平成2567日目

平成8年1月18日(木)

1996/01/18

【オウム真理教】初の弁明手続き

オウム真理教に対する破壊活動防止法(破防法)の団体規制(解散指定)の適用請求を進める公安調査庁は18日、東京・霞が関の法務省別棟で教団側の反論を聴くための弁明手続きを開いた。

開会宣言前の冒頭撮影中、教団側代理人がテレビ中継などによる全面公開を求める意見を陳述。教祖麻原彰晃被告(40)抜きでの弁明手続きは不当だと追及し、一時紛糾した。

公安庁側はその後、官報公示した請求理由の告知に移ったが、教団側は請求理由の内容について次々に釈明を求め、昭和27年の破防法施行以来、初の弁明手続きは冒頭から波乱含みの展開となった。

弁明手続きには教団側から村岡達子代表代行(45)と代理人の弁護士3人が出席。教団側は麻原被告の出席を求めたが、この日は認められなかった。公安庁側は同庁長官が指定した堀江信之総務課長ら3人が受命職員として出席し、教団側の指定した大学教授ら4人が立ち会った。

開会宣言前の冒頭撮影中、教団側代理人が「弁明手続きの透明性を担保するため」としてテレビ、ラジオの実況中継など全面公開を求める意見を陳述。公安庁側は①報道関係者の傍聴を認めている②公安庁職員の顔が放映されると不測の事態も予測される−などと認めない理由を説明した。

続いて教団側は、麻原被告の出席が見送られた経緯について説明を要求。公安庁側は「弁明したいという意思は尊重する。麻原被告側にはいずれかの段階で弁明の機会を与える必要がある」との見解を示したが、教団側は「裁判でも被告抜きで起訴状を朗読しない」などと納得しなかった。

さらに、教団側は「警視庁はどういう理由で麻原被告の出席に反対したのか」などと質問したが、公安庁側は回答せず「手続きを進めたい」として、請求理由の要旨の告知に入った。

教団側は請求理由の内容について①破防法は宗教団体への適用を予定していたか②公安庁が指摘する「政治目的」とオウム真理教の「教義」との関係は③地下鉄サリン事件などは政治目的を持った犯行ではないのかなどの点で説明を求める求釈明をした。

これに対し、公安庁側は「多岐にわたるので、後日書面で回答したい」として、この日の釈明を拒否した。《共同通信》

オウム真理教に対する破壊活動防止法(破防法)の団体規制(解散指定)適用請求を進める公安調査庁は18日午後も、教団側の反論を聴く弁明手続きを続行した。

午後1時半すぎに再開した弁明手続きでは、公安庁側が提示した証拠の要旨を午前中に引き続き朗読。処分の請求理由に沿って、教祖の麻原彰晃被告(40)を崇拝し続ける信者の証言内容を示した。

これに対し教団側は「証拠に供述調書など原資料が添付されていない」などとして調書の提供を要求したが、拒否する公安庁側と議論がかみ合わなかった。弁明手続きは一時間余で終了した。

公安庁側は証拠の要旨の中で「サリンが残っていれば、逮捕されていない残りの幹部が、尊師(麻原被告)やオウム真理教に追い打ちをかける者にサリン事件を再現するでしょう」「尊師から刑法に違反するようなことをやれと指示を受けたら、遂行します」など信者に対する事情聴取の内容を紹介した。

教団側は「調書の現物がなければだれが証言したのか、さらに本当に調書が存在するのかどうか分からないから、弁明は不可能」と証拠の信用性に問題があると主張。調書の提供を拒む公安庁側との議論は平行線たどった。

閉会直前、公安庁側が次回期日の調整に入ろうとすると、教団側が麻原被告の次回弁明手続きへの出席実現を要求。公安庁側の対応があいまいだったため、次回期日は決まらなかった。次回は、処分の請求理由に関して教団側が質問した点について、公安庁側が説明する予定だ。《共同通信》



