平成2573日目

平成8年1月24日(水)

1996/01/24

【新進党・小沢一郎党首】早期解散、総選挙迫る

国会は24日午後1時から、衆院本会議で橋本龍太郎首相の施政方針など政府4演説に対する代表質問の1日目を行い、新進党の小沢一郎党首が一番手で政治方針を表明し、最大の争点である住宅金融専門会社(住専)問題などで首相の見解をただした。

小沢氏は住専処理のための6850億円の公的資金導入について①予算化の根拠が不明確②住専問題全体の解決策が示されておらず、最終的にどれだけ血税が注ぎ込まれるか全く分からない−と批判。平成8年度予算案からの削除を要求、橋本内閣との対決姿勢を強調した。

さらに昨年末の党首選で提唱した「消費税率10%」「国連警察部隊創設」構想をあらためて訴え、自社さ3党の連立政権との対立軸を解明に示した。また今回の政権交代を「たらい回し」批判し「橋本政権の任務は憲法政治の観点からしても選挙管理内閣だ」と早期衆院解散・総選挙を迫った。

消費税問願で小沢氏は、来年4月から実施予定の5%への引き上げを「日本経済に大きな打撃与え、最気回復を一層困難にする」と批判。その上で、不況からの脱却の10年計画として国債増発による先行投資と所得税・住民税の半減と法人税の引き下げを提案。消費税率については「自社さ連立政権のように無為無策を続けるなら、欧州諸国のような20%どころか、それ以上の高い水準になる。大胆な構造改革を進めていけば、10%に抑えることができる」と持論を展開した。

国際貢献では「各国の主権から独立した常設の国連警察部隊を創設するよう働き掛け、日本も積極的に参加する」と表明。政治と宗教にかかわる憲法20条の政府見解見直しの動きについては「日本の民主主義の土台を揺るがす極めて危険な策動であり、人権抑圧のファッショ的暴挙だ」と与党を強くけん制した。《共同通信》

国会は24日午後の衆院本会議で、橋本龍太郎首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党の代表質問を行った。首相は今国会最大の焦点の住宅金融専門会社(住専)処理問題で、公的資金導入を8年度予算案から削除すべきだとの小沢一郎新進党党首の主張に対し「国民の理解を得るべく全力を尽くす」として、削除は考えていないと言明、小沢氏が要求した衆院の解散・総選挙についても否定した。

首相は住専処理策に国民の反発が強いことを踏まえ、不良債権など住専の経営実態の情報開示や、政治や行政を含めた責任の明確化に「政府として最大限の努力をする」と強調した。住専への巨額な貸し付けを行った農林系金融機関について、首相は「抜本的な見直しと大胆なリストラが必要」との認識を示した。久保亘蔵相は大蔵省の責任について「金融行政について総点検を行い、責任を明確化していく」と述べた。

首相は新進党が求めた衆院解散・総選挙について「予算案の早期成立、沖縄米軍基地問題など問題が山積しており、政治の空白をつくることは許されない」と、要求を突っぱねた。

首相は6850億円の公的資金投入を含む政府の住専処理政策について「金融システムの安定と内外の信用確保、景気を本格的な回復軌道に乗せることなどから決めた」と説明。佐藤観樹社民党幹事長が与党の立場から責任の明確化を迫ったのに対し、首相は「借り手側に対してあらゆる回収手段で対処する。住専の経営者責任の徹底的な明確化や、母体行に法的問題が生じれば刑事、民事両面での厳正対処が必要だ」などと述べ、住専問題の解明、責任追及に積極的に取り組む姿勢を示した。

小沢氏が村山富市首相から橋本首相への政権校行を「たらい回し」と厳しく批評したのに対し、首相は「村山前首相の退陣後、3党が改めて政策合意した。野合との批判は当たらない」と政権の正統性を強調した。

沖縄の米軍基地問題で首相は、新進党の愛知和男政審会長の質問に「沖縄の人の苦しみ、悲しみに最大限の心を配った解決がどうしても必要だ」と述べ、4月に予定されるクリントン米大統領来日の際に、一定の方向性を明確にする意向を示した。《共同通信》



