほかの7被告は容疑を認めているという。

Mさんは教団を脱会した元女性信者の一家5人を自宅に一時保護、永岡さんは出家信者の脱会支援活動をしていたことから、捜査本部は、教団に対立する人物を狙った連続個人テロ事件として全容解明を進める。

再逮捕されたのは、麻原被告と、元自衛官の信者YA(30)、元幹部井上嘉浩(26)、同遠藤誠一(35)、幹部新実智光(31)、同中川智正(33)、同HS(30)、同土谷正実(31)各被告の計8人。

調べによると、麻原被告らは平成6年12月2日朝、東京都中野区のMさん方自宅前で、MさんにVXを噴きかけて意識不明の重体にさせ、さらに昨年1月4日午前、港区南青山の自宅を出た永岡さんの首筋にVXをかけて重体にさせた疑い。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は19日、就任後1週間の感想を記者団から聞かれ「目が回ってる。本当にすごいよ」と激務ぶりを訴えてみせた。「それと、警備をどうやってまこうかと考えてる。(本人が)いる前で言っちゃあいけないけどね」と、四六時中寄り添う警護官をダシにするちゃめっ気も。この日も、普段は首相は使わない来客用の出入り口を通って執務室から外に出て、警護官を慌てさせたばかり。その際は「あっちから出た方が早かったんだ。悪い、悪い」と謝ったというが、反省のそぶりなし。この一週間で目を回しているのは警護官の方。

○・・・新党さきがけの武村正義代表はこの日開かれた社会党大会で来賓としてあいさつ、「この会場での大会に招かれるような(深い)関係になったのかな」と、蜜月ぶりを強調した。さらに村山富市前首相の退陣劇について「敵前逃亡だとの批判もあるが、歴代首相で余韻を残して辞めた人はいない」と、辞めっぷりの良さを褒めちぎった。ただ「辞めた首相の支持率というのも変な話だが、村山さんは辞めてから人気が上がっている珍しい首相。珍しい辞め方だ」と感心して見せるに至っては、蔵相を辞めても評判の回復しない自分自身への嘆き節とも聞こえた。《共同通信》

【宮内庁】新旧長官が会見

約7年半にわたり宮内庁長官を務め、昭和から平成の代替わりや皇太子ご成婚などに携わった藤森昭一氏(69)と、後任の鎌倉節長官(65)が19日、宮内庁で記者会見した。

藤森前長官は「(皇室への)ご奉仕に欠けることがあったのではないかだけが心配です」と述べ、中国の古典から「重大な任務を与えられた時は、三回礼をして恭しく進み、去る時は一回礼をして速やかに去るベきである」という言葉を引いて、宮内庁を離れる心境を明らかにした。

鎌倉新長官は「象徴天皇制と国民の関係は戦後50年を経て定着したが、意識の多様化で難しい時代になっている。国民と苦楽を共にする皇室の活動が良く理解されるように進めていきたい」と抱負を述べた。

藤森前長官は、昭和の終わりを振り返り「荘厳な落陽を拝するような感概で、生涯消えることはない」と述べた。代替わりの大嘗祭の際、悠紀田の儀を終えた天皇陛下の表情が、一変して威厳に満ちていたことに感銘を受けたという。

皇太子さまのお妃選びでは「殿下の考えをうかがい、できることは何でもやろうと考えた。眠れない夜もあった」と打ち明けた。《共同通信》

【池田行彦外相】米・クリントン大統領と会談

訪米中の池田行彦外相は19日朝(日本時間同日深夜)ホワイトハウスで、クリントン大統領と会談した。

外相は「日本は日米関係を最重視しており、4月の大統領訪日を何としても成功させたいと橋本龍太郎首相も考えている」と伝え、大統領も「日米関係は多角的で、重要な関係だ。4月に橋本首相と一緒に仕事ができることを楽しみにしている」と述べ、訪日に向けた両国の協議を深めることで一致した。

また外相は「大統領の訪日は二国間関係のみならずアジア太平洋地域にとり重要なステップだ」と述べ、大統領も賛意を示した。

この後、池田外相は国家安全保障会議(NSC)のレーク大統領補佐官と会談し「沖縄の施設区域に関する特別委員会」の作業について「秋までに具体的な成果を見いだしたい。大統領訪日までに(沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小策)の明確な方向性を示す必要がある」と指摘。

レーク補佐官は現在の日米関係について「大変良い状況にある」と評価。米国の中国政策については「中国を封じ込めることではない」と述べた。《共同通信》

【客船アブラジア乗っ取り事件】武装団、トルコに投降

トルコからの報道によるど、同国の黒海で起きた客船「アブラジア」乗っ取り事件で、犯人の「チェチェン出身」を名乗る武装団は、事件発生から4日目の19日夕(日本時間20日未明)、ボスポラス海峡北側の海域でトルコ海軍当局に投降した。ロシア人乗客を中心とした人質約240人も無事保護された。

武装団は当局側との交渉の末、携帯していた自動小銃や爆薬を海中に投げ捨て投降した。治安当局は犯人グループをイスタンブールの警察本部に連行し、取り調べている。

武装団はいずれもトルコ人とみられ、当初はリーダーのモハメッド・トクジャン以下8人とされていたが、10人との情報もある。イスタンブール市当局者の話では、人質は乗員、乗客計242人で、このうち125人がロシア人とウクライナ人だった。

犯人側の1人は投降直前、トルコのテレビ局に対し「われわれの目的は達成した」と語っており、犯行の狙いがチェチェン人武装勢力への攻撃を続けるロシア政府に対する抗議の姿勢を国際的にアピールすることにあったことを明らかにした。《共同通信》



1月19日のできごと