【大相撲初場所】12日目

大相撲初場所12日目(18日・両国国技館)横綱貴乃花は寺尾の突っ張りを問題にせず寄り切り12戦全勝。大関貴ノ浪も小錦をはたき込んで11勝1敗とした。新入幕の玉春日は浜ノ島を突き落として10勝目を挙げたが、貴闘力は3敗目を喫した。大関武蔵丸は関脇魁皇の取ったりに敗れて8勝4敗。魁皇は勝ち越し。この日の結果、幕内は全勝の貴乃花を、1敗で貴ノ浪、2敗で玉春日が追う展開となった。《共同通信》

【菅直人厚相】ハンセン病療養所入所者に謝罪

菅直人厚相は18日、東京・霞が関の厚生省内で全国ハンセン病患者協議会の高瀬重二郎会長らと会い「らい予防法の見直しが遅れ、旧来の疫病像を反映した同法が今日まで存在し続けたことが、患者や家族の尊厳を傷付けたことに厚生省としても深く反省し、おわびしたい」と述べた。厚相がハンセン病の療養所入所者に謝罪したのは初めて。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は18日、自民党大会の感想を聞かれ「(党関係者は)自民党の政権復帰の時も喜んでいたが、今度は首相をとったということで本当に喜んでいましたね」とにっこり。大会では出席者から新進党を批判する発言が相次ぎ、さながら次期総選挙への総決起集会の様相。記者団が「大会では選挙への機運がみなぎっていたが」と水を向けたが、「僕自身(1月の首相就任は)予想していなかったから、遊説日程を入れていたので、今は調整が大変だ」と答えるだけ。就任以来ずっと多弁な首相だが、選挙の話となるとさすがに言葉数少なめに。

○・・・村山富市前首相(社会党委員長)は18日、自民党大会で来賓としてあいさつ。「年明け早々、首相を辞任する決意をした。責任逃れということではなく、より国民の期待にこたえる安定政権をつくるべきだと思ったからだ」と辞任に至った経緯を説明。「(自社両党が対立した)55年体制の時代とは違い、同じ土俵の中に入って政策を選択していく時代だ」と両党の蜜月関係を強調し、「橋本内閣は史上2番目の支持率をもって誕生し、非常に喜んでいる」と新政権を持ち上げると、2年半ぶりの自民党首相誕生の立役者だけに、会場からは万雷の拍手。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】次期総選挙で単独過半数

自民党は18日午前10時すぎから、都内のホテルで党大会を開き、橋本龍太郎総裁(首相)は「国民の理解を得てわが党の理想、政策を実現していくために単独過半数を目指すことは、党員・党友の一致した考え方であると思う」と述べ、次期総選挙で単独過半数獲得を目指すことを訴えた。

また橋本首相は、当面の最大の課題として「景気回復」を挙げ、「21世紀までの5年間に日本経済を再建していくためのシナリオ」を提起し、長期政権への強い意欲をにじませた。焦点の住専処理問題については、積極的な情報開示や責任の明確化により、国民の理解を得る中で解決していく意向を表明した。大田昌秀沖縄県知事と早期に会談し、米軍基地問題解決に意欲を示した。

来賓として出席した村山富市社会党委員長は、「橋本内閣の一翼を担う気持ちで全面的に支えていく」と支援する考えをあらためて表明。武村正義さきがけ代表も橋本政権にエールを送るとともに、新進党、創価学会との対決姿勢を強調した。

加藤紘一幹事長は「辛抱強く政策協議や国会対策を打ち合わせた与党3党の協力があればこそ、橋本政権が誕生した。信頼関係で協調していく」と述べ、与党3党の結束維持を訴えた。

大会では、次期衆院選について「特定の宗教団体が支配する政党に国政をろう断されてはならない。宗教独裁から国民を守る戦いだ」と位置づけ、新進党とその有力支持団体である創価学会との対決色を強く打ち出した平成8年の運動方針を採択した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】パキスタン・ブット首相と会談

橋本龍太郎首相は18日タ、公賓として来日中のブット・パキスタン首相と首相官邸で約1時間半会談した。橋本首相は国連改革について「グローバルな責任を果たす能力と意思を持った限定された数の国を常任理事国として加え、安全保障理事会の機能を強化すべきだ」と述べ、常任理事国拡大の必要性を強調した。