【野球殿堂入り】衣笠祥雄氏、藤田元司氏

野球殿堂入りを決める野球体育博物館の競技者表彰委員会が24日、東京ドーム内の同博物館で開かれ、前巨人監督の藤田元司氏(64)と元広島の衣笠祥雄氏(49)が殿堂入りを果たした。

表彰委員238人による記名投票(10人までの連記)の結果、藤田氏は199票、衣笠氏は188票を得て、当選に必要な174票(有効投票総数の75%)を上回った。

藤田氏は巨人のエースとして2年連続最高殊勲選手に輝いたほか、巨人軍監督としても通算7シーズンで4度のリーグ優勝を達成した。

広島で23年間プレーした衣笠氏は「鉄人」のニックネームを持ち、米大リーグ記録を上回る2215試合連続出場記録を樹立。87年には国民栄誉賞を受賞した。

競技者表彰はこれで49人となり、各分野の功労者を選ぶ特別表彰も含めた殿堂入りは計119人。ことしの特別表彰委員会は2月6日に開かれる。

藤田元司氏 面はゆいというか、自分ごときがという感じです。殿堂ははるかかなたにあり、身近なものとは思わなかった。いいレールに乗せてもらって野球にかかわり、一生懸命、野球ができました。後悔することなく幸せな野球人生を送れた。楽

衣笠祥雄氏 先輩方に申し訳ないです。これで選手としての一つの区切りがついた。やってきたことが正しかったという答えをいただいた。まさかこういう日を迎えるとは考えてもみなかった。けがをしても深刻になったことはなかったし、どこか楽天的にやってきたと思う。《共同通信》

【大相撲・貴ノ浪関】故郷に凱旋

「よっ、貴ノ浪、日本一」。大相撲初場所で初優勝を飾った大関貴ノ浪関が24日、故郷の青森県三沢市に凱旋した。祝賀パレードでは、沿道の市民らが郷土のヒーローに熱い声援を送った。

パレード出発地点の同市役所には、数百人の市民が「おめでとう」「こっち向いて」とオープンカー代わりの航空自衛隊三沢基地のジープを取り囲み、車が前に進まないほどの混雑。この日は時折ふぶく真冬日だったが、大関は「雪が降った方がふるさとらしくていい」と、羽織とまげが雪で真っ白になりながら笑顔で声援にこたえていた。

パレードに先立って、米軍三沢基地内の小学校を訪問。生徒や米兵らの「オメデトウ」の歓声に迎えられた大関は力自慢の体育の先生と相撲を取るなどのサービスをした。子供から「結婚してますか」との質問には「(付き合っている女性について)マスコミの前では言えませんが、まだ結婚はしていません」とちゃめっ気たっぷりに答えていた。《共同通信》

【東京都】「ダンボールハウス」強制撤去

東京都は24日午前、新宿駅西口地下通路に「動く歩道」を建設するため、警察官の厳重警備の中、予定地で寝泊まりしている路上生活者(ホームレス)の「段ボールハウス」約100個余りを撤去し、ホームレスを強制撤去させた。夕方には歩道設置用地の仮囲いが完了、26日から土木工事などに入る。《共同通信》

【臼井日出男防衛庁長官】米・モンデール駐日大使と会談

モンデール駐日米大使が24日、臼井日出男防衛庁長官を訪ね、沖縄問題などについて話し合い、沖縄の米軍基地整理・縮小問題に絡んで早期に進展を図ることを再確認した。また同大使は、4月のクリントン米大統領と橋本龍太郎首相との日米首脳会談の数日前にも、米国のペリー国防長官が来日する意向であることを臼井長官に伝えた。

沖縄問題でモンデール大使は「日米の特別行動委員会を中心に丁寧かつ慎重に進展を図る必要がある。沖縄が戦略的に重要な位置にあることも事実で、最善の解決策を見つけたい」と述べた。