これに対し、ブット首相は「日本が常任理事国になることに問題はない」としながらも、常任理事国の枠拡大については①周辺国との紛争がないなど選考の基準を明確化する②枠は大きく拡大すべきではない−との考えを明らかにした。隣国のインドの常任理事国入りをけん制したものとみられる。

パキスタンが未加盟の核拡散防止条約(NPT)問題について、橋本首相は「インドとパキスタン双方に加盟してほしい」と要請。包括的核実験禁止条約(CTBT)についても「目下の最大の課題だ」として、早期妥結へ向けた協力を求めた。ブット首相は核問題に言及しなかった。

ブット首相は、インドとパキスタンが帰属問題で争っているカシミール紛争について、「日米などが両国の間を取り持ってくれるなら歓迎する」と述べ、日本などの働きかけに期待感を表明。橋本首相は対話による平和的解決の重要性を指摘するにとどまった。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】早期解散迫る

新進党は18日午後1時から東京・日比谷公会堂で第2回党大会を開き、小沢一郎党首は「政治不信を一日も早く晴らすため、憲政の常道に従い、衆院の解散・総選挙によって民意を問うことを迫っていく」とあいさつ、橋本龍太郎政権を早期解散に追い込む決意を表明した。

その上で政権奪還には「国民に提案する政策が大事だ」と強調。昨年12月の党首選挙で示した政策提言の「所得税・住民税半減−10年後の消費税率10%」を念頭に、「私の試案としての問題提起であり、基本的考え方を理解いただいた上で党内で大いに論議し、国家と国民のため新進党の政策として早急にまとめてもらいたい」と要望した。

政府が住宅金融専門会社(住専)問題処理に6850億円を予算化した問題について、小沢氏は「村山前政権の責任感と政治能力の欠如を露呈した」と厳しく批判。経営破たんを招いた事実関係や、当事者と政治・行政の責任の明確化が必要だと指摘し、「そのプロセスを経て、初めて処理の内容と方法を見つけることができる」と強調した。

また自民党が憲法20条(信教の自由)の解釈見直しと、政教分離法制定を目指していることに対して「断じて許すことができない」として対決姿勢を鮮明にし、村山富市前首相が予算案を国会に提出する前に退陣したことも「予算編成権の自己否定で、法に反する行為」批判した。《共同通信》

【ロシア・エリツィン大統領】「人質解作戦が完了」

ロシアのエリツィン大統領は18日夕、同国南部ダゲスタン共和国で展開していた人質解作戦が完了したと宣言、チェチェン人武装勢力に捕らえられていた人質は「82人が解放された」と発表し、作戦の成果を誇示した。 大統領は、武装勢力について「地上の勢力はすべてせん滅した」と力説した。しかし、発表によると、人質18人はなお行方不明とされる。

大統領としては人質救出により当初の目的を果たし、さらに武装勢力の鎮圧成功をうたい上げ「強い大統領」を演出、6月の大統領選に向けた再選戦略を始動させたい考えとみられる。 大統領は「ロシアの地からテロを一掃する」と述べ、今後、チェチェン共和国の武装勢力に対する全面的な制圧作戦を開始する決意を表明した。

今回の人質解放作戦は15日から大規模な重火器と兵力を投入して敢行。武装勢力の激しい抵抗で難航したが、17日から再び総攻撃をかけた結果、4日目でようやく終結をみた。 人質は作戦開始の時点で、100人以上とも約200人ともいわれ、正確な数は明らかではない。大統領は人質全体で何人の犠牲が出たのかには触れていない。相当な数が既に犠牲になっている可能性もある。

武装勢力は、ロシアからの独立を唱えるチェチェン共和国のドタエフ政権支持派。同政権報道部は大統領発表後の18日夕、ラドエフ部隊長の率いる武装勢力と人質100人以上が戦闘現場を脱出し、チェチェン領内に帰還した、と発表したが、事実かどうかは確認されていない。

工リツィン・ロシア大統領は18日、武装勢力がトルコの黒海で起こした客船乗っ取り事件について「重大な懸念」を表明するとともに、人質解放に協力するため対テロ特殊部隊をトルコに派遣する用意を表明した。大統領報道官が明らかにした。大統領は同日、プリマコフ外相と会談した際に検討を指示した。《共同通信》



1月18日のできごと