これに対し臼井長官は、日米首脳会談で一定の方向を出せるようにしたいとした上で「沖縄が日本の安全のために過剰な負担を強いられていることを本土の人たちにも理解してもらうよう説得の努力をしたい」と答えた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は24日、公邸で初めての朝を迎えた。首相就任からホテル住まいが続き、前日に引っ越したばかり。朝一番、記者団に公邸の住み心地を問われた首相は「疲れているけど、ホテルよりなごむ。子供が隣で宿題をしている姿を見るだけでもね」と子煩悩ぶりをのぞかせた。トラック2台分の段ボール箱はほとんど手つかずの状態」(首相周辺)という。「秘書官は今度の土曜日、僕に休みをくれると言うけど、女房は僕を引っ越しの片付け要員としか考えてないよ」とぼやきながら恐妻家の一面もちらり。

○・・・衆院予算委の自民党筆頭理事の深谷隆司氏はこの日、住宅金融専門会社(住専)問題の実態解明について「与党から政府に情報開示を求め、野党にも協力を求める」と記者団にぶち上げた。返す刀で「野党が協力しないというなら、景気回復のために大切な来年度予算の審議も住専問題の責任追及もやらないということだ」と予算委の日程協議で対立している新進党をばっさり。「参考人招致や証人喚問も辞さない」とボルテージは上がりっぱなし。村山改造内閣の自治相から古巣の予算委に復帰したばかりだが、早速「武闘派」ぶりを発揮していた。《共同通信》

【オウム真理教・村岡達子代表代行】「尊師に代わる人はいない」

オウム真理教の村岡達子代表代行(45)は24日、成人信者に対する人身保護請求に伴う審問のため大阪地裁に出廷、麻原彰晃被告(40)について「最終解脱者は麻原尊師だけで、尊師に代わる人はいない」とした上で「教団は今後も宗教活動を続けていく」と証言した。

麻原被告の逮捕以来、教団最高責任者の代表代行が、同被告の教団での位置や教団の今後についての見解を公の場で話すのは初めて。既に東京高裁が宗教法人解散を決定、公安調査庁が破壊活動防止法の団体適用手続きを進めているが、村岡代表代行の証言は麻原被告を最高指導者として活動を続けようとする教団側の意向をあらためて示したとみられる。

また、村岡代表代行は「今は教団が望むと望まないとにかかわらず(強制された解散の)方向に向かっている」との認識を示した。東京地下鉄サリン事件などへの教団の関与については「公判中で、答えられない」とし、教団内での薬物使用は「確証はない」などと明確な答えを避けた。《共同通信》

【東京国税局】石井ふく子氏を告発

東京国税局は24日、架空の経費計上で3年間に約6億3700万円の所得を隠したとして法人税法違反(脱税)の罪で、テレビ番組制作会社「邑」(旧ストーンウエル)と、同社前社長の石井ふく子プロデューサー(69)を東京地検特捜部に告発した。

告発を見送った分を含めると、同国税局は平成6年12月期までの5年間に総額約9億8000万円の所得を隠したと認定したもようだ。 石井プロデューサー自身が番組制作費の請求書偽造など脱税工作を実行したことを認めているとされ、既に修正申告している。追徴税額は重加算税を含め約4億8000万円に上るとみられる。

関係者によると、告発されたのは平成3年12月期と5年12月期、6年12月期の通算3年間。 石井プロデューサーはこの間、実在の社員だけでなく社員以外の者の名義を使って給与を架空計上した。

さらに、領収書や請求書を偽造、番組制作に使う大道具類やビデオテープなどを新たに購入したり、海外ロケ費に使ったように装うなどして同社の所得約6億4000万円を隠し、法人税1億5200万円を脱税したとされる。

石井ふく子プロデューサーが告発されたのを受け、TBSは24日、4月から同局系で放送を予定している連続ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」から同プロデューサーを降ろすことを決めた。また石井プロデューサー側からも同日、番組を降りたいという申し出が同局に対しあったという。番組自体は予定通り放送する。《共同通信》

【作家・結城昌治さん】死去

「軍旗はためく下に」などの作品で知られる直木賞作家結城昌治氏が24日午前7時54分、呼吸不全のため東京都世田谷区の自宅で死去した。68歳。東京都出身。

検察事務官出身。昭和34年にミステリーの短編小説コンテストに入選。「夜の終る時」で日本推理作家協会賞、45年に「軍旗はためく下に」で直木賞を受賞した。《共同通信》



1月24日のできごと